『他人の妹を頂く方法』
 作:嵐山GO


第2章 思惑(その2)

「いや、この場合薬では、どうにもならないんだ」
「そうなのか?」
「つまり何ていうか人間の身体の中の細胞というのは、
常に死んでは新しく生まれ変わってるんだよ。これ分かる?」
「何かで聞いたことがある」
「うん。つまり俺が作った薬は、とり憑くと一時的に相手の
身体の細胞を全てコントロール出来るんだが、時間が経過し
新しい細胞が50%を超えると、もう駄目なんだよ」

「うーむ…やっぱり、よく分からないな」
「オレも、お前に分かるように説明したいんだが上手い言葉が
見つからない。あの薬は分かりやすく言うと持ち主の細胞を
包み込む事によって、一時的にニセの細胞を作り出し、
伝えたい事を脳から指令を出して身体を動かすんだよ」
「ああ」
「でもそれも時間が経ち、新たな細胞に生まれ変わってしまうと
効果が無くなるって訳。だから体内の半分以上が本来の細胞に
戻ってしまうと脳からの命令に対して混乱が生じ、
やがて拒絶が始まるんだ。そうなると俺たちは強制的に外に
吐き出されてしまうんだよ」
「へえー」
「その大体の目安が2時間から3時間だ。出来れば、そうなる前に
抜け出したい」

「分かったような…分からないような。で、時間差があるのは?」
「それは持ち主の健康状態や年齢だな。若い人間ほど新陳代謝が
早いから時間も短い」
「じゃ、30過ぎの熟した夫婦にしようか?」

「そ、それなんだが…実は…ちょっと相談があってな」
「相談?悩み事か?」
「ああ…ま、そうかな」
「なんでも言ってみろよ。俺たちの仲じゃないか」
「あ…そうだよな…だけど…うん、まいったな…でも」
「誰にも喋ったりしないから安心しろよ」

 一哉は、すっかり溶けて水だけになったグラスを一気に
飲み干し言った。
「オレさ、若い女の子とやってみたいんだ」
「そりゃ俺だってそうさ」
「いや、そうじゃなくて…その何て言うか、一度でいいから
幼い子としてみたいんだ」
「幼い子…?なんだ。お前、ロリコンだったのか?」
「あ、ああ…いや、大人の女も嫌いじゃないんだけど
一度でいいから、一生に一度でいいから少女とセックスして
みたいんだ」

(続く)


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