シンジたちの悪戯 第弐話(その2)

作:ecvt


「フンフンフーン!わ・た・し・は・リツコよーん!」
シンジは上機嫌でシンクロしたリツコの身体で歩いていた。
「おっ、あれは、、、伊吹さんだ、よーし、、、伊吹さん!」
「あ、先輩!」
いつもシンジに向ける表情とは全く違う、少し頬を赤らめて嬉しそうな表情でシンジ(にシンクロされたリツコ)の方を向いている。
「うわぁ、いつもの硬い感じと全然違うな」
「あのう、『伊吹さん』だなんて、、、どうしたんですか、先輩?」
「いえ、何でもないのよ、マヤ」
「そうですか」
「ねぇ、マヤ?」
「はい!」
やはりマヤは目を輝かせて返事をする。
(コレは明らかに、、、まだ時間はあるし、そういうことなら、願いをかなえて差し上げますか!)
「ちょっと相談したいことがあるから、私の部屋に一緒にきてもらえる?」
「でも、、、すみません、、、今からブリーフィングが、、、」
彼女は非常に残念そうだ。
「あらそう、私の頼みより大事な用事があるというのね。それならもう何も相談しないわ、じゃ!」
「あぁーっ!ま、待ってください、先輩、、、!」
マヤはシンジであるリツコの手を掴んだ。
「でも大事なブリーフィングがあるんじゃあなくって?」
「そ、、、そんなの大事じゃありません!先輩より大事なことなんて、、、」
「えー?なんだか悪いわぁ、、、!無理しなくっていいのよぉ?」
「いえ、是非行かせて下さい、先輩!」
彼女は縋る様な表情でシンジであるリツコを見つめている。目は潤んでいる。
「かわいいわよ、、、マヤ、、、!」
シンジはリツコの手をマヤの肩に回してそう言った。
「きゃ、、、嬉しい、、、です」
「じゃあ行きましょう!」
「はい、、、!」
こうしてリツコとなったシンジはマヤの肩に手を回し、照れるマヤの顔をジッと見つめながら、リツコの部屋へと連れ込んだのだ。


(その3)に続く



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