転身  (その3)
作:ecvt



「いいのかなぁ・・・いいんだよな、今、俺は女なんだし・・・でも大丈夫かなぁ、なんだか恥ずかしいし・・・うーん・・・」
俺が女性用トイレの前でまごついていると、それを怪訝な表情で見ながらトイレに入っていく女性が俺の横を通り過ぎた。
「うん、逆にこんな女の姿なのにこんなところでまごついているほうがおかしいんだ。そうそう、今の俺の姿で男のトイレに入るほうがおかしいんだから。うん!俺は遠藤理沙、俺は遠藤理沙・・・よし!」
意を決した俺は、そろーっと忍足で女性用トイレの中に入っていった。
「おじゃましまーす・・・」
中では先程俺の横を通り過ぎた女性が化粧直しをしていた。しかし、俺が入ったことに対して特に表情も変えることなく「当たり前のこと」として捉えている様子だった。
(お姉さん、なに考えてるんですか?頭大丈夫ですか?男の俺が堂々と女性用トイレに入ってきたんですよ!驚いたり、大声出さなくていいんですか?)
そんなことを考えながらその女性の横に立ってみた。鏡には嬉しいながらも緊張した表情でこちらを見つめる遠藤理沙の姿が映っていた。
(おっ、理沙さん、やっぱりいい女だなぁ・・・隣の女は・・・鏡越しだからあの女にも身体を乗り換えることはできるけど・・・)
俺は鏡越しに隣の女と遠藤理沙の姿を何度も見比べてみた。
(やっぱり理沙さんの方が断然美人だね!うーん、最高!)
鏡の中の理沙は、満足気な表情で自分の顔を撫でながらにやりと笑った。
俺は理沙の顔を動かして、色々な角度からまじまじと顔を観察し、その後、角度を変えながら表情を色々と変えてみたり、ウインクしたりして、俺の思い通りに表情を変える理沙の姿を楽しんだ。
(うーん、いいなぁ・・・!ちょっとポーズなんかとってみたりして・・・)
俺は左手を腰に、右手を頭の後ろにあてて、色っぽいポーズをとって、鏡に向かってウインクしてみた。
「うっふぅーん!」
(いいよ、いいよ!理沙さん!)
隣にいた女性は、鏡の前で妙なことを始めた理沙をいぶかしげな表情で眺めると、スタスタと女性用トイレを後にしたのだった。
(あちゃあ・・・ついつい夢中になって隣に人がいたのを忘れてたよ!あらら、理沙さんが変な奴と思われちゃったよ、ま、いっか!いいよね、理沙さん?)
「全然いいわよ!私は貴方に身体を動かしてもらって本当に嬉しいわ!どんどん好きなことをしてちょうだい」
(そうか、それならいいんだよな、本人が言ってるんだからさ!お言葉に甘えさせてもらうとしますか・・・)
そんなことをしていると、ふと、理沙の豊満な胸元が目に入った。
「さっきタクシーの中でもちょっとみたけど、この人って結構巨乳だよな・・・今はココには誰もいないことだし・・・ちゃんと見てみよっと!」
そう言った俺は、胸元の開いたジャケットのボタンは外さずに、シャツのボタンを上から数個外すと左右に開き、ピンクベージュのブラを乱暴に上にズラして理沙の巨乳を露にすると、胸をぐっと鏡のほうへ向かって突き出してみた。
鏡には、「おぉーっ」と、珍しいものでも見るかの様に口をポカンと開けた表情でこちらを見つめながら、シャツを開いてブラを上に上げ、巨乳を「見て!見て!」言わんばかりにこちらに向かって突き出してきている理沙の姿が映っていた。
「おぉ、理沙さんってやっぱり巨乳だなぁ・・・触ってみよっと!」
鏡には、自分の胸を珍しそうな表情で嬉しそうに揉んでいる理沙の姿が映っている。
「あっあぁーん!・・・柔らかいけど張りがあって・・・胸だけでこんなに気持ちいいのかよ!男の心で興奮して触ってるからかな・・・でも、女の身体って最っ高・・・」
理沙の口からはよだれと共に普段の理沙からは考えられないような台詞が次々と漏れてくる。
「じゅる・・・どれどれ、下の方は・・・」
俺は鏡を見つめながら理沙のタイトスカートをゆっくりと持ち上げていった。
「おぉ、このチラリズム、いいねぇ・・・うふん、そんなにじろじろ見ないで・・・恥ずかしいわ、でも私って、こぉんな下着をはいてたのね、知らなかったわ・・・この中はどうなっているのかしら?ちょっと下ろしてみましょう」
理沙はニヤけた表情で自分のパンティを下ろすと、がに股になって股間を鏡に向かって突き出してみた。
鏡には、恥ずかしげもなくその通りのポーズをとる理沙の姿が映っていた。
「いい眺めだ、コッチも触ってみるとしますか!・・・ん?」
俺が理沙のアソコを触ろうとしたそのとき、トイレの外からコツコツと女性のものと思われる足音が聞こえてきた。
(ん?誰か来たのか?さすがに理沙のこの姿を見たら、いくら女でも大声を上げられちまうな!そろそろ個室に入ってさっき買った下着の試着といきますか・・・!)
そう考えた俺は、身なりを整えずにそのまま女性用トイレの個室に初めて入ったのだった。


(続く)

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