日曜日6月14日 プ〜ルにて(その1)


 ずっと鬱陶しい空模様が続いていたけれど、今日に限ってどういう訳か梅雨の晴れ間が見えていた。しかし午後からは天気が崩れるという予報に、凛太郎達はバスで待ち合わせをしていた。バスに揺られながら久しぶりの晴天を眺めながら物思いに耽る。
(今日は最初にキャミキニ着て、回り見てから着替えようかな)
 本当ならもうどちらの水着を着るか決定していたのだから、持って行く水着は一着でいいのだろうけれど、凛太郎は念のためとスク水も持っていく事にしていた。
 よくよく考えればフィットネスクラブのプールだ。ホテルのプールではない。いくら受け付けのお姉さんが遊びにくる感覚でよいとは言っても、泳ぐ事が主体となる筈。ナンパ目的で行くのとは違う。キャミキニは海で遊ぶにはいいだろうけれど、泳ぐという行為には向いていない事は明白だ。誰もそれ風の水着を着ていなかったらそれこそ恥ずかしい。修一に見せるだけなら直ぐに着替えてしまえばいい話だ。
 考え事をしているとあっと言う間に時間が過ぎてしまう。凛太郎を乗せたバスはいつの間にか終点の駅前についていた。待ち合わせの時間は九時。余裕を見て来ていた凛太郎は八時五十分に駅前に着いた。今日は笑も一緒だから待ち合わせ時間を過ぎて修一が現れる事は無いだろう。凛太郎が辺りを見回すと、意外な事に修一と笑が歩いて来ていた。
「修ちゃん、笑ちゃん、おはよう。早いじゃない」
 別に嫌味でも何でもない。本当に凛太郎はそう思ったのだけれど、修一はちょっとムッとした表情を見せた。
「俺だって遅れるばっかりじゃねぇぞ」
「凛ちゃんおはよ。でもねぇ、あたしが起さなかったら、まだ寝てたと思うけどねー」
 腕組みしながら凛太郎を見下ろす修一の横から、笑が笑顔を振り撒き顔を出した。何故だか修一は凛太郎の上から下までじっと見ている。その視線に凛太郎も気になってしまった。
「なに?」
「……いや、今日はスカートじゃないんだな、と」
 少々がっかりした声色で言う修一。
「あれはっ、……デート用だし……。私服じゃいつもスカート穿かないよ」
 穿いてきても良かったかなと思ったのだけれど、今日は水着がメイン。それに午後から雨だから汚れてもいいようにカーゴパンツを穿いてきた。スカートに合う靴も無いし。
「なぁによ、スカートじゃなくても今日はいいモン見られるじゃん」
「! 笑ちゃん、いいモンて……」
 明るく元気一杯の声で笑が言うけれど、中身はオヤジっぽい。凛太郎も自分の水着姿が「いいモン」と表現されるのはちょっと嫌だ。まるで自分の身体が商品になったような感じがしてしまう。
「あ、ごめんね。お兄ちゃんにとって『いいモン』で、えっと、なんていうか……えへへ」
「あほう。考えなしに言うからだ。反省してろ。それよりリンタ、今日はどっち着るんだよ。可愛い方だよな? な?」
 苦し紛れに笑が舌を出しながら誤魔化そうとするけれど、修一がそこに追い討ちをかけていた。しかしその修一も何だか一つの事だけした頭にないようだ。
「一応、決めてはいるけど。あんまり言われると着たく無くなりそう」
「そう! そうだよ、やーらしぃ目で見たら凛ちゃんも着られないよ。折角の可愛いの」
 正直に凛太郎が言うと笑が仕返しとばかりに尻馬に乗ってくる。修一も心当たりがあるのか強気な発言は出来ないでいた。
「なんだよ、二人で言うなよな。お、シャトル来たぞ」
 目茶苦茶楽しみにしてるのに、見られなくなるのは修一の本意ではない。都合よくやって来たモール直行のシャトルバスを見やると、振り向かずに歩いていってしまった。
 ばつが悪いという風に、修一がそそくさと歩いていく様子が面白く凛太郎と笑はクスクスと笑いあっていた。

 * * * * * * * * *

 モール内のフィットネスクラブ。様々な人たちが身体を鍛えに、或いは健康管理の為に利用している。三人で受付を済ませると、既にマシンを使用してトレーニングをしている人たちがいる。みな一様に体格がいい。熱心に日曜の朝から来ている人たちは筋肉のつき方もいいのかも知れない。凛太郎は妙な所に感心してしまった。
 女子用と男子用のロッカールームは入り口が離れており、向かって右に女子、左に男子となっている。当然、凛太郎と笑は右に、修一は左へと行かなくてはならない。
 と、修一が最後の足掻きに出てきた。
「なぁなぁ、リンタ。どっち?」
(……もう。ちょっと待てば解るのに、なんだかなぁ)
 凛太郎がじぃっと修一の顔を見て言いよどんでいると笑が口を開いた。
「お兄ちゃん、昨日もさっきも言ったけど、そんな風に強要したら凛ちゃんも嫌になっちゃうよ。凛ちゃん、ロッカールーム行って着替えちゃお」
 ぐいっと凛太郎の腕を引っ張って、女子用のロッカールームの方へ歩き出してしまう。修一はその様子に軽く慌てた。
「なんだよ。教えてくれたっていいだろ。俺そんなに言ってるか?」
 自分では言っていないつもりになっている修一だったけれど、傍から見ると言い過ぎなのは事実だった。修一の声に笑と凛太郎が振り返る。
「うん、まぁ言ってる、かな」
「まぁ、どころじゃないよ。かなり言ってるってば。あ、ここから先は女の子だけだから、お兄ちゃんは回れ右してよ。怒られちゃうよ」
 いこいこ、とばかり笑が凛太郎を引っ張っていく。凛太郎は少しばかり修一が気の毒になって振り返っていた。しかしその姿も直ぐにロッカールームへと消えてしまった。
「なぁんだよ、笑のやつ。くっそ、やっぱ連れてくんじゃ無かったか」
 二人きりのプールで身体を鍛えつつ、凛太郎の水着姿を堪能する。修一の当初の計画は、既に凛太郎の水着を笑が見立てるという段階で頓挫していた訳だ。笑の性格なら、関係しているのだから自分も行くと言うのは目に見えていた事だから。
 ついでに言えば、本当なら帰りにでもまたえっちな事を……、などという下心もあった。しかしそれも千鶴との約束があるから今後は我慢しないといけない。それでも笑がいなかったら、とそう思わずにはいられない修一だった。
 ロッカールームは白い壁に薄いオレンジのロッカー、そして板張りの床。新しい施設という事もあるのか、非常に清潔に感じる。既に数人の女性利用客が着替えていた。大胆に裸になって水着に着替えている人、エアロビクス用のレオタードに着替えている人、Tシャツの人。周りは全部女性だ。自分も女の子なのだから心配する必要などどこにも無いけれど、しかしちょっと違和感を感じてしまう。
(学校でもそうだけど、なんでみんなあんなに大胆に着替えるんだろ)
 あまり着替えている人たちを見ないように、俯き加減で目立たない所へ行って着替えようとしてきょろきょろ見回しす。と、凛太郎の後ろでロッカーを閉める音が聞こえた。
「凛ちゃん。早く着替えないと。ほらほら恥ずかしがってないで。みんな女の人だから平気だよ」
 凛太郎が振り返ると、笑がブラジャー姿で佇んでいる。凛太郎は瞬間血が沸騰しそうだった。横を向いて笑の姿を見ないようにする。
「ちょちょちょっと! 笑ちゃん、僕がいるのに」
 学校の更衣室でよく見る風景だけれど、凛太郎はいつもなるべく端で人を見ないように着替えている。自分の姿を見られるのも恥ずかしいけれど、男の意識が残っている凛太郎としては、クラスメイトの下着姿を見るのも恥ずかしいから。どうしても見えてしまう場合もあるけれど、その時は心の準備をしていた。触られる事もあったけれど、なるべく目を瞑る事にしていた。しかし笑の着替えは、凛太郎の虚をつくものだ。そんなに早く着替えるとは思っても見なかった。
「なんで? 女の子同士だからいいじゃん」
 言いながらも笑はどんどん服を脱いでいく。ブラジャーを外すとかわいらしい乳房がぽろんと出てきた。凛太郎は笑の隣のロッカーを徐に開き、笑の姿が自分の目から見えないようにした。
「少しは隠そうよ……僕って元おと」
 ロッカーの扉は笑の頭と足以外の部位を隠している。笑の身体がもぞもぞと動くと、足元から「する」っとショーツが引き抜かれていた。凛太郎の喉が鳴る。
「んー、でも、かえってそれすると変だよ。それに凛ちゃんは今女の子でしょ」
 朗らかな顔で「女の子」と言われてしまうと二の句が接げなくなってしまう。凛太郎が硬直してぼーっと立っている横で、笑がてきぱきと水着に着替えてしまった。
「ほらっ凛ちゃん。早くしないと。何だったらあたしが脱がせてあげようか?」
 冗談とも本気ともつかない事を笑が言い出すと、凛太郎も我に返っていた。
「えっ、いいよっ。そんなの。自分で脱げるし、着替えられるからっ」
 凛太郎は慌てて白の長めのパーカとピンクの細いストライプの入ったブラウスを脱ぐ。今日のブラジャーは薄いピンク。ロッカーの向こうから笑がじっとそれを見つめていた。
「な、なに?」
「えー? いいなぁって」
 一瞬、ショーツに掛けた手が止まったけれど、思い切りよく脱ぐ。ブラジャーが緩んで形のよい凛太郎の乳房が「ぷるっ」と揺れた。
「凛ちゃんのって形いいし、大きいしさ。いいなぁ」
 笑がお尻に少し食い込んだ水着を直しながら言う。
「べ、別におっきくないし……僕の。Cだもん……」
 凛太郎にしてみれば胸なんて大きくなくてもいいのだ。お風呂に入る時、ブラジャーを着ける時、柔らかなその感触に触れる機会がある度に自分が女の子である事を再認識してしまう。女の子として修一と付き合っているのだからそんなの当然だと思う時もある。もう、女の子だからと思う時もある。でも、女性の象徴とも言える乳房があるのは、いくら精神的にも女性化が促されている凛太郎であっても気になってしまうのだ。揺れる度に自分が「男」であった事を思い出してしまう。それが凛太郎の心には重いのだ。かえって思い出さない方が気が楽になるかも知れないとも思う。だから、出来れば胸なんて無くてもいい位だった。修一は残念がるだろうけれど。
「あたしより大きいじゃん。コレ、もっと成長すんのかしら」
 水着の胸の部分をちょっと引っ張りながら、笑は自分で覗き込んでいる。凛太郎はその隙にインナーを穿いて、ボーイズレッグのボトムも穿いてしまった。
「あれ? スク水なの?」
 凛太郎は自分がキャミキニなのだから、笑も当然それに近いものを着ると思っていた。なんだか裏切られた気分だ。
「だってさ、あたしの場合見てくれる人いないし」
「それずるいよ。みんな競泳用とかそういうのなのに……。僕だけ違和感ありまくりじゃんか、もうっ」
 ぷーっとふくれるその頬と表情が愛らしく、笑も今の凛太郎は女の子だと解っていても内心どきどきしてしまう。同性の笑がそうなのだから、修一なんて凛太郎の笑顔だけで十分そうだ。
「いやあ、ごめんね。泳がないでいる?」
「せっかく来たから泳ぐけど。でも、途中で着替えようかなぁ」
 修一に可愛いと言って貰えるだけで十分だろうと考えている。凛太郎は話ながらもブラジャーを恥ずかしそうに脱ぎ、トップを上から被っていた。ちょっとカップからはみ出た所をトップの上から手を突っ込んで直していく。
「やっと用意出来た、ね」
 バタンとロッカーの扉を閉めると、凛太郎と笑がお互いの水着姿を見合う格好になる。凛太郎にとって笑の姿は、中学の制服が中心だ。女の子らしさが強調されるような水着姿など想像もした事が無かった。と、言うより学校でもまだプール開きでは無いのだから、こんなに近くで女子の水着姿を見る機会というのは無かった。体型も顔も違うけれど、凛太郎は己の姿を鏡で見ているようで恥ずかしくなってしまう。
「笑ちゃんも用意出来てるよね。早くいこ。修ちゃん待ちくたびれてるよ」
「? あたしさっきから出来てるけど」
 誤魔化すように凛太郎が笑の両肩に手を置いて押して行った。
 ロッカールームは入り口が一つと出口が一つある。入り口はトレーニングマシンを使ったりエアロビクスをする人が出入りする。出口は(便宜上出口とここでは言っているけれど)シャワールームと繋がっており、そのままプールへと繋がっている。プールにも勿論シャワーはあるけれど、それは塩素を取り除くようなもので簡易なもの。個室形式のシャワールームは薄いオレンジのタイルで覆われて綺麗だった。
 凛太郎と笑は温めのお湯でシャワーを浴びた。水着のトップが水を含んで少し重く感じる。
 シャワールームを出ると大きく開けたプールがあった。正面にジャグジーがあり、その奥に二十五メートルプールが横たわり、施設の広さを思い知った。室内は温度が一定に保たれているため、シャワーで濡れた身体でも寒いという事は無い。この辺はスイミングスクールと同じだった。
 正面左手には大きな窓が、久しぶりの日の光を透過し、水面を光らせている。凛太郎達が出てきた右手にはサウナが設置されている。ちなみに男子用シャワールームは左手に入り口があった。
「遅いって。何分またせ……」
 凛太郎と笑が施設の広さに驚いているその横から修一が声を掛けてきた。けれど途中で消えてしまう。
「あ、修ちゃん、ごめん。遅くなって。……どうしたの?」
 凛太郎と笑が振り返ると、石のようになっている修一が。じっと見つめる修一の視線が痛い。
「あの……?」
 トップのデザイン的にはキャミソールそのものだけれど、修一にとってはそれが本当に下着じゃないのかと思ってしまう。ちょっと丈の短いキャミソールだ。ボトムは腰骨が見えてしまう位。お腹とおへそが見える。白い足がボトムからスラリと伸びて眩しい位だ。修一の感想は。
「か、かわいいな……それ」
 やっと口を開いた修一の言葉は、凛太郎が欲しかった言葉だった。凛太郎は恥ずかしさと嬉しさの混じったはにかんだ笑顔を見せた。
「ほんと? ありがと……」
「ほら、効果抜群じゃん」
 こそっと笑が耳打ちをする。効果抜群なのはいいけれど、このままココに佇んでいる訳にもいかない。
「えっと、泳ぐ?」
「あ、あ、そうだな」
「ねぇ、ジャグジーしようよ。まずジャグジー。それからプールしようってば。プール逃げないよ。ジャグジーは人来たら三人で入れないよ。ねぇってば」
 二人で連れ立ってプールの方へ向かう。しかしそれを笑が静止させた。手前のジャグジーを指差して盛んにアピールしてくる。
 確かにプールは二十五メートルが4レーンあるし二十メートルが2レーン。今の時間ではそれ程泳いでいる人もいない。ジャグジーは、大人が5人入ると一杯になりそうだ。
「じゃぁ、ジャグジーしよっか。修ちゃんもいい?」
 凛太郎が言うと修一はものも言わずに勢いよく頷く。ただ水着の凛太郎といられればそれでいいとばかりに。

 * * * * * * * * *

 ジェットの泡が身体を包むとふわりとした気持ちよさが味わえる。おまけに泡のおかげで身体が見えないのはよい感じだった。
「あのさ」
 きょろきょろと辺りを見回していた凛太郎が口を開いた。少し抑え目のトーンで。ボコボコと泡が弾ける音が響く中で修一と笑が凛太郎に注目した。
「みんな競泳用のとかスク水みたいの着てるんだけど。これって違和感が……」
 肩のストラップを指で摘んでちょっと上げ、自分の水着の事を言い始めた。凛太郎が最初から懸念していた問題。フィットネスクラブでは見せる水着ではなく、実用的な水着を着用するのではないかという事。
「ええっ? そんな事ねぇだろ。受付のお姉さんも『遊びに来る感覚』って言ってたしな」
 笑は自分がスク水を着てきた事に負い目があるのか、黙ってそっぽを向いてしまった。
「遊びって言ってもさ、一杯人が来て欲しいからじゃない。見てよ、みんなそうだよ、真面目に泳いでるもん」
 修一が辺りを見回すと、凛太郎の言う通り黙々と泳いだりコースを歩いたりしている。プールサイドで井戸端会議している人など一人としていない。
「でもな、これから来るかも知れないだろ?」
 苦しい言い訳だと修一も思っている。凛太郎が言った通りだと。しかし凛太郎のこの水着を見られなくなるのは避けたい。
「……僕は来ないと思うけど。それにいくら人の目に慣れる練習って言っても、相応しくないの着て注目されるって言うのは違うじゃんか。やっぱり着替えてくるから」
 ざばっとジャグジーから立ち上がる。座っている修一の視線は丁度凛太郎の腿辺りにあった。ちょっとだけある腿の隙間から向こうの景色が見え、水が凛太郎の身体のそこかしこから滴り落ちる。ジャグジーの端に手をかけて足を上げた。白い肌とピンクの水着に包まれた後ろ向きの凛太郎のお尻と股間に、修一の目は釘付けとなってしまった。
「! 痛てっ! てぇ〜……」
 いきなり叫ぶ修一に、凛太郎は自分の身体が当たったのかとびっくりして振り向いた。
「ごめん、ぶつかった?」
 そのままのポーズで修一を見ると、こめかみに血管を浮き上がらせて下を向いている。ちょっと前かがみになって。
「なんでもないっ! ぶつかってないって! いいから着替えたいなら早く着替えて来いよっ」
 修一の股間は凛太郎の下半身を見て危ない位充血していた。ギリギリとサポーターパンツを持ち上げつつ、陰毛を引っ張ってしまいそれが痛い。本来なら着替えなど止めたいのだけれど、半立ちの状態を凛太郎に見せる事になってしまう。凛太郎の手伝いを断って我慢すると言った手前、それを見られるのは修一としても冗談では無かった。
「あ、うん……行って来るけど」
 焦り加減の口調は、怒気を含んでいるようにも聞こえる。凛太郎には着替える事に対して修一が怒っているのかと気になってしまう。
(相応しくないって言っただけなのに。そんなに怒る事ないじゃんか)
 なんだか気になりながらも、凛太郎はとぼとぼとシャワールームへと消えていった。
「あ〜あ、バカ〜。凛ちゃん、絶対怒ってるって気にしてるよ。だから二枚穿けって言ったのに」
「うるせぇな。仕方ないだろ。感じちゃうもんはっ」
 意外と微妙なことをさらりと言ってのける笑に、修一が睨みつけ、太い腕を振り回して笑にお湯を掛けた。
「きゃっ、何すんのよぉ。もう。暫くそうしてれば。あたし凛ちゃん迎えに行こっと」
 そそくさと立ち上がりジャグジーを出て行ってしまった。残された修一は、必死に凛太郎の水着姿を想像しないようにしながら、硬く屹立したモノを鎮めようと格闘していた。



(その2へ)


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