『その後の英雄と悪漢』(その3)
 作:嵐山GO


『最近の奴はどうなんだい?』
 食事をとりながら、[主]の声を聞く。
「どうって、別に変わらないわよ。いつもと」
 中年男のブヨブヨした身体から少女へ変わっても嗜好は
変わらない。
 [肉体労働]した後はボリュームのある肉料理、味付けの
濃いスープ、それに大好きなビールもたらふく胃袋へと
流し込む。
(いくら食べても身体のラインはいつでも戻せるから
いいよな。世の女達が知ったら、さぞ羨ましがるだろう。
いひひひ)
 厭らしい笑みを浮かべながらも、さらに巨大な肉の塊を
掴む。
(確か…私の身長は161cm、バストは83、ウエスト
58、ヒップ84だったかな?これで設定してあるから、
少しでも超えると[主]がいつでも戻してくれるんだ)
 思春期の少女の身体で好き放題に食べ、思う存分セックスも
堪能している。

『そうか…もう、この星の単位で3ヵ月経つが奴は出て行く
気配は無いのだな?』
「ああー、その事なんだけど私も思うのよねー。いつまでも
こんな事やってられないなーって」
 ひとしきり食べ終えるとテーブルの上で頬杖をついて
言った。
『とは言え、出て行くつもりが無いのでは埒(らち)が
明かないな』
「それなんだけど、ちょっと私にいい考えがあるの。
聞いてくれる?」
『いい考え?いいだろう。話したまえ』
「あのね…」
 実体の見えない[主]に向け天井を見上げながらオレは、
ある提案をした。


(その4)へ




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