『幽体離脱〜ミルフィーユの少女たち〜
 作:嵐山GO


第3章 交代劇(Perpetual Change)

 僕は家族が揃った団らんの食事風景をじっくりと観察した。
 特に彼女、春日美結のそぶり、口調、癖、好き嫌いなど、
とにかく小さなことでも覚えてみようと思った。
 それは、もう自分の身体に戻ることにそれほど執着しなく
なったし、女の子で生きるのもいいかな、なんて思い始めて
しまったからだ。
 それは今日半日だけではあるけれど、女の子で居たことが
とても刺激的で楽しかったというのもある。
 けれど、それ以上に何だか男に戻れたとしても、明るい
未来が待っているとは思えなくなってしまったのだ。
 うっすらとした記憶だけれど、本当は僕は男の自分を
やめてしまいたかったんじゃないだろうか。
 理由も手段も分からないけれど、時間が経つにつれて益々、
そう思えて仕方がなかった。
 あるいは、それは春日美結の身体でいたいという欲望の
言い訳なのかもしれないが。
(いずれにしても僕が彼女である時は、家族や友人には
疑われない方がいい。
 加えて今の心情は彼女に悟られたくない。当面は自分
探しのフリだけでもしよう)

(それとも学校に行く時は抜けて、付いて行くだけに
しようか)
 それは今更、授業を受けたいとは思わないし、交友関係を
騙しとおせるか自信が無いからに他ならない。
(とりあえず彼女に入るのは、外出時に協力してくれると
いう時くらいか…)
(でも、あんなに気持ちいいんなら毎日でもオナニーは
したいな)
(あ、そうだ…彼女、自分でオナニーしないと欲求不満が
溜まるだろうか? あんなエッチな身体だもんな…とはいえ
僕がどこかで見ていると思ったら、オナニーするとは
思えない…ちょっと可哀相だな…)
(何かいい方法ないだろうか?)
 僕は家族の頭上をゆっくり見回しながら、考えた。
(理香ちゃんに入れないかな?)

 無駄と知りつつ、テレビを見ながら食事をしている
彼女の頭上を目指して侵入を試みた。
(あれ?なんだ、入れるぞ。でも何か違う…そうだ、
理香ちゃんと頭の中で会話が出来ない)
(入った時には、もう眠ってるんだ。姉の美結とは何が
違うっていうんだろう?)
 危うく自分の握っていたスプーンを落としそうになって、
慌てて口に運んだ。
「理香、どうしたの? なんだか変よ」
 母親が察したのか、すかさず声を掛けてきた。
「ううん、なんでもないよ。ちょっと宿題を思い出しただけ」
「宿題、まだ残ってるんならご飯食べたら、テレビなんか
見ないでさっさと終わらせなさい」
「うんっ!」
 そんな母娘の会話を、姉は何の疑いも持たず聞き流して
いた。
(よし、いい事を思いついたぞ。この身体を使って彼女を
慰めてやるとしよう)

 僕は理香ちゃんの教科書を見て、この子が小学6年生
だということを知った。
「早い子ならオナニーくらいしていてもおかしくはない
けれど、どうだろう」
 後で姉とレズってみようと計画したまではいいが、
問題はこの身体だ。
「未経験の可能性もあるし、その場合はずっとタチに
回って責めるというテもあるが
 そんなことしたら僕が入ってることがバレてしまうだろう」

 部屋を少し暗くしてパジャマのズボンを下ろしながら、
考えあぐねた。
「なんとしてでも理香ちゃんで押し通さなければ。万一、
バレたら拒絶されるどころか両親に僕のことを全部話して
しまうかもしれない」

「まずは、多少なりとも身体が反応するのか調べておこう」
 女児パンツの上から、いきなり亀裂に沿って指を宛てた。
「やっぱり何も感じないな…仕方がない。短時間でオナニー
を教え込むか」
 パンツを脱いで恥部を確認した。
「産毛(うぶ)しか生えてないな…せめて濡れてくれれば
いいんだけど…果たして」
 掌にたっぷりと唾液を出し、左手で亀裂を開きながら
流し込んでみる。
「毛が生えてない分、観察しやすいな」
 ほとんど、つるつるの恥丘は何をするにしても一切、
隠すことなく全てをさらけ出している。
「襞(ひだ)も露出していない。クリトリスも硬い皮を
被ったままだし…ふぅー」
 少々、自信喪失に陥りそうになった。
「頼むから少しくらい感じてくれよー」
 流れる唾液に合わせて、ゆっくりと指でなぞってゆく。
 同時に先程の姉の強烈なオナニーを思い起こしながら、
目を閉じて必死に快感を弄(まさぐ)る。

「あぁ…お姉ちゃん、理香…ほら、こんなに濡れてるの。
いけない子でしょ?」
 まずは妹になりきっての演技から始めた。
「理香、まだ経験ないから…そっと、優しく…してぇ」
 ぬらぬらとした感触の中で、しっかりとそして丁寧に
擦り上げる。
「う、うーーん、そこ、その辺が…ちょっといい感じ…」
 微かに見つけた貴重な性感帯を目覚めさせるために、
惜しみない愛情を注ぐ。
「あっ、あん、あん、お姉ちゃん。いい…いいよぅ…
理香、そこが感じるの」
 愛液が出始めたのかは分からないが、次第に感度が
増してきたのは事実だ。
「あぁ…う、うんっ…もう、ちょっと上…あ、あー、
そこ。そこがいいの」
 さすがに指を挿入する訳にはいかない。なんとか溝を
刺激するだけで、感じるようにしてあげたかった。

「あぅ…お姉ちゃん。理香、感じてきたよ。気持ち良く
なってきたよー」
 先程のように鏡で自分を見ることは出来ないが、
子供の姿で自慰をするというシチュエーションに興奮度に
拍車をかけた。
「はうんっ! いい、いいよ。そこ、そこをもっと…
擦ってぇー」
 小さな身体がブルブルッと震えてきた。
「イッちゃうのかな? わかんない…でも、なんか恐い。
お姉ちゃん、理香どうなっちゃうの?」
 せっかく見つけた感じる部分を、これでもかと
苛めまくった。
「やっ、やーん。だめっ! イク。理香で…今度は小学生の
女の子でイッちゃう!」
 ここで止めたら、あっという間に振り出しに戻ってしまう。
そう思うと一気に頂点を目指さない訳にはいかなかった。
「あ、あ、あっ、イク、イク。ホントにイクーぅ。
ふわーーんっ、やんっ!」
 快感は姉とは比べるべくも無いが、確かにイッた。
小学生の女の子が上り詰めた初めての蒼いエクスタシーだ。

「はぁー、何とかイッたよ。これで…いいや…ゆっくりも
出来ないから行こうかな」
 僕は再びズボンを穿いて、部屋を出た。


 コンコンッ。僕は美結の部屋をノックした。
 理香ちゃんと同じ部屋の母親は今、風呂に入っている。
 おそらく当分は寝ないだろうから、行動を起こすなら
今しかないのだ。
「はーい、誰?」
「お姉ちゃん、私。理香」
「理香?入っていいよ、開いてるから」
 ドアを開けて部屋に入って見ると、意外にも美結はすでに
ベッドに入っていた。
「お姉ちゃん、もう寝てるの?」
「うん、今日はちょっと疲れちゃって。でも横になって
CDを聞いていただけだから。何?」
 起き上がって、部屋の明かりを点けた。
「うん、あのね。ちょっと聞いてもらいたいんだけどね。
隣に座ってもいい?」
「いいよ、ここにおいで」

 クラシックともロックともいえない不思議な曲が部屋を
満たしている。
「宿題、終わったの?」
「うん…終わったよ」
「じゃ、なに?」
「ね、お姉ちゃん、オナニーしたことあるよね?」
「な、なによ、急に。ビックリするじゃない。もしかして
理香、してるの?て、いうかそもそも、それが何だか
知ってるんだ?」
 極力、声を荒げないように気をつけているのが分かる。
「うん。友達に聞いたの。やりかたも。気持ちイイから
した方がいいよって」
「理香、あんたまだ早いよ。小学生じゃない!」
「お姉ちゃんは、何歳の時にしたの?」
「え? わ、私? 何歳かな? 中1の時だけど」
(なるほどね。そんなに早くから開発してたのか。
道理で感じやすいはずだ)
「じゃあ、あんまし変わんないじゃん。私も来年、中学生
だもん」
「そ、それはそうだけど…」

「…そんで?何が聞きたいわけ?」
 姉は観念したのか、とりあえず可愛い妹の悩みを聞いて
くれるようだ。
「どうやったら気持ち良くなれるのか分かんないの。友達の
言った通りにしてもダメなんだ」
「そんな事、私に言ったって…困るわよ」
「お姉ちゃん、お願いっ!ちょっとだけでいいから。もう
友達には聞けないし…」
「どうして?」
「だってこんなこと何度も聞きたくないよ。恥ずかしい…
それにクラスの子たち、みんな気持ちイイって言ってるもん。
私だけだよ」
「わかった、わかった。でも、どうすんのよ。手取り足取り、
教えるわけ?」
「うんっ!」
「うん、てマジー? お母さんはお風呂なの?」
「そう、その後は髪を乾かしたり、テレビ見たりするから
大丈夫!」
 僕はバレないように言葉を選びながら、話をなんとか
進めた。

「でもさー、裸になるんだよ。恥ずかしくないの?」
「お姉ちゃんとなら恥ずかしくないよ。だってお風呂も
一緒に入ってたし」
「そりゃあ、そうだけど…お風呂とオナニーとじゃ全然、
違うんだけど…」
「ねえ、早くぅ。時間無いから。私、もう脱ぐね」
 僕はさっさとパジャマもパンツも脱ぎ捨て、裸になった。
「あー、あー、知ーらないっと」
「お姉ちゃんも脱ぐ?」
 といっても美結は昼間と同じ、半袖Tシャツに短パン
だったが。
「じゃ、風邪ひくからまず、毛布に入って」
「はい」
 これから僕は妹になりきって姉とレズプレイを試みる。
 本当の目的は姉を満足させる為だったが、何だか姉妹の
レズプレイというシチュエーションに次第に僕が興奮して
きた。
 ここまできたら、何としてでも最後までやってみよう。
 僕の小さな心臓は飛び出すんじゃないかというくらい、
ドキドキしてきた。  


(続く)




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