REPLICA(レプリカ)改
 作・JuJu


chapter-004 "メンテナンス"

「お前が今見ているのが、プロテウス社のウェブページだ。
 レプリカ・シリーズは、プロテウス社が開発した最新のドールの名称だ」
 久保田が言った。
「すごい会社だな。
 でもプロテウスなんて初めて聞いたぞ? こんな凄いドールを開発したのに、どうして話題にならないんだ?」
「ドールのメーカーと言っても、さまざまな所がある。正規のメーカーもあれば、裏で極秘に動いているメーカーもある」
「つまりプロテウスは、裏の世界の会社って事か?
 じゃあレプリカは……」
「そのうちに話してやるよ」
 久保田は鈴香を見た。
「上原、お前髪につけたな?」
 鈴香の髪を見ると、精液が付いていた。
 しまった! 鈴香の顔に出した時、髪にもかかっていたのか!
「精液って髪に付くと、なかなか落ちないんだよな。
 ……スマン」
「仕方ない、まだ早いがメンテにするか。
 鈴香、今日はもういい。メンテナンスに入れ」
「はい高志様。それでは、休ませていただきます」
 鈴香は一礼をすると、部屋を出ていった。
「鈴香はどこに行ったんだ?」
「隣だ。二〇二号室。
 ドール・カプセルはデカくてじゃまだから、隣の部屋は鈴香のメンテナンス・ルームにしたんだ。
 ああ、ドール・カプセルと言うのは……。
 見た方が早いな。行って見ろ」
 俺は隣の部屋に行った。
 部屋の中は、冷蔵庫みたいなのが二つ並んでいた。
 部屋の隅に小さなタンスが置いてある。後はタンスの前に籠が一つ。
 部屋の中はそれだけだった。
 この冷蔵庫みたいのが、ドール・カプセルだろうか?
 二つのうち片方のドール・カプセルは、のっぺらぼうな白い四角い箱だった。
 上下からパイプが伸びていて、隣のカプセルに繋がっている。
 もう片方も似た様な形をしているが、こちらは前面が扉になっている。
 ますます冷蔵庫みたいだ。
 冷蔵庫と違うのは、顔くらいの高さの所に丸いガラス窓が開いている事だ。中が覗ける様になっている。
「なあ鈴香、これがドール・カプセルとか言う……。
 なにしているんだ?」
「服を脱いでます」
 鈴香はエプロンをはずすと、籠に入れた。
 黒いワンピースのボタンを次々外していく。
 俺など存在しない様に、恥ずかしげもなく淡々と服を脱いでいく鈴香。
 部屋に鈴香と二人きり。
 まるで自分が透明人間になって、鈴香の部屋に忍び込んでいるような錯覚を感じた。
 俺は急に鈴香を襲いたくなった。
 今の鈴香ならば、黙って俺を受け入れる様な気がしたからだ。
 だが隣の部屋には久保田がいる。鈴香は久保田の物だ。勝手な事は出来ない。
 でも、オナニー程度なら良いかな?
 この様子なら俺が目の前でオナニーをしていても、平然と服を脱ぎつづけるだろう。
 俺は部屋の中を見渡したが、この部屋にはティッシュ・ペーパーがなかった。
 くそう。俺の部屋にティッシュを取りに行くか?
 だが、その間に脱ぎ終わってしまうかもしれない。
 しかし、このままで俺の股間がだまっていない。
 どうしたらいいんだ!!
 その時、ワンピースを脱ぎかけていた鈴香の手が止まった。
 気のせいかその表情は、恥ずかしそうだった。
「メンテナンスの様子はどうだ?」
 後ろから久保田の声がした。
 ゲッ! いつの間に来たんだ? 鈴香の脱衣に夢中で気がつかなかった。
 ふー。あぶないあぶない。鈴香の脱衣に欲情しなくてよかった。もう少しで、鈴香をオカズに俺がオナニーしている所を久保田に見られる所だった。
 鈴香を見ると、すでにワンピースを脱いで、ブラウスとペチコートの姿になっていた。
 表情も、元の無表情に戻っていた。
 鈴香はブラウスのボタンを外すと脱いだ。
 白いブラジャーに包まれた胸が大きく揺れる。
 鈴香は背中に手を回すと、ブラジャーをはずした。
 鈴香の大きな胸があらわになる。
 鈴香はペチコートに手を伸ばすと脱ぐ、ペチコートは足元にすべり落ちる。
 黒いガーターベルトに吊るされた、黒いストッキングと、白いパンティがあらわになる。
 久保田の趣味だろう。
 パンティのほとんどの部分はレースになって透けていて、一番大切な所がかろうじて隠れる程度だった。
 鈴香はためらいもなく、パンティに手を掛ける。
「こんなパンティを鈴香にはかせるなんて、久保田もエッチだような」
 俺は久保田も鈴香の脱衣を見て興奮していると思ったのだが、久保田は無表情だった。
 この、ムッツリスケベが!!
「なあ久保田? せっかくの鈴香が脱いでいるのに、お前は興奮しないのか?」
「鈴香の裸なんて、いつも見ているしな」
「そう言えばそうだよな。
 久保田が一声脱げって言えば、いつでもどこでも鈴香は脱いでくれるんだもんなー。
 くぅ〜、うらやましいぜ!!」
「それに、しょせんはドールだしな」
 久保田のその言葉を聞いたとき、鈴香がかすかに悲しそうな目になった気がした。
 久保田は冷蔵庫の様な物の前に立った。
「これがドールのメンテナンスをする、ドール・カプセルだ。
 ドールはこの中で身体の内外の洗浄をする。そして喫飯や睡眠をとるんだ。
 ――鈴香」
「はい」
 全裸になっていた鈴香は、頭につけていたヒラヒラしたカチューシャみたいな物を取ると、ドール・カプセルに向かった。
 鈴香はカプセルの横についているボタンを押す。
 窓がついている方のカプセルが開いた。
 鈴香はカプセルの中に入った。
 しゃがむと、足元にあったホースをつかむ。
 ホースの先はチ○ポの棒そっくりの形をしていた。
 ホースの部分がチ○ポの皮で、その先からチ○ポの先の部分がむき出している感じだ。
 小便の出る穴まで作られていた。
 鈴香は中腰になって足を大きく開くと、チ○ポ型のホースの先を秘所に刺し込む。
「はあっ!」
 鈴香は声をあげた。
「お、おい久保田! 鈴香は何をしているんだ?」
「これか?
 ドールは性処理の為に存在するから、日々能力を開発する様に工夫してあるんだ」
 鈴香はしゃがみこみ、震える手でもう一本のホースを手も取る。 こちらも先がチ○ポ型をしている。
 今度はそれを尻の穴に入れた。
「くっ」
 鈴香は顔をしかめる。
「このカテーテル管――ホースみたいな物だな――の先からは勢いよく洗浄液が噴出される。
 これで膣内や内臓の洗浄を行う。
 その後、バキューム機能で、洗浄液と排泄物を吸い取る訳だ」
 鈴香は耐えるようにしゃがみこんでいたが、しばらくして立ちあがった。
 天井に手を伸ばす。
 天井から伸びたホースを手にとっていた。やはり、チ○ポの形をしている。
 鈴香は口を開き、ホースをくわえる。
「こっちのカテーテル管からはクローン・フードが出る。
 クローン・フードと言うのは、ドールの生命活動・維持に必要な各種栄養やホルモンなどが入った流動食だ。
 ドールは成長した姿で産まれるから、胃の容量が極端に小さい。だから、俺達が食べている様な物は食えない。
 その為、栄養価の高くて流動性の専用の食料を与えるんだ。
 ――鈴香、もっとちゃんとくわえないと補給できないぞ!」
 鈴香は目でうなづくと、両手でホースをつかみ、喉に押しこんだ。
 ホースの先が喉に当たっているのだろう、香は苦しそうな顔をした。 
「ピッ!」
 電子音が鳴った。
「んっ!!」
 鈴香は目を見開き、身体を振るわせた。
「カテーテル管が身体から抜けたり、隙間から漏れたりしないように、カテーテル管の先端が膨張したんだ」
 鈴香に繋がっているホースがヘビのようにのたくった。
 ホースの中を何かが通っていく動きだ。
「本来はドアを閉めるんだがな」
 鈴香の下の穴二つに勢いよく洗浄液が噴射されているんだろう。
 ホースが揺れている。
 鈴香は身体をくねらせてもだえている。鼻で苦しそうにうなっていた。
 洗浄液が身体に溜まってきたのだろう。鈴香の腹が膨らんでいく。
 ホースが出す音が変わったかと思うと、鈴香の腹がへこんで来た。
 今度はホースが吸いこんでいるんだろう。
「メンテナンスの仕方は、こんな物でだいたいわかっただろう」
 久保田はメンテナンス・カプセルのボタンを押す。
 カプセルのドアが閉まった。
 窓からは鈴香の顔だけが見えた。
 鈴香の頭は天井から落ちてくる水でぬれていった。
「おい! 水が出てきてるぞ?」
「それは全身を洗浄するためのシャワーだ。
 シャワーの後は熱風が出て鈴香の身体を乾かす。
 そして鈴香は、ここでこのまま眠る。
 さて、俺は部屋に戻るぞ」
 俺は部屋を出ていく久保田の後を追った。

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