『セーラー服と水鉄砲』
 作:嵐山GO



第7章 内緒の秘め事とか、しちゃう?

「今度は歓楽街ですか…まさか居酒屋にでも入ろうってんじゃ
ないでしょうね?」
「黙って付いて来い。それに喋るんなら、美月に成りきれ。
この辺りは人通りも多いから知り合いが、いるかもしれんぞ」
 美鈴も男口調だったが美月の耳元まで近づいて小声で言った。
「うん、わかった」

 商店街も抜け、裏通りに入ると急に人気(ひとけ)が減り急に
寂しくなった。 
「たしか、この辺だったと思ったけど…ああ、あったわ。あそこよ」
 美鈴が指差した先には怪しげなスポットライトで浮かび上がる
ショップがあった。
「ここ何のお店?店名しか書いてないけど」
「アダルトショップよ。俗に言う大人のおもちゃ屋さんね」
「お姉ちゃん、前に来たことがあるの?」
「男だったときにね」
 小声で答えた。
「買い物で?」
「ううん、店長をやらないかって誘われたのよ。こういうのって、
凄く利幅が大きいの。大体、減価は10分の1位だから5000円の
バイブ1本売れば4500円の儲けって訳。ヤクザな商売よね」
「へー、で、店長やったの?」
「1年位で辞めちゃったけどね。大体、夜の商売だし酔っ払いが
多いのよ。さ、入りましょ」

ガタンッ!
 古いのか大きな音を立ててドアが開く。
「昔、来た時と大して変わってないわね。値段も変わってないけど」
「何を買うの?」
「バイブよ。それを使って美月のヴァージン、私が貰うの。
いいでしょ?」
「あ、そっか。うん。いいよ」
「どれにしようかなー?」
 ガラスケースの中に様々な形、色とりどりのバイブが陳列されて
いた。

「あんまり大きいのヤだなー」
「そんなこと言ってられるのは最初だけよ。すぐに太いのを
欲しがるに決まってるんだから」
「それでも最初は小さいのにしてぇ」
「分かったわよ」
 そんな2人の会話が聞こえているのか、いないのか店長らしき
人物がじっと見ている。

「わぁー、これイイなー。欲しいかも。値段は…2万8千円!?
おい、おい。ぼったくりじゃねーかよ」
「お姉ちゃん、男になってるよ!」
 美鈴が興味を示したのは壁に掛けられたエナメル製の黒い
ボンデージスーツである。
 下腹部から胸にかけて編み上げるタイプで、大抵の身体には
フィットするように出来ている。

 一方、肝心の胸の部分は乳房全体が突出するように左右が
大きく円形に、くり貫かれていた。
 形としてはスクール水着か、ただのワンピース水着だがエナメル
という材質上、極めて淫靡な輝きを放っている。
「お姉ちゃん、よだれ出てるよ。そんなに欲しいの?こういうのって
大人の女の人が着るんでしょ?私たちには似合わないよ」
「そのギャップがいいのよ。以前、見たAVに本当に若い女の子が、
これを着てるのを見て異常に興奮したのを今、思い出した…」
 目線が完全に釘付けである。



(続く)



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