転身  (その20)
作:ecvt



「あっあーぁん!シートと股間のバイブが擦れて・・・気持ちいぃ・・・!はぁっ、はぁっ・・・」
中身が俺になってしまった伊東梓紗は、道行く人の好奇の視線を全く気にする様子も無く、呆けた表情で胸の谷間を強調した格好のまま、シートに股間を擦り付け、腰をゆっくりと動かしながらバイクを運転していた。
「た・・・確かに気持ちいい・・け、けど・・・な、何かが足りない・・・ぜ・・・じゃなかった、足りないわぁ・・・うふっ!・・・そうだ!」
梓紗は見かけたブティックに入ると、驚いた表情をした女性店員や、目尻を下げてじろじろと彼女を見ている男性店員を気にする様子もなく、赤いブーツと黒い網ストッキングを手に取り、男性店員の前に立った。
「いっ!・・・いらっしゃい・・・ませ・・・」
男性店員は目尻が下がっただけでなく、鼻の下まで伸びきってしまっている。
「コレとコレ、くださいます?あ、カードで一回払いね。あ、後コレは着ていくからあそこの試着室を借りるわね。あと、はさみも貸してくださらない?」
「はぁ・・・」
男性店員は呆けた表情をしながら今の俺の姿・・・色っぽい梓紗の姿をじろじろと眺め続けている。
「ちょっとぉ、店員さん、聞いてるの?」
そう言いながら俺は梓紗の胸のジッパーをもう少し下げていった。
「は、はぃ!し、失礼いたま、いたしました!」
もう男性店員の顔は真っ赤だ。
「あ、ありがとうございました。試着室はあちらでご、ございます!」
そう言いながらも、店員の視線は股間の膨らみに向かっていた。
「あら、このふくらみが気になるのかしら?」
「い、いえ、そのようなことは決して・・・」
「いいのよ、コレはね・・・」
そういいながら俺はジッパーをさらに下げていった。
「こうなっているのよぉん!」
一瞬、股間に突き刺さった双頭バイブを見せてすぐにジッパーを戻した。
「ちょっと店員さん、聞いてるの?」
もう店員はなんともいえないだらしない表情をしている。
「あぁ・・・えへへ・・・はっ、し、失礼いたしました。し、試着室へどうぞ」
試着室に入った梓紗はツナギを脱ぎ、パンティを脱ぎ捨てると、しばらくの間、鏡の前で色々なポーズととって股間に双頭バイブを咥え込んだ自分の姿を嬉しそうな表情で眺めた。
「うーん、この人、思った以上にスタイルいいなぁ・・・えへへ・・・そうそう、こんなコトしてられないわ、もうすぐ私の[親友]が泊まりに来るんだったっけ、ま、そのことに関する記憶は後で読むとして早く着替えないとね!」
俺はノーパンバイブのまま網タイツを履くと、がに股でその場にしゃがみ込み、はさみでツナギをちょうどホットパンツぐらいの長さのところで切断してツナギの股間あたりを丸く開けた。
「なぁんか、このツナギってヴィンテージもので、やっとのことで買ったものみたいだったけど、さらにかっこよくなるんだからいいよね、梓紗さん?」
「えぇ、とっても良くなったわぁん!梓紗、嬉しい!チュッ!」
梓紗は鏡に向かって一人芝居をしながら、鏡に向かって投げキッスをした。
そしてすっかり形が変わってしまったツナギを嬉しそうな表情で手に取ると、網タイツに包まれた双頭バイブの先を通しながら着込み、真っ赤なブーツを履いたのだった。
「うーん、私ったら、なぁんていやらしい格好なんでしょう・・・最高!」
そう言いながら梓紗は鏡の前で決めのポーズをとると、颯爽と店を後にした。
「さぁて、あとは・・・」
梓紗はバイクのシートを器用に外すと、その間に網タイツに包まれた双頭バイブの先をシートとの間に挟みこんだ。
「はぁっ、うっ、うぅん!こ、これでバイブが固定されて・・・も、もっと気持ちがいいわぁん!さぁて、[私]のマンションに向かうわよぉん!」
こうして奇妙な体勢でバイクに跨った梓紗は、腰を動かしながら恍惚の表情でバイクを発進させたのだった。


(続く)


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