SKIN TRADE2
作:嵐山GO

(その5)


「なんだか今日も色んなことが続くなぁ。おっと、それより問題はこれか…」
 足元に置かれた大きなスポーツバッグと鞄を見る。
 中身は言われたとおり、教科書や制服、体操着など学校で使う大切なものだ。
 すべて中身を出し、今はソファで一息ついているところなのだ。
「やはり、あの男が不要になったから捨てていったと見るべきかな? 
まさか後で取りに戻るなんて事はないだろうな…中年男の姿じゃ理由付けが
大変だから、それはないか。そっちより問題は僕の方か…これを来て
月曜日から、あの学校に登校しなきゃならない。住所も教えてしまったし。
でも無職の僕が学校なんて行ってる場合かよ」
 いつものように腕を組み考える。そして今も女の子の姿のままだ。

「あ…待てよ。あの男…随分前に痴漢だか強姦だかで騒ぎを起こした奴じゃ、
なかったっけ? よく覚えてないけど…あちこちの女子高を徘徊しては
悪さを、繰り返してたとかで。違ったかな? ニュースを聞いたときは
羨ましさもあったけれど、どうやってバレずに構内に潜入出来たのか
不思議だったけれど。そうか…この『皮』を
使ったんだな。 随分、ワイドショーなんかで取り上げられてたっけ」
 短いスカートから伸びた自分の太股をさすりながら、数年前の記憶を
辿る。
「なら、同じような事が僕にも出来るわけだ。そうか…待てよ。
あの男のことだ…すでに校内で何らかの計画を実行に移していたと
考えるべきかもな…?」
 
 壁に掛けられた制服が新鮮に僕の目に飛び込む。
「まさか女の子の制服が、この部屋に掛けられるとはね」
(学校に行くか…) 
 それでも登校するとなれば、まだバッグに入ったままの
体操着も明日には洗わねばならない。
「明日は、あまり動き回らず家で大人しくしていようか…いや、待てよ。
日曜日だ。近所の公園でフリーマーケットやってるな。学校に行って
友達と会ったりするなら、もう少し小物とか探して揃えてみるか」
 今日も明日の予定が決まると、食事をしシャワーを終えると
買ったばかりの可愛いパジャマに袖を通してベッドに入る。
 当然のことながら覚えたてのオナニーに突入し、今夜も三度ほど
絶頂し夢に落ちた。


(続く)


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