SKIN TRADE2
作:嵐山GO

(その17)

 男の身体が背中に押し付けられる。
(マジ? 振り向いて顔、見てやろうか? だけど、とりあえず問題は
ショーツの中に入った手だけど…まさか?)
 指が若草をかき分け、秘裂を探り当てた。
(ちょ…マジ? それはヤバいって)
 すばやいスピードで左右に柔肉を開き、あっという間に中指を押し入れた。
「はんっ! くん…」
 思わず声を漏らしてしまう。巧みな指と無駄の無い動きは熟練者の
テクニックを感じる。
(ど、どうしよう…声を上げようにも言葉が見つからない…痴漢される
女の子の気持ちが分かった気がするけど…)

「もう濡れてる。可愛い顔して経験豊富なのかな?」
 耳元で男が囁いた。顔は見えないが声からして中年のようだ。男の
自分と同い年位かもしれない。
「やめて…ください」
 それを言うのが精一杯だった。羞恥心に加えて、下半身から
吹き上がってくる快感が声を出すのを拒絶する。
「やめていいの? ビショビショになってきたけど? 電車の中で、
男たちに囲まれて、見られながらイキたくない?」
 相変わらず、誰にも聞こえないように小声で囁きかける。

「いや…だめ…」
 足がガクガク震えてきた。指はとっくに膣内に入り込みGスポットを
刺激し続ける。
「イッちゃいな。きっと今までに味わったことの無いような刺激だよ」
「あっ…でも…そんな」
(ヤバイ! マジでイク。このままじゃイカされちまうよ)
 足どころか身体中が震え上がった。想像を絶する快感と羞恥心との戦い。
(イク…イキそう…まずいって。マジで! くぅっ…!)
 まさに絶頂に達する直前、再び背後で大きな声が上がった。

「おい、おっさん! 何してる? おっさん、痴漢じゃないのか?」
 先ほどの声とは別の声。もっと若々しく張りも艶もある元気な声だった。
「ち、違う! 私は何もしていない!」
 スカートの中の二つの手が抜かれる。中年男の弁明の声が聞こえるが
僕は、どうしたらいいか分からず、ただじっとしていた。
「嘘つけ! 痴漢じゃないのか? その子、震えてるじゃん」
 激しい言葉が浴びせられる。と、そこへ電車が駅に着きドアが
開いてしまった。
 さっきまでは反対側のドアだったのに、今度はこちら側が開いたので
中年男は僕を突き飛ばすようにし外へ飛び出した。

「どけっ!!!」
「きゃっ!」
 僕は、まさかドアが開くとは思っていなかったので心の準備も
出来ておらず、ホームで倒れてしまった。
「おい、待てよ! あ…彼女、大丈夫?」
 ブレザー、おそらく制服だろうが男の子が僕を気遣い、手を伸ばして
きた。
「ありがとう」
 ホームには乗り降りする乗客もいたが、倒れている僕を避けるようにして
動いた。
 僕は捲れたスカートを直しながら、手を借りて立ち上がる。

(続く)


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