転身  (その39)
作:ecvt



「よし、ターゲットはこの絵里さんの記憶にある女医の高瀬小雪先生だ!今日はちょうど夜勤らしいしな・・・ぐふふ」
絵里は両手でずっと自分の胸を揉みながらそう呟くと、高瀬小雪先生のいる当直室へと向かったのだった。
「さぁて、どうやって小雪先生になろうかな・・・そうだ、コンパクトがあるから、物陰から強引にいってもいいかもな!よし、まずは隠密行動だからこうやって気分を盛り上げてっと・・・よいしょ・・・」
絵里はパンティを脱ぐと、再びマスクのように被ったのだった。
「フガフガ!パンティ仮面見参!」
そして廊下のガラスに自分の姿を映しながらそう言ってヒーローのような決めポーズをとったのだった。
「あっはっは!何やってんだよ、絵里さんは!」
絵里はガラスに映る自分に向かって言い放つと、ア○レちゃんの様なポーズで走り出したのだった。
「キーン!っと、この角の向こうが当直室だな・・・フガフガ」
絵里は立ち止まると、腕にかけていた荷物を置き、角から頭を出して廊下の様子を伺った。
すると、廊下では小雪先生と、新人看護婦の北川雪江がキスをしているところだった。
(なにぃ!?あの二人って、レズ同士だったのぉ!?これはこれは・・・)
「ダメよ、北川さん・・・病院ではここまでよ・・・」
小雪先生は残念そうに下を向く北川雪江の頭をそっと撫でると、立ち尽くす彼女を置いてこちらに向かって歩いてきた。
(おっ、こっちに向かって来る!飛んで火に入る・・・)
彼女が角を曲がった瞬間、俺は背後から彼女を羽交い締めにして口を塞いだ。
「むー、むー!」
そしてすかさず彼女にコンパクトの鏡を見せて彼女と鏡越しに目を合わせたのだった。
一瞬、視界が白くなり、視界が戻ると、俺は黒いタイトスカートを履き、白いワイシャツに白衣を羽織っていた。
左の胸元には小雪先生の写真入りネームプレートが下がっている。
「ぐふふ、これで俺が小雪先生か・・・色白で綺麗だなぁ・・・あんっ・・・ストッキング越しなのに感度もなかなか・・・」
俺はスカートの中に手を突っ込んで股間を摩りながら、コンパクトの鏡に映る自分の顔と、ネームプレートの写真を何度も見比べてそう呟いた。
「あの雪江って娘も、美人だよな・・・むふふ、今、俺が小雪先生としてあなたの願いを叶えてあげますからねぇ!」
そう呟きながら俺は、床にパンティを被って倒れている絵里さんから荷物を奪い取ると、すかさず小雪先生が今来た角を、やや大きめにお尻を振りながら戻っていったのだった。
「うふふ・・・北川さん、私、やっぱり気が変わったわ・・・一緒に当直室で楽しみましょう・・・」
俺は当直室の前で立っていた北川雪江を優しく抱き寄せると、彼女にキスをしたのだった。
「嬉しい・・・先生・・・」
すぐ先の角を曲がっていってすぐさま戻ってきた愛しの小雪先生が、角を曲がる前とは中身がすっかり変わってしまっていることなど知る由もない北川雪江は嬉しそうにそう言うと、小雪先生である俺にリードされながら当直室に入っていったのだった。


(続く)


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