SKIN TRADE2
作:嵐山GO

(その13)

 今日も天気がいい。時折、吹き込む初夏の風がスカートの中を通り抜け
心地いい。
「今日で登校3日目かぁ…」
 大まかな構内の位置は把握してきたものの、まだまだ残る不安は多い。
「ふぅー、いつまで続くのかな…この生活。今更、三十過ぎた中年男に
戻るのも嫌だし。それでも今のこの生活を続けるかと言われれば困るし」
 校門を抜けて校舎が近づいても、答えは出そうにもない。

「はぁーい、おっはよ。美穂! 今日も暗い顔で登校ですかぁ?」
 自分に気軽に声を掛けてきてくれるのは裕美だと分かる。
「うん、おはよ。ちょっとね。深夜テレビ見てて夜更かししちゃったから」
(ま、いっか。今はあまり考えすぎないようにしよう。こんなの僕らしく
ないし)
「約束覚えてる?」
「お茶奢る約束だよね。大丈夫、覚えてるよ。今日行く?」
「そうだね。あ、ちょっと待って。今日は水曜日でしょ? カウンセ
リングの日だよね? 今日は、あんたの番じゃないの?」
「ええっ!? そ、そうだっけ?」
「マジ、大丈夫? 転校してきてから定期的に行ってるじゃん? 診て
貰ってるんでしょ?」
「…そうだったかも」
(そういや、手帳に第一、第三の水曜日はカウンセリングとか書いて
あったけか…)
「しっかりしろよっ。お茶は、いつでもいいからさ」
 裕美は背中をバンッと叩いて、自分の下駄箱へと向かった。
(カウンセリング…保健室か? 後で調べてみるか)
 僕も靴を履き替えて、教室へと向かう。



 ピンポンパンポーン
「胡桃谷美穂さん、カウンセリングに来てください」放課後、
スピーカーで呼び出された。
「ほらね?」
「うん。じゃ、裕美。私、行くね」
「ばいばーい」
 僕らは教室で裕美と別れ、保健室へ向かった。

 コン、コン
「どうぞぉー」ノックすると中からスピーカーと同じ女性の声が聞こえた。
「失礼しまーす」
(カウンセリングって何か聞かれるのかな? 誘導尋問みたいなのだったら
嫌だな)
「入ったら、いつもみたいに鍵を掛けてね」
「はい」
(個人のプライバシーに触れる会話なのだろうから施錠は当然か)  

「今日もよろしくお願いします」
 とりあえず初めての事ではないようなので、差しさわりの無い挨拶から
入る。
「うふ、今日は遅いのね。もう飽きちゃったのかしら?」
 綺麗な女の人が回転椅子に座ったまま、身体をこちらに向けた。
三十歳前後といったところだろうか。髪はショートだが、スタイルも
抜群で『男』の自分から見ればまさに、そそる身体だ。
「い、いえ、そんなこと無いです!」
「そう? ならいいけど。じゃ、いつものようにブラとショートを脱いで、
ベッドに横になってね」
「え? 下着…取るんですか?」
「そうだけど…付けたままの方がいい? ブラはともかく、ショーツは
出したときキツクないの?」
「?」
(キツイ? 何が? 出したときって? よく分からないけど、
とりあえず言われたまま従うか)

 僕はブラを外し、ショーツを脱いでベッド脇の籠に畳んで置いた。
「今日で何回目かしらね?」
 先生は白衣を脱ぎ、ハンガーに掛けながら言う。
 短いタイトスカート、黒のストッキングがガーターベルトで
吊られている。こんな格好が似合うのは自分のスタイルに自身が、
あるに他ならない。僕は、そう思った。
「覚えてないです…」
 軽い記憶喪失のフリをする。
「三回目よ。今日はどうしたのかしら? いつになく消極的じゃない?」
 ベッドに寄ると僕のスカートをゆっくり捲り両足を強引に開かせた。
「あ…いや…」
「そういうプレイがお望み? いいわよ。それなら積極的な先生と
ウブな生徒という設定にしましょ」
 裾をすっかり捲りあげると、僕の下半身は完全に無防備な全てを
曝け出した。


(続く)


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