叶えられた願い 作:toshi9 俺の名前は森田祐一、三十七歳。渋谷のとある銀行の支店に勤めている。 まあ渋谷に会社があるとは言っても、毎日仕事に追われてほとんど遊ぶ暇もない。行内に思いを寄せる女子社員がいないわけじゃないんだが、今の俺には彼女を誘う心の余裕など全くなかった。 そんなある日のこと、たまたま外回りの仕事が早く片付いたんで久しぶりに街中をぶらぶらしていると、路地裏で見慣れない古い店を見つけた。 どうやら雑貨屋らしい。よく見ると、建物の前には看板が掛けられていた。 『骨董品から生活用品まで何でも取り揃えております。きっとお客様がお望みの物が見つかります。お気軽にお訪ねください。 天宝堂』 お客様のお望みのもの……か。俺は何となくその看板の文句に誘われて店の中に足を踏み入れてみた。 そこには雑多な品物が脈絡無く所狭しと置かれている。店の中は外から見るよりずっと立派で広く、その奥は何処まで続いているのかわからなかった。 「へぇ、小さい店かと思えば、意外と広いぞ。それにしても何かごちゃごちゃといろんなものが置かれているなぁ」 俺は時間の経つのも忘れて置かれている様々な商品に見入っていた。 指輪のような小物から、鏡台のような大きな家具まで何だって有るようだ。そしてどれくらい店の中を歩いたことだろうか、一体の人形にふと目が止まった。体長15cmくらいのその古ぼけたアンティックドールは、少し妖しげではあったが妙に心惹かれるものを感じた。 「へぇ、結構古そうなものが多いんだなぁ。お、これなんていつ頃のものだろうな」 不思議な雰囲気を漂わせるその人形に、俺は思わず手に取って見入っていた。 「いらっしゃいませ、お好みのものが見つかりましたか?」 不意にかけられた声に振り返ってみると、俺の後ろにはいつの間にか店主と思われる色眼鏡をかけた人物が立っていた。 「ああ、好みというか、この人形に何となく惹かれてね」 「そうでしたか。それはどうもありがとうございます」 「え? まだ買うって決めた訳じゃないぞ」 「店の商品に惹かれる。店主にとりまして、こんな嬉しいことはありません」 「そ、そんなものか」 「ところで、その人形にまつわる伝承をご存知ですか?」 「いや、知らんが」 「それは、その昔呪術を行なう際に使われていたと言う人形でございます」 「呪術ねえ」 「効果は確かだったようですよ」 「ほう。その呪術というのはどんなものだったんだい」 「はい、何でも願いを叶えるために使われた呪術だったとか。その昔、彼の地の王が望みの妃を手に入れる為に使ったという話も聞いておりますよ」 「ほうほう、で、その呪術を行なう時にどうやってこの人形が使われたかというのはわかるのかい?」 「持ち主の体の一部、例えば髪の毛を人形の背中にある蓋の中に入れるだけで良いと聞いておりますが」 「それだけかい」 「はい。しかる後に、その人形を望みの相手に触れさせれば、その後妃にするのも思いのままだったとか」 「相手に人形を触れさせるだけで良いのか?」 「はい。ですがそうすると実際にどうなるのかは私もよく存じません。買われた後に自分で試されてみては如何かと」 「そうか、面白い。うん面白いな。店主それでその人形いくらだ」 「これ位のお値段で如何でしょうか」 店主は手に持っていた電卓のキーを叩くと、その額を示した。 「ほう、年代物のようだが、そんなものでいいのか」 「はい。お客様に気に入って頂ければそれで満足でございます」 「よし、買おう」 俺は財布から数枚の紙幣を取り出すと店主に渡した。 「まいどありがとうございます。……ところでお客様」 「なんだい」 「一つ言い忘れておりましたが、その人形の力を試される時には、二十四時間以上ご自身の一部を中に入れっ放しにしないようにご注意ください」 「どうしてだい」 「仕入先から、忘れると大変なことになると聞いております」 「大変なことねぇ……わかった、気をつけよう」 俺は人形の入った紙袋を片手に店を出ると大通りに出た。 しかし、よくよく考えると変なものを買ってしまったものだ。あの店主の話を聞いているうちについ買おうなどと言ってしまったが、これこそ衝動買いってやつだな。全く銀行マンともあろうものが。 「ま、ともかく本当に呪術とやらができるのかどうか、試してみなきゃな」 俺は半信半疑ながらも髪の毛を1本抜くと、紙袋から人形を取り出し、その背中に付いた蓋を開いて中に入れてみた。 「何だ、何も起こらないじゃないか……待てよ、願いを叶えるには、望みの相手にこれを触らせなければならないんだったな」 とは言え、見ず知らずの女性に「この人形に触ってください」なんて言えるわけが無い。 さて、どうしたものか。 俺が思案しながら歩いていると、突然誰かが脇道から飛び出してて俺にぶつかってきた。 手に持った人形がポンと道路に跳ね飛ばされる。 「何するのよ!」 「す、すみません、考え事をしていたもので」 「ふん、全くぅ」 勝手にぶつかってきておいて捨てセリフを吐いたのは、よく見ると短いスカートの制服を着た女子高生だった。どうやら歩きながらメールを打つのに夢中になっていたようだ。 「ほら、おじさん、落し物」 「あ? ああ、ありがとう」 ぶつかった女子高生は憮然としながらも、落とした人形を拾い上げてくれた。 「何か変わった人形だね……ひっ!」 拾い上げた人形を俺に渡そうとした女子高生が、俺の前でいきなりぶるぶると震えだした。 「あ、ああ、いや、何、何かが……いやぁ」 「え? どうした……うあっ!」 叫び声を上げてしゃがみ込んだ彼女を抱き上げようとした瞬間、俺の視界が暗転してしまった。 「う、ううう」 何が、何が起こったんだ。 一瞬動転したものの、段々と視界が戻ってくる。俺は何時の間にかしゃがみ込んでいたようだ。 「大丈夫かい。君、いったいどうしたんだ」 「え? ああ、急に目の前が真っ暗になって……え?」 視界が戻った俺の目に飛び込んできたのは、しゃがみ込んだ自分の下半身・・・のはずなのに、それはスラックスを穿いているはずの俺の下半身ではなかった。その代わりに短い緑のチェックのプリーツスカートから伸びたむちっとした白い太股があった。 これって、俺の脚? まさか! 「な、なにぃ?」 「おいおい、どうしたんだい。怪我はなかっただろうね」 驚いて立ち上がった俺を、目の前の人物が再び心配そうに声を掛けた。だがやたら大きいその男の声は俺の頭の上から聞こえる。 大きい男だな、そう思いながら何気なく顔を上げると、そこに立っていたのは……驚いた事に……俺自身だった。 「え? お、お前は……」 「本当に口の悪い子だな。俺も悪かったが、君ももっとよく前を見て歩きなよ。じゃあな」 「ちょ、ちょっと待って」 「何だい、俺にまだ何か用か」 「お前、あの、名前は」 「またお前か、全く今時の女子高生ときたら……俺の名前は森田祐一だ。じゃあせっかくだ、君の名前も教えてくれよ」 「オレか、オレは……」 目の前にいるのが俺? じゃあ俺は誰なんだ。そう思った瞬間ある名前が思い浮かんだ。 「オレ……あたしの名前は松野千絵」 「へぇ、かわいい名前だね。それじゃあこれから気をつけるんだぞ、千絵ちゃん」 目の前の俺はそう言い残すと、そのまま渋谷駅に向かって歩いていった。 「え? え?」 何が起きたんだ。 その場に立ちすくんだ俺は、ふと傍らにあるビルの窓に映った自分の姿を見てみた。だがそこに映っているのは、何とさっき俺にぶつかった女子高生だった。 片手に人形を持ち、どこかの高校の制服……白い長袖のブラウス、胸には赤いリボンを付け、緑の同じチェック柄のベストとミニスカート……を着ている。そして少し茶色に染めたショートカットの髪、ぱっちりした瞳とつんとした鼻、ふっくらした唇。少し化粧をしたその顔は、さっきの口調がとても信じられないようなかわいい娘だった。 これって俺なのか。 俺が手を上げると、窓に映った娘も手を上げる。胸に手をやると、同じように胸に手を持ってくる。そして胸に当てた手からは大きいとは言えないものの、はっきりとした膨らみがその存在をしっかりと伝わってきた。スカートから伸びる生足に触れると、女性特有の張りのある太股の感触が伝わってくる。そしてスースーする股間からは、自分のモノの充実感は消え失せていた。 「こ、これってお、俺? 俺は誰なんだ……俺は……あたしは松野千絵……え?」 自分の口からはまたさっきの名前が出てきた。松野千絵? 俺はふと思い当たってスカートのポケットに手を入れてみた。そこに入っていたのは生徒手帳。表紙を開くと、そこにはこの子の写真と共に「松野千絵」という名前が書かれていた。 と、その時俺の後ろから誰かが声をかけてきた。 「千絵、待ったぁ」 「遅っそい、美樹 え? え?」 そうだ、あたしは美樹と待ち合わせていたんだ。二人で遊びに行こうって……って、違う。これって俺の記憶じゃない。 「どうしたの千絵」 「え? ううん、何でもないよ。けど……待てよ」 俺はふと思い当たって、未だに手に持っていた人形の背中からそこに入っていた俺の髪の毛を取り出してみた。するとその途端にまた視界が暗転した。 気が付くと俺は電車の中に立っていた。右手にはしっかりと人形が握られている。 「何時の間に電車に乗ったんだ! どういうことなんだこれは」 一体どういうことだ。今のは白昼夢だったとでも言うのか。いや待てよ、これがさっき店主が言ってたこの人形の効果って奴なのか……ふーむ。 俺は、たった今俺の身に起きた出来事を整理してみた。 店主の言葉と併せて考えると、どうやらこの人形は持ち主の意識を触れた相手に乗り移らせてしまうらしい。しかも俺が乗り移った間も自分の体の方にはちゃんと別な俺の意識があるらしいんだよな。そして今の俺の記憶の中には松野千恵になっていた時の記憶と、経験していない筈の松野千絵と別れてから電車に乗るまでの両方の記憶がちゃんとあるし。 と言うことは……。 そこまで考えて、俺ははっとその人形の力を理解した。 そうか、これを使えば自分の体の事を何の心配もせずに、好き勝手に他人の人生を楽しめるというわけか。 人形をぎゅっと握り締めながら、俺の中にぞくぞくした興奮が湧き上がっていった。 今の生活から逃れて他人の人生を楽しむ。ははぁーこりゃ面白いぞ。よし、もう少し試してみるとするか。 俺は車内を見回してみた。すると、丁度俺に背中を向けて立っている女の子……十二歳くらいか……が目に入った。 ふふふ、これ位だとまだ何の苦労も無いんだろうなぁ。よし、手始めにこの子になってみるとするか。 俺は目の前に立っている女の子の背中にそっと人形を当ててみた。すると女の子は突然苦しそうにしゃがみ込んだ。そしてその途端にまた俺の視界が暗転した。 「う、ううう」 「どうしたの? 大丈夫? 結花ちゃん」 うずくまる俺に誰かが声をかけてきた。 「え? はい、だ、大丈夫……です……」 俺の口からは、俺の声とは全く違う声変わり前のかわいい女の子の声が出てきた。 「ママ今日は結花ちゃんを引っ張り回し過ぎたみたいね。ごめんね、疲れちゃった? もう少しでおうちだからね」 俺が顔を上げると、きれいな女性が俺のことを心配そうに覗き込んでいた。 「え? あんた誰?」 「まあ、結花ちゃんったら。そんな冗談言ってないで、ほら駅に着くわよ。立ちましょうね」 彼女は俺の手を握り締めて引っ張り上げた。彼女の手に掴まれた俺の手はいやに小さい。そして振り返ると、俺の後ろには俺がいた。心配そうにこっちを向いている。 立ち上がった俺は自分の体を見降ろしてみた。長い髪が頬にかかる。俺は子供用の白いワンピースを着ていて、肩からはポシェットを下げていた。これって間違いなく今まで俺に背中を向けて立っていた女の子の格好だ! 「ほら、結花ちゃん行くわよ」 電車のドアが開いて、女性が俺の手を引っ張ってホームに出る。俺は何時の間にか手に持った人形を片手に、その女性に付いて行った。歩いていると、かなり目線が低い。今の俺は、手を引っ張っている女性の首のあたりまでしか身長が無いようだ。 俺は、いや、あたしの名前は小山結花……か。俺はどうやら小山結花って小学生の女の子になっているようだ。じっと記憶を思い起こしてみると、少しずつ結花としての記憶が蘇ってくる。 今日結花は、ママと渋谷に買い物に来たの。結花は一人っ子。パパとママと三人暮らし。 俺は結花の記憶を自分のものとして思い出せることがわかると、思わずにやりと笑ってしまった。 すごいな。これなら誰にも気づかれずに、この子に成りすますことができるぞ。 「どうしたの結花ちゃん、急に笑ったりして」 「え? ううん何でもないよ。ねえママ、今日は楽しかったね」 俺は結花の口調でママに答えた。そうだ、これは俺の、いいえあたしのママ。ふふっ、あたしのことをママったら少しも変だって思わないんだな。そりゃそうだ。今はあたしが結花なんだもん。……って、こりゃ面白いな。 俺はしばらく結花に成り切って、この状況を楽しんでみることにした。 「ねえママ、今度友達と一緒に遊びに行ってもいいかな」 「駄目よ、ママと一緒じゃなきゃ」 「ちぇ〜、つまんないの」 俺の口からはすらすらと娘としての、小学生の女の子としての言葉が出てくる。俺はママとのそんな母娘の会話を楽しみながら、家まで一緒に手をつないで帰った。ははは。 家に戻ると、俺は当たり前のように2階に上がった。 結花ってネームプレートが掛けられた部屋のドアを開けると、それはピンク系の女の子らしい色調で統一された部屋だった。作り付けのクローゼットを開いて、中の鏡で改めて今の自分の姿を確かめてみた。 そこには長い髪をカチューシャでまとめた白いワンピースを着た小学生の女の子が立っていた。身長はどうやら百五十センチ位か。 頭の中ではわかっていても、鏡に映っているこの小山結花という少女が今の自分なんだと思うと、何だか変な気分だ。にっこり鏡に向かって笑いかけると、ローティーンの女の子特有の未成熟な魅力が発散される。 俺ってロリコンじゃないんだがと思いながらも、ちょっとどきどきしながら鏡に映った自分の姿を見詰めていた。 今の自分……つまり結花ちゃんのまだ未成熟な体は、細く華奢で腕も脚も本当にか細い。少しだけ膨らんだ胸がそこはかとない色気を発散していた。その姿はまるで生きている人形か妖精のようだ。 しかし美少女と言うに相応しいその顔は、俺の気持ちを映し出して妙にいやらしい笑いを浮かべていた。 服の上から自分の、結花ちゃんの体をしばらく弄っていた俺は、よそ行きのワンピースを脱いで普段着に着替えてみることにした。 結花としての自分の記憶を辿りながら、慣れた手つきで背中のファスナーを下ろすと、ふぁさっとワンピースが下に落ち、着ている木綿の下着が顕わになった。 身に付けているブラジャーもショーツもローティーン用の白い清楚なものだ。そのブラジャーを胸から外してショーツも脱ぐと、まだ幼さの残る自分の裸体が顕わになる。膨らみかけた小さな胸に少し触れてみると、こりっとした感覚と共に痛みを感じた。 うーん、本当にまだ成長していないんだな。 少し揉んでみると、再び痛みが走る……うーん、まだこの大きさではあんまり感じないんだな、残念。 それから自然と目線は鏡に映った自分の股間に移っていく。 まだ毛の穿いていないぴったりと閉じた股間、これも今は俺のものなんだ。そこに手の平をぴたっと当ててみると、そこに何も無いことが手の平から伝わり何とも奇妙な気分だった。 いろんなポーズを取って、ひとしきり自分の、鏡に映った少女の裸体を目で楽しんでいると、くちゅんと俺の口からくしゃみが出た。 我ながらかわいいくしゃみだな……なんて、いかんな風邪を引いてしまう。とにかく何か服を着よう。 さてと、何に着替えてみようかな。 裸のまんまで衣装ダンスの前に胡坐を掻いてしゃがみ込み中を開けてみると、白い下着、靴下、ブラウスにスカートと様々な洋服に溢れていた。どうやら結構裕福な家庭らしい。 お! 体操服にスクール水着もあるじゃないか。へへ、ちょっと着てみようかな。 俺は紺のスクール水着を出すと。それに脚を通し着込んでみた。ぴちっと体に密着する生地が、今まで味わったことの無い締め付け感を全身にもたらし、気持ちをつんとさせる。 鏡に映った紺色の水着に包まれた少女は、恥ずかしげにじっとこちらを見ていた。その胸には六年三組小山結花と書かれた白い布が貼られている。 いろんなポーズをとってその姿を楽しんだ後水着を脱ぐと、ショーツとブラジャーを再び一度身につけ、白のスポーツシャツとブルマを着込んでみた。そして体育座りしたり、体を動かしたりした。 脚を開くと何処までも広がっていく。そんな自分の体の柔らかに思わず驚いてしまう。そしてもう一度鏡に映る自分の……ブルマ姿の少女の姿を楽しんだ。 さらに熊のプリント柄のショーツとフレアのミニスカートを見つけると、それを穿いて鏡にお尻をぷりっぷりっと振ってみた。ミニスカートからちらちらっと熊さんが覗く。 この愛らしい仕草の少女って俺、いやあたしなんだ……いや、なのね……か。ははは。 俺はひとしきりそんなファッションショーを楽しんだ後、もう一度記憶を辿ってみた。 あたしは小山結花、十二歳の小学六年生。両親は二人とも三十二歳、二人は学生結婚して結花が生まれたんだ。そうか両親って俺より年下なんだよな。それなのに俺のパパとママだなんて何か変な感じだな。 自分が心の中でも思い浮かぶ彼らのことをごく自然にパパ、ママって呼んでいることに俺は思わず苦笑してしまった。 その時一階からママの呼び声がした。 「結花〜何やってるの〜お風呂入らないのなら先に入るわよ〜」 風呂か……おっ、そうだ。 その時俺の頭の中にある考えが浮かんだ。へへへ。 「ママ、先に入っていいよ〜」 「じゃあ入るからね〜」 その後、程なくしてバスルームのドアの閉じる音がした。 さあてと、じゃあママと一緒にお風呂に入ろうかな。 俺は結花が普段着ているトレーナーとジーンズに着替えると、既にママが入っているバスルームに入った。そこにはもう下着を脱ぎ終えて裸になったママが立っていた。 「ねえママ、あたしも一緒に入ってもいい?」 「あら結花ちゃんったらどうしたの。いいわよ。じゃあ一緒に入ろうか」 俺も着たばかりの服を再び脱いで裸になると、ママの後について浴室に入った。ママの、一児の母とは言えスタイル抜群のその裸体を目の当たりにして、俺は思わずにやけていた。 こんな女性と一緒に風呂に入れるなんてな。 「どうしたの、にやにやして。ママってどこか可笑しいかな」 「ううん。ママの体って綺麗だなって思って」 「まあ、結花ちゃんったら。ほら座って」 椅子に座ると、ママが優しく丁寧に俺の体を洗ってくれた。 とっても気持ち良い。 そして俺もママの体を洗ってやる。手に伝わる柔らかいママの体の感触がますます俺をどきどきさせた。そしてバスタブの中でママと一緒に湯に浸かると、俺は目の前に無造作にさらけ出されたママの胸をそっと触ってみた。 「大きな胸だね。あたしもこんなになれるのかな」 俺は娘になりきってその胸をごく自然に優しく撫でながら彼女に話しかけた。 「ふふっ、結花も大きくなったら必ずなれるわよ。だってママの子なんだから」 ママが優しく微笑んで俺に語り掛ける。ほんと俺って彼女と母娘なんだな。 少し手に力を入れて揉んで見る。 「あ、あん、そんなに揉まないで。結花ったら駄目よ」 「え? どうして? ママ何だか息が荒いよ」 「はっ、はっ、だめ」 「胸って揉むと気持ちいいの?」 「そ、そんなんじゃ、ひゃっ」 俺は彼女の股間に手を伸ばした。そこのクニっとした感触が指先から伝わってくる。 「あ、あうん……だ、だめよ、やめなさい結花」 「あたしここから生まれたんだよね。あたしもいつかあたしのここから子供を生むんだ」 俺は自分の毛の生えていない割れ目の部分をそっと触った。 「ママったら、顔赤いよ」 「え? ああ、ちょっとのぼせちゃったかな。さあ結花、もう上がろう」 「うん」 ママは俺の体をバスタオルで優しく拭いて服を着せてくれた。 その間俺はじっとママの裸を見詰めていた。俺は俺に服を着せていくママに身を任せながらも内心にやにやと笑っていた。 「じゃあパパが帰ってきたらすぐ夕食にしましょう。結花も手伝ってね」 「うん、いいよ!」 しばらくすると、パパが帰ってきた。優しそうな男だ。 「パパ、お帰り」 「ただいま、結花」 パパにも俺は娘らしく振舞ってやった。 しかしこの二人、まさか目の前の娘の中身が実は別人、しかも自分たちより年上の男にだなんて夢にも思わないだろうな。ははは。 「ママ、今夜は一緒に寝よう」 俺はパジャマに着替えた後で部屋から降りてくると、パパとママがいるリビングに行ってみた。 「まあ、結花ったら今日はどうしたの。あなたもう小学6年生なのに甘えんぼさんね、ふふっ、でもいいわよ」 「おいおい、今日は」 パパがママに何か言いかけようとして、俺のほうを見て急に黙ってしまった。 おっ、もしかして。 「あなた、ごめんなさい。今日は結花の部屋で寝るから」 成る程ね。 俺の中に、その時あるアイデアが閃いた。 ママと一緒にベッドに寝て、それから‥へへへ。 俺はママと一緒に部屋に戻ると、二人で結花のベッドに入った。パジャマ越しに柔らかいママの温もりを感じる。 幸せな気分に浸ってこのまま寝てしまおうかとも思っんだが、さっきのあのパパの言葉。あれって、アレだよな。 ふふふ、よし今度は……。 俺はベッドの下に隠していたあの人形を取り出した。 「ねえママ、この人形面白いでしょう」 「なに? 変な人形ね、どうしたの」 「今日デパートの帰りにもらったんだ」 「知らない人から変なものもらっちゃ駄目よ。ふーん、でもおかしな人形ね」 俺の差し出した人形をママが手にとって見ようとした途端、彼女の体がびくっと震えた。途端に俺の視界も暗転し、そして視界が戻った瞬間、俺の目の前には結花ちゃんがいた。そう、思惑通り俺は結花からママになったのだ。 「ママどうしたの」 「え? うん大丈夫。結花ごめんね。今日はやっぱり一人で寝てくれる」 「うん、いいよ。何でママと一緒に寝たいって思ったんだろう。ごめんね疲れているのに」 ふふっ、ママの中身が俺だとも知らないで優しい子だな。それにしても面白いな。俺が結花になっていた時の記憶って結花の中にも残っているんだな。 ママの……真美の体になった俺はベッドから起き上がると、夫婦の寝室に行った。 廊下を歩くと今の自分の、そう、成熟した女の豊満な胸がゆさゆさと揺れる。俺はパジャマの下にブラジャーを付けていなかった。 「あれ? お前今夜は結花と寝るんじゃなかったのか」 「うん、結花はもう寝ちゃったから。それに今夜は……でしょう、啓介さん。うふっ」 俺は恥じらいの表情を浮かべてみた。 俺の顔を見た夫の顔がにやける。 「ああ」 俺は啓介さんが寝そべっているベッドの中にゆっくりと自分の体を潜り込ませた。 「あなた、いいわよ」 俺は妖しく笑いかけ、唇を突き出してやった。彼もどうやら興奮してきているようだ。目を瞑ると、唇に生暖かいものが触れた。啓介の唇だ。 「んん、んんん」 啓介さんは俺をぎゅっと抱きしめて激しく俺の唇を吸った。そして、自分の舌を俺の口に中に入れて俺の舌に絡めようとしている。俺もそれに応じて舌を絡み合わせた。途端に頭の中を痺れるような快感が襲う。 はぁ〜、キスって、抱かれるのってこんなに気持ちいいんだ。 「あっ」 その時、啓介さんが唇を離す。俺はちょっと不満そうな顔を覗かせてみた。 「ふふっ、真美、そんなに不満そうな顔するんじゃないよ」 「あなた、お願い、もっと抱いて。何だか体が疼くの」 「そうか、結花も寝ていることだし、よし久しぶりに思いっきりやるか」 「うん」 俺は夫に嬉しそうに笑いかけてやった。妻の中身が俺だとも知らずに馬鹿な奴。 さあて、それじゃあ女性の快感って奴を今からじっくり楽しませてもらうぜ。 啓介は俺の口を吸いながら俺の胸を最初はゆっくりと、そして徐々に激しく撫で回した。 「あ、あん」 「どうした」 「き、きもちいい」 「お前、今日は感じやすいみたいだな。ここはどうだい」 啓介の手が俺のパジャマの中を脇腹、腰そしてショーツへとゆっくり下りてくる。そしてショーツの中に潜り込んだ指先が股間へと辿り付くと、にゅるっと俺の中に侵入してきた。 それは俺が初めて味わう体の中に異物が入って来る感覚だった。そこで指が小さく動く。体の中を出たり入ったりするその新鮮な感覚に俺の体の芯はどんどん熱くなっていった。 「あ、ああん、啓介さん、いい、気持ちいい」 「じゃあ俺のもそろそろ頼むよ」 俺の目の前に啓介の一物が突き出された。男の俺がそれを口に含むとなると気持ち悪いが、今の俺は啓介のかわいい妻だ。 俺も、いや、あたしも啓介さんのことが大好き。 そう感じた途端、目の前のそれが何だかとてもいとおしいものに思えてきた。 口に頬張りたい、舐めてあげたい、啓介さんに気持ちよくなって欲しい。そしてあたしの口でこれを大きくして、あたしのアソコの中に入れたい。だって啓介さんのってとっても気持ちいいんだもん。 そんな欲望が後から後から涌いてくる。俺はそんな妻としての気持ちに浸りながら啓介のものをかぷっと口に含んだ。 ……くぅ〜、何だかぞくぞくするなぁ。 「う、う〜ん、いい、いいぞ。お前今日は何だか上手いなぁ」 「そお? ここなんかどお」 「うっ」 鎌首の下をぺろぺろと舌先で刺激すると、啓介の股間のものはみるみる固く大きくなってくる。同時に俺の体の芯からも何かがとくとくと溢れ出てくるような感じがした。 「い、いいぞ。うーんもう辛抱たまらん……いくぞ」 啓介は俺のパジャマも下着も脱がしてしまうと、両足を掴み、ぐいっとばかりに持ち上げて俺の体を倒した。今度は俺の股間に自分の顔を埋め、舌先で俺のアソコを刺激した。 「あ、あん、い、いや」 「え? 止めて欲しいのかい」 「違う、違うの、止めないで。いい、いいの、気持ちいいのぉ」 「お前、今日はどうしたんだ」 「だってほんとに気持ちいいだもん。ねえあなた、あなたのもの早く頂戴」 「よし、じゃあいくぞ」 啓介は顔を上げると、自分の腰を俺のアソコに密着させてきた。固くなったアレの先が俺のアソコに触れ、その感触におれの体の中に電流にも似たぞくぞくしたものが駆け巡った。 「早くぅ」 「よしよし、じゃあいくぞ」 後から後から蜜が溢れ出てくるそこに、夫の固くなったものが何の抵抗もなくにゅるーっと入っていく。 「ほら、お前のここが、俺のを全部くわえ込んでいるぞ」 「ばか」 俺は愛される妻としての気分に浸りきっていた。夫のものを入れられて心も体も満たされている。 何て心地良いんだ。 啓介が腰を動かし始めると、俺も両手を彼の腰に回して自分の腰を彼に押し付けた。 き、気持ちいいー。 「あ、いい、いいよぉ、あ、あふっ……くうううっ、あ、あん、いや、あひぃ」 何度も何度もその行為を繰り返す。二人で動く度に俺の中を心地よさが駆け巡り、段々と何も考えられなくなって、ただ快感だけが俺の心を満たしていく。 「うっ、そろそろいくぞ」 「あたしも……きて、あなた、きて」 「よし、うっ、うっ、い、いく」 「あん、あん、あん、い、いきそう」 「うぉ〜〜」 「ああ、あああ、ああああ〜〜〜」 俺と啓介は同時に果てた。彼のモノからは熱いものが果てるとも無くどくどくと俺の奥深くに吐き出されていった。そのあまりの快感に、俺はしばらく意識を失ってしまっていた。 「お前今日はすごかったな」 「ふふ、とっても気持ち良かった」 「俺もだよ」 「あなた、愛してる」 ベッドでキスを交わしながら、俺は心の中で笑い転げていた。 ありがとう啓介さん。俺を抱いてくれて、とっても気持ち良かったよ。ほんと女のセックスは強烈だぜ。ははは、それにしても全く面白いぜ。 啓介はもう一度俺にキスをしてきた。その口を俺も吸い返す。そして俺はそのまま彼の腕に抱かれながら寝入ってしまった。 そして翌朝。目が覚めると、俺は啓介が目覚める前に人形の背中から髪の毛を取り出した。その途端にベッドの中から出勤中の元の体に戻ってしまう。 いやぁそれにしても気持ち良かったなぁ。全くこれってすごい人形だぜ。 人形の力を身を持って体験した俺は、改めて人形の中に髪の毛を入れると、自分の願いを叶える為の計画を実行することにした。 (後編に続く) |