REPLICA(レプリカ)改
 作・JuJu


chapter-041 ”女の体、男の心(U)”

 マコトの熱い息が製品試験室に広がる。マコトは快感に堪え、声を出さない様にして来たが、それももう限界だった。
(もうだめだ)
 諦めかけた時、氷村の愛撫が止まった。アソコから指が離れてゆく。
「まあいい。
 君の言うとおり、ドールなどに性的な機能を付けてきた事は確かだからな。研究を続けるためには、トミタの要求を受け入れなければならなかった。
 だがそれも終わりだ。まもなく真のネオ・レプリカが誕生する」
 氷村はマコトの愛液で濡れた指を拭った。
 助かった、氷村の前であえぎ声をさらさなくてすんだ、とマコトは思った。あとわずかでも愛撫が続いていたら、確実に氷村の前であえぎ声を出していただろう。
 だが、マコトの体は、マコトの心とは逆に、今も愛撫を続けて欲しいと訴え続けていた。気が付くとマコトの腕は無意識の内にアソコに伸び、自分の中に指を入れようとしていた。
 マコトはそれに気が付き、あわてて腕を止めた。
 氷村を見た。
 氷村はベッドの脇に置いてある、先端が男根に似たホースの点検をしていて、今のマコトの仕草には気が付いていない。
 マコトは安堵した。が、その安堵も長くは続かなかった。
 氷村はホースをつかむと、マコトのお尻に近づけた。
「何をする気だ?」
「これかね?」
 氷村はホースをマコトの目の前に近づけた。
 マコトは氷村の持ってきたホースは、メンテナンス・カプセルに付いていたホースみたいな物だと見ていた。先端の形がチ○ポに似ているやつだ。それだったら、メンテナンスの時に経験している。
 だが、いま目の前にある物は人間のチ○ポそのものだった。まるで生きているように、血管が浮き立ち、脈を打っている。
(これを俺に入れるつもりか?)
 そう考えただけで、アソコの疼きが激しくなる。
「久保田君でわかったのだが、どうやら電流を流す方法では吐かないみたいなのでね。趣向を変えて見ることにした。
 それに久保田君の時のように、誤って限度を超えた電流を与えてしまうのも困る。君には解剖が終わるまで死んでもらうわけには行かないのだよ」
 氷村は自慢げに、ホースの先のチ○ポをマコトの目の直前まで近づけた。このチ○ポは人工ためか臭いはなかったが、マコトには今にも、チ○ポ独特の臭いがしてくる思いがした。
「この装置はレプリカの出荷前の性能の品質調査をするために作られたものだ。この後、レプリカは処女膜を再生させ出荷される。
 君も出荷される時に、ここでテストされたのだよ。
 製造する以上は完璧なものでなければ私の誇りが許さないからな」
(つまり、久保田に渡される前に、俺もここで氷村にホースの先に突いているチ○ポを入れられていたのか? 氷村に処女を奪われて、チ○ポが動くたびに、俺は恥ずかしげもなく、ただ弄ばれるままに快感にあえいでいたのか? その時を俺の体は憶えていて、ホースを欲しがっているというのか?)
 マコトの体は、その通りだと言うように激しく疼いた。
(冗談じゃない。
 プロテクトが外れる前の事は俺は憶えていないが、今は違う。これ以上氷村の手で感じたくなんかない)
 マコトは体を起こし、ベッドから降りようとした。
「動くな。おとなしく寝ていたまえ」
 氷村の声に、マコトは茜達が人質になっていることを思いだした。マコトは再度、ベッドの上に四つん這いになった。
 マコトは、氷村に弄ばれ逃げることも抵抗も出来ない自分を情けなく思っていた。だがマコトの体は、マコトの心など無視するように、氷村の与えてくれる快感を待ちわびていた。
 マコトは、まるで自分の心と体が分かれてしまった様な気がした。
 それどころか今やマコトの体は氷村の味方となり、いまもマコトの心を溶かそうと甘い刺激を送っていた。つまらない誇りなど捨てて氷村に任せれば、今の何倍、いや何十倍の快感が得られるのだと、マコトにささやきを続けていた。
 マコトの視界から氷村が消えたと思うと、同時に体内に熱くて太い物が入って来るのを感じた。
 マコトは振り返った。
(チ○ポを、俺の中に入れている!)
 マコトは「やめろ!」と言おうとしたが、快感が言葉を遮らせた。氷村の指などとは比べ物にならない程の快感がマコトを襲って来たのだ。
 驚くマコトとは逆に、体は喜んでホースを受け入れた。
 それでもまだホースの先がわずかに入ったばかりだった。氷村はホースを押し込んだ。ホースはアソコを押し広げマコトの中に侵入してゆく。ホースが入った距離と比例して、マコトの快感もその分深くなっていった。
 チ○ポの感触も、メンテナンス・カプセルのホースとは全く違っていた。適度な弾力を持ち、熱い。マコトのアソコは張り付く様にチ○ポを包んで締め付けた。チ○ポを逃さないとでも言うようだ。マコトのアソコが締め付けるのに応答するように、チ○ポは大きくなった。
 マコトは驚いた。氷村に見せつけられた時でさえ勃起してあれだけ怒張していたのに、さらに大きくなるのか!?
 ついにホースが膣の一番奥に当たる。
 マコトはホースが止まって動かなくなった事に安心した。
 だが、そこまでだった。
「ああっー!」
 マコトは叫んだ。
 マコトの膣の中で、チ○ポが蛇の様にのたうち始めたのだ。マコトは叫び声に似たあえぎ声を上げつつげた。激しく振動し、くねり、暴れ回るチ○ポは、マコトの想像を遙かにこえる快感を与えた。
「あああ……あん、あんっ」
 マコトは自分があえぎ声を吐いている事に気が付いたが、もはや止められない。
 マコトは快感の波に合わせるように、メトロノームの様な電子音が『ピッ……。ピッ……』と拍子を刻んでいることに気が付いた。
「この音が気になるか?
 これは快感指数を示すメーターだ。
 君の感じている快感は、このメーターによって常に測定されているのだよ」 
 氷村はチ○ポの位置をずらした。電子音の間隔が狭くなる。チ○ポがマコトの感じる場所に当たり、さらに強い快感が襲ってきた。
「ふむ。この位置の感度が高い様だな」
「そ、そんな……ことはない。そんな所……ぜんぜん感じてなんて……。あああ……」
 マコトはうそを付いた。これ以上の刺激に堪えられそうになかったからだ。
 氷村はマコトの言葉を無視して、マコトが感じる位置にチ○ポを当て続けた。
「ああー! ああああんんん……!!」
 今まで我慢していたせいか、一度あえぎ声が出てしまうと、崩壊したダムのようにとどまることなく、次から次と声が出た。
 自分のあえぎ声が耳にはいる。この色っぽい女のあえぎ声をだしているのが自分の声なんだと思うと、ますます感じてしまう。快感に、色っぽくあえぐ声が加わり、マコトの精神を浸食していく。頭の中が何も考えられなくなっていく。
「これは氷村の拷問なんだ……。負けてはいけない……。快楽に落とすのが氷村のねらいなんだ……」。
 かすかに残る意識の中で、マコトは思った。
 マコトは、つむっていた目を微かに開けて氷村を見た。快感の涙ではっきりしなかったが、それでもなんとか氷村を見つけだした。
 せめて自由になる眼で、氷村を睨み付けようとした。そうでもしていなければ、いまにも快感におぼれそうだった。
 だが、目に映ったのは、自分にこれだけの屈辱を与えているにも関わらず、顔色一つ変えずに責めている氷村の姿だった。
 その光景が、さらにマコトの羞恥心をあおった。
 快感を示すメーターの電子音が響いている。その間隔は、拷問を始めたときのように穏やかな物ではなく、今ではマコトの激しく打つ心臓に合わせるように、短い間隔になっていた。
 この時、マコトのいる製品試験室のドアが開きつつあったが、マコトにはそんな事に気が付く余裕などなかった。

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