僕は今でもあの6月の48時間の出来事が忘れられない。
 初めての由紀さんとの共同研究、失敗、そしてあの後僕の何かが変わった・・・



ゼリージュース!外伝(インターミッション)「プリティフェイス/ラブボディ」

作:toshi9



プリティフェイス編(6月15日)

 初めて高原ビューティクリニックの研究室に出向した6月15日、その日いきなり始めたテストは見事に失敗!
 そして、僕は偶然に由紀さんの顔を手に入れてしまった。
 由紀さんはテストが失敗したというのに落ち着いた様子で僕に自分の服を貸してくれたけれど、その後僕を由紀さんだと思い込んだ摩耶ちゃんに変な誤解を与えてしまった。
 由紀さんには悪いことをしてしまったナ。
 でも、本当に悪かったのはその後の出来事だったのかもしれない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 麻耶ちゃんが出て行った後、同じ地下のフロアーにあるシャワーを浴びに行こうと部屋の外に出た。もう深夜ということもあってフロアーには誰もいない。
 そう、誰もいない。
 5月に恵利華さんの姿になった時は由紀さんとずっと一緒だった。
 でも今は独りだ……ということは……うーん……とにかくシャワーを浴びに行こう。

「確か突き当たりだったよな」
 ふと独り言を漏らすと、声も由紀さんの声になっているのに気が付いた。
 今まであせっていて意識していなかったけれど、そう言えば摩耶ちゃんも僕だって気付かなかったんだな。
「あ〜、あ〜、うんやっぱりそうだよな。……私、ワタシ、あたし……えーと、あたしは柳沢由紀です。ヨロシクね。……きゃ! 恥ずかしい ……おお、これは面白いゾ」

 よし、早くシャワールームに行こう。確かあそこにも姿見があったよな。
 恵利華さんの姿の時に一度使った記憶を辿ってみる。廊下の突き当たりを左に曲がりサロンとの連絡通路の手前までいくと、そこにシャワールームはあった。
 男・女どちらに入ろうか迷ったけれど、この格好だし恵利華さんの時と同じ女性用に入ることにした。
 カチャリとノブを廻すと、ドアは開いた。
 中に入ると明かりを点けてドアに内鍵を閉める。うーん段々どきどきしてきた。
 正面に大きな姿見があって、そこには由紀さんが映っていた。
 白いブラウスに紺のミニスカート。違うのは髪型と生足だということくらいか。
 いや、表情がいつもの自信に満ちた彼女とは違う。鏡の中の由紀さんは、おどおどとした、不安げな表情を見せていた。
(雰囲気がやっぱり違うよな。でも)
 僕は由紀さんになりきって右手を腰に当て、左手で鏡をビシっと指差す。
「馬鹿なことかどうかあなた自身が一番よくわかるでしょう。現実を直視したらどう?」
 うーん、やっぱり由紀さんだよ。
「あなたにはウチに来て欲しいのよ。だって、わたし貴方のことが」
 はにかんだ表情をして、ちょっと上目使いにしてみる。
「だって、わたしひとめ見た時に貴方のことが好きになってしまったんだもん」
 いいね、いいね
「俊行さん、わたしのこと……好き?」
 うん、好きだよ
「じゃあ、キスして、わたしのこと抱いて、好きにしていいよ」
 唇を突き出し、キスを待つ表情をしてみる。
 片目をうすく開けてそんな由紀さんの表情を堪能する。こんな表情も台詞も彼女は絶対に出さないだろうな。
 うーんたまらん
 僕はスカートの裾から両手を差し入れると、由紀さんから借りたショーツを脱いだ。段々圧迫されて苦しくなってきたということもあるけれども、ショーツを少しづつ降ろして足を片足づつ抜いていく様子を鏡に映して見てみたかった。

 それは刺激的な光景だった。
 思わずスカートの上から股間を触ってみるが、既に大きくなったムスコがスカートを大きく盛り上げていた。
 おお、由紀さんの股間がもっこりと、これもなかなか……もう辛抱たまらんゾ。
 鏡に映っている姿を眺めながら、僕はスカートの上から盛り上がっているムスコをゆっくりと上下にさすってみた。
 すっかり固くなったソレはもう爆発しそうだ。でも、まだまだ。ここで出しちゃ勿体ない。
「いやー、どうしてわたしにこんな物が!?」
 今度は由紀さんになりきって驚いてみる。
(へっへっへっ、元に戻りたければ俺の言うことを聞くんだな)
「誰なの、私の体を元に戻して」
(ダメだね、さあ、それをゆっくり擦るんだよ)
「ああ、そんな、手が勝手に動く。やめて、こんなもの触るなんて気持ち悪い」
(それ、それ、あ〜気持ちいいぜ)
「どうして私がこんな目に……誰か、誰か助けて」
 独り芝居をしながら、シュッ、シュッっとムスコを擦り続ける。
 あ〜ダメだ、出そうだ。でもここで出す訳には……ガマン、ガマン。
 僕はかろうじて手を動かすのを止めた。
 シャワーを浴びよう。浴びながら……続きをしよう。

 スカートを脱ぐと、ビンビンといきり立っているムスコが露になる。まだブラウスを着ているので、腰から上は由紀さん。下は膨張しきったモノをさらした男。
 両手でムスコを掴んで、その姿を鏡で見ると、いっそう倒錯さが増す。
 いかんいかん、早く入らなきゃ、ん? これは??
 ふと脱衣ボックスを見ると、ピンクのレオタードが……誰か置き忘れたんだろうか。
 うーん、これを着たらどんなだろう。
 ブラウスも脱ぐと、そのレオタードを着込んでみた。

 大きく膨らんだムスコを入れるにはちょっときつかったけれど、着てみるとなめらかでぴっちりした生地がスカートの時よりはっきりと、クッキリとムスコのラインを描き出す。
 生で見るよりいやらしいな。
 胸を隠すと見た目はレオタードを着た由紀さんなのに、股間が大きく盛り上がっている。
 そのままシャワーを浴びてみる。濡れたレオタードは少し透けたようになり、いっそうムスコの輪郭が顕わになるので、ますますいやらしさを醸し出す。
 も、もうだめだ。
 ムスコを脇から抜き出すと、中腰になってそれを擦る。
「あ、あ、いい〜、いくぅ、いっちゃうよ〜」
 由紀さんの声で喘ぎ声を上げると、もう限界だった。

 ぴゅっ、ぴゅっ、ぴゅっ

 白いものが勢い良く飛び出した。
 そして、今までで最高の絶頂感を感じたてしまった僕は、ぺったりと座り込んで呆然と快感の余韻に浸りこんでしまっていた。
 シャワーの湯はいつまでもその足元に流れ続けていた。



ラブボディ編(6月16日)

 15日の夜の出来事は夢のようだった。いや夢だったんじゃなかろうか。
 ひとしきり余韻に浸った後レオタードを脱ぐと、シャワーを浴び直した。そして部屋に戻るとそのまま寝てしまったけど、朝起きると顔も体型も元に戻っていた。

 由紀さんは出社して来ると、疲れた表情で「昨日あれからどうしたの」と聞いてきた。
 摩耶ちゃんとのことは正直に話したけれど、その後のことは……話せなかった。
 そしてこの日も前日の失敗にもかかわらず、2日続きでテストすることになってしまった。
 でも、やっぱり失敗してしまった。
 前日の逆、顔は自分のままで体だけが超セクシーな女体になってしまった。
 やれやれ
 自分の胸に重みを感じて見下ろしてみると、平らだった胸はははちきれんばかりの巨乳と化していた。胸から下なんて何も見えない。
 恵利華さんの体になった時とはまた違った違和感を感じてしまって、思わず胸とアソコをさすってしまったんだけれど、あの時とは違う感覚で、由紀さんがいるのを思わず忘れて熱中してしまった。
 後から考えると、首から下だけとは言え中身まで女性の体になったのはこの時が初めてだったんだ。
 由紀さんに「ブザマね」ってたしなめられて我に返った時は、恥ずかしさでいっぱいだったけど……

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「で、今日はどうするの?」
「え、どうするって?」
「今日もここに泊まるのかってこと」
「いえ、今日は帰りたいんですけど。明日は資料も持って来たいし」
「そう、それだけなのかな? ふふ、そのカラダで無理して帰らなくてもいいんじゃない?」
 さっきまで額に指を当ててプルプル震えていた由紀さんは、今度はうっすらと笑いを浮かべていた。
「それだけですよ。へんな想像しないで下さい」
「あら、だってさっきの様子じゃねぇ」
「ふ、服着ますから」
 僕は自分のパンツをはいてTシャツを被ろうとした。
 でも、パンツは小さくてお尻がきついし、Tシャツも胸に引っかかってうまく下まで降ろすことができない。しかも乳首がこすれて痛いような痒いような、またカラダがほてってきそうだ。

「そんなカラダで自分の服なんて着れるの? 体型が全く違うんだから、といっても今度は私の服も無理かなあ」
「はい、そうですよね」
「何か言った?」
「い、いえ」
「ちょっと待ってて」
 彼女は部屋を出て行くと、しばらくして紙袋を持って帰ってきた。中を開くと……ショーツとブラジャー、キャミソールとブルージーンズだった。
「確か彼女88−56−86だったはず。これだったら合うんじゃないかな。ちょっと着けてみて」
 真っ先にブラジャーを差し出される。
 え、また
「着て帰れるものが無いんじゃしょうがないでしょ」

……これで2回目か。

 着け方は恵利華さんの時に何となく判ったので、前よりは楽に着ることができた。
 ずっしりと重い僕の胸に付いている巨乳は、ブラジャーを着けることで幾分その重さを感じなくなった。
 ショーツも見た目は小さいのに男のパンツより伸縮性があって大きなお尻をピタっと包み込んだ。
 スリムのブルージーンズはお尻を入れる時とってもきつかったけれど、腰まで引き上げると下半身に隙間無くぴったりと張り付いていた。
 キャミソールを頭からかぶって鏡に映してみると、ぴったりとしたキャミソールとスリムジーンズがくっきりと素晴らしいカラダのラインを浮かび上がらせ、いっそうそそられる。
 巨乳なのにウエストは折れそうなくらい細い、そしてヒップは大きく張り出している。股間には何も無いことをぴちっとしたジーンズが主張している。

 でも、顔は……僕だ。

「はい、これ」
 彼女は僕にナイキのキャップを被せた。
「ばれないようにちょっと深めにしておくことね。でもその格好意外と似合ってるわよ。誰も変に感じないかもね」
「そうですか、でもちょっと恥ずかしいですよ」
「何言ってるの、帰りたいと言ったのはあなたよ」
「う、……仕方ないですね。とにかく今日は帰ります」
「じゃあ、明日感想を聞かせてね。それとこれ、忘れないで」
「な、何の感想ですか。もう、変なことなんてしないですから」
 彼女が渡したのは僕の服と、小さめのスニーカーだった。そして、彼女の目がキラッと光ったのにこの時には全く気が付かなかった……。


 渋谷駅までの下り道、暗くなってきても人通りは賑やかだ。
 人ごみに紛れて歩いていると、何人も声をかけられた。
 ナンパらしいもの、スカウトらしいもの……このプロポーション、どうにも目立つらしい。
 やっぱり泊まったほうが良かったかな。
 山の手線に乗ると、周りから見られている気がするし、電車が揺れると前後から必要以上に接触されているような気がした。
 前に立っている人の背中に自分の胸が何度となく当たると、その都度胸が潰れる感覚が伝わってきて段々また変な気分になりそうだ。
 顔を見られないか、変に思う人がいないかとびくびくはしていたけれど、何事もなく電車を降りることができた。
 由紀さんが誰も変に感じないかもって言っていたけれど、本当なんだな。

 夜道をアパートに急いでいると、アパートまでもう少しという公園横でいきなり後ろから抱きつかれた。
「ねーちゃん、いっしょに遊ぼうよ」
 よっぱらいか? 酒臭い息が耳元に吹きかけられる。両手で胸を揉みしだかれ、お尻に当たるこの感じは……硬い棒のようなこの感触は……アレが当たっているのか。
 思わずぞくっとした感覚が背筋を駆け抜けていった。
 そのままの格好のまま公園内に連れ込まれてしまう。
 その間にも胸はしきりにこねくりまわされ、お尻にはぐりぐりとあれを押し付けられる。
 逃げようとするものの、全く力が入らない。いや、このカラダって力が無いんだ。
 そのうちに、後ろにいる男の手はジーンズのボタンを外し、ファスナーをジャッと引き下げた。そして、ショーツの中に指を滑り込ませてしきりに動かし始める。
「あ、あ、ひゃん」
 や、やばい。またほてりが戻ってきそうだ。
 指は徐々にショーツの奥に侵入してきた。
 指の動きに合わせて、ショーツは段々湿り気を帯びてきた。
 濡れてる? このカラダ感じちゃってるのか!
 胸を揉まれたままで四つんばいにさせられ、そのままジーンズとショーツを引き下ろされてしまった。
 僕のお尻が露になる。
「おっと、こっちを見るんじゃないぜ」
 後ろでカチャカチャとベルトを外す音がしたかと思うと、腰を左右から男の手で固定させられ、そして股間にグッと太いものが押し込まれようとする。
 滑らかになっているソコに、それはニュルンと入り込んできた。
「な!」
 すでに湿りきっている僕のアソコは男のそれを一気に受け入れた。
 グーッと根元まで挿入されると、まだ抜き戻されピストン運動が繰り返される。

〜パン、パン、パン〜

 腰の動きに合わせて、胸がゆっさゆっさと揺れている。
 アソコの奥からは吹き上がるようにカラダ全体に快感が広がっていく。
 う、うーん、気持ちいい
 段々ぼーっとしてきてモノ考えられなくなってきた……い、いけない、このままじゃ
「ばっきゃろう、俺は男だ!」
 昨日と違って声は自分の声だ。突然容姿からは想像もつかない声で怒鳴られた男の動きはピタっと止まった。そして、自分のものを抜くと走り去って行ってしまった。
 くそ! 何でこんな目に合わなきゃならないんだ。
 男に犯されたくやしさと、中途半端に残った快感が入り混じって体の中を駆け巡っている。
 何とか起き上がると、ショーツとジーンズを穿き直し公園を走り抜けた。
 そして数分後やっとアパートに辿り着くことができた。

 シャワー浴びよう。

 家に入るともう他人の目はない。
 キャミソール、ジーンズ、ブラジャー、そしてショーツと全てを脱ぎ捨てると全裸のままバスルームに飛び込んだ。
 男の手とアレの感触を振り払うように勢い良くカラダにシャワーを浴びせかけると、きめの細かい肌が湯滴を弾いていく。
 気持ちいぃ〜
 バスルームの鏡を見ると、シャワーを浴びている僕。
 それはグラビアクイーンのようにスタイル抜群で、幻惑的な光景だった。
 僕の顔に女のカラダがくっついていて、最初に見た時には気持ち悪かったんだけれど、こうして大きな胸、キュッと絞れた腰、張り出した大きなお尻のカラダに馴染んでくると、自分が元々女だったような錯覚に陥ってしまう。
 そして鏡をじっと見ていると、自分の顔が何処となく妹の雪菜に似ているのに気が付いた。
 うーん、案外悪くないかも。由紀さんが似合うと言っていたのもわかるような気がしてきた。

……10年後の雪菜ってこんな感じなのかナ

 僕は左手の人差し指をアソコに差し込んだ。そしてゆっくりと出し入れする。
 すっかり出来上がっていたソコは、再び快感を湧きあがらせていった。
 あ…あ…あん……あん………
 鏡を見ていると雪菜に似た女の子が股を広げてオナニーしている。
 会社の鏡で見た姿とは違う感慨をこの時感じていた。

 は、は、はん…いく、いく、く、く、あ〜〜〜

 そして僕はイってしまった。
 それは初めて女性の絶頂感を知った瞬間だった。
 由紀さんには……言えないな……
 僕はバスルームに呆然と座り込んだまま、ぼんやりとそんなことを考えていた。
 シャワ−の湯がいつまでもその足元に流れ続けていた。


エピローグ(6月17日)

 翌日、朝起きるとカラダは元に戻っていた。
 どうやらシャワーを浴びることと関係があるんじゃないかと気がついたのは少し後のことだった。
 それにしても、また今日も由紀さんテストを続けるんだろうか。また失敗するんだろうか。

……それも良いかも……

 でも成功すれば完全な女性のカラダを楽しめる。
 よし、早く問題点を洗い直してみよう。


ゼリージュース外伝(インターミッション) ……終わり






後書き
 tiraさん、50万ヒットおめでとうございます。次は目指せ100万ヒットですね。これからもがんばってください。
 記念作品というほどではありませんが、外伝の本編(ややこしいなあ)とは少しはずれたものをお送りいたします。 

 さて、この作品についてですが、ゼリージュース外伝第2章が終わって、本来はゼリージュース(青)の開発に取り掛かる第3章に進んでいくところですが、第2章の最初の2日でテストに失敗したその後をもっと読んでみたいというご意見を何人かの方からいただきました。そこで第3章に進む前に、一旦インターミッションという形でこの2日のそれぞれの夜に起きた出来事を書いてみました。

 俊行クンが独りの時にこんな事があったんですね。1章で恵利華さんになった時には戸惑いや混乱はあってもまだ普通のひとだったのに、この48時間の間にぼんやりとTS願望が心の中に芽生えてきたようです。これが2章の最後から3章にかけてはっきりと表に出てくるようになります。でも、まあ所詮由紀さんの手の平で踊らされていますね。

 それから文章ですが、1章は「ですます調」で1人称は私、2章は「ですます調」を止めて1人称は前半は「私」で後半は「僕」、インターミッションは1人称を「僕」にしています。真面目な彼が変わっていくのを表現したかったのですが、ちょっと理解し辛かったかもしれません。

 それにしても自分としてはかなりエッチな作品になってしまいました。tiraさんこんなんで大丈夫ですか。

 次回こそは第3章に進みたいと思います。
 ここまで読んでいただきました皆様、どうもありがとうございました。

toshi9より
感謝の気持ちを込めて




作品予定(あくまでも予定ですが)

第1話     始まりはハーブと共に    (プロトタイプ・変身)  2002年7月12日改訂版脱稿

第2話     いちごの誘惑         (赤・変身)       2002年7月27日脱稿

インターミッション  プリティフェイス/ラブボディ(プロトタイプ・部分変身)2002年8月25日脱稿 

第3話   今宵ブルーハワイを御一緒に (青・憑依)

第4話   気分はトロピカル        (黄・入れ替わり)

















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