TSダイアリー
 作&AI動画脚本  : toshi9
 AI動画制作&演出 :わりばしさん


第3話 トイレ 【小説パート】

「こんなことが現実に起きるなんて」
パンティをおろして、恐る恐る鏡に映ったソコを確認した俺は、今の自分が間違いなく女になっていることを実感した。
自分のココにアレではなくコレがついているのは驚きだったが、今の俺は性的興味よりも混乱のほうが勝っていた。
「どうするんだよこれ、それに今って何時なんだ、今日は面接の日だぞ」
あられもない女の子の姿で鏡に映っている自分の姿を見ながら、これからどうすれば良いのか俺はパニックに陥りかけた。
だが突然下半身から催してくるものを感じる。
内股がブルっと震える。
「出そう…おしっこ行きたい」
そう、俺は尿意を感じていた。しかもそれはどんどん増していく。
下半身を晒して冷えてしまったらしい。
俺は慌てて下ろしていたパンティをスカートの中に引き上げた。
ぴたっと股間に密着する生地に奇妙な感覚を覚えるが、それよりも股間の奥から押し寄せてくる感覚のほうが危急だった。
「いかん、この感じ……もたないよ」
これからのことは後から考えよう。まずはトイレだ。

「トイレ、トイレ、トイレはどこだ」
鏡から離れて改めて広い部屋を見回した俺は、部屋の一角に3つの扉が並んでいるのを見つけた。
「出口だ! でもあんな扉あったっけ……いや考えるのは後だ。とにかくどれかにトイレもあるだろう」
俺はスカートの上から股間を抑えながら足早に扉に向かった。
近づくと、それぞれの扉には「日常への扉」「非日常への扉」「異世界への扉」というプレートが貼ってあった。
「なんだこれ、トイレはどれだ」
3つの扉の前で戸惑っていると、突然「選べ」とあの男の声が部屋に響く。
「またお前か、いったい誰なんだ」
だが俺の叫びに男の声は答えない。部屋は再び静まり返る。
「選べったって、今はそれどころじゃないってのに」
再び下半身にブルブルと押し寄せてくるものが。
「いかん、ぐずぐずしてられない。漏らしちゃうよ」
とにかく外に出てトイレを探さないと。

「トイレがあるとしたら……多分ここだよな」
俺は三つの扉のひとつ「日常への扉」を開けることにした。
扉に鍵はかかっておらず、ノブを回して扉を押すとガチャリという音をたててすんなり開く。
「良かった~」
扉の向こうも部屋だった。こちらより狭そうだが、あれ? どこかで見たような。
開いた扉から恐る恐る隣の部屋の中に入ると、それは何と慣れ親しんだ俺の部屋だった。
「俺んち? としたら……あったあった、間違いない、ほんとにうちに戻ったんだ」
自分の部屋と同じ場所にトイレの扉を見つけた俺は慌てて飛び込んだ。





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