転身  (その13)
作:ecvt



(ふふふ・・・進入成功!)
「美和さん・・・弁護士のクセに俺の身分証の不正使用による刑法130条違反、不法侵入に協力してくれてありがとう。これから覗き、軽犯罪法違反までも協力してくるんだよね!悪い弁護士さんだ・・・」
「あらぁん、こんなこと、いつでも協力させていただきますわ!」
美和の顔写真つき会員証を不正に使い、今出たばかりのクラブにすぐに戻ってきた美和を不思議がるスタッフを得意の弁論で誤魔化し、美和として女性専用フィットネスクラブにまんまと潜入することに成功した俺は、そう言いながらジャケットとシャツ、スカートを乱暴に脱ぎ捨てると、女風呂更衣室の鏡の前に立った。
「こ、これが俺かよぉ・・・スタイルいいじゃん!弁護士にしとくのもったいねぇなぁ・・・知識もこんなに詰まって・・・でも今やそれはぜぇーんぶ俺のもの!うふん!」
美和は嬉しそうに鏡の前でポーズをとると、ウインクをした。
「いやぁん!ストッキングスベスベぇ!そこに黒いレースのパンティが透けて見えて・・・たまらん!」
鏡には、嬉々とした表情で自分の脚を撫で回す美和の姿が移っていた。
「さぁ、美和のストリップショーよ!ちゃららららぁーん!」
そう言うと、美和は鏡に向かって歌って踊りながらストリップを始めたのだった。
美和は周囲の冷たい視線を気にする様子もなくさらに激しく腰を動かしながら観客が自分一人のストリップショーを続けた。
「じゃぁーん!」
全裸になったところで「キメ」のポーズをとった美和は、最後に鏡に映る自分に口付けをした。
「うんうん、最高だったよ、美和さん。さぁて、と・・・この人・・・じゃなかった、[私]の記憶による・・・と・・・」
俺は、おもむろに美和のバッグを漁りだした。
「あったぁ!コンパクト録画装置ぃ!」
そう言いながら、美和は嬉しそうに、仕事で証言等を記録するためのコンパクトな録画装置を取り出した。そして、
「おぉ、スパイみたいだなぁ、ようし、これで、女風呂の盗撮でもしまくってやろう!でもこれって軽犯罪法違反よなぁ、まぁだ罪を重ねるとするなんて、本当に悪い弁護士さんだなぁ・・・俺には盗撮なんて趣味はないけど、美和さんはどうなのかな?」
「私、盗撮をずっとやってみたかったの!お願い、私に是非やらせてぇん!」
「やれやれ、ホント、どうしようもない弁護士さんだなぁ!美和さんがそんなにやりたいんならしょうがない・・・では早速・・・ニシシ・・・」
と、一人芝居をしながらコンパクト録画装置のスイッチ押して、自分の方へカメラを向けた。
「ハァーイ!私、朝倉美和は、これから女風呂の盗撮に向かいまぁーす!」
そう言った俺は、そのカメラを持ったまま女風呂へと入っていった。


(続く)

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