SKIN TRADE2
作:嵐山GO

(その9)

「生活を変えると毎日、色んな事があるなぁ。あー、生活というより
今回の場合、性別かもな」
 今日も家に帰っても『皮』を脱ぐことはなく、むしろ若い女性の
身体を慈しむように楽しんでいた。
「まゆゆかぁ。可愛い子だったなぁ。あれだけ僕のことを気に入って
くれてるんだから当然、いつでもH出来るんだよな」
 更衣室での出来事を回想しながら、今日も太股に指を走らせる。
「今日は直接触れなかったけど、次は指とか強引に入れちゃおうかな。
あふんっ…」
 チェックのプリーツスカートを捲る。
「駄目、駄目。制服がシワになっちゃう。やん、駄目だったらぁ」
 あえて女言葉を発し、弄られる自分を想像する。

「はんっ、ソコ駄目! 見ないでぁ。だって、もうショーツびしょびしょ」
 スカートを大きく捲り上げて、股間に指をあてがう。
(凄いな、女って。想像しただけで、もうこんなに濡れてるよ。もし、
ここにチ○ポが入ったらどうなんだろう? やっぱ、気持ちイイんだろうな)
 ショーツのゴムを潜って直接、秘裂に触れた。
「あ、あっ、あぁー。ソコ、いやーん。触っちゃダメぇ。え? 
入れちゃうの?駄目よ。やめて。そんなコトしたらスグにイッちゃうもん」
 一人芝居を続けると、あっと言う間に絶頂が訪れた。
「あ、イク…制服のままイッちゃうーーーーっ!!!!」
 ソファで大きく仰け反って、そのまま果てた。

「着替えてシャワー浴びよう。ホントにシワだらけになっちゃうよ」
 僕は、ゆっくり立ち上がって制服を脱ぐと、そのまま浴室へ向かう。
「あー、もうホントきりがない。しゃんとしなきゃ。明日も学校だぞ」
 両手の平で頬をパンパンと叩いてシャワーのノズルをひねった。



***************



「美穂? どうしたの、ボーっとして。考え事?」
 今日も昼休みは早坂裕美と向かい合って、昼ご飯を食べ雑談をする。
「あ、ううん。なんでも」
(今の僕には、この子が一番の仲良しなのかな? 他の子は、
あまり話しかけてこないけれど。さすがに自分から話しかける勇気は
ないし…それより早く構内の位置を把握しないとな。早坂さんが急に
休んでもしたら、大変だぞ。友達を増やすか、どっちかだな)
「あんた、最近変わったよね?」
「ええっ!? そ、そう?」
(まずいな)
「駅の階段から落ちて頭打ったんだっけ? マジでもう平気なん?」
「うん、もう平気。あ、そうそう。今日の帰り、お茶する? この前の
奢りの約束、まだだし」
「そうね。あ、ちょっと待って。今日、第三火曜日じゃん?」
「あ、うん。そうだけど」
「理事長来るんじゃない?」
「理事長?」
「あんた、大丈夫? いつも月の第一と第三の火曜日は理事長が、
あんたを迎えに来るでしょ? 今日も多分、黒塗りのリムジンで
待ってるよ。いいなー、金持ちの親戚がいて。羨ましいよ」
「あ、あはは…そんなことないってば」
(何だ、ソレ? 手帳にそんなの書いて無かったぞ。理事長と親戚? 
どういう意味だ?)
 キーンコーン、カーンコーン
「あ、チャイムだ。昼休み時間、マジ短いよ。あんた、理事長に頼んでさ、
あと30分伸ばすように頼んどいて」
「あは、あはは…」
 裕美が立ち上がったので、僕も後に続く。放課後の不安を抱いたままで。


(続く)


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