GGG―鏡佳代編(後)― 作:村崎色 ―鏡佳代編Y― シャワーの音が聞こえる。佳奈がお風呂に入っている。 と言って洗面所に来たのは、別に佳奈の脱ぎ捨てた下着を回収しに来たわけじゃない。せっかく佳代の身体になっているのなら、姉妹仲良くお風呂に入ったっていいじゃないかと結論ついたからだ。 エプロンをとり、再び裸になった一真(佳代)が浴室の扉を開けた。 「佳奈!お姉ちゃんも入るわよ」 ちょうど髪の毛を洗い終わったところの様で、濡れた髪のまま佳奈は一真(佳代)を困ったように見ていた。 「えええ?どうしたの急に?」 「一緒に入りたくなっただけ。ダメ?」 「ううん、ダメじゃないけど……」 桶でお湯を掬って身体にかける一真(佳代)。 姉妹でも見られるのが恥ずかしいのか、スポンジに石鹸を擦りつけて泡立てると、急いで洗っている様に見えた。細い身体に白い肌がほんのり赤く染まって見える。湯気の上がる浴室だと、佳奈はさらに可愛く見えた。 一真(佳代)怪しく笑みを浮かべて、背中に胸を押しつけた。 「ええっ!?……えっ?」 「うふっ。お姉ちゃんが身体洗ってあげようか?」 「えっ?いいよ、いいよ」 「遠慮しないで。佳奈の大事なところも洗ってあげるからね」 「あ……」 スポンジを取り上げて佳奈の身体を洗う一真(佳代)。上下に動く度に押しつけた佳代の軟らかい胸の感触を佳奈も感じていた。 「お姉ちゃん、あたってる……」 「うふふ……」 佳奈が感じた乳首を一真(佳代)はいじる。とたんに佳奈が声をあげた。 「可愛いわね。でもクラスにもっと大きい子いるでしょう?早くそんな子みたいにおっぱい出てくるといいね」 スポンジで擦られながらもいじられている感覚に、今までなんの反応も示さなかった佳奈の乳首が少し盛り上がったような気がした。 「今日のお姉ちゃん、なんかヘン」 「……なにがヘンなのかな?」 一真(佳代)はシャワーを持って蛇口をまわすと、勢いよく佳奈のおま○こに噴きつけた。 「あああ!!」 水をかけただけなのに、かけられた場所が痛くもありくすぐったくもあると訴える。さらに畳みかける様に一真(佳代)の手が佳代のすじを擦る。指を入れようにもまだ狭く、一本すら入らないのは分かっている。だからこそ今は軟らかくしておこう。 「ちゃんと膣も洗ってる?女の子の大事な場所だから綺麗にしましょうね?」 擦っているうちにシャワーのお湯以外に温かく湿った感触があった。一真(佳代)はいやらしく微笑んだ。逆に佳奈は一真(佳代)にいじられるまま、初めての刺激に戸惑いの声をあげる。エコーのかかるお風呂で、快感だけを膨らましていった。 「あ、あ、な、なにこれ?なんか……こわい!お姉ちゃん、やめて!!」 佳奈が叫ぶ。今なら指が入るかもしれない誘惑があった。でも――、 「はい、おしまい」 「えっ?」 なぞっていた指を一瞬でさげ、お風呂に浸かってしまった一真(佳代)。佳奈もなにかを期待していた分だけ、一真(佳代)のあっさりとした引き際に呆然としていた。 「ほらっ、早く入らないと湯冷めするわよ?はやくお姉ちゃんと入りましょう?」 「う、うん……」 と、返事をした佳奈だったが、ずぶ濡れの身体に更に桶でお湯を被ると、風呂場を出て行ってしまった。 足を伸ばしてゆったりくつろぐ一真(佳代)。 「今頃一人で悶々としてるのかな?それとも、なぞった場所を初めて一人で慰めているのかな?うははは……」 想像するだけで一真(佳代)は笑いが止まらなかった。 ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・ 俊祐の言うとおり、『鏡』の件を伏せながら事情を説明すると、麻希子も母さんも誰にも喋らないと約束してくれた。佳代(一宮)も礼をしながら一緒に食事をする。あまりに嬉しかったのか、片付けまで手伝うほどだ。俊祐も麻希子も母親の手伝いをしない分、母さんは泣きながら喜んでいた。 「ほんと、芸能人になる人は気遣いが凄いわねえ。俊祐も見習いなさい」 「アハハハ……」 芸能人でも何でもないことを知っている俊祐はただ笑うばかりだ。テキパキと要領よく動く姿は確かに立派だ。片づけをするのは佳代の普段の私生活でもみられるのかもしれない。 眉毛を抜いていた麻希子が一足先に外に出る。俊祐は佳代(一宮)の片付けの手伝いが終わるのをじっと眺めていた。 ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・ 「えっと、鏡、鏡」 麻希子の部屋には鏡がない。今まで黙っていたが、俊祐の部屋から黙って使っている。鞄の中を開け、『鏡』を持ち出して部屋に戻る。雑誌を見ながら『鏡』を通して眉毛を抜く。なんとも器用なことをしている。 「……って、この鏡、私が映っていないじゃない。……ん?なんか、普段より声が高い様な気が……」 もう一度麻希子が自分の周りをみる。細い指、長く整えられた爪に塗られたアート、見ているモデルファッション誌と同じ爪になってしまった自分の指。その持ち主になってしまった麻希子は、自分の姿を見に再び階段を駆け下りて行った。 ―鏡佳代編Z― 急に姉からメールを受け、一人二階に上がる俊祐。 「呼び出すなら声かければ良いだろ、たくっ」 愚痴をこぼしながら麻希子の部屋をノックする。 「姉ちゃん、はいるよ?」 ドアを開けて入った俊祐は、姉の姿に言葉を失っていた。 「どう?俊祐?」 そう言って話しかけてくるのは、モデルの燐花。三十路を越えても全く衰えていない美貌と容姿に、俊祐は言葉を失った……わけではない。 「あ、あわわ、わわわわわ!!!!!!」 俊祐の身体から大量の汗がブワッと拭き出る。俊祐は全てを理解した。モデルの燐花が家にいるはずがないのだ。『鏡』がばれた。 「頼む、姉ちゃん!!このことは内緒にしてくれ!!」 その場で土下座する俊祐。 「まさか、今うちにいる一宮も?」 「俺のクラスメイトなんだ。しかも、わけあって『鏡』の居場所を知られるわけにはいかないんだ」 「…………そうなんだぁ」 ニッと笑う麻希子(燐火)にゾクッと背筋が凍る。面白いものを見つけた様にゆっくり近づいてくる麻希子(燐火)に恐れおののく。 「俊祐。この『鏡』どこで手に入れたの?お姉さんに教えなさい」 「だ、ダメ……」 「嫌だっていうなら、一宮くんの前に燐火、登場しちゃおうかなあ?あはっ、家に芸能人が二人も来れば、お母さんひっくり返って気絶しちゃうかもねぇ?」 笑いながらも冗談に聞こえない。姉ちゃん、芝居うますぎ…… 「…………かずま、すまない……」 俊祐はその場に力尽きた。麻希子(燐火)の笑い声が絶望感を醸し出していた。 ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・ そんなことになっているとはつゆ知らず、 お風呂をあがり、後は眠るだけになった宮村姉妹だが、一真(佳代)は電気の消えた廊下を歩いて、佳奈の部屋の前まで来ていた。ゆっくりと扉を少し開けて佳奈の姿を探す。ベッドを見ると布団が丸く膨らんでいる。 (寝ているのか?) と、思った一真(佳代)だったが、モゾモゾと布団が小さく動いているのが見えた。 「……ぅ、ん……」 声を殺し、荒い息を吐いている佳奈に一真(佳代)は確信した。 (佳奈は起きている。懸命に触られた場所を自分でいじっている……) お風呂場で一真(佳代)にいじられた場所を思い出しながら、佳奈は初めてのオナニーをしている。こんな嬉しいことはない。 きっと布団の中で目を閉じながらも、乳首とおまんこを擦って気持ち良くなっているんだと容易に想像できる。 「はあ!……っ!…………だめ、佳奈。おねえちゃんにきこえちゃう……」 (いいよ佳奈、大きな声出して。お姉ちゃん聞いててあげるからね) 廊下で目を輝かして佳奈の様子をうかがっていた一真(佳代)だが、姉の気遣いを案じながら自分を慰める佳奈に我慢の限界だ。 逝ったかどうかわからない廊下で見るよりも、中に入って間近で始めてイクところをみてあげよう。 (それが、お姉ちゃんの優しさよね?) 一真(佳代)も顔を赤くしながら、扉を開けて部屋の中に入っていった。 ―鏡佳代編[― 布団にくるまった横に寝ころぶ佳代。 「佳奈?」 佳代の声に布団から勢いよく頭を出した佳奈は、既に表情を真っ赤にしていた。 「ええ?お、お姉ちゃん!?どうして??」 「私に気付かないほど気持ち良くなってたの?」 「ち、違うよ、気持ち良くなんかなってない」 慌てて否定する佳奈に佳代は笑みを浮かべる。 「ふうん。じゃあ、どうなってたの?」 佳奈を抱きしめ、パジャマの上から乳房を触る。膨らみのない佳奈の身体に二点だけ突起した場所があった。乳首だった。 「こことか?硬くなってるじゃない」 きゅっと抓ると、佳奈が息を漏らした。 「ち、ちがうよ!お姉ちゃんが触ってから、か、痒いの!」 「お姉ちゃんのせいなんだ?ひどい、佳奈」 抓る指に力が入る。たまらず佳奈が声をあげる。 「あああ!いたい!!」 後ろで佳奈が笑って「ごめんね」と耳元でささやく。佳代は佳奈の上着を脱がしてしまった。暗闇でもわかる佳奈の白い透き通った肌が見える。佳代は前に回って爪を立てた。 「お姉ちゃんが掻いてあげる。ちくびで良い?」 聞いている間にも爪は伸びる。乳首に当たった爪をそのまま下にさげ、乳首を巻き込んで、やがて放れた。 「ひああああ!!」 膨らみのない乳房では揺れは少ないが、それでも佳奈にとっては刺激が強すぎる。 「まだ痒い?じゃあ、お薬も塗ってあげようかな?」 先程引っ掻いた爪を今度は佳代自身の口の中に入れてよく濡らす。唾液に濡れた指は一際照らして見えた。 ピトッと付いた唾液を乳首に塗りこむ。 「ひゃあ!あ、あたたかい」 「お姉ちゃんのお薬、佳奈に効き目ばっちりね。乳首濡れて光ってるね」 「いやあ、お姉ちゃん!きたない!」 「可愛い、佳奈…………ちゅ」 顔を近づけた佳代が佳奈の乳首にキスをした。自分の唾液に濡れた乳首を、キスをしたついでにさらに唾液をつける。 「ひいぃぃ!!」 佳代が甘く噛んでいる。佳奈はベッドの上で仰け反ってのゲルが、佳代は決しいて逃がさない。 「佳奈の乳首、小さいのに勃起してるから噛み易い。これ以上強く噛んだら、母乳が出ちゃうかもね」 「イヤだ!!母乳なんて出ない!!」 「そうね。でも、佳奈の乳首のお味、とっても美味しいわよ」 ペロペロペロペロ…… 「な、舐めないでえぇ」 既に泣いている佳奈。泣き声で助けを呼んでも、佳奈をいじめている佳代しかいない。 佳代は一度佳奈から放れてベッドから立ち上がった。佳奈がほっとしたのもつかの間、うっすら見えるコードを佳代が持ったのが分かったからだ。 「じゃあ、電気つけるわよ?」 「えっ、い、いやあああ!!」 佳代は勢いよく電気をつけた。 ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・ ベッドの上で泣く佳奈は既に裸だった。高揚した頬。それと同じくらい高揚した裸体を前に佳代は一度喉を鳴らした。 「お願い、電気消して。恥ずかしいよぉ……」 「ごめんね、佳奈。じゃあお姉ちゃんも脱ぐから、それなら恥ずかしくないでしょう?」 「えっ、やっ、そういうことじゃなくて……」 佳奈が否定しても佳代は自分の着ていた服を全て脱いでいく。佳奈にはまだ早いブラとショーツを脱いで足下へ置くと、佳奈と同じく何も身につけていない佳代がいた。 「どう?お姉ちゃんの身体?佳奈をいじめてたら、私も乳首が勃起してきちゃった」 「恥ずかしいよ」 佳代は再び佳奈の目の前に座り、佳奈の足元に手を伸ばした。 「佳奈。お姉ちゃんのおっぱい揉んで。その間にお姉ちゃんは佳奈のクリトリスを外に出してあげる」 「どこ触るの?」 「佳奈のおまんこの上についてる場所……うふふ、佳奈は気にしないでおっぱい揉んでて。もっと強く揉んで、お姉ちゃんを気持ち良くさせて」 佳代が叫んでも佳奈は戸惑って手を出せないでいる。しかし、佳代は着実に手を伸ばし、佳奈のすじをなぞっていく。濡れている感触がある佳奈のおまんこだが、すこしずつ上へ上へなぞっていくと、こつんとクリトリスに触れた感触があった。 「ひゃああああ!!!」 今まで以上に声をあげる佳奈。 「どう?これがクリトリス。物凄い敏感でしょう?」 一度触れば同じ場所を何度でも触れられる。それでも、佳奈にとっては何度も同じ刺激を受け続けられる。 「あっ、ああっ……」 天井を向いたまま帰ってこない佳奈。 「痙攣してる。おま○こヒクヒク濡らしてる。きっと今なら……」 佳代が一本指をお○んこに刺し入れる。ぶちゅっと、苦しそうな感じがあったが、佳奈のおまんこはヒクヒク動いて佳代の指を自ら呑みこんでいった。 「きゅううう、あああああ!!!」 「佳奈、見て。私の指、佳奈のおま○この中に入ったわよ。すごい!膣はビショビショ。グチュグチュじゃない」 興奮する佳代。佳代が指を少しでも動かせば、佳奈が跳ねる様に身体を動かした。……イクのだ。佳奈が人生で最初の絶頂を感じるのだ。 「あっ、あああ!あああああああああ!!!やああああああ!!!!!」 仰け反った身体がそのままベッドに倒れこむ。腰が浮いて佳代の指をぐしょぐしょにし、少しの隙間から潮を吹きだし、打ち終わってようやく沈んでいった。 「逝ったのね佳奈?おめでとう、これで佳奈も大人になったね」 「はあ、はぁ、はぁ……お、お姉ちゃん……」 虚ろな目で佳代を見る。佳代は既に厭らしく微笑んでいた。佳奈の愛液に濡れたままの手で、佳代はおま○こをまさぐってかき混ぜていた。 「佳奈が気持ち良く逝くから、お姉ちゃんのお○んこも、ビショビショになっちゃった。佳奈。舐めて?お姉ちゃんも舐めるから、一緒に行きましょう?」 寝ている佳奈の上に佳代は乗ってシックスナインの形をとる。佳奈の目の前には佳代のお尻と濡れたおま○こがあった。 「いやあ!もう許して!」 「お姉ちゃんの言うことが聞けないの?はやくお○んこ舐めなさい」 普段より低い佳代の声に泣くのを止めてしまう。代わりに佳代が逝ったばかりの佳奈のおま○こを舐め始めた。 「ああん!!」 「ほらっ、その刺激を私も受けたいの。佳奈ばっかり喘いでズルイ。お姉ちゃんの気も察しなさいよ」 「うぅ……」 快感が収まらない身体。佳奈は佳代の言う通り行動する。突き付けられたお○んこに恐る恐る舌を刺し入れる。 「あ、そう。そこ。佳奈の舌、小さく動くから、身体に響く」 佳代はゆっくり左手をおま○こにもってくると、大きく開いてクリトリスを外に出した。 「ここ舐めて。さっき佳奈のを舐めたクリトリス。今度はお姉ちゃんのを舐めて」 甘えるように響く佳代の声も、今では佳奈にとって快感でしかない。佳奈は舌をチロチロ出して佳代のクリトリスを舐め続ける。 「あ、あ、あ、あ、あ、あ」 佳奈の上で喘ぐ佳代。 (私が、お姉ちゃんを感じさせてるんだ……) 真っ赤に火照った顔でそんなことを佳奈は思う。 「佳奈、気持ち良いよ。もっと、もっと舐めて。お姉ちゃんをいじって!!」 「レロレロ……」 「いい!そこ!そこが気持ち良いの!」 快感に溺れる佳代だが、佳奈も一緒に道連れにする。佳奈を攻めることを再開した佳代。膣に再び指を入れてピストン運動を始める。 「あん!!お、おねえちゃん!おねえちゃん!」 「イク、イクイクイク……」 「いくよ、かな、いっちゃうううううう!!!!」 姉妹の声が重なり合う。 『イクウウウウウウウウウウウウ!!!!!!』 二人の顔に双方の愛液が飛びかかる。温かい愛液。さらに佳奈は失禁しながら気絶してしまっていた。 佳代は残る力を振り絞って立ち上がると、濡れた身体を押して部屋を出る。今夜は良い夢が見られそうだった。 ―鏡佳代編\― 翌日。 元の姿に戻った一真は、俊祐から託された『鏡』を前に佳代(一宮)の前に現れた。『鏡』を取り返してきたという口実で見せた『鏡』だ。佳代に手放すとすぐに佳代の姿に戻り、自分の身を抱いて喜んでいた。 「……あああああああん、うあああああああああああ!!!!!!」 恐怖からの解放。佳代が延々泣き続けるので、一真も俊祐も何と声をかけていいかわからない。 「(やりすぎたかな……)」 「(うん……)」 今回の悪戯で、一番身に染みたのは、この二人だったのかもしれない。 だが、今回の一件以降、一真と俊祐の『鏡』の制限は軽減され、使用には佳代の許可が必要なのは変わらないが、『鏡』の所有者は一真に移動したのだ。それを提案したのも佳代の方からだった。 佳代の部屋。ベッドで一真はくつろいでいると、佳代が隣に座ってきた。 「ねえ、一真。人には人の良さがあって、人には人の居場所があると思わない?」 「なんだそれ?」 鏡で変身することができるから、色々な人を見て、様々な生き方を知って、学ばせてもらった佳代。 「私に芸能界は似合わないし、私には静かな町が似合うんだなって思うの。うるさいのは一真だけで十分。これ以上五月蠅くなったら、私の方がついていけなくなっちゃう。だから此処が、私の限界。だから一真の隣が私の居場所」 「なんてね」と、舌を出して笑う佳代を一真は正面から見れなかった。それがショックだったのか、佳代は一真の顎に手を添えて正面を向かせると、既に真っ赤になっていたのがおもしろかった。 「『鏡』を取り戻してくれたんでしょう。……ありがとう」 目を閉じる佳代。一真は自然と顔を近づけていく。 「お姉ちゃん?」 突然、佳奈が部屋に入ってきたので、二人は急いで身体を放した。 「佳奈!!ななな、なに?どうしたの??」 「…………お風呂、一緒に入ってほしいな」 顔を真っ赤にしながら話す佳奈に、一真が今度は焦り出した。佳代は「わかった」と佳奈の手を繋いで席を外す。 「また、ゴシゴシしてほしい」 「えっ?なに?なんのこと……」 二人の会話がかみ合っていないまま、 ・・・・・・・・・・・・・・・・ しばらくした後、 「いやああああああああああ!!!!!!」 佳代の断末魔のエコーボイスがアパート中に響き渡った。 「また一つ、罪を作ってしまった」 絶対に知られるわけにはいかない……この幸せを永遠にするために。 一真は佳代のベッドに『鏡』を置いた。 ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・ 浜麻希子の部屋。パソコンに向かって黙々とページを開いていく麻希子。 俊祐が教えてくれたページ。『グノー商品』を扱うエムシー販売店。 様々な商品を扱う中に、『鏡』を見つけた麻希子。 『買い物かごに入れる』というボタンにカーソルを移動し、 麻希子は一回右クリックを押した。 fin……? ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・ 『鏡』を御覧下さいました皆様、ありがとうございました。 二部に渡った『一真編』終了でございます。次回は『麻希子編』に移るかと思いますが、いったん間を置きたいと思います。 アンケートに『鏡』を入れて下さった皆様、誠にありがとうございました。短編で間を埋める時もあるかと思いますので、『鏡』をまた御愛用ください。『手鏡』、『合わせ鏡』とありますので、ハイ。 と言っても、前回述べた通り、佳奈、佳代の絡みは作者も気に入っております。ひょっとしたら宮村姉妹との3Pもぽっと出ているかもしれませんので、その時はよろしくお願い致します。 では、まだまだ他の商品もお楽しみください。 (麻希子編へ) |