第三夜


 あの飲み物を飲み始めて3日目の夜が来た。俺は今夜も彼女のマンションを訪れていた。

「雄一さん、今日も来てくれたのね」

「そりゃあな、俺は君のことを『俺のこの人』だって決めたんだ。これ位の約束を守れなくてどうするってもんだ」

「そっか、ふふ、うれしい」

 小夜子は微笑みながら今夜もグラスにペットボトルの中身を注いでいた。グラスに注がれたそれは、黄色の飲み物だった。

「あれ、これって赤色とか橙色じゃなかったっけ」

「ううん、黄色よ」

「そうだったかな」

「じゃあ、乾杯」

「ああ、乾杯」

 いや、確かに昨日は黄色じゃなかった。一昨日だって。だがそれをもう一度小夜子に聞き正すことなく俺はゆっくりと口を付けた。
 ゼリーがゆるゆると喉を通っていく。それは体に染み入っていくような感触だった。そして徐々に体がかっと熱くなっていった。やっぱり今夜も……

 そして、再び睡魔に襲われた俺の意識は、そのまま遠くなっていった。





 気が付くと、俺はどこかにぼーっと立ち尽くしていた。

 ここは何処だ?
 
 辺りに人影の無いそこは、どうもどこかの学校の中らしい。体育館裏ってところか。

 俺は体を見下ろして自分の格好を確かめると、どうやら今度はセーラー服を着ているようだ。黄色のリボンを胸に付けた半袖の白いセーラー服、紺色のやや短めのスカート、足元を見ると紺色のハイソックスに運動靴を履いている。どうやら今の俺は女子高生になっているらしい。

「もう一度言おう。君と付き合う気はないよ」

 突然の声にはっとすると、目の前に男が立っていた。高校生か・・・これってもしかして俺が彼に告白したってことなのか。

「え、えーと」

 俺が何を話したら良いのか咄嗟にわからず言葉を詰まらせていると、再び男の口が開いた。

「まあショックなのはわかるけどね、だいたい僕と付き合おうなんて自分のことがわかっているのかい。ばかな女だ。ははは」

 俺は無性に腹が立ってきた。

「お前一体何様のつもりだ」

「ほぉ、大人しい女の子だと思っていたら意外と気が強いんだね。まあ、君の事は彼女たちに任せるとしよう」

 すると校舎の影から数人の女子高生が出てきた。

「小夜子ぉ、抜け駆けするとはいい度胸じゃないのよぉ」

「き、君たちは誰だ・・・」

「何言ってるんだ、あたしたちを馬鹿にしてるの」

 俺は彼女たちの一人にドンと肩を押されて、その場に突き倒された。

「きゃっ」

 きゃって、俺なんて声上げるんだ。

 倒れた俺のスカートが捲れ上がり白いショーツが顕わになる。

「はは、いい格好ね、二度とあたしたちに内緒で裕介さんに告白しようなんて気にならないようにお仕置きしてやるわ。いいわよね、裕介さん」

 裕介・・この男のことか。

 祐介と呼ばれた男はにやにやと笑っていた。

「ああ、君たちに任せるよ。僕はここで見ているから好きにするんだな」

 そ、そんなぁ

 彼女たちは倒れた俺に馬乗りになってくる。

「それ、剥いちゃおうよ」

 彼女たちは倒れている俺の手足を一人一人で抑えつけ、大の字に押し広げる。俺は彼女たちを跳ね除けようとしたが、全く力が入らない。

 女の子ってこんなに力がないのか。

 残った女の子たちは無言で俺のセーラー服を剥ぎ取っていく。リボンを引きちぎられ、上着をめくり上げていく。俺が身につけている白いすべすべしたスリップとブラジャーが露わになる。スカートのホックが外され、引き下ろされていく。

「ほら、これも脱ぐんだよ」

 心の隅で口の悪い女だなぁと思う余裕がこの時はまだあったものの、スリップも剥ぎ取られ、ブラジャーとショーツだけの格好になってしまうと、そんな余裕も無くなってしまった。

「悪かったからもう止めてくれよ」

「あら、口の利き方も知らないの。私が悪うございました。お姉さま小夜子を許してくださいって言いなさい」

 な、なにぃ

「そんなこと言えるかよ」

「ふふ、お仕置きが足りないようね。さあ、それも剥がしちゃいなさい」

 俺は腰をくねらせ必死に抵抗したものの結局ショーツもはがされてしまった。俺の下半身が露わになる。

「へぇ、もっと遊んでいるかと思ったんだけれど意外ときれいなのね」

 俺がそいつをにらんでいると剥がされたショーツをいきなり口に詰め込まれてしまった。

「んー、んー」

「あら、なに言っているのかしらね。さあて小夜子、これ何かわかる」

 それはペニスの形をしたバイブレーターだった。

 ひっ、まさか

「裕介さんの目の前であなたのアソコにこれを突っ込んでやるわ。バイブを入れられてヒーヒーよがる痴態を裕介さんに見せておあげなさい」

「ん、んんん、んんー(や、やめてくれ)」

 高校生の前で、そんな。俺は・・・

 しかし、彼女たちは聞く耳を持たなかった。

「さあ、始めましょうか」

 抑え付けられた俺の足が徐々に大きく広げられていく。それだけでも屈辱モノだが、広げられたおれの股間に一人がバイブを押し当てる。

「さあて、これが入るように準備してあげましょうか」

 バイブのスイッチが入れられブーンと震え始める。その振動が俺のアソコに伝わってくると気持ち悪いはずなのに奇妙な心地よさが湧き上がってきた。振えるバイブをアソコの周りにぴたぴたと撫でつけ、ぴったり閉じている部分にじっと押し当てられていると、その振動にじわじわと体の奥から込み上げてくるものをがある。

 俺のアソコもそれに合わせて徐々に口を開いているようだ。割れ目の中からツツツっと何かが溢れ出すのを感じた。

「気持ち良さそうじゃない。そろそろいいかな。じゃあおやりなさい」

 その声を合図にしてブルブル震えているバイブが俺のアソコにズズッ、ズズッと押し込まれていった。俺は自分の中に異物が入っていく挿入感を感じさせられ、それは気持ち悪さと同時に体の芯から熱いものを吹き上がらせていた。

「それ、最大振動にしてやりなさい」

 ブーン、ブーン、ブーン。

 アソコに根元まで入り込んだバイブの振るえが一挙に大きくなり俺のアソコをこねくり回す。

「ん、んーん、んんー」

 その刺激がおれの体を突き上げ俺は全身に広がる快感に体を弓なりに反らせていた。涙目になりながら目を裕介のほうにやると、彼はさも面白そうに俺のことをニヤニヤ笑いながら見ていた。でも俺にはどうすることもできない。くやしさと体中を駆け巡る快感の中で、俺は意識を失った。

「センパイ・・・」





 次の日の朝、俺は再び彼女のマンションで目が覚めた。

「あ、あれ俺また・・」

「うん、やっぱり寝ちゃった」

「そうか、あれってそんなにアルコールが入っているのかい。そうは思えないんだけれど。しかもまた何だか変な夢を見たような」

「ねぇ、ちょっと聞いていい?」

「ん? 何だい」

「あなた高校生の頃って楽しかった思い出ってある?」

「そりやいろいろあったに決まって・・・あれ、おかしいな何だったっけな」

「高校の頃の先輩ってまた会いたい?」

「うん立派な先輩がいて・・・ってあれ、何だかひどい先輩だったような・・いや、そんなことはないはずなんだが、何かあったっけな」

「あ、いいのよ無理に思い出さなくっても」

「うーん、何かおかしいなぁ」



(続く)

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