リサイクル彼女 ゆな
   作・JuJu


 ◆ 10 ◆

 おれは、ビキニのブラジャーの中に手を忍び込ませて、両胸をすくい上げるように揉んだ。
 ゆなさんの胸を揉んでいるうちに、偶然指先が胸の先端に触れた。同時に強い刺激がおれを襲う。
「はうっ……!?」
 おもわず熱い吐息が漏れる。
 乳首の快感を知ったおれは、胸を揉むのをやめて、代わりにゆなさんの乳首をつまんだり、潰したり、ねじったりした。そのたびに、乳首から快感があふれだす。
 しばらく胸をいじっていると、股間が熱くなって来るのを感じた。そこでおれは、左手はそのまま胸を揉みながら、右手をビキニパンツのなかに滑り込ませた。指を奥へ奥へと伸ばす。やがて指先が、股間の大切な場所に届く。
「ひゃん!」
 胸の快感もすごいが、あそこの快感は、それを超えるものがあった。こらえきれずに床にひざをつく。おれはひざ立ちのまま、夢中で胸と股間をまさぐった。
 心の中に、ゆなさんの体でオナニーをするということに対する背徳心が浮かんだが、この快感を手放したくないという強い思いが、その背徳感を抑え込んでしまった。
 快感に体を支えきれず、ついに床に尻をついた。
 薄目を開けると、鏡の向こうに、ビキニのなかに手を入れているゆなさんの姿があった。おれが指を動かすたびに、鏡に映るゆなさんの体が跳ね、身じろぎし、喘ぎ声をあげる。まさに、ゆなさんを征服している気持ちだった。
 鏡に映る、ビキニ姿でオナニーに溺れているゆなさん。快感に、もうたまらないという表情で、目には涙さえ浮かんでいる。
 その姿を見て、おれの心の中にあった憧れの人であるゆなさんの像が崩れていくのを感じた。替わりに、ゆなさんにそんなことをさせているのが自分なんだと、この手を動かしているのは自分なんだという気持ちが芽生える。
(おれは、ゆなさんを自由にできるんだ。
 こんないやらしいことだってさせることができるんだ。
 なぜなら、おれがゆなさん――いやおれが〈ゆな〉だからだ……)
 指を動かし、胸と股間を刺激する。男ならばとっくに射精をして果てているはずの強い快感。しかし、女の体はその程度では留まらず、さらに上の快感をめざしていた。まさに際限のない快感。この快感はどこまで高まるのか。
 このまま快感が高まっていけば、男の心のおれには堪えきれず、精神が壊れてしまうのではないか。
 そんな不安を覚えながらも、指は止まることなく、ますます激しく女の体を刺激した。
 鏡に映る、痴態を見せるゆな。
(おれは、ゆなを自分のものにしているんだ。
 おれは、ゆななんだ)
 まるで、ゆなを犯しているような気持ちだった。ゆなとの一体感が、どこまでも続く快感と混ざり合いながら、おれの心に浸透していく。
 永遠に続くと思われた女の快感も、ついに終わりを迎えつつあることが、ゆなの体から本能的に感じられた。
 いわゆる絶頂というやつだ。
(く……来る!! これが、女の快感ってやつか!?)
 頭の中が真っ白になる。ただただ、快感だけが世界を支配していた。
 ゆなを自分にものにしたという実感が、女の体の快感とともに、おれの心に満ちた。
「あああ……ぁぁ……」
 絶頂の叫びとともに気が遠くなり、おれは前屈みに床に伏した。

   *

 深い海の底から浮かび上がるように、ゆっくりと意識が戻ってくる。絶頂を迎えてからどれほどの時が経ったのだろう。あの信じられないような最高の時から、ずいぶん経ったような、でもついさっきの出来事のような、ふしぎな時間の感覚だった。
 うつ伏せになって倒れていた体を起こす。尻を床に付けて座る。体はだるく、いまだに快感の余韻が全身に残っている。頭の中はいまだに霧が立ちこめるように、ぼんやりとしていたが、欲望はますます高まっている。そのため頭に浮かんだのは、この家の三階にある衣装部屋で見た過激な水着だった。ゆなの体のサイズにピッタリの水着がたくさんある。
(もっと過激な水着を着て、オナニーをしたい)
 そうなのだ。おれはゆななのだから、三階の衣装部屋で見た、セクシーな水着を着ることもできる。ハイレグだって、マイクロビキニだって、思いのままだ。そしてそんなエッチな水着を着たまま、ゆなの体でオナニーができるんだ。
 さっそく別な水着を取りに行こうと思い立ち上がろうとしたが、腰が抜けて立つことができなかった。ふたたびオナニーをするには、すこし体を休ませなければならないらしい。まあいい、今日のところは、ゆなの体でオナニーをするのは終わりにしよう。ゆなはおれの物なんだ。またいつだってやりたいときにできるのだから。
「それにしても、あれが女の絶頂ってやつか。男の快感とはくらべものにならないな」
 指だけであれほど気持ちがいいのだから、本物の男のチンポを入れたら、いまの何倍……もしかしたら何十倍も気持ちがいいのかもしれない。
 そう思うと、さっきまで一緒にいた尊志の顔が浮かぶ。
「待て待て待て!!」
 おれは激しく首を横にふる。いくらなんでも、尊志に体を許す気はない。しかしながら、他の男とセックスをするのは絶対にいやだった。どうしても男とセックスをする快感を知りたいのならば、相手は尊志以外は考えられない。おれは女の快感が知りたい。尊志だってゆなとセックスができれば喜ぶだろう。たしかに互いにとって利益のあることだった。あとはおれの意志次第だ。あるいはいずれはオナニーだけではものたりなくなって、尊志にセックスもとめるかもしれない。だがいまは、そんなことは考えたくもなかった。いまはオナニーだけで充分だ。なにしろ男のオナニーとはくらべものにならないほどの快感なのだから。このぬいぐるみがあれば、おれはいつでもどこでも何度でも、あの快感を味わうことができるのだから。そう思うと、おれはうれしさのあまり、おもわず自分の体を自分の細い腕で抱きしめた。

   *

 ゆなの快感を知ってしまえば、こんどは姉妹の体の快感も知りたくなってくる。
 ようやく体も動かせるようになってきたおれは、いまだに気だるさの残る体をどうにか動かして立ち上がらせると、ゆなの部屋から出た。廊下をわたり、となりのりこの部屋の前に立つ。
「りこ、お姉ちゃん入るよ」
 ゆなになりきって、りこの部屋のドアを開ける。りこの部屋に入ると、クマの大きなぬいぐるみがまず目に入る。かわいらしい動物ぬいぐるみが並ぶ、いかにも子供の女の子っぽい部屋だ。
 おれはタンスに入れておいたりこのぬいぐるみを取り出すと、ベッドの上に広げた。
 ハムスターがぬいぐるみを脱いだときのことを頭の中で思い出しながら、両手を首の後ろに当てた。そのまま肌をつかんで左右に強く引っ張る。背中でぬいぐるみが割れる感覚がしたので、そのまま皮を裂いて、おれはゆなのぬいぐるみから抜け出した。
 ゆなのぬいぐるみを床に脱ぎ捨てると、代わりにりこのぬいぐるみを手に取った。
 ゆな以外のぬいぐるみを着るのは初めてだった。二十歳(はたち)前後に見えるゆなと違って、りこは中学生、見ようによっては小学生でも通じてしまうような幼い体をしている。本当にこんな小さなぬいぐるみに、男のおれの体が入るのだろうか。無理に体を押し込んで破けてはしまわないだろうか。そんな不安に襲われた。
 だが、おれはそんな不安を振り払う。ゆなでぬいぐるみの性能の高さは証明されている。りこのぬいぐるみは小さいけれど、おれが入ったところで問題はないはずだ。
 おれはりこの背中を開くと体の中に右足を入れた。りこの小さな右足が、内側から押し広げられて変形する。ぬいぐるみはよく伸びた。貼り付くような感覚はあるものの、きつさは感じられない。右足を入れおわり、左足を入れる。次に両腕を入れ、上半身も中に入れる。最後に、りこの頭の部分を、おれの頭に被せた。
 ぬいぐるみが全身あますところなく張りつく感覚に襲われたと思うと、急激に体が軽くなっていく。
 目を開くと、先ほどよりも視点がずいぶんと低い。下を向くと、子供の女の体があった。
 小さなぬいぐるみなので不安だったが、問題なくりこに変身できたようだ。
 部屋にあった大き目の鏡の前に立ち、りこの裸を観察する。彼女の裸を見るのは初めてだった。膨らみかけの胸、毛も生えておらず筋があるだけの股間。完璧な幼女の体型だった。
(こんな幼い子の体でオナニーをしてもいいんだろうか。
 ……いいよな。だってこれは人間じゃない。ぬいぐるみなんだから)
 おれはタンスをあさり、りこの水着を取り出しては次々と床に広げた。水着はどれもかわいらしいのもばかりだった。その中からスカートのついた桃色で無地のワンピースを選ぶ。
 ワンピース水着を着たおれは、さっそくりこのベッドの上に移動した。ベッドの上にも動物のぬいぐるみが置いてあった。
 女のオナニーはゆなで体験済なので、とまどいはなかった。おれはいきなり水着の中に手を突っ込み、手あらに胸を揉む。
「痛(いた)! 痛たたた……」
 ゆなの時のような快感が来ると思っていたおれは、激しい痛みに驚いた。見た目だけではなく、体の方もまだ子供らしい。
 こんどは股間に触れてみることにする。胸で懲りているので、今度は水着の上からやさしく触れてみる。しかし、指で触られているという感覚以外は何も感じなかった。
「よわったな。ぜんぜん気持ちよくなんかないぞ……」
 それでも、せっかくりこになったのだから、彼女の快感を知りたかった。
 そこでおれは優しくいたわるように、水着の上からりこの胸に触れた。乳首の周辺を指でていねいに這(は)わせ、時々思い出したように乳首に触れる。あせらず、ゆっくりと、女の快感を体の中から引き出すように。
「んん……。ちょっとだけ、気持ちいいかも……」
 わずかに、りこの体が反応するようになってきたようだ。乳首を指の腹でやさしく弾(はじ)くと、かすかな快感が襲った。ゆなにくらべれば、あまりにも小さな快感。おれはこの快感を逃さないように、つづけて何度も乳首を指でこすったり、転がしたりした。くり返しているうちに、乳首が立ち、快感は少しずつ強くなってきた。
 ある程度胸が開発されたことを認めたおれは、左手で胸の刺激を続けつつ右手を股間に伸ばした。
 右手で水着の上から幼い股間に触れる。
「……あ……」
 水着に指が触れると、かすかだが湿っていることに気がついた。
 りこの小さな指で、そっと水着の上から股間をさすり始める。胸を刺激したためか、今度は薄いながらも快感があった。
 全身の快感はわずなものでしかなかった。だが、中学生、見ようによっては小学生にさえ見えるりこが、可愛らしい水着を着たままで、オナニーにふけっている。しかもオナニーをしているその子供の正体はおれなのだ。そのことが、おれの心を燃えさせた。
 おれは仰向けにベッドに寝転がった。ひたすら左指でりこの乳首をいじくりまわし、右指で股間を刺激する。やがて、しずかな絶頂が訪れた。ゆなの時のような、頭が真っ白になるような快感ではない。まだまだ青く幼い絶頂。りこの可愛らしいオナニー。
(この未開発な子供の体を、これからじっくりと時間をかけて開発していってやるからな)
 そう思うと、胸が熱くなるのを感じた。
 ただ、ゆなの快感を知ってしまったおれには、りこの幼い快感はものたりなかった。むしろ、中途半端な快感を受けたため、おれの心はますます激しい快楽を欲するようになっていた。
 おれは最後に残ったあえかの部屋に向かうことにした。彼女の大人の女の体ならば、おれを満足させてくれるはずだ。
 おれは、ワンピース水着を脱ぐと、りこの子供っぽい下着とパジャマを着てあえかの部屋に向かった。
「あえかお姉ちゃん、あたしりこ。お部屋に入るよ?」
 おれはりこの姿で、あえかの部屋に入った。
 あえかの部屋は、落ち着いた調度品がそろえられた部屋だった。中でも立派な化粧台が際だっている。いかにも大人の女の部屋らしい雰囲気に気押され、足を踏み入れるたびにいつも躊躇(ちゅうちょ)してしまう。動揺を抑えるために(入ってもいいんだよな。あえかの部屋ということは、おれの部屋なんだから)と心の中で再確認しなければならないほどだった。
 中に入ってみれば、ほかの姉妹の部屋と同じように生活感がなく、まるで映画のセットのような感じを受ける。
 おれはタンスからあえかのぬいぐるみを取り出すと、変身せずに床に置いた。今回はあえかに変身するのは後回しにして、先にタンスにしまわれている水着を調べることにしたのだ。思ったとおり、それなりに色っぽい水着もあったが、おれが求めるような大胆なものは入っていなかった。りこの体でオナニーをしたとき、もっと大胆な水着を着てオナニーをすればよかったと後悔したので、今回は同じ失敗はしたくない。せっかくグラマーなあえかになるのだ、思いっきりエッチな水着を着てオナニーをしたい。そこでおれは、三階の衣装部屋に水着を取りに行くことにした。
「ん……?」
 タンスに水着をしまおうとしたとき、奥のほうに大きな箱があることに気がついた。
「なんの箱だろう?」
 おれはタンスから箱を取り出すと開けてみた。
「こ、これって……」
 箱の中身は、いわゆる大人のおもちゃとよばれる道具だった。どれも用意しただけで、使った形跡はないが。
 ちょっと恥ずかしくなり、箱を閉じて元の場所に戻す。
「あえかお姉ちゃんって、こんな物を使ってエッチしているんだ……」
 おれはりこになりきって、そんなセリフを言ってみた。

(つづく)




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