『セーラー服と水鉄砲』
 作:嵐山GO


第2章 波乱の予感?(その2)

刹那、身体の異変を感じ取った少女は鍵を挿したまま硬直する。
「あっ、え?何?ああ…何かが私の身体に入ってくる?駄目っ!
怖い。やめて」
 続いて玄関の前に、うずくまるようにし身体を震えさせた。
「た、確かに…これは…なかなか、簡単には入れそうに無いが…
くっ、くそ!大人しくしろ。抵抗するなよ!さっさと諦めてオレに、
この身体を渡すんだ。もう少しだ…だが…身体が燃えるように熱い!
うおーーーっ!!」
 男は渾身の力を振り絞り、熱湯地獄のような少女の身体へと、
ついに侵入を果たす。
「い、いやーーーーっ!!」
 大声を出し誰かに助けを求めたつもりだったが、すでに口から言葉を
漏らすことは叶わなかった。

「ふぅー、終わったか…どうやら入れたようだな。思っていた以上に
キツかったぞ。早々と地獄を体験したような気分だぜ」
 スカートの裾に付いたゴミを払いながら、男のように荒い口調で
立ち上がる。
 とはいえ身なりを気にする辺り、すでに女としての習慣が目覚め初めて
いるのだろうか。
「さてと、中に入るか。安は上手くやれただろうな…?」
 ガチャリッ!
「ただい…ま、と」
 鍵を抜きドアを開けて声を掛けると、まず眼前の光景に凍りついた。

「ちょ、ちょっと待ってよ…なんで…」
 驚くのも無理はない。セーラー服姿の妹が包丁を持って待ち構えて
いたのだから。
(安…まさか…しくじった?)

続く



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