『他人の妹を頂く方法』
 作:嵐山GO


第3章 物色

「へぇー、近くにこんな大きな公園があったとはね」
 圭介は並んで歩いている一哉に言った。
「ああ、割と最近作られたんだよ。閉鎖した工場の空き地を
市が買いたったのさ。最も公園なんて用でも無ければ、
大人になったらあまり来る事はないけどね」
「一哉は時々、ここに子供を物色しに来るのか?」
「いやー、そこまで生粋のロリコンじゃないよ。ただ、
ちょっと研究に疲れた時とかに来て、子供達を見てると
癒やされるんだ」
 二人は他人からは姿が見えず、声を聞かれないのをいい事に、
勝手気ままに会話した。

「それにしても、もう3、40分ほど回ってるが、お前の言う
兄と妹という理想のペアは中々いないもんだな」
「そうだね。大体、そのくらいの年齢ってもう一緒に遊ばない
からなー。難しいのかなー…?」
 広い公園の中にはアスレチックのような遊戯施設や、芝生に
グラウンドなど遊ぶ場所は幾らでもあり、そこには沢山の
家族連れや子供達が太陽の下で伸び伸びと遊んでいた。

「おいっ!一哉、あそこを見ろよ!」
 指された場所には兄と妹が仲良くバトミントンをしている姿が
あった。
「わぁ、可愛いなー、あの子」
 女の子の身長は140センチ位か、長い髪を風になびかせて
懸命に羽を追っては撥ね返す。
一方、兄の方は160センチ程、少年らしい髪型で妹に気遣い
ながら、優しい返球を送る。

 少女の格好は水色のタンクトップにベビーピンクのフレアー
ミニスカート。
 動き回る度にタンクトップと肌の隙間や、翻ったスカートの
間から真っ白な下着が覗くがまるで気にしてはいないようだ。
 兄はTシャツに短パンで、相変わらず妹の乱れ打ちを丁寧に
拾っている。

 二人には顔以外に共通した雰囲気があった。
 それは、クラスに必ず一人はいるであろう優等生タイプ。
 一目見ただけで分かる利発そうな顔立ちも、それを物語って
いる。
 加えて少女の方は、うんと幼さを残した顔がチャーミングで
すらあった。


「いい…いいよ。あの子。可愛い、好みのタイプだ」
「そうだな…まぁ、間違いなく小学生だろうな。兄は中学生か」
「ああ、いいなー。今すぐにでも抱きしめたいよ」
「おい、おい。あせるな。今、とり憑くと時間が限られて
くるんだろう?」
「ああ、そうだけど。もう見てたら我慢できなくなってきた」
「駄目だぞ。もう少し待って、二人が家に帰るのを待とう。
な?」
「分かってる…あー、でも可愛いなー」
「やれやれ」

 さらに2、30分経過しただろうか、二人はそれまでにも
何度か休憩を挟んでいたが、今回はどうやら帰り支度を
始めたようだ。
「今度こそ、帰るみたいだな」
「う、うん…」
 兄妹はタオルで汗を拭き、飲み物で喉を潤してベンチから
離れた。
「よし、付いて行こう」
「う、うん…」

 暫らく歩くと白壁の大きな一戸建ての家に入っていった。
「すごいや、お金持ちの子供だったんだね」
 一哉が、ぽつりと言った。
「やっぱりな」
 圭介が、それに答える。
「何で分かったの?」
「いや、さっきラケットのガット部分にネクソンの大きな
ロゴマークが見えたんだ。あんなの普通、小中学生には
使わせないよ。超ブランド品だぜ」
「へぇ…そうなんだ」
「おい、そんな事より俺たちも中に入ろうぜ」
「そうだった」

 一哉と圭介が玄関をすり抜けて入ると、兄妹は並んで座り
靴の紐を解いているところだった。
「よし、今だ!入ろう」
「ああ」
 一哉は兄に、圭介は妹の身体に進入した。
「あ?うっ…ぐっ」
「え?なに?…あぁ」
 兄妹の身体が同時に硬直した。

(続く)


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