『魅力的なOLボディを頂く方法』
 作:嵐山GO


「他人の妹を頂く方法」の続編です。
まずは、そちらからお読み頂ければ楽しさは倍増するかと
思われます。
どうぞ、よろしくお願いいたします。



第1章 それは、1本の電話から始まった…

 プルルルルゥー
 充電器に差し込まれた、携帯電話が着信を知らせている。
 液晶画面を見れば、それが誰からなのか分かる。
 ピッ
「もしもし?」
「一哉か? 俺だよ、圭介」
「ああ、分かるよ。何だ? どうした?」
「お前、まだ大学、夏休みだよなー?」
「ああ、そうだよ。ウチは9月15日からだからな」
「そうか。良かった。9月に入ったから、どうかなと思ってさ。
あのさ、急なんだけど明後日(あさって)から2泊3日で
温泉に行かないか?」
「温泉だって? 何を言い出すかと思えば、どうしたんだ? 急に」

 突然の旅行の誘いに一哉は戸惑いつつも、長話になりそうだと
感じ、ソファに腰を下ろして楽な姿勢で聞いた。
「細かい事は後で話すけどさ、ほら例のお前が作ったあの薬、
まだあるんだろう?」
「あー、アレか…あの日、二人で分けて飲んじゃったけど、
ディスクにデータを残してあるから、又いつでも作れるよ。
もしかして目ぼしい女でも見つけたのか?」

「ご明察どおりさ。昨日、俺がバイトしている居酒屋に
女が二人、客で来てさ。もう、これが実にいい女なんだよ。
おっぱいなんかデカイのなんのって。ウエストだって
きゅっと締まってて…」

「おいおい、それはいいから結論を早く言え」

「ああ、悪い。そんでだな。ちょっと立ち聞きして、
聞いちまったんだが、片方の女が付き合ってた男に
フラレたみたいでさ、最初は泣きながら飲んでたんだが、
その内に傷心旅行で温泉に行こうって話になって…」
 圭介が立ち聞きした話を早口で喋る。

「ふうん、そうか。大体分かったよ。そんで、俺たちが、こっそり
付いて行って身体を奪おうって魂胆だな?」
「ああ、どうよ。面白そうだろう? 今度はガキなんかじゃなくて
パッツパツのOLだぜ。きっと最高の夜になると思うんだが、
どうだ?」

「ガキって。お前この前、結構感じてイキまくってたじゃないか」
「ま、それは、それ。で、どうなんだ? 行くのか? 行かないのか?」

「うーん…日程や場所は把握してるみたいだし…俺も暇だから
いいよ」
「サンキュ! 実はOKするだろうと思ってさ、もうホテルには
予約を入れてあるんだ。もちろん彼女たちと同じホテルさ。
シーズン前だから空いてたよ」
「ずいぶん手回しが早いな。それより本当にいい女なんだろうな?」

 一哉は重要な部分を聞き逃すまいと、携帯を一層しっかりと耳に
押し当てて聞いた。

「正確な年齢は分かんないけど、若いことは保障する。俺たちと同い年
くらいじゃないかな」
「ふうん。気になるのは外見もそうだけど、あとは雰囲気かな?」
「対照的なんだよ。片方はちょっと遊んでそうな感じで派手系。
もう片方は初心(うぶ)そうな顔立ちだけど、3年も男と
付き合ってたっていう位だから身体の方は当然、開発済みだろう」

「…まぁ、それは、そうだろうな」
「次回やる時は、俺の希望を聞いてくれるって言ったよな?」
「あ…ああ」
「俺は遊んでそうな派手目の女がいい。玲子っていう名なんだ。
お前がとり憑く方は一見、純情そうなお嬢様タイプ。美咲って
言うんだってさ。胸は玲子ほどじゃないけど、スタイルは悪くない」

「それにしても、よく名前まで分かったね」
「仕事柄な、オーダー取りに言った時とかに聞こえちまうんだよ」
「なるほどね…で、夜はどんな計画?」

「そうだなー…最初の夜は二人がベッドに入ってから、
とり憑いてそのまま俺たちの部屋に戻ってくるんだ」
「なるほど…身体ごと誘拐するんだね?」
「ああ。後は、もうぐちゃぐちゃになるまで二人でレズプレイだ。
お前も一度、女になってみろよ。最高だぜ。何回だって
絶頂するんだぞ。信じられないだろ?」

「うん。まぁいいから…で、昼間はどうすんの?」
「うん、さすがに日中まで支配したらまずいだろ? だから勝手に
二人で観光めぐりでもさせておくさ」
「じゃ、二日目の夜もレズプレイ?」
「いや、二日目は俺もお前も女に成り切って、夜の街に繰り出そうかと
思ってる」
「ええっ?! そ、それで?」
「そうだな…ナンパされる。ホテルで男に抱かれてやりまくる。
俺の希望としては4Pがいいんだがな」

「そんなに上手くいくかなー? とり憑く相手は大人なんだろ」
「珍しくお前にしては弱気じゃんか? もしかしてガキじゃないと
萌えないとか?」
「そ、そんなことないさ…ただ俺はお前と違って演技なんか
出来ないからさ。他人と話したりするのは不安なんだよ」
「その辺は俺が、きっちりフォローしてやるよ。それにお前の方は、
いかにも純情そうな顔立ちだし、失恋したばかりという事にして
おけば、口数が少なくても怪しまれはしないだろう」
「ああ、なるほどね…」

「それにさ」
「ん?」
「そういうウブそうなのがタイプだっていう男は多いぜ。
結構、お前に合ってるんじゃないの? 純情娘に成りきっちゃえよ」
「分かった。確かにお前の言うように、なるようにしかならないし、
旅先で恥を晒(さら)してくるのも面白いかもな」
「そうそう、その調子」

「何か持っていくものとかあるのか?」
「いや、別に何も。自分の着替えくらいかな? 薬は簡単に
持ち運べるのか?」
「うん。保冷用のボトルに入れて持っていくよ。向こうに
着いたら別の容器に移し変える。部屋に冷蔵庫くらいあるよな?」

「それについては大丈夫だ。俺は他に持っていく物があるけど、
お前はそれだけは絶対に忘れないようにしてくれよ。薬が無いと
話しにならないかな」
「お前が持っていくものって?」
「ま、着いてからの楽しみにしておいてくれよ。じゃ、切符を
買ったら、時間とかメールするから当日、駅で待ち合わせようぜ」

「一緒に出ないのか? 何なら俺がお前んちまで迎えに行こうか?」
「いや、その日は朝方までバイトなんだ。仕事場に荷物
持って行って仮眠を取ってから駅に直行するよ」
「そうか…大変だな。でも、電車の中でも寝れるからいいか…」

「お前が目の前にいると興奮して眠れないかもな」
「だから、寝なきゃ駄目だって」
「ああ、分かった。分かった。じゃ、明日にでもメールするよ」
「うん、よろしく。じゃあ、おやすみ」
ぷちっ、ツー、ツー、ツーーー


 携帯電話の蓋を閉じ、再び充電器に戻した。
「俺が女? …なんか気持ち悪いな。でも美咲って子、
一体どんな子なんだろうな…?」

 一哉はテーブルの上に置かれた雑誌をパラパラと捲って、
 年頃の純情そうなOLというイメージで写真を探してみた…。

(第2章へ)





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