『セーラー服と水鉄砲』
 作:嵐山GO


第6章 ヤクザな姉妹、ついに発動!?

翌、金曜日。心地よい秋晴れの中、美鈴は急ぎ足で家路に
向かっていた。
「ちぇ、まさかテスト中だったとは思わなかったぜ。
ま、おかげで早く帰れたし、今日で終わりだからいいんだけどよ」
 1人で歩いているのをいいことに堂々と乱暴な台詞を撒き
散らしている。
「安の方も、おそらく中間テストじゃねえか…だとするとオレより
先に帰ってるかもな」
 秋風にスカートをなびかせながら玄関に辿り付くと、すぐさま鍵を
取り出した。

「ただいまー」
 靴を脱ぎ、揃えると2階へ向かう。
 トン、トン、トンッ
「あ、お姉ちゃんだー。おかえりー。早かったんだね」
「テストだったからな。お前んトコもそうだろ?」
「うん。テストって、どうしようかと思ったけど案外出来ちゃった」
「オレもだ。おそらく2人とも頭はいいんだろう」
「助かりますよ。これで男の時の能力そのままだったら、洒落に
なりませんから」
 妹の方も姉に感化されたのか、スグに喋り方が変わってゆく。
「だが今回は記憶で救われたが、ある程度は勉強もしないと、
一気に成績は下がるぞ」
「気が進みませんが、それも仕方のない事っすね」

「そういやー、昨日は母親に泣かれて参ったな」
「相当、この妹には困り果てていたんでしょう。それが、いきなり
手を繋ぐほど仲良くなったんだから涙も溢れるというもんです」
「学校の方はどうだったんだ?」
「何人かの友人に、変わったねとか言われましたがね。後は別に…
そういや、先コウも驚いてたっけ」
「後は波風立てずに学園生活を送ればいいだけだ」
「極端な話、もうここで抜け出てもいいんでは?」
「そうだな…いや、駄目だ。さすがに、たった1日で抜けたんじゃ、
まだ妹が更正するとは限らねえ」
「そうっすね。それに、せっかく生き返れたんだし、もう少し女の
身体を満喫しますか。へへ」
「ああ、とりあえずはな」
 2人は2階の廊下で当面の結論を導き出した。
「そうと決まれば兄貴、さっそくアレしますか?」
 美月は厭らしい笑みを浮かべ言った。
「お前も好きだなー。ま、今日は時間もたっぷりあるしヤルか…
それじゃオレも着替えるから、自分の部屋で待ってろ」
「へい」
 2人は一旦別れ、各々の部屋へと入っていった。
 
 この後、2人は再び姉妹に成り切って身体中から汗を噴出しながら
若い性を貪り続けた。
「あー、もう駄目…最高。このまま、ずっと女でもイイかなんて
思っちゃったもの」
「美月もなの?実は私もそう」
「男じゃ、こう立て続けに絶頂は得られませんからねー。この身体、
ヤバイっすよ」
「男の喋り方になったり女になったり忙しい奴だな」
「しかし俺っちの方はまだ処女なんすけど、やっぱ入れて貰うと、
もっと気持ちイイんすかね」
「そりゃそうさ。身体の内側から、渦を巻きながら快感が吹き上がる
っていうのかな。上手くは言えんが」
「そっかー。そろそろ指、入れちゃおうかなー」
「自分で膜、破るつもりかよ?」
「だって、お姉ちゃんみたく破ってくれる彼氏いないしね」
「オレが男だったらなー。うーむ、実にもったいない」
 男の頃の癖だったのか兄貴の方は考え出すと、
すぐに両腕を組む。

「いいってば…お姉ちゃん。美月、自分で破るから」
「待て!いいことを思いついたぞ」
「ええー、知らない男の人に抱かれるのなんて嫌だからね」
「分かってる。そんな事させる訳ないだろ」
「じゃ、どうすんの?」
「うむ。お前、金持ってるか?」
「お金?うーーーん…ほとんど無いみたい。死ぬつもりだったから
食べたい物とかで全部使っちゃったんだね」
「オレの方も…似たようなもんだな。所詮、学生じゃ持っていても、
こんなもんか。だったら…」

「お金で何すんの?」
「それは後で話す。金、金、金…か。はっ!そういえばっ!安っ、
すぐに服を着ろ!いや、スカートは駄目だ。そうだな…ズボンと、
上はTシャツか何か、とにかく動きやすい格好にしろ」
「わかった…ドコかに行くんだね」
「そういう事だ。オレもジーンズに穿き替える。すぐに下におりて来い。
あと小銭位は持って来いよ。バスには乗るだろうからな」
「う、うん」
 返事を聞くより早く、立ち上がって脱いだ服を鷲掴みにすると、
そのまま部屋を飛び出した。

 数分後、妹が少しだけ遅れて下りてきた。
「ごめんね。服も片付けてあったのか、なかなか見つからなくて。
これでいい?」
 美月は裾にリボンの付いた七分ズボンと長袖Tシャツ姿で言った。
「構わん、それでいい。行くぞ」
 家を出た2人は一番近いバス停からバスを乗り継いで、隣町へと
移動した。

「おっ、ここは俺達のいた町っすね」
「しっ!余計なことは言っちゃ駄目。それに男言葉も禁止」
 美鈴が小声で注意する。
「分かった」
「美月、次のバス停で下りるわよ」
「う、うん」
 ピンポーン
 降車ボタンを押し、バスが停車すると2人は目立たぬように、
ごく自然に降りて歩き始めた。

(続く)



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