GGG―鏡麻希子編(前)― 作:村崎色 ―鏡麻希子編T― 宮村佳代と有森一真。 グノー商品『鏡』を通じてカップルになった二人だが、その陰には浜俊祐の活躍があったことを忘れていた。 もともと口や態度に出さない彼だ。相手のことを思うと、特に今まで仲良くしていた一真のことを思うと、どうしてもグッと言葉を呑みこんでしまう。 宮村佳代が好きだ。 俊祐の想いは決して二人には届かない。帰ってくるなり溜息をつく俊祐は、未だにその傷を引きずっていた。 「どうして、俺じゃ駄目だったんだろう……」 その答えは佳代にしかわからない。 だが、そんな俊祐のことを見ていた姉、麻希子が遂に動き出した。 ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・ 両親は温泉にいって、姉は外出中。必然的に家に残るのが俊祐の休日だった。やることはない。外に出たらお金を使うんだから家の中が一番楽。昔は一真と遊びに行ったりしていたが、最近ではすっかりそれもなくなった。 暇な曜日。ゴルフと競馬しか番組はやっていない。 そんな時間に玄関のベルが鳴った。居留守を使おうかと思ったが、せっかく暇なんだから、来客が着て更に暇になることはないだろう。 (でも、家にあがらせてお茶を出さなきゃいけなくなったら面倒だな……) 相手がもう一度ベルを鳴らす。急かす様にする相手に俊祐は乗ってしまうタイプだ。俊祐がドアを開ける。すると、意外な人物が顔をのぞかせた。 「俊祐くん、遊びに来たよ」 ショートのツインテールに髪の毛を結んだ、相沢結海が訪ねてきたのだった。 ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・ 「そ、そそそ、粗茶でございます」 「あはは」と大笑いする結海。リビングに迷わずに歩いてソファーに座ると、俺にお茶を要求したのだ。普段したことのない俺の慌てぶりに結海は終始笑っていた。 お茶をすする結海に俺は一つの疑問がぶつける。 「あの、なんで俺の家知ってるの?」 同じクラスメイトなだけで家に遊びに来たことは一度もない結海が何故俺の家を知っていたのか疑問だった。お茶を飲んで一息ついた結海がニヤリと笑った。 「それは、毎日帰ってきているもの」 「…………は?」 俊祐は(゜Д゜)←こんな顔をしていた。 「ぷっ、あはは。やだ、俊祐。なに赤くなってるの?」 限界とばかりに腹を抱えて笑いだす。一気に口調やトーンが変わり、まさかと思って俺は声をかける。 「ね、ねえちゃんなのか?」 「ええ、そうよ。俊祐この子好きでしょう?」 結海が正体を明かす。姉の麻希子だった。まさかグノー商品『鏡』をばらしたとはいえ、本当に買っていたとは思わなかった。相沢結海に化けて俊祐をからかう。 「や、やめろよ姉ちゃん。俺は別に――」 「可愛い。奥手になっちゃって。キスしてあげようか?」 「なんで姉ちゃんとキスしなくちゃならないんだよ」 「……私、結海だよ?」 再び口調を戻し結海のように話しかける。麻希子だと分かっていても俊祐の心臓は大きく脈を打った。 「真似するなよ」 「俊祐くん。キスして……」 結海の唇を俊祐に近づける。逃げようとしても足が嫌だと言っている様に床から放れない。顔だけ背いてなるべく口を放そうとしても、一度気を許したらきっと最後までやってしまうだろう。俊祐の理性が働く最後の防波堤だ。 それを察してか、麻希子(結海)は唇を遠ざけた。 「あはは。やっぱいやか。キスは本人としたいわよね?」 「しかたない」とばかりに、麻希子(結海)は手からある物を取りだした。 「じゃあ、これの出番ね」 それは黒い、なんとなく人型に見える物体だった。 「……なに、それ?」 「グノー商品『人形』。買っちゃった」 グノー商品……『鏡』と同じ名のつく『人形』の登場に俊祐は唾を呑んだ。 「この人形の効果知ってる?……髪の毛を入れると、その髪の人物を操れるのよ。まさに操り人形ってわけ」 麻希子(結海)がツインテールをほどいて髪の毛をぐしゃぐしゃにする。すると手には数本の髪の毛が付着していた。それを黒い『人形』の中に入れた。 「姉ちゃん。自分の髪を入れてどうするんだよ?」 「『結海に変身した』髪よ」 訂正をする麻希子(結海)。違いが分からない俊祐をおいて、『人形』は手にすっぽり収まる結海の姿になった。 「ねえ俊祐。この『人形』は誰を操ると思う?」 ツインテールの結海の『人形』。俊祐は何かを期待していた。 「姉ちゃんだろ?」 「それが違うの。これが面白いところよね」 麻希子(結海)が笑う。俊祐もその意図を感じ取っていた。 「『人形』が認識するのは髪の持ち主なの。つまり、相沢結海本人よ」 麻希子(結海)の裏技に、俊祐はこれからなにが起こるのか期待せずにはいられなかった。 ―鏡麻希子編U― 麻希子が結海の『人形』を持って足を動かす。結海そっくりの『人形』は、普段見ている制服に白いショーツを覗かせながら、麻希子に動かされるまま行進する。 そして――家のベルが鳴らされた。誰かが家を訪ねてきたのだ。 俊祐が玄関で顔を出す。その人物に驚かされた。 「ごめんください」 顔を真っ赤にして俊祐の顔を覗く、相沢結海本人だったのだ。 「ゆ、結海ちゃん。どうして」 前回も話したが、結海は一度の俊祐の家を訪ねたことがない。それなのにどうして俊祐の家をたずねられたのか、それは結海自身も分からなかった。 「どうしてだろう?なんとなく家とは違う方向に歩きたくなって、たまたまこの家に立ち寄ったら、そこが浜くんの家だった」 「そんな偶然!?」 ありえない。なにを言っているのかわからない。信じられるはずがない理屈、理由。 しかし、結海はしっかりとした口調で、 「――運命だよ」 その言葉を信じて、俊祐に抱きついてきた。 ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・ 結海が抱きつく。先程、麻希子が変身している時に香ったシャンプーの匂いをつせ、しかし甘える様に抱きつく姿に、俊祐は興奮した。 「俊祐くん、好き!わたしと付き合って下さい!」 告白する結海。普段、こんな活発な娘じゃないのは分かっている。俊祐の家を訪ねて告白するなんて、麻希子に操られているとしか思えない。 それでも、俊祐には断ることが出来なかった。 「結海ちゃん」 結海を抱きしめ、答えをしめす。結海は喜んで放れなかった。 キスを迫る結海。目を閉じ、潤んだ唇が俊祐の間近にある。俊祐は結海の唇を合わせた。 甘いキス。大人の味を教えてくれる。 「ん……くちゅ、……はぁ、しゅんくん……」 舌を絡ませ、目を蕩ける結海。その表情に偽りはない。 結海にとっては自分が操られているとも思っていない。自分の意志で、運命を信じて俊祐を訪ねてきたのだから。 既にイニシアチブは俊祐が持っている。俊祐の好き放題に結海は触れる。 服をすべて脱がして勃起した乳首と濡れたおまんこを曝す。感度の良さそうなその綺麗さに、俊祐は早速いきり勃った逸物を突き刺した。 「あああ!!しゅんくん、気持ち良いよぉ」 声を震わせて喜ぶ結海。俊祐は複雑な気分だが、自分の好きだった女の子とセックスして喜んでいる姿を見ると、決して腰を止めることなど出来やしなかった。 「ごめん。でも、おれ――」 悪いと分かっていても、俺にはもうどうすることも出来ない。麻希子が二人の行為を面白そうに見つめていた。 「あああああああん!!!!!!!!!」 結海がイク。続いて俊祐も身体を震わした。脱力する二人。連結した部分はずっと繋がっており、隙間からゆっくり精液の混じり合った愛液が零れ落ちた。 「良かったわね。可愛い彼女が出来て嬉しいでしょう?」 息を切らして眠る様に抱きあっている俊祐と結海。麻希子の力がなければきっと出来なかったこと。鏡と人形というグノー商品を持った麻希子が歪に笑いかけた。 「もし俊祐が何か困ったことあったら、お姉ちゃんに言ってね。こんな凄い商品を教えてくれたんだもの。なんだって協力してあげるね」 それは、姉さんの声だったのか、 それとも、悪魔の商品の囁きだったのか、 俊祐は心強い仲間を手に入れてしまったと思った。 ―鏡麻希子編V― せっかくの休み。足を伸ばして有森一真と宮村佳代は遊園地、ミラクルランドに来ていた。所謂デートだ。カップルとなった関係なら休日に遊園地に行くのは別におかしなことではない。 一真の全額負担である。それも二人の間では別におかしなことではなかった。 バイトして貯めた金で佳代とデートに出る。一真はそれだけで嬉しい様で、今日はやけにテンションが高かった。ミラクルランドに来て早々、一真はまるで子供の様にはしゃいでいた。 「佳代、まだかよ、なんつって!!」 「寒いわよ、一真」 「なに言ってんだよ?こんなもので凍るほど、俺と佳代の愛は冷めてないっつうの。親父ギャグくらい聞き流せ」 でかい声で話しかける一真に佳代は顔を赤くする。まわりの見る目が痛いのだが、一真はまったく気付いていない様にはしゃぐ。 「……ギャグも許可制にしようかしら」 それでも、佳代はそんな一真が好きなのだから許してしまう。 「ひょっほう!!」 子供のように幼いのに、一つ決めたら本気で熱くなる。真っ直ぐなほど純粋な彼に、佳代は惹かれてしまったのだ。 今日もお気に入りのワンピースを着て可愛さを出しているのに、一真はそれに気付いていないのが少し悔しい。 (遊園地と彼女なら彼女を選びなさい。常識的に考えなさいよ) そう言いながら、ガラスケースに映る自分を見て髪の毛をいじる。跳ねていないか、化粧のノリが悪くないかを真剣に探す。 「女性はおめかしに大変なんだから……」 「よし」。鏡の前で笑顔を作って準備万端。――その時だ。鏡に映る佳代の表情が変わったのだ。 「えっ?」 びっくりする佳代。鏡に映る佳代が急に飛び出してきたかと思ったら、佳代の手を掴んで鏡の中に押し込んでしまう。あまりの出来事に佳代が我に返った時には既に遅かった。 「か、かず――!」 一真に叫ぼうとした言葉は途中で沈み、佳代は鏡の中へ引きずり込まれてしまった。 しかし、しばらくして鏡の中から佳代が現われる。その表情は今までとまったく違い、含み笑いを浮かべて自分の身体をマジマジと鑑賞していた。 細い腕、軽い体重、見事な容姿。 麻希子(佳代)が佳代に語りかける。 「あなたは黙ってなさい。後は私が楽しんでおくから」 「――――!?」 鏡にはうっすらと佳代の姿が映りこむ。なにを叫んでいるのか聞き取れない。既に鏡は別次元。見ることはできても、脱出することは不可能だ。グノー商品『合わせ鏡』。 麻希子(佳代)が佳代と成り変わった事実を知る者はいない。 「佳代?なにしてるんだよ、置いてくぞ」 「今行くわ、うふふ……」 ミラクルランドで起きた出来事。後に大きな事件を引き起こすことになるとは、この時誰も知る由もない。 ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・ ミラクルランドから帰ってきた二人は疲れながらも佳代のベッドでくつろいでいた。ワンピースを脱いで着替えようとしている佳代を見つめる一真の視線が厭らしい。 「見ないで、エッチ」 「くあああ!」とベッドの上で転がる一真。何がそんなに嬉しいのか分からず、佳代は無視して着替えを続ける。 ベッドで転がる一真がちらりとニュースを流すテレビを見る。すると、今まで行っていたミラクルランドが映っていた。 生放送の現場に人だかりが出来ている。一体何事だろうか、一真が興味を持ってテレビを見る。 『今、私が来ているのは、ミラクルランドの一郭にありますお店屋さん。このウインドウになにやら、女性の幽霊が映るという噂を聞いて飛んでまいりました。それでは、早速覗いてみましょう。―――――――うわああ!!!!』 ショーウインドウを覗いたレポーターが突如声を張り上げた。 『みみみみ、皆さん、見えましたでしょうか?』 「見えねえよ」 いかにも怪しい。でも、レポーターの驚きがなぜか嘘っぽくなく、一真はいつの間にかニュースに釘づけになっていた。 『店員さんに話を聞いてみましょう。これはいつ頃から見える様になったんですか?」 『今朝からですね。掃除して窓を拭いた時には見られなかったので、開門した後になりますね』 『いったい、この女性はなにを伝えに来たのでしょうか?幽霊が見られるまさにミラクルワールド。是非とも足を運んで見て下さい。以上、現場からでした』 現場からスタジオに戻され、同時に一真もテレビから放れる。 面白そうな内容に一真は後悔する。 「マジかよ。折角行ったんだから見てくれば良かったな。なあ、佳代?」 「そうね……」 逆に佳代はそっけない対応だった。と、扉をノックして、佳代の妹である宮村佳奈が顔を覗かせた。 「お姉ちゃん。お風呂」 最近の佳奈は小学生に戻ったかのように、自分でお風呂を沸かすと、佳代とお風呂に入るのが日課になっていた。今回も佳奈が呼びに来たということは、お風呂の準備が整ったということだ。一真と目が合うと、佳奈も微笑んで挨拶をする。 「おっす、佳奈ちゃん」 「こんにちは、お兄ちゃん」 二人の仲睦まじい姿を佳代は睨む。佳奈が佳代の手を掴んでお風呂に連れて行こうとするが、佳代は勢いよくその手を振り払った。 「嫌よ。どうして入らなくちゃいけないの?」 冷たい口調に笑顔の佳奈の表情が崩れる。 「えっ?」 「なに言ってんだよ?いつも入ってあげてるじゃねえか」 「……そうなの?」 佳代が背を向く。何かを考え込むように俯いているが、場の空気が余計に重くなるので、一真は笑って冗談を言う。 「いいなあ。佳奈ちゃんの背中洗ってやりたいなあ、久々に」 「おっと」口を滑らしたように口を塞いで佳代の様子を見る。だが、佳代の全く気にしないような雰囲気に、一真も異変に気付いて佳代に近づく。 「一真。佳奈の背中洗いたいなら洗わせてあげようか?」 「マジか!?許可くれるのか」 「ええ。お願いね」 振り向きさまに佳代はある物を取り出す。 ――ベチャ 避けることも出来ず、一真の視界は一瞬で奪われた。 ―鏡麻希子編W― ――ベチョ 顔につけられた『粘土』のような塊は、一真の身体にくっついて全体に広がっていく。服の上からとか関係ない。一真を一つのキャンバスにして一人の容器を作り上げる。 「な、なに――」 「動かないで」 佳代が『粘土』を練り始め、形を作る。信じられない様に、一真の姿がみるみる変わっていく。一真ごとまとめてボールになったかと思えばくびれが生まれ、胸には男性にはないボリュームをつけていく。 「なにするんだよ、佳代?」 「静かにしてて。手元間違えたら一生元に戻らないかもよ」 佳代がなにをしているのか一真にはわからない。ただ、一真は静まりかえり、佳代の行為を終わるのを待つ。 「はい、できた」 佳代が離れ、鏡を通した先、 「これは!?」 一真の姿は完全に佳代と同一のものとなっていた。 「良く似合ってるじゃない」 一真でも知らない能力。肉体を変えられ、佳代の前に佳代がいた。 「佳代?どういうことだよ?」 顔に見合わず野太い声で聞く一真(佳代)。 「男の声だと気持ち悪いわね」 『粘土』を更に付け足し、喉に塗っていく。「あー」。再び一真(佳代)が声を出した時には、声すら佳代と同じになっていた。 完成したのだ。『粘土』から作り上げた容器である。 「佳代……かよ?佳代は、わたし?」 一真が何かを呟いたと思ったら、はっと我に返ってまわりを見渡す。佳代の姿を見つけた一真(佳代)が驚いていた。 「どうして私が!?……えっ?私、許可出したっけ?」 粘土によって佳代の記憶すら同一化してしまった。一真は完全に佳代だと思い込んでいた。変身するには佳代の許可がいる。抜けた記憶を佳代に変身した一真に聞こうとしている姿は滑稽だった。 だから、あえて麻希子(佳代)は便乗する。 「早く佳奈とお風呂入れよ。俺は一人好きにするから」 「一真一人にしておくなんて出来るわけないでしょう!?早く変身を解きなさいよ」 怒り方まで完全に一致。しかし、一真(佳代)の期待もむなしく、 「お姉ちゃん!!?」 佳奈の呼ぶ声が聞こえ、佳代が手を震わせていた。彼氏を取るか、妹を取るかで、 「もう!覚えてなさいよ」 佳代はやはり、妹を取った。 ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・ お風呂に入る一真(佳代)。佳奈が待ちわびた様に待っていた。 「お姉ちゃん。早く佳奈洗って」 水をはじく肌。石鹸をつけて泡立てたスポンジを「はい」と言って渡してくる。佳代は仕方なく佳奈の身体を洗い始めた。泡立つ身体。佳代が乳房を洗い始めたところ、佳奈が小さく喘ぎ声を出した。 「お姉ちゃんが揉んでくれるから、佳奈のおっぱい、少しずつ出てきたんだよ」 「見た目変わってないわよ?」 「そんなことないもん!」 照れていながらも佳奈の身体は確かに、大人の身体になっていっている。将来がとても楽しみな自慢の妹だが、間違った方向に行こうとしているのは気のせいだろうか? 「…………」 佳代が無言で身体を洗う。乳首を念入りに洗い、最後に佳奈自身が乳房を揉んで愉しむ。 「お姉ちゃん。ここも」 佳奈が両手でおま○こを広げ、左右に開いて内部を見せつけた。 「へ?」 佳代が唖然とする。 「いつもこんなことしてたっけ?」 「今日はおまたもやってほしいの」 佳奈が赤い顔して言う。やはり、進むべき階段が違う方向へ行っていると確信した。 「佳奈、あんた大丈夫?」 「お姉ちゃんがしてくれたんだよ?」 「私、そんなことした記憶が――」 その時、佳代の中に一真の記憶が混ざり合う。佳代が頭を抱え込む。 「お姉ちゃん!?」 佳奈が佳代を心配していた。 ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・ しばらくして佳代から頭痛が消える。 「大丈夫?」 佳奈が顔を覗いて心配してくれていた。佳代は不敵な笑みを浮かべて、 「大丈夫よ、佳奈……」 佳奈を抱きしめた。石鹸のついた身体。佳代は自分の身体を擦りつけるように動いていた。 「あん!お姉ちゃん?」 先程と佳代の雰囲気が変わった。いや、佳奈の記憶にかつて夜で姉妹で楽しんだ記憶がよみがえる。 「また、あの時みたいに気持ち良くさせてあげる」 そして、それは間違っていなかった。 (あの時のお姉ちゃんが帰って来た) 最初、佳奈に快感を教えてくれた日から今まで、佳奈は物足りなさを感じていた。それは、初日の艶やかさを佳代が持っていなかったからだ。まるで別人。しかし、佳代本人に聞けるわけもなく佳奈は今までを過ごしてきた。 だが今日、あの時の佳代が帰って来た。佳奈の中で悦びが込み上げてきた。 佳代が自分の身体に石鹸を擦りつけて泡立てると、佳奈の身体に塗りつけていく。滑る佳代の身体に、大きなおっぱいが気持ちが良かった。そして、愛しむ様に佳奈のおまんこに佳代の細い手が伸びていった。 「すごい。私の声に合わせてどんどん湿っていく。イヤらしい身体になったのね、佳奈。お姉ちゃん嬉しい」 「お姉ちゃん!?あんっ!!」 佳代の手がクリトリスをいじめ、器用に皮を剥いでいく。 「お豆、ちゃんと剥いて綺麗に洗わないとね」 剥き出しになったクリトリス。佳代は両手で石鹸を擦りつけよく泡立てると、その手でクリトリスに触った。 「あああ!!!」 エコーがかかる佳奈の声。泡立った両手が佳奈を痺れさせる。 「身体中に響くのね。いいなあ、佳奈の感度。お姉ちゃん、ちょっと嫉妬しちゃう」 ヌリヌリとクリトリスを泡立て、見えないところで指で弾く。その度に佳奈のおま○こから愛液が流れ落ちた。 「やめて、お姉ちゃん!」 「さっきまで洗ってほしかったんでしょう?遠慮せずに喘いでイキなさい」 片手をおま○この中に入れて、愛液をかきだす様にほじくる。くちゅくちゅとお風呂場に厭らしい音が響き渡った。 「あん、ああ、お、お姉ちゃん、かな、いっちゃうう!イク、イ――きゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」 絞り出す声と供に佳奈が逝った。佳代が手をお○んこから出すと、佳奈の愛液でびしょびしょになっていた。佳代はその手を自分の口に持っていき、ペロッと佳奈の味を確かめた。 「おいしい。佳奈の愛液。お姉ちゃん、ベトベトになっちゃった」 「ハァ、ハァ、おねえちゃん……」 熱くなる佳奈の顔。思考が働かなくなる。佳代は後退と言わんばかりに佳奈に石鹸を託した。 「佳奈。お姉ちゃんも洗って。佳奈が私を気持ち良くして」 「…………うん、お姉ちゃん」 佳代がやった様に石鹸を両手で擦りつけ、身体に塗りつける。石鹸でてかる佳奈の身体。佳奈が両手を伸ばし、佳代のおっぱいを揉んだ。 ――――ズル 「えっ?」 佳代のおっぱいが下にずれ落ち、中から男性の胸板が見えた。佳奈が目を丸くしていた。 なにが起こったのか理解できず、 「き―――――」 いやああああああああああああああ!!!!! 風呂場から佳奈の叫び声が響き渡った。 ―鏡麻希子編X― 「ほんっっっっっっとうにごめん、佳奈ちゃん!」 一枚の扉を挟んで一真は深々と頭を下げた。しかし、扉は鍵もついていないのに、まるで南京錠でもついているかのように重く閉ざされていた。その奥には一人、宮村佳奈がいる。しかし、どうしても一真は顔向けできなかった。 「俺、自分でもどうしてこんなことしたのかわからないんだ」 まさか自分が佳代になりきっていて、佳奈に手を出すとは思えない。一真自身が信じられないことを、どうして佳奈が信じられるだろうか。 「さいってえ!!」 扉の奥から聞こえる重く冷たい一撃。さすがの一真も参っていた。 「……佳奈ちゃんに言われるともっと罵ってもらいたくなるけど、堪えるなあ」 頭を抱える一真。そこで佳代が動きだす。 「私にまかせて。一真は部屋で待ってて、また後で楽しみましょう」 「お、おおぅ」 怪しく笑う佳代に動揺してしまう。一真が開けられなかった扉を佳代はいとも簡単に開けると、一人部屋の中へ消えていった。 中は電気もつけておらず真っ暗。ベッドの上でふてくされる佳奈の気配が感じる。 「佳奈?」 もぞもぞ動く。佳代は佳奈と確信して佳奈を抱きしめた。 「ごめんね、佳奈」 謝っても許してあげない。佳奈は振り払う様に佳代を払いのけるが、佳代は佳奈の包まる布団すら一緒にはぎ取ってしまう。佳奈は観念したように、しかし、佳代を睨みつける。 「ひどい!どうしてお姉ちゃん、お風呂に入ってくれなかったの?しかも一真さんを代わりによこすなんて、お姉ちゃんも同罪よ!!」 「泣かないで、佳奈。目が腫れちゃう」 佳代に差し伸ばす手を佳奈はそっぽを向いて拒絶した。 「私はね、早く佳奈に大人になってほしかったの。こんな出来た妹なら私よりずっと綺麗になれると思う」 佳代の手が佳奈の肩を掴む。 ――ぐいっとベッドに押し倒し、佳代が佳奈の上に乗る。その力に佳奈は一瞬我を忘れた。 「お姉ちゃんにお顔見せて」 佳代が佳奈に何かを垂らす。それは佳奈の目に入り、痛みを伴わした。 「いたいっ!なに?」 目を擦って佳奈は痛みに耐える。ようやく痛みが引いていたと思ったら、佳代が『鏡』を持って立っていた。 「ほらっ、自分で姿をよく見て」 良く分からず佳奈は鏡を覗く。 「なに、これ!!?」 そこには見ず知らずの自分が映っていた。幼さをなくした自分の姿。ベッドから起き上がると、佳代と同じ目線になっていた。 「佳奈の三年後の姿。すごい、本当に綺麗じゃない」 佳奈の慌てようとは対照的に、佳代は冷静に見届けた。 ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・・ 「これが……わたし?」 もう一度確認する。自分が自分じゃないみたい。11歳が15歳の姿になれば輪郭すら変わり、声も大人っぽさを増し、出るところはさらに強調される。特に佳奈はこの三年でかなり綺麗になると『鏡』が伝えていた。 佳代が後ろから佳奈の胸を揉んだ。 「あ、お姉ちゃん」 「私と同じ。……ううん。私より膨らんでる。感度も気持ち良さそう。羨ましい。姉ちゃん嫉妬しちゃう」 揉んでいると佳奈が気持ち良さそうに喘ぐ。今までよりもさらに感度は良くなっているのか、佳奈自身も顔を赤くして声を震わしていた。 15歳の容姿に11歳の知識じゃ耐えられない。まるでおとぎ話のお姫様になった気分だった。 佳代が服を脱がせる。ピンクの子供っぽいブラが自分が本当は11歳だったことを教えてくれる。 ブラに収まったおっぱいが谷間を作っていたことに、佳奈は目を潤ませていた。 「本当に、これが私?私、こんなに綺麗……」 佳奈自身が認める理想の自分。思わずつぶやいた佳奈の言葉に佳代は大満足して自分の服も脱ぎ捨てる。 「だから、お姉ちゃんと一緒にうんと気持ち良くなりましょう」 佳代が佳奈のブラを外す。Cカップまで膨らんだ形の良いおっぱい。軟らかさも佳代と似ているようで、触るとむにゅんと弾んで、触られた気持ち良さを喜んでいるようだった。 「あん。おねえちゃん……」 弾ませているだけで佳奈は喘ぐ。戸惑っているのか喜んでいるのかは瀬戸際な表情。しかし、身体は既に今この瞬間だけを悦んでいた。 乳首が隆起する。山のてっぺんが一段と高くなるのを見て佳奈は顔を赤らめた。 「やっぱり、膨らんでいた方が乳首も栄えるね」 ――グリッと爪を立てて乳首を沈降する。今度は乳首がおっぱいに陥没し、沈めてしまおうとしたが、佳奈の乳首は沈むことなく、陥没させても元気よく飛び出してきた。 「やあ、乳首で遊ばないで」 「でも、爪を立てる度に、佳奈の声から震える声が聞こえるよ」 「あああ……」 「本当に嫉妬しちゃう感度」 ガリっと爪で乳首を引っ掻いた。 「ひうううん!!」 佳奈が一段と喘いだ。感度も高く、一人の女性として見るには申し分ない。佳奈のおま○こは既に愛液が滴り落ちてきていた。 「そんなに感度良いなら、こっちは、どのくらい気持ち良いのかしら?」 「あっ!そこは――!!」 佳代の爪がクリトリスに触れる。佳奈はそれだけで天井を仰ぎ、足を閉ざした。だが、足を閉ざしても爪はクリトリスを引っ掻き続ける。痛い中にこそばゆさがあり、次第に足の力が緩まってきた。 「あら?閉じたときよりももっと濡れているわ。どう、佳奈?気持ち良い?」 耳元で佳代が呟く。 「――――――」 「お姉ちゃん、素直な子が好きよ」 「――――――いい」 目を閉じて、顔を赤くして、佳奈は自分の感情を伝える。 「もう一回。大きな声で言ってくれたら、お姉ちゃんがご褒美あげるね」 「気持ちいいよ!」 「よく出来ました……ちゅ」 佳代が耳たぶにキスをした。びっくりした佳奈は「あふん」と声を出すも、耳も性感帯になってしまったかのように気持ち良くなってしまった。 もう佳奈に力は入らない。佳代がゆっくり足を開くと簡単に足は開き、濡れたおま○こは佳代の指を拒まなかった。 「お姉ちゃんが逝かしてあげるね」 佳代の指がすじをなぞりながら段々奥に入っていく。ちゅぷっと指に愛液がまとわりついたと感じた瞬間、佳奈が涙を流して喜んでいた。 「ひゃあああーーーーー!!!」 膣内も大人の身体になっている。狭いなりにも受け入れる空間は出来ており、指が侵入すれば吸いつくように壁が迫り寄ってくる。なのに触れれば佳奈が快感に震えてしまう。そしてさらに膣内を愛液で充満させていく。 これは名器だ。さぞ男性の逸物が入れば気持ち良いだろう。佳奈も一緒に喘いでくれるのだから、誰も文句言わずに出してしまうだろう。 「うらましい、佳奈」 ピストン運動を速める。佳奈にはまだ刺激が強すぎ、自分の押し寄せる快感に歯止めがきかなかった。 「あああああ!!イクーーーーーーー!!!イクイクイク、イクウウウウウウウ!!!!」 叫んでベッドに崩れ落ちる佳奈。佳代が指を抜き、びしょびしょになった中指を佳奈に見せて口に運ばせてあげた。 「これが佳奈の味よ。おいしいでしょう?」 「……………うん」 暗闇でもわかる赤い顔で、佳奈は微笑んだ。 鏡麻希子編(中)へ |