GGG―姿見初期型―

作:村崎色




―姿見初期型姉編―


「遅れちゃう、遅れちゃう」


 朝はいつもばたばたする。低血圧の私だ。遅刻になるギリギリまで寝ていたいのだから仕方がない。両親は既に家を出ているし、せめて弟が出る前に家を出なくちゃ。

 制服に着替え、靴下左右ズレがないか見て、埃が付いていないか確認し、髪を整え、

最後にくるっと回ってポーズを決める。

 ・・・・・・って、なにやってるんだろう、私。

 鏡にははにかむ私が映っている。



 あれ?睫毛に塗ってあるグロスがブレテ見える。
 鏡に顔を近づける。その時、急に鏡が光った。




 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

「・・・・・・えっ?」


 鏡が光る?そんなことあるわけない。私の部屋に太陽の光が入るのは正午近くになってからだし、気のせいか。

 そう思うと、ようやく学校にいく準備をする。


『なんだか学校だるくなってきちゃった』


 え?鏡の中の私が喋る。でも、そんなはずあるわけがない。
 鏡を確認すると、私だけが映っている。

『なんだか学校だるくなってきちゃった』

 もう一度鏡の中の私が喋る。そうか、今のは私が言ったのか。そう思うと確かに学校に行く気はなくなってくる。


『サボろうかな』

 うん、そうしようかな。



『でも、やっぱり学校に行こうかな』


 急に学校に行く気になってきた。制服に着替えているし、準備も出来てるんだ。やっぱり行かないと。早くしないと遅刻しちゃう。


『でも、もう行かないってき〜めた!』


 うん、決めちゃった!学校に行かない。でも、何しようかな。


『とりあえず制服を脱ごう』


 鏡の私が言う通りに私は動く。でも、私がそう望んでいるんだ。じゃなきゃ鏡の中の私が喋るはずがないんだし。きっとまわりには独り言をいいながら脱ぎ始めた私が立っているように見えるんだろうな。そう思うと少し恥ずかしい。

 せっかく着た制服を大胆に脱ぎ、スカートはホックを外すとバサッと足下に落ちる。鏡には下着姿になった私が映っている。鏡の前で着替えた事はあまりない私だが、今日は鏡の前から放れる事が出来なかった。

 余分な肉のないお腹。上下揃った無地のブラとショーツ。なんだか顔が高揚してくる。

 早く着替えなきゃ。


『ああ、ちょっと待って』


 私自身に待ってというのも変な話だが、鏡の私が止めにかかり、掴んだ私服を再び手から放した。

 ただ鏡の前に下着姿で立っている。



      

 何をしているんだろう。


『早く着替えなきゃ』


 あ、ようやく鏡の私から着替えの許可が降りる。

 私は服を掴んだ。

しかし、それは先程掴んだ私服ではない。何故か中学時代に着ていた白のTシャツと紺のブルマだった。


『これから運動するから運動着に着替えよう。でも紐が擦れるのは嫌だからブラジャーもショーツも脱いじゃおう』


 着替える前にブラもショーツも脱いでしまう。素っ裸になりちらっと鏡を向くと、茫然と眺めていた私がいた。あまり気にも留めずに上から運動着を被り、ブルマを足に通す。少し小さく感じる。ブルマが股に擦れる。お尻がはみ出しているので微調節をしてようやく鏡の前に立った。

 中学生以来のブルマ姿だ。大人っぽさと子供っぽさが入り混じった姿。運動着はピチピチで乳首が擦れるし、ブルマも小股が擦れる。
 ……なんだか変な気分だ。



『ブルマを食いこませて』

「ひ」


 何をしているのだろう。ブルマの先を持つと勢い良く引っ張る。ノーパンの状態なので、ブルマにはマンスジがくっきり浮かび上がっていた。

 何をしているんだろう、何をしたいんだろう、
 学校に行く気がなくなって、下着姿を映し、中学時代のブルマを穿いて、ブルマを食いこませてマンスジを鏡に映している。
 私は、私は……オナニーがしたいんだ。


「んっ」


 右手を胸に持っていく。最近膨らんできた胸を優しく揉む。普段より気持ち良い。あまり自慰をやらない私だけど、こんなにエッチしたい気分は初めてだ。



      

 自分の痴態を鏡で見せつけたからか。滾った欲は止められない。

 優しく、けれどだんだん強く。運動着の中に手を入れて柔かい胸を楽しみながら、中心にある硬くなった乳首をきゅっと挟む。


「ひっ!」

 電気が身体に流れる。感度が全然違う。そうか。ムラムラすると気持ち良くなれるんだ。

 まだ私の知らない世界がきっとあるんだ。
 だって、食い込んだブルマはマンスジの形にくっきりに濡れていたんだから。

 溢れ出る愛液。留まらなく押し寄せる快楽に滝のようにブルマから垂れ落ちて床を濡らしていく。

 ブルマを横にずらし、マン○を外気に触れさせる。愛液に濡れた毛が厭らしい。

 胸を楽しんでいた手を下ろして、入口にあてがった。そして、

くちゅ


「ひいい!!」


 一際大きい声をあげてしまう。駄目。まだ弟がいるかもしれないのに。

 声を上げちゃ駄目。でも、イクまでもう止められない。

 シャツを口に咥え、声を上げないようにして行動を再開する。最初が入れば後は早さを上げていく。指が出し入れする度に指の濡れは激しくなっていく。時々びゅっと飛んでいて、鏡に数滴降りかかっている。

 鏡にはシャツを口に咥えてるので胸が露出し、さらにブルマを横にずらしてマ○コを曝しながら指を入れている私が映っていた。

 こんな姿を映すのも初めてだし、やったのも初めてだ。

 誰の意思?……私の意思だ。


『凄いよ、姉ちゃん。エロすぎるよ。途中から自分の意思でやっちゃうんだもん。そんなに気持ち良いの?』

「うん、うん。気持ち良い」

『じゃあぼくは部屋に戻るよ。最後にイク姿をぼくに見せてね』


 そんなこと言われなくても、もう、イ――!!


「んんんんんんんんんんんあああああ!!!!!!!!!!」


 快楽は、硬く閉ざしたはずの唇を放し、私に声を張り上げらせた。

 愛液は潮を噴いて鏡に、ベッドシーツに、床に飛び散った。潮と同時に私は失禁してしまった。

 息を切らしてもう一歩も動けない。脱力感が一気に襲いかかる。いいや、今日は学校を休むんだし、このまま寝てしまおう。ベッドまで頑張って這い上がり、そのままコテンと体を預ける。


『サービス精神旺盛だったね。ありがとう、姉さん』


 眠る前、なぜだか鏡に映る私が弟の声で喋ったように聞こえた。





―姿見初期型妹編―


 この年にしてこんな格好しようとは……。
 恥ずかしいながらも、馬鹿みたいな思考を停止する。
 仕方ない。これは俺の趣味だ。
 俺はいま、妹の部屋からスクール水着を借りて着ているのだ。旧式とはいえはち切れんばかりに伸びたスクール水着が、サイズが合ってなくて苦しいと言っているようだ。
 女装癖、変態、通報しますた。

……まあ、別に呼ばれてもどうでもいいや。
 なぜなら俺は、鏡に映せば妹そのものなんだから。




 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

      

 妹、麻耶が鏡を隔てて立っている。鏡は光るとなくなってしまった。残されたのは変態姿の俺と、目は虚ろだが俺と同じ、スクール水着の格好をしている妹だった。
 何をしているかと言えば、そうだな。妹は何もしていないと答えるのが正解だろう。



 妹が何かをするとしたら、これからである。



 俺が手を上げる。すると、妹も手を上げる。目が虚ろなのは変わらない。何故手を挙げたのか妹も理解していないだろう。



 俺が両手を上げる。妹も両手を上げる。



 まるで鏡に映した人物が手を挙げたから自分も手を挙げたのだと思っているようだ。

 それは的外れな答えかもしれないが、ほとんど正解なのだ。

 グノ―商品、『鏡』。鏡に映した人物と同じ行動を取る。鏡だから自分の行動を不審に思わない。鏡だから前後なんか関係ない。

 妹が鏡に映す姿。それが俺ならば、俺は妹であることが証明される。公式はいらない。過程もいらない。事実があればそれでいいのだ。

 肩に食い込んでいた紐を外し、胸板を露にする。すると妹も同じように肩紐を外し、胸を露にした。俺とは違い膨らんできた乳房。男と女の違いを改めて明確にするが、乳首が立っているのは兄妹供に変わらなかった。



      

 妹が目の前で顔を赤らめている。胸を見せてまるで襲ってくれとでも言っているかのようだ。

 我慢の限界だ。ピラッとスクール水着を捲り、そそり立ったチン○を取りだし、妹の前で擦り始める。妹にオナニーを見せつける。これ以上の征服感があるだろうか。

「きゃっ!」と声をあげうろつく姿なんて見たら格別だろう。

 でも、俺が見たかったのはそれじゃない。



 妹が俺と同じ姿で手を動かす。空中に手をかざし、必死になって上下に何かを擦っている。
 妄想とは恐ろしいものだ。俺は妹にチ○ポが生えているかのような錯覚に囚われた。


 ふたなり。


 同人でしか聞いたことない両性具有。
 先程、俺は女装癖や変態と自分で罵ったが、妹の憐れな姿を見たら一体どちらが変態かわからないものだ。

 スクール水着ではみ出したチン○を一心不乱に擦り続ける。



      

『ハァ、ハァ……』  


 俺の声と妹の声が重なる。
 ふたなり、妹、スクール水着、
 もしこんなオカマ、もしくはニューハーフがいたとするなら、それは有りなんじゃないだろうかと俺は思う。



『……イクッ!』



 兄妹供に叫び絶頂を迎える。勢いよく発射され、外に飛び出した精子は妹にかかる。所々に精子を被り、スクール水着が紺色から濃い紺色へ変色する。当然俺には何もかからない。
 満足感に浸りながら笑みを浮かべてしまう。

 最高だ。最高のオナニーだ。ぶっかけも出来るし、なにより妄想により使い方は無限大に膨らんでいく。


 ニヤリとにやけて商品の次の使い方を考える。
 次は何に使おうかな。どう使おうかな。





―姿見初期型破壊―


 妹を鏡に映して様々なことをした。
 水着にしたり、メイド服を着させて御奉仕したり、ブルマを穿いて体操座りをさせたり、etc・・・
 しかし、ここ最近になりマンネリ化、そしてようやく分かったことがある。

 これは、ただの妹だ。

 俺は妹じゃないし、鏡に映す妹は俺と同じ言葉をしゃべったり、俺の言葉を自分の意志のように発したりするが、

 妹は俺じゃない。

 それはそうだ。俺は俺であって、妹は妹に決まってる。
 ハハハ・・・・・・。涙が出てくるぜ。変態の道を極めようと購入した『鏡』も、結局俺が痴態を楽しむオナニーだったわけか・・・・・・。クソオオオォォォッ!!!!

 バリーンッ!!
 
「えっ?」

 突如、目の前が真っ白になった。




 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

 今の音は『鏡』が割れた音だった。怒りのあまり妹を殴ったつもりだったが、消えた『鏡』はずっと俺と妹の間にあったのか。
 高い金を出し、ようやく手に入れた商品。生涯使い続けていこうと思っていた宝物が・・・・・・目の前で割れている。
 割れた鏡の一部を手に取って、涙を流す。

「うううぅぅぅ・・・・・・」

 甲高い声が室内に響く。
 ・・・・・・・・・・・・ん?
 この声は明らかに俺じゃない。女の声だ。
 割れた鏡ではあるが、姿見の役目は十分果たせるので、自分の姿を映してみる。
 俺は、ブルマを穿いた妹になっていた。    
  
                      

 どういうことだ?鏡を割ったということは、姿を映したどちらかが消えるということか?
 俺の身体はどこだ?さっきまで使っていた俺の身体は・・・・・・部屋のどこからも見つけられることが出来なかった。
 仮説は確信になる。
 一瞬にして青ざめる。鏡にはそういう怖い面もあるのかよ。
 ブルッ。妹の身体が小さく震え、同時に尿意を感じてしまった。

 ・・・・・・・・・・・・ニヤリ、と割れた鏡に映った俺は笑った気がした。
 俺の身体はない。そして、妹の精神もない。俺は妹になったのだ。
 ブルマも良いけど妹のおまんこを外気に晒す。綺麗なピンク色したヒダが初々しい。
 と、もう一度身体が震えた。思った以上に尿意は近くまでせまってきていた。トイレまで行こうとしたけどそこは変態思考。今捨てたブルマにかけることにした。

「んっ・・・・・・」

       

 少し力を入れると、ピュッと出てきて、後は続くようにジョボボボとブルマに降りかかった。狙いが男性より難しく、力加減で当てるよう調節しなければいけないので、多少フローリングに飛んでいってしまう。
 濡れて紺色がさらに濃くなっていくブルマ。すべてが綺麗に着色した頃、ようやく尿意をすべて出し切った。

「はあ〜」

 満足。大満足。決して男性では体験することのできない感覚。尿意と供に女性独特の気持ち良さがのぼってくる。
 細い指でクリトリスを触ると、「ひぅっ!」と声を張り上げてしまった。クリトリスも敏感になっていた。確かにこれならティッシュで拭くときに「んっ」と声を漏らしてしまう女性の気持ちがわかるような気がする。
 びしょびしょになったブルマを持つと、黄金水が床に垂れる。中を覗くと見事にパンティソフトには黄色いシミが出来あがっていた。

「くんくん・・・・・・」

 我慢が出来ず鼻に持ってきて匂いを嗅いだ。
 決して良い香りと言えるものじゃないが、シチュエーションに萌えるから問題なし。

「あはっ、私の出したおしっこの匂いが、ブルマの生地を通して感じちゃう。良い匂い・・・・・くんくん」

 俺が喋っていることを妹の声で言う。これぞ『鏡』の最終地点。俺がブルマを持った手を鼻につければ妹が行動を取ってくれる。俺の痴態は妹の痴態になる。
 ゆっくりと左手を下ろしていき、オマンコに手を伸ばす。
 既に濡れている状態なため、何の苦労無く指が入る。くちゅっという音と供に入ると、やはり膣も濡れていた。・・・・・・それは決して尿意だけではなく、俺自身の高揚もあるのかもしれない。膣は温かく、そして締め付けが強く、指一本で快楽を十分堪能できた。

「んんっ、ん、んんんんんんんんんん〜〜〜」

 気持ち良さで声をあげるが、あげると口の中にアンモニアの少ししょっぱい味が流れ、息をしようとすると鼻にアンモニア臭が流れ込む。
 苦しい・・・・・・けど、か・い・か・ん!・!・!
 指の出し入れを早くする。膣が擦れて快感の波が激しくなる。

「あっ、あっ、い、いい、いっ、いく、いく、いくいくイクッ、イクーーーーーーー!!!!!!」

 ビュッ、ビュッと、今度は潮を吹いた。
 呆然とする思考。女性の快感を自分のものにした快楽。
 これから妹として生活しなければならない、そして自分の行方をどう親に説明するかも考えなくちゃならない。やるべきことは多いなあ。

 でも、まあいいや。
 今はこの余韻を楽しませて。




(鏡説明編へ)




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