『他人の妹を頂く方法』
 作:嵐山GO


第2章 思惑

 ピンポーン、ピンポーン…
 さっきから玄関の呼び鈴が、これでもかというほど鳴り
続けている。
「分かった、分かった。今出るから、ちょっと待ってくれ」
一哉は呼び鈴を押し続けている主が圭介と知って、言葉を発しながら
玄関へと向う。

ガチャリ
「おう、来たぜ」
「ああ、お早う。お前だと思ったよ。どうだ、ゆっくり
眠れたかい?」
「まぁな。ただあの後、ちょっと悶々としたんで一発抜いてから
ビールを飲んでベッドに入ったよ」
「眠れたんなら良かったよ。俺なんか横になるとスグに眠っちまう
けどな」

 一哉は、圭介をリビングに通して冷蔵庫から飲み物を出した。
「アイスコーヒーしか無いけどいいか? ミルクはどうする?
言っとくけどガムシロップなんて洒落たもんは無いよ」
「ああ、いや、ブラックでいい。しかし、いつ来ても
このマンションは広くていいよなー。俺なんか狭い安アパート
だから誰も呼べないよ。仕送りしてもらってるんだっけ?」

「うん。まーね、今は学生の身分だからさ。甘えられる内は
甘えておくよ」
 テーブルの上にグラスを2個置き、腰を下ろす。

「飯、ちゃんと食ってきたか?」
「ああ、言われたからな。お前は?」
「俺もさっき食べ終わったところさ。片付けているところに、
タイミングよくお前が来たんだよ」
「そっか…で、何時から始めるんだ?」
「あまり慌てても仕方がないんだ。長時間とり憑けるって訳でも
ないから」
「そうなのか? じゃ、どれくらいなんだ?」

「そうだな。多分…個人差はあると思うけど、2時間から3時間
くらいかな…」
「確かに、そう長い時間とはいえないな」
「ああ…だから、見つけてすぐに身体に入り込むより移動なんかを
考えると、ターゲットの家の中とかの方が時間を短縮出来て
いいんだ」
「うーむ。しかし2時間と3時間ではだいぶ差があるな。
楽しんでいる最中にどっちかが抜けられとまずいよな。どうにか
調整出来ないのか?」

(その2へ)




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