『幽体離脱〜ミルフィーユの少女たち〜
 作:嵐山GO


 第7章  恋の放物線(Rhythm Of Love)

 土曜日の午後、授業を終え校門を出てきた春日美結の身体に僕は
すぐさま入り込んだ。
「約束どおり、誰とも一緒じゃないんだね。ありがとう」
{まあね。私としては一刻も早くあんたに居なくなってもらいたいし、
いつでもどこでも入ってこられるなんて嫌で嫌で仕方ないの!}
「なんか色々と思い出してきたよ。例のラジオ局の男の人に
連絡してもいいかしら?」
{いいわよ。生徒手帳に名刺を挟んであるわ。それからさー、私の
身体に入ってきた時は大きな声で喋らないでって言ったでしょ。
独り言を言ってる変な人みたいじゃない!}
(あ、そうだったね。ごめん。数日振りに入ったから嬉しくてつい…)
 本当は嘘だった。昨夜も美結が寝入った所を見計らって、入り込み
濃密なオナニーを楽しんだのだ。

(じゃ、ちょっと携帯を借りるよ)
 名刺を取り出し、携帯の番号を押す。
 暫らく呼び出し音が続いて、局長という肩書きが印刷された先日の
男が出た。
「…ああ、覚えているよ。一緒にお昼を食べた記憶喪失の女の子
だったね? 何か思い出したのかな?」
 忙しい時間帯に掛けてしまったようだ…用件を急いでいるのが
伝わってくる。
「記憶喪失じゃないです。ちょっと度忘れして、その…お友達を
探している件ですが、 思い出したことがあるんです。去年の8月の
中頃…たぶん、お盆辺りだと思うんですけど、
あのイベント会場で何か…その、遺跡とか古代文明とかの催し物
ありませんでしたか?」
「去年の8月頃、どうだったかな?…ちょっと待って」
 男は一旦携帯を置き、誰か近くの同僚に聞きに行ったようだ。

「お待たせ。『世界七大文明展』じゃないかって言ってるんだが」
「七大…文明…あ、それです! それに間違いないです。その時の
関係者のスタッフの名前とか住所などのリストを頂けないでしょうか?」
「それは難しいなー。かなりの数だし、だいいち個人情報の漏洩だよ。
それは分かる?」
「分かります。でも何とかお願いします!」
「しょうがないなー。一般に公開されている簡単なものしか渡せないよ。名前と連絡先とか、ようするに入り口で販売していたカタログに
印刷されていたものと同じだ。いい?」
「カタログ…え、ええ。いいです。十分です。ありがとうございます。
それで いつまでにご用意出来ますか?」
「それくらいだったら今日中にプリントアウト出来るよ。じゃあ、
こうしよう。今度は こっちの条件だ。今晩、夕食を一緒に食べよう。
オーケー?」
「あ、はい…」
(美結ちゃん、いいよね?)
{しょうがないじゃない。後でお母さんに、晩ご飯いらないって
電話しなくっちゃ}

「そう、じゃあ約束だ。君の携帯の番号は履歴が残ったから、
後でこっちから 待ち合わせの場所とか時間を連絡する」
「分かりました。お願いします」
「ところで今、学校の帰りかい?」
「あ、はい」
「じゃあ、制服だね? セーラー? それともブレザー?」
「セーラー服ですけど」
「いいねー。じゃ、着替えないでそのままおいで。美味しいところに
連れて行ってあげるから」
 男はそう言うと携帯を切った。

「なんだろう? 制服のまま、おいでだって。未成年しか入れない
所に行くのかなー?」
{ばーか、それだったら、そのおじさんも入れないじゃない}
「あ、そっか…ま、いっか。一旦帰る手間も省けたし、ブラブラ
しながら時間潰して移動しようっか?」
{ブラブラとか、声に出して言わないの!}
「ごめんなさーい」
 僕は本屋で立ち読みしたり、ゲームセンターでプリクラを
撮ったりして連絡を待った。

「やぁ、悪かったね。お待たせしちゃったかな。ま、これでも
私としては早く出てきた方なんだけどね」
 5時を少し回ったところで、僕らは前回別れた同じ場所で
待ち合わせた。
「大丈夫なんですかー? お仕事」
「局長クラスともなれば時間はわりとフレックスなのさ。逆に
何日も家に帰れないこともあるがね。じゃあ、車を駐車場に
停めてあるから、そっちに移動しようか」
 僕は純な女の子のように3歩後ろから、黙って付いて歩いた。

(お腹、空いたなー)
{もうちょっとだから我慢しなさいよ。どんな料理かなー、楽しみ。
そうだ、食事の時はまた私と変わってよ。こんな機会、滅多に
ないし…}
(いいよ。でもちゃんと話しの調子も合わせててくれよ)
{分かってるわよー}

 男は千葉市内まで車を飛ばし、いかにも格式のありそうな
佇まいの料亭へと入った。
「わわーっ、千葉にもこんな所あるんですねー。テレビでしか
見たこと無かったけど…政治家とか会社の偉い人とかが赤坂で
行くお店とおんなじだー」
「はは、まぁ、そんなとこだね。実はこの店も赤坂の姉妹店
なんだよ」
 すぐに仲居さんが現われ深々と頭を下げた後、二人を案内する。
 まるで水族館のような大きな生け簀を右手に見ながら、
長い長い廊下を歩いて部屋に通された。

 部屋の広さは6畳程だろうか…高級感溢れる調度類に掛け軸…
外には坪庭も見える。
「嫌いなものあるかい? 例えば生ものとか、何かの肉が駄目とか」
「あ、私、なんでも食べられます。好き嫌い無いんです」
{ちょっとー、なに勝手なこと言ってんのよー}
(じゃ、あるの? 嫌いなもの)
{え? 別に無いけど…でも何があるのか知りたいもん}
(聞いたって分かるわけないじゃん。ここファミレスじゃないんだよ)
{そ、それもそうね…}

 男は仲居さんのお勧めなどを聞きながら、注文をし終えた。
「適当に頼んでおいたよ。この店は日本食だけでなく、洋風の
創作料理とかもあるから沢山食べておくれ」
「あの…でも、こういう所って高いんでしょ? それに…あの、
食事のマナーとかもあったりして…」
「言っただろう、若いんだから遠慮しなくていいって。それと
マナーも気にしなくていい、というかその為の個室だからね。
楽にしたらいいさ」
「ちょっと安心しました」

「じゃ、料理が来る前にこれを渡しておくか」
 男はおそらくはブランド物のバッグの中からファイリングされた
数枚の用紙を取り出す。
「あ、ありがとうございます」
 僕は受け取って、パラパラと捲ってみる…
「どう? 心当たりのありそうな名前の人はいそうかい?」
「ちょっと多すぎて分からないです。でもきっと、この中に…
家に帰ってからゆっくりとチェックしてみないと。これ頂いて
いいですか?」
「いいよ。でも私が渡したことは黙っていてくれると有り難いん
だけどね」
「もちろんです」

 暫らくすると、静かに襖が開けられ豪勢な料理が運び込まれてきた。
「うわー、凄い! 美味しそうー! 私、お昼も食べてないから、
お腹ぺこぺこで」
「後から君の大好きなデザートも来るし、さぁ、お腹一杯食べて」
「はーーーい」
{ちょっとー! 早く変わってよ!こんな大きな海老、伊勢海老
だっけ? 初めてなの。お願い!}
(分かった、抜けるよ。じゃ、そばに居るから会話に困ったら合図
してくれ)
 僕は約束どおり抜け、目の前に並べられた料理を見るだけと
なってしまった。

 どれ程の時間が経過したのか、美結はあれだけの量を食べた
後だというのに、さらにアイスや生クリームのたっぷり乗った
カット・フルーツにまで手を伸ばした。
「おおー、さすがに若いねー。ほとんど空になってしまった」
「うーーーん、ご馳走様でしたー。もう駄目ぇ、何にも入んない」
 たぶん食べ過ぎたのだろう、ちょっと姿勢を崩しながら天井に
向って手招きした。
「どうしたの? 虫でも飛んでるのかい?」
「あ、いえ! そうじゃないんです。ちょっと食べ過ぎちゃって」
 おそらく苦しいもんで、さっさと僕と交代してもらいたいのだろう。

(しょうがないなー)
 僕が美結の身体に入ると途端、身体の内部に異常を感じた。
「あ、あ、あのトイレ…お手洗いはどこでしょうか?」
「廊下の脇に数部屋置きにあるから、すぐに分かると思うよ。
大丈夫か?」
「はい。ごめんなさい! すぐに戻りますから」
 僕は部屋を飛び出し、トイレを見つけて駆け込んだ。

「食べ過ぎなんだよー。まったくもう。お腹は苦しいし、
口の中は甘ったるいし」
{ごめんねー。でも、あんなの今、食べとかないと次いつ
食べられるかと思ったら、つい}
「つい、じゃないよ、もう。おまけにこんな時でも便秘だし」
{言ったでしょっ。声に出さないで!}
(分かったけど、踏ん張る時は声、出るよ)
「ふんむっ! ううっ!」
{あ、駄目…それ、眠くなっちゃう…ああ…駄目よ…}
(ちぇ、勝手に食って、勝手に寝ちまったよ。お前は牛かっての。
ちくしょー、帰ったら今までで一番激しいオナニーしてやるからな。
覚えてろよ)
 僕は色んな不満をぶつける様に、さらに気合を入れて
力(りき)んだ。

「ごめんなさーい」
 僕はすっかり体力を消耗して、ふらふらの状態で部屋にたどり
着いた。
「大丈夫かい…お腹痛いのか?」
「もう平気です。ちょっと調子に乗りすぎました」
 僕は可愛くぺろっと舌を出し、愛嬌を振りまいて見せた。
「これ飲むかい? 食後の後の口直しの酒なんだけど、気分が
良くなるよ」
 テーブルの上はすっかり片付いて、中央に鮮やかな色の
ボトルとグラスが置いてある。
「私、お酒は飲んだことないですけど」
「そりゃそうだろう。未成年だからね。でも血色も悪いし、
ちょっとでも 飲めば楽になるかもしれないよ」
「…そうですね…」

(どうしよう…僕は甘いもの同様、お酒も駄目なんだ。でも
美結ちゃんはどうかな? 飲んだことあるだろうか? 今時の
高校生だもんなー。この身体に酒の免疫があれば問題ないん
だけど…)
「じゃあ、一口だけ飲んでみます…」
 ゴクッ
「あっ! 美味しいかも」
 甘すぎず、しかも酒独特のアルコール臭も味も感じなかった。
 しいていうならカリフォルニア・オレンジの濃厚な飲料に近い。
 ゴクン、ゴクン
 トイレで力み続け、喉が渇いていたこともあってグラス一杯分を
飲み干した。
「おい、おい。そんなに一気に飲んで平気かい? アルコール
度数は低いけど、 一応お酒だからね」
「ぷはーっ、え? あれ?…目が、あ…部屋が回ってるぅー」
「そら、言わんこっちゃない」
 僕はあっという間に酔いが回って、そのままうつ伏せてしまった。

「う…うーん…なんだろう…気分がいいい…ていうか 気持ちいい…
あーん」
 僕はゆっくりと目を開け、天井を見つめながら状況を把握
しようと試みた。
(あー、そうだ…ここは料亭だよ。たしか途中でお腹痛くなって、
トイレ行って…えーと、それから…お酒飲んだんだっけ…
あっ、あん、なんだか アソコがむずむずする)
「あっ、あんっ、ああ、あれ…局長さん…?」
 寝ている間に移動してきたのだろうか、男の頭が下に見える。
(下? 頭?? なんで…あ、気持ちいい…もしかしてアソコを
舐められてる?)
「目が覚めたかい? 気分はどう?だいぶ良くなってきただろう?」
「え、あ…はい。でも私、なんでこんな格好…」
 改めて上体を起し自分の姿を見ると、セーラー服の上着が
ブラごと託し上げられ、両胸が露わになっている。
 乳首が隆起し、濡れているところを見るとこちらも吸われて
いたに違いない。
 ショーツは片方の足から抜き取られ、もう一方の太股に絡み
付いていた。

「局長さん…こんな…酷い…です」
「せめてこれくらいのお礼はして貰わないとね。いいだろう?
君のココもびっしょりだ」
 言われて見ると確かに大量の蜜が溢れ出し、流れているのが
分かる。
(このままだと、この人としちゃうってことだよね…どうしよう。
この身体は いつか僕が自分の身体に戻った時にバージンを貰おうと
思っていたのに。でも僕は彼女に嫌われてるからなー…
セックスできるとは限らない。うーん、しちゃおうかな? 
このおじさんとセックス…巧そうだし、どっちみち逃げることは
出来ないんだ…)
(美結っ! 美結ちゃん!? 起きてる? 大丈夫…寝てる
みたいだ。いっか、しちゃおうっと。
ゴメンネ美結ちゃん、僕、この人とセックスしちゃう)

「あ、あん…でも…局長さん…仲居さん来ちゃうかも…」
「大丈夫、来ないよ。個室は料理を下げたら後は、合図するまで
誰も入ってこないことに
なってる」
(あー、そっか。この人この店の常連なんだ。きっと今までにも
何人も連れ込んだんだ。しかも制服を着た可愛い女子校生とばかり。
あ、また…そんなこと考えたら濡れてきちゃった)
「濡れやすいんだね。男の人とは経験あるのかな?」
「無いです…私、バージンだから…恐い…」
(でも昨日も指を何本も入れてオナニーしたし、たぶん破瓜の
傷みはないはず…)
「大丈夫だよ。おじさん、慣れてるから。安心して任せていいよ」
「…はい」
「いい子だ。じゃあ、入れてあげよう。とびっきりいいものだよ。
それっ、ううっ、キツイな」
 男の太いペニスが柔肉を掻き分けながら、侵入してくる。
 亀頭部分が大きく、雁が張り出しているのも分かる。
「く…苦しい…」
「もう少し我慢して。全部、入っちゃえば後はすぐに気持ちよく
なるから」
「は…はい…」

「よし…なんとか全部入ったみたいだ。なかなか窮屈でいい
感じだよ。それに愛液があとからあとから出てくるのがいい」
「や…はぁん…言わないで…恥ずかしいの…うう」
「顔を真っ赤にして可愛いな。学校じゃ、相当モテるんだろうね
…でもバージンは私がしっかり頂いたよ」
 男は満足そうな顔をすると優しく頭を撫でながら、ゆっくりと
腰を動かし始めた。
「あ、や…はぁ、大きくって…中がえぐられちゃう…ああ…
こわい…」
(ヤバイよ。思ったとおり、もう感じてきちゃったよ。どうしよう
…純な女の子の演技をしても疲れるし…出来れば思いっきり淫らな
女の子になりたいな…)

 ぐちゅ、ぐちょ、ぐちゅー
 卑猥な音が耳まで届く。本当に美結の身体は濡れやすいみたいだ。
 おそらく下に敷いている高級そうな座布団に大きな染みを
作っていることだろう。
「あ、あー、なんていやらしい音なんで…駄目…」
「本当だね。凄いエッチな音だ。言っておくけど、この音は私の
ものではないよ。君がここから溢れ出させているんだ。分かるね?」
 そう言うと、さらに腰のスピードを上げぐちゅぐちゅという音を
響かせた。
「いやん、やだ、やだ、恥ずかしいよ。あ、でも、どんどん出て
きちゃうのっ」
 男の両手が尻の下に潜り込み、まるで乳房を揉むかのように
しながら自分の 方へと引き寄せる。
「あっ! そんなことしたら…いやん、深いっ! 深く
入っちゃうから駄目ーっ!」
「この体位はいいだろう? 奥まで突けるし…でも君みたいな
スリムな子でないと無理だけどね」

 男は自分で腰を打ちつけたり、掴んだ美結の尻を引き寄せたりを
交互に繰り返して、さらに快感を高めた。
「あんっ、やん、やん、どうしよう…私、セックスしちゃってる…
高校生になったばかりなのに、バージンだったのに、こんなに
感じちゃってるー。あーん」
「気持ちいいだろう? セックスって、こんなに気持ちいいんだよ。
私は同じ子とは二度はしないから君も早くボーイフレンドを
見つけるんだ。いいね?」
「はい、はいっ! 見つけます。絶対に。セックスがこんなに
イイなんて。あーん、凄いよー」

「よし、今度はバックを教えてあげよう。お尻をこっちに向けて
四つん這いになってごらん」
 僕は言われたとおりにし、頭を低くして、お尻を上げペニスを
待った。
「ちっちゃくって可愛いお尻だね。ひだひだも綺麗なピンク色だし」
 男の指がひだを捲り、開いて中を見ているようだ。
「やーん、そんなとこ見ないでぇ」
「ペニスが欲しくて、ひだがひくひくと震えてるよ。どう? 
欲しいのかな?」
「いやん、いじわるしないで。欲しいよぉー。おちん○んが
欲しいの。早く頂戴」
「私の小っちゃなおま○こに、あなたの極太ペニスを奥まで入れて
突き上げてって言うんだ」
 男はいつの時でも言いなりになる可愛い女を愛しいと思うものだ。
 でも僕は(さすがにラジオ局の人だな、長い台詞を間違えないで
言ってる)とそっちの方を感心しながら、なんとか真似て
言ってみた。

「私の小さいおま○こに…あなたの太いペニスを…奥まで入れて
欲しい」
「突いて欲しい、だろう?」
「あんっ…そ、そうです。突いて…奥まで入れて、突いてーぇ。
早くぅーん」
 僕は子犬のように、美結の小さなお尻を器用に振っておねだり
した。
「よし、いいだろう。じゃあ、ご褒美だ。ふむっ!」
「あーーーーーんっ!すごいーーーっ。おかしくなっちゃう…
おかしくなっちゃうよ」
 ペニスの抽送が始まった途端、身体中に火が点いた様な快感が
突き抜ける。
 敷かれた座布団を噛み、両手で自分でも信じられない位の力で
端を掴んでいた。

 ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ
「後から中年オヤジに奥まで突かれるってのはどんな気分かな?」
「いやん、駄目っ! そんなこと言われたらイッちゃう。
もう駄目っ! 我慢できない! イク!」
「よし、いいぞ。私もイキそうだ。イクぞーっ!」
「やーーん、イッちゃうーーん! イク! イクっ。
イクーーーーーっ!!! やんっ!」
「うううっ、出る!」
 男は射精直前にペニスを引き抜き、セーラー服のスカートに
たっぷりとかけて汚した。


「スカートを汚して悪かったね。これクリーニング代だ」
 男は信号で車を停めた僅かの間に、財布を取り出し数枚の
紙幣を手渡してくれた。
「あ、でも、こんなに…多すぎます」
「いいんだ、何かに使って。私はこんな性癖だから結婚も
してないんだけど、おかげで お金には困っていない。遠慮しないで」
「はい。じゃあ…ありがとうございます」 
 信号が青に変わり、ゆっくりと走り出す。
「君みたいに可愛くてエッチで、しかもバージンだったなんて
今日は僕にとって最高の日なんだよ」
「ど、どうも…」
 正直、なんて返答したらいいのか分からず口ごもった。
「クラスでも学校でもいいんだが誰か紹介してくれないか? 
お小遣いを弾むよ」
「あ、それだけは遠慮します」
「ははは、そうだろうね。君なら、そう言うと思ったがね」

 車が自宅付近の通りに差し掛かった。
「あ、この辺でいいです」
「そうかい?家の前まで送ってもいいけど、親に見つかると
まずいかな?」
「そんなとこです」
「わかった。じゃあ、ここで停めよう」
 僕はファイルと教科書の入った学生鞄を手に持つと、助手席を
降りた。
「じゃ、おやすみー。もう何も手伝ってあげられないけど
大丈夫だね?」
「はい。これ以上、ご迷惑をお掛けしません。後は自分で…
おやすみなさい」
 頭を下げてドアを閉める。
 バタンッ
 ハザードが消え、車は加速し見えなくなった。
「遅くなっちゃったなー。お母さん、心配してるかなー?」
 この後、言い訳を考えながら謝らなければならないので、
美結の口調のまま自宅へ急いだ。

(あー、でも気持ち良かった…ふふっ、やっぱりシャワー浴びたら
思い出しながらオナニーしちゃおうっと。うんと激しいやつをね。
うふっ)
 ファイルの件は明日以降にしようと決めた途端、先程の
セックスを思い出し余韻に 浸る美結だった。


(続く)





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