『魅力的なOLボディを頂く方法』
 作:嵐山GO


第8章  素敵な出会いを求めて

 一哉と圭介はちょっと遅い朝食をホテルでとりながら、
昨夜の事を思い出し語り合っていた。
「どうだ、いい夢が見れたか?」
「あ? ああ。夢の中でもまだ、あの続きをやっていたよ」
「それほどに一哉にとっては衝撃的だったのかもな」
「先輩ぶってるけど圭介だって、まだ二回目じゃないか」
一哉はコーヒーを口に運びながら言った。

「いやー、俺なんか未だに毎日のように見るよ。色んな女に
化けて遊びまわる夢だ。ちょっと古いけどボディコンみたいな
格好だったり、スチュワーデスとか看護婦とか…あとは
セーラー服を着て学校へ行って先生を誘惑する夢とかな」
「セーラー服かぁ…女子校っていいなー。一度潜入して
みたいな」
「別にやろうと思えば出来るだろう?」
「まあね」
「教え子編でやるか? 先生と生徒…それとも先輩&後輩編と
いうのも萌えそうだな?」
「あはは。いいかもね」

「さてと、とりあえずは今夜の事でも考えるか…」
 圭介が、外の景色に視線を移すとポツリ言った。
「今夜の事…? ああ、逆ナンされに行く事か…」
「実は思ってたほど繁華街じゃないからさ。どうしようかと
思ってるんだ」
「そうだね…少なくとも洒落た飲み屋なんか無さそうだし。
俺は別に昨日の続きでも構わないよ」
「おお、いいねー。やる気充分じゃん。でもさ、
最悪それでも仕方ないけど、出来れば違う事がしたいんだ」
「…まあね」


「ちょっとしたら外出して辺りを探ってみるとしよう」
「それにしても…」
「うん?」
「彼女たち、今朝はちゃんと起きれたのかな? 多分予定だと
今日も早起きして、朝食をとって観光か散策にでも行った
よね?」

「昨夜は、足腰が立たなくなる位に、こき使ってやった
からなー。
出かけてるだろうけど、さっさと帰ってきて温泉にでも
入るんじゃないか。疲れを取るためにさ」
「うんと疲れを取っておいてくれるといいね。僕らの夜の
為にさ」

「そうだな。そんで美味い物でも食って精をつけて貰って、
あとは早々に寝てくれれば俺たちにとってこれ以上、
有り難いことはないんだけどな」
「あらためて他人の身体を自由に使えるってのは、
いいもんだねー」
「そうだよな」

 暫らくして二人は立ち上がりホテルのレストランバーを
出た。


 9月とはいえ山合いの夜は早い。
 まだ夕方だというのに、早くも辺りは薄暗くなってきた。
「今日は何時から始めるつもり? 昨日と同じくらい?」
 一哉がベランダのカーテンを閉めながら聞いた。
「そうだなー…おそらく彼女たち相当疲れてるだろうから、
晩飯を食ったら行動を起こすか…」
 イスに座ってテレビを見ていた圭介がそれに答える。
「ちょっと早い気もするけどね」

「それよりも問題は…」
「行く場所?」
「それは決めた。川向こうにある大きなホテルのバー
ラウンジだ」
「うん…」
「問題は、ここのフロントをどうやって抜けるか…だ」
「見つかっても平気じゃない? 鍵を預けるんでしょ?」
「いや、それはまずい。明日、彼女たちがチェックアウト
する時にフロントマンが何か喋るかもしれない」
「そっか…」

「とにかく一瞬の隙をついて脱出する。もちろん帰って
くる時もだが。ま、おそらく深夜は呼び鈴でも押さない限り
出てこないとは思うから、帰りは大丈夫だろう」
「アクション映画みたいでドキドキするね」
「それより女の姿で外に出る事の方が、もっとドキドキ
しないか?」
「あっ、そうだった…」

「それほど徹底した管理下のホテルでも無さそうだし、
オフシーズンで暇みたいだから無人になるチャンスは、
幾らでもあるんだろうが…」
 圭介は両腕を組みながらも楽観的な答えを引き出した。
 一方、一哉は。
「うーむ…女の姿で外に出るのかー…はぁー」
 目を閉じて大きな溜息をひとつ漏らす。

 二人はその後、入浴と食事を済ませ少し時間を潰して
昨夜よりも早い時間に身体を抜け出た。
「早過ぎないかな?」
「構わないさ。どうせ今夜で終わりなんだ。タイミングを見て
さっさと入り込もうぜ」
「分かった」
 二人は、そっと女たちの部屋を覗いた。

「どうだ?」
「美咲ちゃんはいるよ。またベッドで本を読んでる」
「そうか…玲子はどこだろう?」
「…いないね」
「一哉。お前ちょっと美咲に入り込んで玲子を探してくれよ」
「探すって、どうやって?」
「名前呼んでみれば? 返事がなければ部屋にはいないって事
だろう?」
「そっか」

「んんっ!」
 女が小さな声を漏らし本を持つ手が緩むと、パラパラと
ページが捲れて閉じた。
「うん…入れたよ。えっと…玲子ね。玲子ーっ。ねえ、
いるのー?」
 美咲の身体にとり憑いた一哉が、素っ頓狂に名を呼ぶ。
「玲子ー! どこー?」

「何よ? 美咲、大きな声出して。どうしたの?」
 洗面所の扉が開いて玲子が顔を出す。
「え? あ、ああ…いたのね。何してんの?」
「何って、もう部屋を出る事も無いから、お化粧落とすのよ。
 美咲と違って私はナチュラルメイクじゃないから、落とすのに
時間が掛かるのよ。だから…あうっ!? ぐっ!」
 突然、玲子の身体が膠着した様に見えた。
「ちょっ…れ、玲子…大丈夫?」


「ふうー、よし。乗っ取ったぞ」
 玲子にとり憑くことに成功した圭介が言葉を発しながら
洗面所から出てきた。
「ずいぶん慌てて入ったんだね。化粧落とすまで待って
あげれば良かったのに」
「それじゃ駄目なのさ。この顔見てみろよ。昨夜と随分、
違うだろ? この顔じゃなきゃ駄目だ。これで口紅も眉も
殆ど落としたら玲子らしさが無くなってしまうじゃんか」
 そう言われ改めて見ると確かに昨夜とは別人のように違う。
まだ二十歳位だろうにスタイルの良さに加えて色香が
ムンムンと漂っている。

「確かにね。ホントに美咲ちゃんと同い年なのかな?」
「おい、自分の事を美咲ちゃんて言うなよ。それよりさ、
お前もリップかグロスくらい塗ったらどうだ。そのままでも
十分可愛いと思うけど、女度がさらにアップするんじゃないか」
「そ、そうかな…探してみるね」
 美咲が踵(きびす)を返して自分用の化粧道具を探す。

「あ、それとさ。他にもまだ探して貰いたいものがあるんだ」
「何?」
「まずブラジャー」
「は! そっか…ノーブラだ」
 浴衣の上から手を当てて改めて確認する。
「もう一つは靴だ。玄関に出してあった散策用のスニーカー
じゃなくて、お洒落なヒールのあるミュールかパンプスが
あるはずだ」
「あるかなー…」
「絶対にある。あそこに掛けてある服は、たぶん明日着て
帰る物だと思うけど、あの服装にスニーカーは合わない」
「なるほど。じゃ当然服も借りるんだね?」
「いや、服は演劇用とか女友達のとかを借りてきてある。
そっちはサイズは何とか大丈夫だけど、さすがにブラと
靴だけは本人の物でないと」
「すっげぇ、あらためて圭介の計画性に脱帽するよ。じゃ、
まず俺は…私は口紅から探せばいいのね」

 二人はそれぞれに別れて自分達のものらしきバッグから
目当てのものを取り出した。

「へへ。ブラ、着けてやろうか?」
「う…うん。これって難しいんだね」
 美咲は帯はそのままで浴衣の上半身だけはだけて、玲子に
ブラジャーを着けて貰った。
「圭介は自分で着けられるんだ」
「俺は演劇で結構女装とかさせられるからな。ボディスーツ
だって一人で着れるぜ」
「何、それ?」
「矯正下着だけどコルセットみたいなもんだ。さ、それより
早く出ようぜ。靴は履いて行こう。浴衣には不似合いだが、
下に降りるまでの辛抱だ」
「うん。分かった」

 二人は鍵を掛けると急ぎ自分達の部屋へ戻った。


「ヒールって歩きにくいね。二回くらい足をひねったよ」
 文句を言いながら、ストラップのホックを外して靴を脱ぐ。
「ちょっと慌てて戻ってきたからな。フロントさえ
抜けてしまえば、あとはゆっくり歩くさ」
 玲子はまだ男言葉のまま部屋に上がり、クローゼットを
開けた。
 中にはあらかじめ掛けておいた洋服や靴下、アクセサリー
などの小物類が入っている。

「俺はもう決めてあるけど、お前は…美咲はどうする?
ミニスカートが穿いてみたくないか? ワンピースも
あるけど」
「足を出して歩く勇気はないよ。ワンピースの方は丈は
長いの?」
 美咲が近寄って覗き込んだ。
「ああ、これだよ。どうだ、可愛いだろ? 美咲に
似合うんじゃないかと思ってさ。丈は長いよ。膝下10
センチ以上あるんじゃないか。これにすれば? ワンピース
なら着るのも脱ぐのも楽だろう」
 玲子がハンガーから外して、手渡した。

 その服は小花模様が散りばめてあり、半袖の袖口やスカートの
裾にはレースが縫い付けてあった。
「可愛いね…本当にお嬢様みたいだ。でも本当に俺に…
この子に似合うかな?」
「まぁ着てみろよ。それとパンティも何枚か持ってきたから
ブラに合わせるなり、服に合わせるなり好きなやつ選べよ」
 次に玲子が取り出したのは、お菓子の箱に小さく畳んで
詰められた色とりどりの下着だった。

「俺はこれを穿くからな」
そういって玲子が取ったのは極めて布地の少ない黒のTバック
だった。
「エロい下着だねー。食い込むんじゃない?」
「かもな。でも超ミニを穿くから、食い込むくらいの方が
いいんだ」
玲子のボトムはチェーンのような飾りの付いたパンキッシュな
デザインで、タイトな黒である。
 トップスも同様に黒で、編み上げ風チューブトップだ。


玲子の姿を借りた友人は、まだ鞄の中を探っている。
「まだあんの?」
「ああ、さすがに年頃の女が素足っていう訳にもいかない
だろ?」
「そんなもんなんだ」
「ラストはコレさ。黒のストッキングにガーターベルト。
どうよ?」
「うわー、凄い色っぽいと思うよ。早く着けてみてよ」
「慌てるなって。お前、いや美咲はオーソドックスにベージュの
パンストだけでいいよな」
 そのストッキングを放ると、自分はさっさと身に着け始めた。


「どうだ! すべて黒で決めてみたぞ。ちょっとSMっぽい
小悪魔みたいだろう?」
その姿は本人が見たら驚愕するに違いない。
 首にも十字のクロスやドクロの付いた大きめのネックレスを
つけるという懲りようだ。
「思った通り、スッゴク色っぽいよ。襲いかかりたいくらいだ」
 美咲もストッキングを腰まで一気に引き上げた。
「ふふ、何なら外出前に軽く抜いとく?」
 玲子が美咲の背後から息を吹きかけながら言った。
「え? 抜いとくって?」
「馬鹿ね。こういう事よ」
 玲子の右手が美咲のスカートの裾を、ゆっくりと捲り上げた。
「あ…ちょ、ちょっと。でも出かけるんじゃ…ああ」
 ストッキングの上を滑るように指がレールを引く。
「気持イイでしょ? ストッキングの感触って堪らないのよ」
「そ、そんなの知らない…ううん!」
「教えて・あ・げ・る」
 玲子の両手が太腿を這い始めたのでスカートの裾は落ちたが、
見えない部分で巧みな愛撫が始まる。


「あ、ソコ…駄目…あ、あーん」
「一日ですっかり女の子ね。いいわよ」
 無数の指が太腿から股間の付け根へと移動した。
「やん! 駄目ぇ」
「嘘、駄目じゃないくせに。知ってるのよ。美咲の弱いところは
ココ。でしょ?」
 ついに右手に一番長い指が秘部を探り当てた。
「あ、ソコ…ホントに駄目…立てなくなっちゃう」
「美咲ったら可愛いんだから。ほら、こっち向いて」
 二人は向かい合う。と同時に美咲の開いた両足の間に
玲子の右足が入り込む。
「え?! 何するの?」
「美咲ばっかズルイから、私も…ね?」
 そう言うと玲子の太腿が美咲の股間を押し上げてきた。、 
「はうん、こんなの…」
「ああ…昨日の感触が蘇ってきそう…いいわぁ」
「んんー、太腿が股間に…ああー、イイかも」
 美咲の穿いたパンストの生地が音を立て擦れ合う。
「気持イイ事なら何でも私に聞いて」
「うん…でも、こんな事してたら…ああ、時間が…あーん」
「あっ! ごめ〜ん、そっか。出かけるんだったわね。
ごめ〜ん、やめ、やめ」
 玲子が突然、中断した。
「やだ、もう蛇の生殺し…」
 スカートのシワを気にしながら我に返る。
「え? 何か言った?」
「ううんいいの。それより、よく玲子の服のサイズとか
分かったね」
 必死に平静を装いながら話題を変えた。

「まあね、上は縛っていくからほぼフリーだけど、スカートは
アジャスターが内側に付いてて数センチ位なら調節が効くのよ」
「でもそんなに短いと屈んだり、階段だとすぐに下着が
見えちゃうんじゃない?」
「そうだな。しかし、これでミュールが黒だと完璧なんだがな。
仕方ない、我慢しよう」
 急に男の喋り方で答えた。
 一方、ワンピースを着終えた美咲は白いソックスに、
髪には薄桃色のカチューシャを付けて玲子とは対照的に
少女趣味を演出した。
「一緒に歩いたら変じゃないかな?」
両掌を口の辺りで合わせて詫びるようなポーズをとり、聞く。
「構うもんか。恥をかくのは彼女たちであって俺たちじゃない。
あー、ぼちぼち言葉遣いも女モードに切り替えるかな」

「女の姿で外出なんて…やっぱり恥ずかしいな…」
「そうだ、美咲はポーチくらい持ったら?。少しは動きが
不自然じゃなくなるんじゃない。中に鍵と、一応財布も
入れてさ。ね?」
 玲子は今度は鞄の中から美咲のファッションに似合いそうな
可愛いポーチを取り出し渡した。

「じゃ、行こうか。美咲」
「うん。行こう。玲子」
 正に対照的な二人は、部屋を出てエレベーターに乗った。

 この後、二人はフロントの目を潜ると無事、脱出に
成功した。

(第9章へ)





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