「ああん、あたしってなんてかわいいの?」 とあるマンションの一室で、大きな姿見の前でピンクのメイド服を着た女子大生らしき女性がうっとりとした表情で鏡に映った自分の姿に見入っていた。 最初は鏡の前で様々なポーズを取ったり、両手で自分の体を抱き締めては恍惚とした表情を見せていたが、やがて姿見に自分の体を体を押し付けると、鏡に映った自分に向かって何度もキスし始めた。そして胸を押し付け、身悶えするように左右に或いは上下に動く。 「あ、あふん、好き、大好き」 つるつるした鏡面に刺激された乳首がぴんと立ち、立った乳首がさらに彼女を興奮させる。 頬を紅潮させた女性は、もう我慢できないといった様子で両手で両胸を揉みしだき始めた。 さらに一方の手を胸からスカートの中に移動させてパンティの中に突っ込むと、そこをまさぐり始める。 くちゅくちゅとイヤラシイ音がマンションの一室に響く。 彼女は鏡に映った自分の姿を見ながら、ひたすらオナニーに耽っていた。 そして絶頂が訪れる。 「ああ、いく、いく、いっちゃう~~~」 びくびくっと体をのけ反らせ、その後ぐったりと床に寝転がって天井を見上げながら余韻を楽しんでいた彼女は、やがてむくりと起き上がった。 「はぁはぁはぁ、もっと、もっともっと愛したいの。世界で一番大好きなあたし。でもこんなんじゃもう満足できない、あたしはあたしを愛したい。この手で、この唇で。できないのかな、誰か教えてよ!!」 彼女はそう叫びながらふらふらと立ち上がるとシャワールームに消えた。 それから数週間の後、彼女は遂にその方法を見つけ出す。 偶然インターネットでゼリージュースの存在を知ったのだ。 そして彼女は手に入れた。パイン味のゼリージュースを。 世界で一番大好きなアタシ 作:toshi9 僕の名前は萩野貴志、16歳。親元を離れてワンルームマンションで一人暮らしをしながら、都内の某有名私立高校に通っている。 16歳でマンションで一人暮らしだなんて何て贅沢なって思われるかもしれないけれど、僕の両親は二人とも医者で、僕が志望校に合格したご褒美としてマンションでの一人暮らしを認めてくれたという訳だ。 最初は嬉しかったし、僕の願いを聞いてくれた両親に感謝した。でも入学式が終って一緒に来てくれた母親も家に帰ってしまうと、いよいよ一人暮らしがスタートするんだと張り切る一方で学校から帰っても誰もいないという生活に不安を覚えるようになってしまった。 そもそも学校は実家から遠いと言っても通学ができない距離ではない。それなのにどうして両親はあっさりとこんな高価なマンションを僕に与えてくれたんだろう。実は僕が邪魔だったんじゃないだろうか。だから僕が一人暮らしをしたいと言ったのを幸い、家から出したかったんじゃないだろうか。 いつしかそんなことを考え始めて、僕は両親への不審と寂しさを感じ始めていた。 ところでセキュリティの厳しいマンションの住人は、一人暮らしの女性が多い。 僕の部屋の隣にも綺麗なお姉さんが一人で暮らしている。 マンションに引っ越してきて、お母さんと一緒に両隣の部屋に挨拶に行った時に初めて隣のお姉さんに会ったんだけれど、すっごく綺麗な人だった。 身長170cmの僕と背丈は同じくらいだけど、すらりとしてて、髪が長くて、そして胸がとっても大きくって。 その後は廊下やエレベーターで会った時に会釈する程度なんだけれど、あんなお姉さんともっと親密になれるといいなと、僕は密かに願っていた。 何かきっかけがないかな、もっとたくさんお話したいな、お姉さんの部屋で二人でお話して、それからお姉さんと…… その日も僕は机に向かって宿題をしながら、どんどん妄想を膨らませていた。 「貴志君、あたしあなたが隣に越してきてくれて嬉しいんだ。だって、一目見てあなたのことが好きになっちゃったんだもの」 「お、お姉さん、僕もお姉さんのことが大好きです」 「まあ、うれしい。それじゃ、あたしたち相思相愛だったんだ」 「はい、そうだったんです。僕もうれしいです」 「ほら貴志君、そんなに離れていないで、もっとこっちに来なさい」 「でも恥ずかしくって、う、うわぁ~~お姉さん、駄目です、駄目駄目、うわっぷ」 お姉さんに抱きつかれ、その大きな胸に顔を埋めた自分の姿を想像して、僕は慌ててその妄想を両手でかき消した。 股間がはち切れそうだった。 「ふぅ~、ほんとに何かきっかけがないのかなぁ」 そのきっかけは意外と早くやってきた。 土曜の午後、学校からマンションに帰ってきて扉の閉じかけたエレベーターに駆け込むと、中にお姉さんがいた。 軽く会釈する僕をちらりと見たお姉さんは、優しそうな笑顔を僕に向けて会釈し返す。 「こんにちは」 「あ、こんにちは」 お姉さんからの挨拶に、僕もどきどきしながら挨拶を返す。 お姉さんの綺麗な声を聞くのは、最初に挨拶に行って以来2回目だった。 ドアが閉まり、エレベーターは音も立てずに僕たちの部屋のある12階まで上がっていく。 その間、僕らは無言だった。 お姉さんとお話するチャンスだ、何か話しかけなければ……。 そう思いながら結局何も言い出せない自分自身にもどかしさを感じながらもお姉さんの顔をまともに見られない僕は、お姉さんを背にエレベーターのドアを向いたままぼーっと見ていた。 「貴志君」 「え?」 振り返ると、お姉さんは口元に笑みを浮かべながら、僕をじっと見ている。 それは何となくいつも廊下で会う時のお姉さんの笑顔とは違う、もっと粘着性のある笑いだった。 「あ、あの、何か?」 「貴志君、お母さんはどうしたの?」 「いつまでも父を一人で残しておけないし、自分の仕事もあるからって家に帰りました」 「そっか、それじゃ君はもう一人暮らしなんだ」 「はい、そうなんです」 「えらいなあ、両親と離れて一人で生活するなんて」 「ええ? そんなことないですよ」 「あたしなんかずっと親に頼りっ放しだもんなぁ。あ、そうだ」 「はい?」 「貴志君、今からうちに遊びに来ない? おいしいジュースとお菓子をご馳走してあげるわよ」 「おねえさんの部屋に……ですか?」 「うん、今日は暇なんだ。貴志君の学校のお話でも聞かせてくれないかな?」 「お姉さんの部屋に……いいんでスカ?」 僕は『やった!』と心の中で叫びながらもそれを押し殺して答えた。 でも興奮のあまり、僕の声は裏返っていた。 「勿論よ。カバンを置いたら、すぐにいらっしゃい。準備して待っているから」 「はい!」 部屋に戻った僕は、うきうきと制服を着替えると、喜び勇んで再び部屋を飛び出した。そして『岸森由布子』ってネームプレートの掛けられた隣の部屋の扉の前に立った。 ドキドキと胸を高まらせながら、ゆっくりとドアホーンを押す。 ピンポーン 「貴志君、いらっしゃい。待っていたわ」 「お、おじゃまします」 ドアを開けたお姉さんは、にこっと微笑むと僕を招き入れる。 何だか急にお姉さんと親密になったみたいで、僕は心高鳴らせていた。 きれいな部屋だな。 お姉さんの部屋は、まだ机と本棚とドレッサーくらいしか置いていない殺風景な僕の部屋に比べると、とても華やかだった。 ピンクのレース生地のカーテン、カラフルなカバーで覆われたベッド、その上に置かれた大きなぬいぐるみ。 壁には何着もの服が掛けられている。黒のメイド服にナースの白い制服に、レースがいっぱいついた赤いゴスロリ風な……え? ええ? (この服って、これってみんなお姉さんの服!?) 「あら、どうしたの? どうぞお座りなさい」 「あ、あの……」 壁に掛けられた服をちらちら見ている僕に、お姉さんはクスッと笑う。 「ああ、それが気になるの?」 「はあ」 「あたし、コスプレイヤーなのよ」 「コスプレイヤー……ですか?」 「うん。貴志君、コスプレイヤーって知ってる?」 「クラスの男子の間で話題になることがあるんで、何となく」 「あたし、アニメとかアイドルとかの、いろんな格好するのが好きなんだ。人に見せるんじゃなくって、違う姿に変身した自分を見るのが大好きなの」 「そうなんですか?」 「うん、だってあたしってかわいいんだもん」 お姉さんはそう言いながら首をすくませて小さく舌をぺろっと出すと、にこっと笑った。 (うわぁ、ほんとにお姉さんかわいいよな。でも自分で自分がかわいいだなんて、ちょっと変わっているんだ) 「そんなことより、どうぞ座って。すぐに冷えたジュースを持ってくるから」 そう言ってお姉さんは冷蔵庫から2本のペットボトルとケーキを出してきた。 そして大きなグラスをテーブルに置くと、1本のペットボトルから黄色のジュースを注ぎ入れ始めた。 でもそれはジュースなんだろうか。どろっとした中身はなかなかペットボトルから出てこようとしない。 「あ、あの、それって飲み物なんですか? 何だかどろっとしていて、飲み物というより……」 「ゼリーに見えるんでしょう」 「そ、そうなんです」 「ふふ、これは『ゼリージュース』って言うのよ」 「ゼリージュース?」 「そう、ジュースでもゼリーでもない、不思議な飲み物なのよ」 「ふーん??」 お姉さんはその黄色いゼリージュースをグラスの半分ほど入れると、今度はもう1本のペットボトルを開けて、その上にソーダ水を注ぎ入れた。 グラスをゆらゆらと揺らしながら、お姉さんが微笑む。 ソーダ水の中で黄色いゼリージュースがタプリタプリと重そうにゆれている。 「うわぁ、きれいですね」 「そうでしょう。ゼリージュースのソーダ割り、さあ召し上がれ?」 そう言ってお姉さんはグラスを僕に差し出した。 「うふふ、見た目だけじゃないわよ、おいしいんだから」 「はあ、それじゃいただきま~す」 お姉さんからグラスを受け取ると、僕はゆっくりとジュースを飲んでいった。口の中でちりちりとしたソーダ水の刺激と、ぷるっとしたパイナップル味のゼリーの感触が口中をくすぐる。 ごくりと飲むと、ひんやりとしたゼリーの固まりが喉の下にゆっくりと落ちていくのがわかる。 「へぇ~ほんとだ、おいしいんですね」 「ね、そうでしょう」 そう言ってお姉さんは僕の手からグラスを取ると、グラスの残った飲みかけのジュースを全部飲み干してしまった。 (うわぁ、間接キッス) 突然のお姉さんの行動に驚いている僕に、お姉さんはにこりと笑い返す。 「でもね、おいしいだけじゃないのよ」 「おいしいだけじゃない?」 「面白いの、そして楽しい飲み物なの」 「面白いって??」 「知りたい?」 「え? ま、まあ」 「うふふ、すぐにわかるわ」 妖しい顔で僕の表情を覗き込むお姉さん。 それは嬉しくてたまらないといった表情だった。 僕が何か言おうとしたその時、突然お姉さんの顔が、どこかぼんやりとし始める。 え? 思わず目をこするけれど、でも本当にお姉さんの姿はどんどん透き通り始めていた。 「あ、あの、お姉さん」 「うふふ、始まったみたいね。ほら貴志君、自分の手を見てみなさい」 「え? あ!」 お姉さんに促されて自分の手の平を見ると、半分透けていた。 「うわっ、何がどうなって、あ、あの……」 戸惑う僕をまるで気にする様子でもなく近寄ってくるお姉さん。 その顔が僕の目の前に迫る。 「ちょ、ちょっと待ってください。僕、心の準備が」 お姉さんの半ば透き通った顔が、どんどんアップになる。 「あ、あの」 「好きよ」 お姉さんが僕の体に両手を回す。でもお姉さんの手が触れている筈なのに僕はその感触を感じることはなかった。 お姉さんの腕が僕の上半身にずぶずぶと入っているのだ。 「え? あ! あああ」 お姉さんの体は、上半身から下半身とどんどんと僕の体の中に入っていた。 そして着ていたセーターやブラジャーがすとんと床に落ちていく。 やがてお姉さんは服を残してすっかり僕の中に入っていた。 「お姉さんが僕の中に!? 何がいったいどうなって……1、2、3、4、5」 戸惑う僕の口から、いきなり数を数える言葉が出てくる。 「慌てなくてもいいわよ、貴志君、もう少しじっとしてなさい……って、え? 何? 口が勝手に」 口を手で押さえて立ち尽くしていると、やがて裸になった半透明のお姉さんが再び僕の体の中からすーっと出てきた。 「ふ~ん、意外と違和感が無いんだ」 「お、お姉さん、今のは何だったんですか? お姉さんが僕の中に」 「うふふ、凄いでしょう。そう、あたしたちは今一つなっていたのよ。でもこれからが本番、うふふふ」 お姉さんは再び肌の色を取り戻しつつある体に床に落ちた服を着込みながら、そう言って含み笑いをする。 「本番? 何が本番なんですか? 教えてください」 「あたしたちの体が入れ替わるの」 「はあ? 入れ替わる?」 僕は心の中で唖然とした お姉さんの答えは、僕の思いもよらぬものだった。 「あ、あの、体が入れ替わるって……言っている意味がよくわかりませんけど」 「これから、あたしの体と君の体が交換されちゃうの。体って言うかあたしたちの姿が。それも少しずつね」 「な、何ですかそれ、僕とお姉さんの体が入れ替わるって、何を言っているんですか?」 僕をからかっているのかもしれない。でも体が入れ替わるなんて、冗談にしてもあまりにも突拍子もない話だ。 「ソーダで割れば、体の部分部分が少しづつ入れ替わっていくのが楽しめるよってお店の人に言われから早速試してみたんだけど、まあすぐにわかると思うわ。あたしね、男の子と入れ替わってみたかったんだ。そしてあたしをもっともっと愛したいの。だってあたしってかわいいんだもん。自分以外の人間を愛するなんてできないし、男にえっちされるなんてもっと考えられないの。ずっと一人でえっちしてきたけど、あたしの手で、口で、あたし自身を愛したくなっちゃったの」 (このお姉さんって……おかしい) お姉さんの話にぞっとした僕は、立ち上がった。 「僕、帰ります」 「帰る? 何言ってるの、まだ来たばかりじゃない。うふふ、それにもう遅いわ。だって君は飲んじゃったんだから。後はあたしたちの体が少しづつ入れ替わるのを待つだけ。それに君だってこんなにかわいいあたしになれるんだから、嬉しいでしょう。楽しみましょうよ。あたしが貴志君になったら、あたしになった貴志君をたっぷり愛してあげるから。うふふ、楽しみだわぁ」 お姉さんは妖しい顔で僕の体を嘗め回すように見ている。 「最初はどこなんだろう、早く変わらないかなぁ」 僕は慌てて席を立って玄関に向かおうとした。でもその時、突然顔がうずき始めた。かゆい。 「あうう、かゆい」 僕は両手で自分の顔を押さえた。顔中がかゆい。 「う、うううう」 ふぁさり 顔を押さえた手に髪がかかる。 急に髪が伸びた? その感触を奇異に感じながらも 僕はそれどころではなかった。かゆみは頭全体に広がっていったのだ。 だが1分も経たないうちに治まってしまった。 「ふぅ~急にどうしたんだろう」 その時、僕の前に座るお姉さんが小さく叫んだ。 「うわぁ~、やった、ほんとに本物だったんだ」 お姉さんの声? いやさっきまでのお姉さんの声とは違う、それは男の声だった。それもどこかで聞いたような声。 僕はお姉さんを見上げた え゛ 僕の目の前には、お姉さんの服を着た僕が立っていた、いやちょっと違う。 僕の顔をしているけれど、首から下はさっきまでのお姉さんの体。 セーターの胸は大きく膨らみ、ジーンズの腰はきゅっと絞れて、股間はすっきりとしている。 そう、目の前の僕は、顔は確かに僕なのに、体はむちむちとした女の体だった。な、なんだよこれ。 「ほんとに、あたしがもう一人いる。いいえ、あたしじゃないんだよね」 嬉しそうに笑うもう一人の僕。見事なプロポーションの女の体なのに笑っている顔は僕の顔、それは何とも変な感じだった。 「なんなんですか、これって、え?声が!?」 僕の声は甲高い女の声になっていた。 「言ったでしょう。あたしとあなたの体は少しづつ入れ替わっていくんだって」 「でも本当に顔がお姉さんと入れ替わってしまったなんて、そんな、信じられません」 「ふ~ん、最初は顔と声なんだ。これからいろんなところが入れ替わっていくのね。さあて、次はどこかな?」 お姉さんは僕の顔で、僕をじっと見詰めると、いきなり体にぎゅっと抱きついた。 「少年の体をしたあたしも素敵。そそられるわぁ~」 お姉さんは僕を強く抱き締めると、自分の大きな胸を僕にぎゅっと押し付けて強く抱き締めた。 「や、やめてください、うわっぷ」 お姉さんは構わず僕に向かって僕の顔を近づけると、キスした。 CHU 「あ、あの、やめてください、もう元に戻して」 「何言ってるのよ。だから何度も言っているでしょう、今更元に戻せないの。それよりねえ貴志君、ちょっとこれを着てみない?」 おねえさんが出してきたのは、白い長袖のセーラー服だった。 「あたしの高校の頃の制服。胸がきつくてもう着れなくなったんだけど、君って華奢だからきっと似合うわよ」 「あの、似合うって……い、いやです、そんな女子の格好なんか」 「お願い、あたしこれを着た君の姿が見たいの。何でもしてあげるから。それにほら見てご覧なさい、今の君にはこっちを着たほうが似合うと思わない?」 お姉さんは姿見の前に僕を引っ張っていくと、鏡に映る僕の姿を見せた。 そこには不思議そうな表情で僕を見詰め返している、僕の服を着たお姉さんが映っていた。 僕が舌を出すと、そのお姉さんも舌を出す。頬をつまむと、お姉さんも頬をつまむ。 映っているお姉さんは確かに僕だ! 「ね、着てみましょうよ、似合うわよ、きっと素敵よ」 お姉さんは僕を後ろから両手で抱き締める。 「あ、あの」 僕の返事を聞かないうちに、お姉さんはさっさと僕のシャツをまくり上げて脱がすと、ズボンのベルトを外してズボンを下ろし始める。 僕はもうそれに抵抗できず、ただお姉さんのなすがままにそのセーラー服を着せられていた。 そして気がつくと鏡に映る僕は、白いセーラー服姿のお姉さんに変わっていた。 「うわぁ、高校の時のあたしだ、ほんとにかわいいわ」 おねえさんが僕をベッドに押し倒す。 「ああん、もう駄目、我慢できない」 僕の顔をしたおねえさんは、再び僕の唇に唇を押し当てる。 顔と声は僕だけど、女の体の僕。胸に挟まれたお姉さんの大きな胸がくにゅっと動くと、僕の心臓はドクンドクンと鼓動を打つ。 変な感じだった。 だって、女の体をした僕が僕に迫っているのだから。 そしてどきどきと胸を高まらせる僕の気持ちに、僕の股間は素直に反応していた。 プリーツスカートの股間を押さえる僕の様子に気がついたのか、お姉さんは僕の顔でにやっと笑うと、えいっとばかりにスカートに手を入れてパンツの中で既にピンと立っていた僕の股間のモノをぎゅっと握り締めた。 「ここはまだ変化してないのよね。いつ入れ替わるんだろう。でも男の子の体でセーラー服着たあたしなんて、いいわぁ」 お姉さんは握り締めた僕のムスコをシコシコとさすり始めた。 「う、あ、やめて」 「良い顔しているわよ、あ・た・し」 (あ、気持ち……いい) リズム良くお姉さんの手が動く。そして硬くなった僕のムスコはどんどん高揚していく。 (ああ、駄目、出そうだ) 高揚が頂点まで登りつめるようとしたその時、今度は突然胸がかゆくなり始めた。そしてどんどんと強くなっていく。 「か、かゆい」 「あたしもだ。次は胸みたいね。ほら貴志君、次はこの大きな胸があなたのものになるのよ、嬉しいでしょう」 「嬉しいだなんて、いひゃっ」 お姉さんが僕の手をお姉さんの胸に導く。セーター越しに指先にふかっとした感触の快感が伝わってくる。でもその柔らかい盛り上がりが徐々に低くなっていくのがわかる。 反対にお姉さんがさすっていた僕の胸は、お姉さんの手の平の下でぐんぐんと大きな御椀のように盛り上がっていた。そして胸から揉まれている感触が伝わってくる。 でも上着が圧迫してきつい。 「うわぁ、おっきいい、あたしの胸ってこんなに大きいんだ。自分の胸についている時より揉みがいがあるわぁ」 「や、やめて……ください、あふっ」 セーラー服の下で、突然電気のような快感を感じて、体が勝手にビクッと震える。 胸の先端がぷくっと突き出し、生地に浮き出していた。 それが揉まれる度に密着した上着の生地にこすれるのだ。 「あら、すっかり感じちゃっているのかな、ほら、こんなに」 お姉さんはサイズの合わなくなったセーラー服の上着を脱がせると、突き出した僕の乳首を口に含んで舌でころころと転がし始めた。 「あ、あううっ」 「気持ちいいでしょう、女の体って気持ちいいんだから。もっともっと気持ちよくしてあげるわよ、あ・た・し」 「も、もうやめて……あ、あひぃ」 お姉さんの舌の動きが激しく。そのざらざらした感触のもたらす快感に、僕は体をビクビクと震わし続ける。段々何も考えられなくなっていく。 でも、突然お姉さんの動きがぴたりと止まる。そして責められていた僕もまたかゆみを感じ始めていた。 「か、かゆい」 左腕が、そして右腕がかゆくなる。今度は止まることなくかゆみが僕の体をどんどん移動していった。 右脚、左脚、肩、そして腰、お尻。 かゆみがおさまって他の場所に移動していく度に、僕の体は一つまた一つとお姉さんのものに交換されていた。 気がつくと、僕に残された僕のモノは股間だけになっていた。 細い肩、きゅっとくびれた腰、めくり上がったプリーツスカートの下のむっちりした太もも、ほっそりと伸びた長い脚、それらは全てさっきまでのお姉さんの体だった。 そして僕の目の前には、股間を両手で隠した僕が立っている。 そう、僕の前に立ったお姉さんはさっきまでの女の体ではなく、もうほとんど僕そのものだ。 僕の姿をしたお姉さんは嬉しそうににこっと笑うと、僕の上に覆いかぶさってきた。 「あ、あの、何を」 「うふふ、ココが入れ替わる前に、味見してみよっと」 お姉さんは自分の股間に僕のムスコをあてがうと、ゆっくりと腰をおろした。 「う、うーん、気持ちいい」 僕に残された最後のモノ、直立した僕のムスコがズニュっとお姉さんの中に入っていく。そしてお姉さんの股間が僕の股間に密着する。 僕のムスコはお姉さんの中にすっかり呑み込まれていた。 腰を動かし始めるお姉さん。 「ああ、いい、気持ちいい」 そう言って腰を上下させて、僕の体の上で悶えているお姉さん。いや、それはお姉さんじゃない。僕だった。 そしてさっきから刺激され続けていた僕のムスコは、お姉さんの中で限界まで怒張している。 「ああ、駄目、出る、いっちゃう」 僕の口からお姉さんの、女の喘ぎ声が漏れる。 だがその時、再びかゆみが……それは股間からだった。 「か、かゆい」 股間の興奮は収まっていないのに、お姉さんの中で僕のムスコは急激に萎み始めていた。 にゅるりとお姉さんの中から抜け出た僕のムスコはどんどんと縮み続け、やがて僕の股間の中に吸い込まれるように消えてしまった。そしてそこに今度はぐっしょと濡れて口を開いた割れ目が生まれていた。 そして、目の間にはビンビンに怒張させたムスコを僕に向かって突き出した僕がいた。 「ふーん、どうやら体の全部が入れ替わったみたいね。これであたしは完全に貴志君になってんだ。そして貴志君はあたしになったのね」 目の前の僕は、姿見の前で自分の胸や股間をまさぐると、にやっと笑って僕に迫ってくる。 ビンビンと上下に動いているムスコが毒々しい。 「あ、あの、ちょっと待って……んぐ」 「折角だから楽しみましょう。あたし男の子になったら試してみたかったんだ、フェラチオ」 僕の口の中に直立したムスコを突っ込むと、もう一人の僕は腰を前後に動かす。 すると、既に怒張し切っていたペニスはすぐに絶頂を迎えた。 「ん~、んげ~」 僕の喉の奥に向かって、熱いほとばしりが噴出される。 どろっとした粘液の生臭い味が口の中いっぱいに広がっていた。 「ああ、いいわぁ~」 もう一人の僕は、恍惚とした表情で、僕の口からペニスを引き抜く。 「何するんですか、うげぇ、僕が僕の精液を飲まされるなんて」 「とっても気持ち良かったよ、由布子ちゃん」 僕はその言葉を最後まで聞かずに洗面所に走ると、口の中を何度もうがいした。 濃厚な粘液は舌や歯にべとべととくっついて、なかなか取れない。 (全くお姉さんって何を考えているんだ。でも何だか変な感じ) 洗面所の鏡に映っている、目に涙を浮かべて口をゆすいでいるのはお姉さんだった。 でも、これは僕なんだ 上半身裸で、形の良い胸を顕わにしたお姉さんが、ぽっと頬をピンクに染めてこっちを見ている。 もの凄く色っぽかった。 ぶるぶると頭を振る。 「な、何を考えているんだ、早く元に戻してもらわなくっちゃ」 そう思い直してリビングに戻るとお姉さん、いやもう一人の僕は、僕が着てきた普段着を着ていた。 「うん、ぴったりだね」 それはもうさっきまでの僕そのものだった。 「あ、あの」 僕の声はおねえさんの声だった。今の僕はお姉さんになってしまっているんだ。 「いつまでもそんな格好されてちゃ、こっちが恥ずかしくなる。ほら、これを着てなさい」 洗面所から戻った僕の姿を見たもう一人の僕は、ドレッサーの引き出しからブラジャーとパンティを取り出して差し出した。 「僕がそれを着るんですか?」 「僕だなんて言っちゃいけないな。君はもう岸森由布子なんだから、女性の下着をつけるのは当然だろう」 お姉さんは僕になり切ったような男の子の口調でそう言うと、僕の胸に白いブラジャーをあてがう。 「きっとぴったりだよ。着方がわからないんなら、僕がつけてあげるよ」 そう言って僕の腕にブラジャーのストラップを通すと、背中のホックをパチンと留める。 「ほら、こっちもはき替えたら?」 腰につけていたプリーツスカートのホックを外してスカートを脱がせると、はいていたボクサーパンツを脱がせようとする。 「パンティ、はかせてあげようか」 「い、いえ、自分でできます!」 そう言ってパンティを奪い取ると、僕は恐る恐る足を通した。 ぴちっと下半身に密着する白いパンティ。 変な感じだった。 「ねえこれも着てみようよ。きっと素敵だよ」 もう一人の僕はクローゼットの中から青いチャイナドレスを取り出すと、それを手際よく僕に着せた。 ぴったりだった。 体にぴたりと密着した滑らかな生地が、いっそうお姉さんのプロポーションを浮き立たせる。 スリットから覗くすらりと長い脚が色っぽい。 ほんとに綺麗だった。 このチャイナドレスを着たお姉さんが……僕。 「うわぁ、素敵。こんな風にあたしを他人の目で見られるなんて」 僕が背中から抱きついてくる。 「あ、あの、僕は、その」 「あたしがそんな格好で「ぼく」だなんて……駄目、もう駄目、我慢できない」 抱きついてぶるぶると震えていたもう一人の僕はいきなり僕をぎゅっと強く抱き締めると、ぼくの唇にキスしてきた。 「うわっぷ」 「素敵よ、素敵。あたしとこんなこと、ああ、夢みたい、好き、大好き、世界で一番大好きなあたし」 「あ、あああ、駄目、何だこの感じ」 首筋に、脚に、そして唇に、僕の体中をキスしながら手で愛撫するもう一人の僕。 体中から快感が吹き上がる。 僕は意識が朦朧となり始めていた。 チャイナドレスのスリットから手を差し込んだもう一人の僕は、するすると僕のパンティを脱がすと、僕の両脚を広げて怒張したムスコを僕の股間に押し付け、ぐいっと押し込んだ。 「あ、あうっ」 「素敵よ、素敵、あたし、好き! 大好き!」 押し付けた腰を前後に動かすもう一人の僕。 「あ、ああ、やめ、やめて、気が変になりそう」 「一緒に気持ち良くなりましょう」 そう言いながら、再び僕にキスするもう一人の僕。 そして僕もいつしか自分の腰を動かしていた。 もっと気持ちよくなりたい。 「いい、いいわあ、この自分の全てを出すようなこの……ああ、いい、いく、いく、いくう」 「ああ、だめ、いい、いっちゃうぅ~~」 ドピュッ 僕らは二人で同時にイッていた。 それから僕は、某ロボットアニメのプ○グスーツと呼ばれる白い女性用パイロットスーツや紺色のスクール水着といった衣装を着せられてはポーズを取らされたり、果ては写真を撮られたり、そして僕の姿をしたお姉さんから抱き締められたり、散々弄ばれてしまった。 でも最初は嫌々だった筈なのに、お姉さんから素敵、綺麗、かわいいと言われながら姿見に映る姿を見せられているうちに、段々自分から進んで新しい衣装に着替えたりポーズを取ったりするようになっていた。 「僕って綺麗だ」 セパレートタイプのおへそ丸出しのレースクイーンの衣装で腰に手を当ててポーズを取りながら、僕はうっとりと鏡を眺めていた。 「それじゃ、今日からあたしが貴志君として、貴志君はあたしとして暮らしてみようか」 「ええ!? そんな、困ります」 「ふふっ、冗談よ冗談」 (冗談……) 思わず困りますって叫んでいたけれど、それは本心だったのか。 あんな親のことなんか気にしないで、お姉さんとして暮らすほうがいいかも。 僕はほっとしたような、ちょっぴり残念のような、複雑な心境だった。 そんな僕の心を知ってか知らずか、僕の姿をしたお姉さんは話を続けた。 「飲んだジュースが排泄されると元に戻るから安心して頂戴」 「排泄されると?」 「うん。だから元に戻りたくなったらトイレに行ってらしゃい。そしたらすぐに元の姿に戻れるから。勿論その前にトイレであたしの体を楽しんできても構わないわよ♪」 「そ、そんなこと」 「ねえ貴志君、これからも時々あたしと一緒にこのゼリージュースを飲んでくれない?」 「一緒に……ですか?」 「そうよ、いつでもいらっしゃい。あたしも入れ替わりたくなったら電話するからいいでしょう」 「ま、まあ」 「そう、良かった。あたしはあたしをたくさん愛したいの。今度は外でデートしましょう。勿論ゼリージュースを飲んで入れ替わった後でね。あたしとデートできるなんて、う~ん、楽しみだわぁ」 「は、はぁ」 お姉さんはお姉さんの姿をした僕を見て、とっても嬉しそうだ。 そんなに自分とデートすることが嬉しいのかな? でもまあいいか。それに、お姉さんになってデートって楽しいかもしれないな。 そうだ、今度お母さんが来た時にお姉さんの姿で会ってみるのも面白いかもな。 お母さんは僕の事をどう思っているんだろう。お姉さんの姿でお母さんの本音を聞いてみようかな。 お姉さんと時々入れ替わって、お姉さんとして過ごす日常。 そんな日々に僕は思いを巡らしていた。 (了) (2010年5月19日 脱稿) |