『皮り種』
作:嵐山GO


第3章 蘇生

 さっそくオレはジャージのズボンと下着の間に手を差し込み、
陰部に触れてみた。
「この辺り…だよな?ここか?いや、違う。ああ、この溝だな」
 指先の感覚を頼りに、中指が見つけ出した溝に沿って当ててみる。
「ちょうど中指一本分ほどの長さなんだな」
 指先だけではなく、陰部での感覚も伝わってくるようになると、
オレの好奇心は加速した。
 指を折り曲げ、膣腔を探る、さらに中指の第二間接をもっとも敏感に
感じる場所へ押し当てる。

「おお、いい感じだ。これは何というか男の亀頭部分を丁寧に
愛撫されてる感覚に近い…」
 擦ったり、押し当てたりを繰り返すと布の二重になっている箇所が
熱く湿り気を帯びた。
「ほほーぉ、凄いじゃないか…ちゃんと濡れるのか。ならば」
 オレは下着のゴムを潜って直接、その部分に触れてみる事にした。

「たったあれだけ触れただけで、こんなにも濡れるものなんだ」
 すでに秘裂はびっしょりと濡れ、湯気が立つほどであった。
「どっちから触ってやろうか…クリトリスからか…」
中指で襞(ヒダ)を探り当て、捲ってから肉芽に触れた。
ビクンッ
「うおっと!?す、すごい敏感だな。これは乳首以上だ。
まだ直接は無理か…では次は?」

 少し時間を置いて考えているとリビングの電話が鳴った。
トゥルルッルルルッルルー…
「電話だ…どうする…出るか?いいところだったのに」
 ズボンを直して、ベッドから起き上がり部屋を出てリビングに向った。
だが受話器に手を伸ばした途端、呼び出し音は切れた。
「なんだよ。切れやがった」

 諦めてソファに腰を下ろす。
「アソコがグショグショで気持ち悪いな。まだ5時か…
ちょっと早いがシャワーでも浴びるか。汗もかいたしな」
 洗面所に入って服を脱いだ。
「ズボンとトレーナーは着たばかりだから、まだ洗わなくてもいいな。
パンツを洗濯機に入れて、と。おっとブラジャーは洗っ方がいいだろう」
 先ほど瑞希の部屋で脱ぎ捨てたブラを拾って、洗濯機に放りこむ。

「改めて見ると確かに外見は、もう子供ではないんだな…
いつの間にか、胸もこんなに大きくなって。16歳か…まだ早すぎるような
気もするが、考えてみればオレも童貞を捨てたのは18歳の
時だったし、相手の子は後輩で16歳だったな…」

「ま、なるようになるか…さて、どうするんだ?シャワーは、この姿で
浴びるのか?」
 オレは言いながら、また腹部の皮を力を込めて左右に引っ張った。
真っ白で絹のような肌が一直線に裂け、ヘソの辺りから胸の谷間へ
向かって自分本来の肌が顔を出す。
さらに開く…。
 極薄の皮膚が、ぱっくりと口を開き中からドス黒く、毛むくじゃらで
醜い皮膚が露出した。
「や、止めだ。やはり瑞希の身体でいよう。なんだか、もう自分の身体を
見るのが嫌になってきた…」

皮膚から手を離すと、裂けた切れ目が戻り始め再び瑞希の身体に戻った。
 その姿のままオレは浴室に入り、シャワーのつまみを回した。

シャーッ
冷水から、お湯に変わったところでノズルを自分に向ける。
「ああー、気持ちいいっ!」
自分で口にした台詞だったが、妙に可愛く卑猥に浴室内に響いた。
「気持ちいい…か。自分で言っているのに妙な気分だ」
シャワーの水圧をさらに上げて、乳房に向けた。
乳首に次々と刺すような感覚が発生する。
「痛いような…気持ちいい…ような」

 左手で乳房を揉む。シャワーは相変わらず正面から激しく
当てられている。
「ああ…なんとも堪らない気分だ…」
 両手を入れ替え、もう一方の乳首にも刺激を与える。
しっかりと自己主張した乳首はピンと上を向き、さらなる
刺激を欲しがっているようにも見える。
「なんだ?摘んで欲しいのか?」

 オレは一旦、シャワーを緩めフックに掛けると空いた手で乳首を
摘んでみた。
 先刻のような痺れるような痛みは、もう無かった。
おそらく激しいシャワーの水圧のせいで麻痺したのだろう。
「だが、これは…なかなかイイ感じだ…」
 両方の乳首を摘んでは持ち上げるように引っ張る。
「うむむ…これは、いいぞ」

 出しっ放しになっていたシャワーが肩に掛かる。
「そうだ。ならばクリトリスに当てれば、同様のことが起きるはず」
 再びシャワーを手に取り、今度は股間に直接当てた。
「おお、やはりだ。気持ちいい…だが、これではクリトリスに直接
当てられない…どうするか?」

 オレは浴槽の縁に片足を乗せ、股を開き秘裂を露わにした。
「うむ、これなら直接当てられそうだ」
 シャワーの向きを変え、さらに水圧を上げる。
「はうっ!こ、これも刺激が強すぎて…だが、まだだ。まだいける。
もっと近くで…ううっ!くうっ、こ、これは…予想以上にイイ!」

次にオレは二本の指で器用に襞を捲り、クリトリスを剥き出しに
してシャワーの放水を当てた。
「ぐおー、堪らんっ!こ、これは堪らん!!これが女の感覚か」
 身体中がブルブルと震え始めた。
「イ…イク…のか?まだ子供の癖に?男との経験などまったく
無いくせに…そんな未熟な身体でイクつもりか?」

 縁に乗せている足も、身体を支えている足もガクガクと震えて
いる。
「ダ、ダメだ…どうやら本当にイク気らしい。もうもたない!」
 そう言いながらも、一向にシャワーを止める気配はない。
 むしろ目を閉じ、初めての女の絶頂を身体中で受け取ろうと
必死に身構えた。
「はっ、はうっ!イ、イク!!!駄目だー。うおーっ!」

 イッた瞬間、気が遠くなり体勢を崩し、危うく浴室に転
倒するところだった。
 辛うじてタオルを掛ける為のバーを掴み、一難を逃れた。
「ふー…何と、すごいな…これが女の絶頂なのか…」
 真っ赤に顔を上気させ、足元に落ちたシャワーノズルを拾って
フックに戻す。

 オレは浴室から出ると、少し濡れてしまった髪を乾かしながら
思った。
「女でいる事も悪くないかもしれん」
乾かし終えると、再び瑞希の部屋に入る。
「もう今日は何度この部屋に入っただろう。もう罪悪感は
無くなってきたし…そうだな、今日からココをオレの部屋に
しようか」

チェストの引き出しを引き、下着を選ぶ。
「当然、パンツだけだ。だが学校へ行くまでにはブラジャーの
装着にも慣れないと」
ワンポイントのリボンがついたシンプルな木綿のショーツを
穿く。
「どうする…さっきのトレーナーとズボンを穿くか。
それともパジャマでもあるのかな?」

ここまでくると、もう当たり前のように室内を物色する。
「本人が本人の部屋を探し回ってどこが悪いんだ。おっと、
これでいい…か」
出てきたのは長袖に七分丈ズボンのパジャマ。
ディズニーの様々なキャラクターが所狭しとプリントされて
いる。

「腹が減ってきた。だが、その前に風呂上りのビールだ」
可愛いパジャマを着込んだ少女が、冷蔵庫の中からビールを
取り出しソファーの上で大股を広げて飲んでいる。
一体こんな姿をどこの親が想像し、また許すであろうか。
「ふん、どうせ誰も見ちゃいないしな。だが、こんな事を
していたら完璧な女にはなれないぞ。言葉遣いもそうだが、
少しは努力しないと。うーん、可愛らしい女の演技…か」
 
 オレは食事を終え、二缶目のビールを口にしながら思った。
「あー、しかしさっきのアレは気持ち良かったな。瑞希も
ボーイフレンドにあんなこと言うぐらいだから、自慰ぐらいは、
していたんだろうが」

「感じ方が男と全く違うのはもちろんだが、イッた後の気分も
まるで違うものだな。男の時はそう、虚無感というか空しさ
みたいなもんが付き纏ったが、女の場合は充足感の一言に
尽きる。しかも男のように単純な射精欲と違うから、
気分さえ乗れば何度でも果てる。現に今も想像していたら
またヤリたくなってきた」


 二缶目のビールも空になった。
酔っぱらっているわけではないが、手はいつしか股間を
押さえていた。
「あー、やりたい…しかし、これではただの淫乱女子校生
だな」
 左手はまるで自らの意思を持っているかのように動き、
上着のボタンを外しにかかった。

「ああ、綺麗なおっぱいだ。形も申し分ない…なんだ、
もう乳首が勃ってるじゃないか。仕方ないやつだな。ほら」
 左の人差し指と親指で、いきなり強く摘んだ。
「はうっ!くぅ、イイ」
(すっかり摘まれる事に慣れたようだな。それともアルコールが
入っているせいか?なら、こっちはどうだ?)

 右手をショーツの中に滑らせる。案の定、じっとりと濡れていた。
「ふん、やはりな。そんなに刺激が欲しいか?なら、くれてやる」
指を秘裂に当て、上下に動かしてみた。
「ああっ!イイ…それ、気持ちイイ」
(可愛い声を出してもオレは騙されないぞ。お前は淫乱少女だ)

 長いストロークでスライドを続けると中指の先に肉芽の先端が
当たった。
「あんっ!」
(知ってるぞ。ここが一番感じるところなのだろう?皮を剥いて
やろう)
 指先でそっと包まれた包皮を剥いてゆく…。
先端に神経の集中した、おそらく身体中で最も敏感であろう
芽が現れた。

(触わるぞ…いいんだな?)
指先を近づけ、ちょんと触れた。
「んんっ!!い、痛…っ!」
(さすがに、まだ早いか…いいさ、慌てなくてもな)
皮を元に戻し、その上から丁寧に擦ってゆく。
「あっ、ああ…これなら…イイ」

(初体験か…ここに男のアレが入るのか…どれどれ)
オレは膣腔に指先を当てて、僅かづつ侵入を試みた。
ヌプッ、ズ・ズズ…
「い、痛ぇ!。駄目だな、これ以上は無理だ」
(ふぅ、もう限界か。ま、女になっていきなり全部試そうと
いうのが土台無理な話だ。そういえば、あの孝明という少年。
当然、初体験とか言ってたくらいだから童貞だろう。
ここでオレが処女膜を破って…まぁ、あるとしたらの話だが…
淫乱になってしまったのではガッカリだろうな。
オナニーも程ほどにしないと)

「とは言っても…もう」
(身体が火照って仕方がない…か。んん?)
「うう…」
 もう一度、最初に戻って胸を揉み、乳首を摘みながら、秘裂に
沿って執拗にスライドする。
「あ…あー…そ、そこだ」
(心配するな。ちゃんとイカせてやるとも。覚えたての
オナニーで存分に達すればいい)

 左右の手の動きが、せわしくなってきた。
身体中に小刻みな震えが生じ、腰が僅かに浮いた。
「イイ!イク…イケる…あ、駄目だ!イクぞ!」
(そら、そら、これでどうだ。イキやがれ!)
 グチョグチョ、ネチョネチョと卑猥な音がショーツの中で響く。
「はっ、あうっ!んんっーー!!」
ぐうんと腰が持ち上がったかと思うと、そのままソファに沈んだ。

「イッたー。またイッたよ。はぁ、はぁ。すげーな。ホントに女は
何度でもイケるんだな」
 身体全体で息を整えていた。
 長い余韻…雲の中を漂うような心地よい浮遊感が暫らく続く。
(イッた後も男とは全然違うな) 
 
 そこへ静寂を打ち破るように電話が鳴った。
トゥルルッルルルル…
「はい、もしもし…葵です」
オレはまだ呼吸を乱したままだったが、何とか言葉を発した。
「瑞希ちゃんでしょ?孝明です」
「あ…孝明…くん」
「無事に帰れたみたいだね。良かった。なんか辛そうな
顔してたからさ。心配になって」
「うん…ありがとう。ちゃんと…帰れたよ」

「ねぇ、なんだか息が上がってるみたいだけど、
何かしてたの?」
「え?ううん、なんにも…平気。それより、さっき電話した?」

「あぁ、うん。したよ。部屋にいたの?」
「ごめんね。シャワー、浴びてた」
(いや、実はさっきの電話の時もオナニーしていたのだが)
「そっか。帰ってないのかなと思って、すぐに切っちゃったよ」
「あのね、孝明君。昼間の話なんだけど…」
「うん…」
どうやら「初体験」という言葉を使わなくても伝わったようだ。

「私ね…生理、終わったみたいなの。だから近いうちに
またデートしてくれる?」
「ホント?分かった。でも落ち着いてからでいいよ」
「それとね。携帯新しいの契約したの。明日、印鑑を持って
受け取りに行くから、そしたら携帯から電話するね」
「じゃ、帰りに寄ったんだね。お父さんに会えたの?」
「うん…パパね、もう定年退職してウチにいるの。だから
途中で待ち合わせして買って貰っちゃった」

「良かったじゃん。最新型?」
「うーん、どうかな…私、そういうの良く分からないんだけど、
店員さんが勧めてくれたの。ピンク色で可愛いよ。
今度会った時に見せるね」
「オッケー。楽しみにしてる。じゃ、電話、明日だね」
「うん!明日するよ。それと、今日はありがとうね」
「うん、じゃね。おやすみー」
「おやすみなさい」
ツー、ツー、ツー…

「自分から男を求めてしまった…まぁ、いいか。遅かれ
早かれ、こうなる事は避けられないんだしな」
オレは目の前に散乱したパックゴミや空き缶を纏めて、
立ち上がった。
「ちぇ、パンツが濡れてて気持ち悪い。また履き替えるのか」
ゴミを捨て、洗面所でショーツを脱ぎ洗濯機に入れた。

「何度でもでもイケる代わりに、その度にパンツを履き替えて
たんじゃ、洗濯物が溜っちまう。もう今日はもうしないからな」
そう自分に言い聞かせながら新しいショーツを取り出して、
穿くと早々にベッドに潜った。

「明日は起きたら携帯を取りに行って、それからボーイフレンドに
いや孝明君に電話…か。その前にデートをいつにするか決めて
おかないとな。うーん、じゃあ明日も張り切ってオナニーするか」

 明日の予定が決まり、目を閉じると疲れが出たのか、そのまま
寝入ってしまった…。


(第4章へ)



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