ゼリージュース! 外伝(1)「始まりはハーブと共に」 作:toshi9 皆さんは「ゼリージュース」を知ってますか? とある企業ホームページの隠しページで続けられているネット販売とTSショップだけで密かに販売されていたのですが、僕の不注意である日弟に知られてしまいました。今このレポートを読んでいる人はそれが赤、青、黄の3種のTSジュースだということを知ってますよね。 でも「ゼリージュース」はもともと食感の楽しい普通の?ゼリー飲料だったんですよ。それが何故TSジュースになったのか、今からこの僕が皆さんにお話していきたいと思います。 僕の名前は小野俊行。某大手食品メーカーの飲料研究室で新製品の研究を行なっていました。もちろん普通の飲料の研究開発ですが、僕の研究生活が一変したのは一昨年のちょうど今ごろ、ゴールデンウィークが明けてまもなくのことでした。室長に呼ばれると、他社との共同開発計画について指示があったのです。 「小野君、高原ビューティサロンから共同開発の依頼が来たんだが、わが社としても高原さんと提携を進めようと上から指示があった。これから先方と打ち合わせしてきてくれないか?」 「ええ、かまいませんよ。面白いものを開発してやりますよ」 「それじゃ頼むよ。この電話番号で連絡を取ってくれたまえ」 入社以来の研究テーマだった桃味のゼリージュースの開発と営業プレテが1段落したこともあって、僕は早速電話でアポを取るとサロン本社のある渋谷に向かいました。 1時間後、店舗も併設されている高原ビューティサロン本社に到着した僕が受付嬢に用件を伝えると、すぐに応接室に案内されました。でもいくら待っても誰も入って来る様子がありません。退屈しのぎにソファーに座ったままぐるりと部屋の中を見渡していると、第12回シンデレラコンテスト『優勝』、『準優勝』とそれぞれ書き込まれた2枚のポスターが貼られているのが目に入りました。どちらも水着姿の女の子を映したポスターですが、2人とも思わず見とれてしまうような美しさです。『優勝』の女の子は勿論綺麗でしたが、僕が気になったのは『準優勝』の女の子でした。少し幼さの残るアイドルのような顔立ち、さらさらと肩まで流れる栗色の髪、キュッと絞れた腰、そして一際目立つ長い足といった彼女の容姿の一つ一つが自分の理想の女の子の姿そのもので、思わずそのポスターに見入ってしまいました。 (中田恵利華さんというのか、身長169.5cmもあるんだ。なになに、3ヶ月で8.95kgもダイエットしたのか。足が凄く長いし素敵な子だなあ) 何度かここに足を運べばそのうち会えるかもといった期待感を抱きながらしばらく眺めていると、程なく50代前半かと思われる青いスーツ姿の上品な女性が入ってきました。 (どこかで見た顔だな。……そうだ、高原社長だ。何かの雑誌で見たことがある) 気がついて慌てて立ち上がると、女性の方から僕に話しかけてきました。 「高原です。小野さんですね、ようこそ」 「は、はじめまして、小野です」 彼女はテレビにもよく出ている有名人です。その独特の雰囲気に思わず緊張してしまいます。 「あら、そんなに緊張しないでかけてくださいな。御社の社長にはとってもお世話になっていますのよ。以前から商品についていろいろと便宜を図ってもらっていますし、オリジナル商品をいくつも開発していただいていますの」 「そうだったんですか、御社で弊社の商品が扱われているとは知りませんでした」 「デザインも中身も独自のアレンジをしてもらってますから、プロジェクトチームのメンバー以外には極秘にされているかもしれませんね」 高原社長は、その時ふっと含みのある笑いを浮かべていました。 「今回は新規飲料の共同開発プロジェクトチームを組むということですよね。最適の飲料を開発できるよう一生懸命がんばらせていただきます」 僕は社長に向かって深々とお辞儀しました。 「まあまあ。随分張り切っていらっしゃいますのね。期待していますわよ」 その時ドアをコンコンとノックして一人の女性が入ってきました。 「紹介します、うちで商品開発を担当しています主任の柳沢ですわ。詳細は彼女と打ち合わせてくださいな」 早速僕は名刺を取り出すと、彼女に差し出しました。 「はじめまして。小野と申します」 「小野……俊行さん? 開発担当の柳沢由紀です。よろしくお願いします」 年の頃は20代後半でしょうか、どうやら僕よりも年上のようです。金髪に染めたショートカットに浅葱色のブラウスと黒のミニスカート、その上に白衣を纏ったいかにも技術者といういでたちで、左目下の泣きぼくろが印象的な女性です。 「じゃあ早速開発室で打ち合わせしましょうか。ついてきてください」 「わかりました。では社長、失礼いたします」 「ええ、良い製品ができるのを楽しみにしていますよ。じゃあ由紀ちゃん、小野さんをお願いね」 応接室を後にするとエレベーターで2階の開発室に案内され、僕たちは早速打ち合せを始めました。 「主任、御社ではどんなコンセプトの商品を考えられているのですか?」 「由紀でいいわ。ウチでは堅苦しいのはやめましょう」 「社内で名前で呼び合っているんですか?」 「ええそうよ。そうするように心掛けているの。ところで俊行さんはウチのビューティサロンがどういうところかご存知?」 「はあ、エステティックサロンですよね。会員になった女性がダイエットしたり肌の手入れをしたりするところだと聞いていますけれど……」 「うーん、それはそうなんだけど、一番大事なのは心のケア。肥満もお肌が荒れるのも、根本は心に問題があることがとても多いの。どこか満たされていないところがあったり心がさびしいからなのね。エステサロンっていうのは、来ていただいた方にゆったりとリラックスしてもらって、そんなココロとカラダの悩みを総合的に解決するところなのよ」 「そうなんですか……」 エステサロンの類に行ったことの無い僕には、曖昧に返事することしかできません。 「俊行さんも一度体験してみません? いくら言葉で説明してもあたしたちが何をしようとしているのかわかってもらえないと思うし、それがわからないとコンセプトを話しても理解してもらえないと思うわ」 「でも僕は男ですから」 「あら、男性用体験コースもあるわよ」 「え、ここはビューティサロンでしょう」 「そうだけど、大した問題ではないわね」 「うーん。そうは言っても女性と一緒にというのは恥ずかしいですよ」 「心配しなくても大丈夫。ウフフッ……」 ニコっと優しい微笑みを浮かべながら僕に向かってあっけらかんとそんなことを言う由紀さんには納得できない思いを拭うことはできませんでしたが、その一方でこれも仕事なんだという責任感と、彼女の言う商品コンセプトに対する興味が湧いてきます。 そして結局この時の僕は、それなら試してみようという気になったのです。 物事の始まりやきっかけなんて意外に些細なものです。 僕の決断がどういう結果をもたらすことになるのか、この時にはまだ想像することさえできませんでした。 「コンセプトを理解できないなどと言われては、やらないわけにはいきませんね。僕はエステの事は全く知りませんし、確かに御社の商品を開発するためには自分で体験してみることが必要だと思います」 「決まったわ、じゃあ早速始めましょう。ん? ちょっと待って」 彼女の携帯が鳴り出したようです。 「ええ、そうです。大丈夫です。……はい……はい……わかりました。それではそのように」 「どうしました?」 「高原社長からよ。でも用件は終わったから。それじゃ行きましょうか」 何故かウキウキと僕を引っ張るようにエレベーターに乗せた彼女が向かったのは、本社隣にあるエステの店舗ではなく地下のフロアでした。 「どこに行くんですか?」 「地下で隣のお店と繋がっているの。それにお店に行く前に準備をしなくちゃね♪」 地下1階に降りた僕は、由紀さんにその1室に通されました。10畳程度の大きさの部屋の中には、ソファーと机それに診察ベッドのようにも見える大振りの台が置いてあり、隅にはロッカーが置かれてます。壁に目をやると一方に大きな姿見が、もう一方にはポスターが貼られてました。 それは応接室に貼られていた準優勝の中田恵利華という女の子のポスターです。しかも貼られているのは応接室のものとは違う、ブラを外したトップレス姿ではありませんか。 (……うわぁこの子、胸もきれいだ) ふと気がつくと、部屋にはハーブの香りが漂っています。 それにしても何とも不自然な部屋です。 彼女はここで一体何を準備しようというのか。 そんなことを思い巡らしていると、程なく由紀さんが紙袋を持って入ってきました。彼女が袋から取り出したのはペットボトル入りの飲料と何か液体が入ったビンです。 机に置かれたペットボトルは僕が開発したゼリージュースでした。 但し、僕の作ったものとは何となく違うような気がします。じっと目を凝らして見ていると、一瞬ラベルに描かれたスライムがプルンと身震いしたように感じました。 「え? 動いた??」 でもはっとした次の瞬間には、それはごく当たり前のゼリージュースでした。 (疲れているのかな) 目をこすりながら、僕は由紀さんに尋ねました。 「これは弊社の?」 「ええ、ゼリージュースよ」 「どうしてこんなところで?」 「エステの体験コースに必要なの」 「??? これを飲んで僕に腹ごなしでもしろと言うんですか?」 「いいえ、コースを始める準備のためよ。ゼリージュースを全部飲んでもらったら、次にこのハーブオイルで全身マッサージしてあげる」 「どこで……ですか?」 「ここでよ♪」 「誰が……でしょう」 「ワタシがやってあげるわ♪」 どうにも彼女が何をしようとしているのかわかりません。でも乗りかかった船ですし、今更引き返す訳にはいきません。とにかく様子を見ようと思い、僕は言われた通りにゼリージュースを一気に飲み干しました。 (これって昨年作った巨峰味のやつだな) 「飲み終わったら、パンツだけになってそこに横になって頂戴」 「どこにですって?」 「そのマッサージ台よ♪ さあ早くお願い」 「わ、わかりました」 仕方なく後ろ向きになるとネクタイ、ワイシャツ、Tシャツ、スラックスと脱いでパンツ1枚になり、その診察台のような台に横になりました。 「そのハーブオイルって何なんですが。」 「ゼリージュースととっても相性が良いの。ある方……虹男さんという名前の人だけど、昔インドの山奥で修行中に見つけたとかで、何でもアーユベータの秘薬の原料になっているらしいわよ」 「?? 何の相性ですか。」 「詳しいことは後で教えてア・ゲ・ル。でもすぐにわかると思うわ。ウフッ」 「???」 「そんなに緊張しないで。準備よ、じゅんび。男性の方にも女性だらけのサロンでリラックスしてもらうために、ね」 「…………」 「あ、それからオイルでマッサージしている間は、私が『いいわ』って合図するまであのポスターを見続けていてちょうだい」 彼女は中田恵利華のポスターを指差して言います。 「???? はあ?」 「彼女は好みのタイプ?」 「ま、まあ、そうですけど」 「それは良かったわ。じゃあ始めるからお願いね」 何が良いのかちっともわかりませんが、僕が横になると彼女は慣れた手つきで背中から両腕、首、両足とオイルを塗っていきました。ひんやりした手の感触が心地よく、緊張感も何やらほぐれてくるようです。そしてその間、言われた通りポスターから目をそらさずにじっと目を凝らしていますと、だんだんオイルを塗った場所が熱くなってくるように感じます。 「気持ちいい?」 「え? ま、まあ」 僕のリラックスした様子を確認すると、彼女はさらに胸そして顔までも丹念に塗り始め、最後にパンツをおもむろに引き降ろすと、臀部から両腕で私を抱き込むようにして下腹部にも塗り始めました。 「ひゃっ、そんなところまで!」 由紀さんに抗議しようと振り向こうとしますが「まだ駄目!」と言われ、不承不承そのままのじっとポスターを見続ける姿勢を続けていました。 熱さは段々と塗った箇所に合わせて全身に広がっていきますが、苦しいわけではなくむしろ、心地よさが増してくるようです。 〜コクッ、コクッ ……オイルを塗られる心地よさにいつの間にかウトウトしたようですが、ふと自分の腕を見ると半透明、それも表面がウネウネとうねったようになっているではありませんか。まるで自分の体がゼリー化しているかのような感じです。 「うわ! 僕の体が!! 由紀さん、これって何なんですか!」 自分の体の変わりように驚いた僕は、思わず叫んでしまいました。でも彼女は少しも慌てた様子がありません。 「落ち着いて、もうじき変わるから」 「変わる?」 「あなたの全身の細胞は今極限まで活性化されているの。体が熱いでしょうけれど、それは細胞が分子レベルで微振動を起こして不定形化しているからよ。つまり今のあなたの体はスライム状になっているの。『全身がゼリージュースになっちゃった♪』って言ったほうがわかりやすいかな」 「……………………」 「ゼリージュースを飲んだ後すぐにこのハーブオイルを体に塗ると、そんな状態になるんだってある人が教えてくれたの」 「……言ってる意味がよくわかりません。それに、そもそもそのハーブオイルって何なんですか?」 「アラク、タラ、サン、ミャクサン、ボダイの5種のハーブをオリーブオイルと紅花オイルに漬け込んで作った、アーユベータのダッシュセブンというブレンドのオイルなの。このオイルとゼリージュールってとっても相性が良いらしいの。でもそれだけじゃなくて、まだ続きがあるのよ」 言われてみると、半透明だった腕は段々と肌色を取り戻していきます。でも何だか僕の肌と違うような……色もずっと白いし、触ってみると滑らかでとってもスベスベしています。 そして形もだんだんとほっそりとしてきて、まるで筋肉が少しずつ無くなっていくようです。触った手のひらは、灯りにかざすとちんまりと小さくそして指はすんなりと長くなってました。 「これって、一体何が起こって……!?」 体を起こしてみると、胸が前に引っ張られるような感じがします。手を胸にやってみようとすると、何もないはずの胸の手前でプニっとしたものに当たります。触っている、そして触られているゾゾゾっとした今まで感じたことのない感触が背筋を走り抜けていきました。 良く見ると、いつの間にか肌色を取り戻した胸がむりっむりっと膨らんできているではありませんか。 (これってまるで女性のバストじゃないか) そして手を胸から腰へとやると、みるみるググッググッと絞れていくのがわりかます。 脚を上げてみると、僕の足とはまるで違う脚がそこにあります。 きゅっと締まった足首、よく締まったムダ毛ひとつ無いふくらはぎ、傷ひとつない膝、むっちりと張りのあるふともも。そして何よりも長い! 僕の本来の脚と20cmは違うのではないかという位に伸びています。 台から降りて立ち上がると、腰が高く持ち上がっています。背も伸びているようで目線がいつもより高いことがわかります。 「そろそろ変化が終わるようね。気分はいかが? 俊行さん」 体の変化にパニクっているところに後ろから由紀さんに声をかけられて、はっと正気を取り戻しました。いつのまにか体の熱は引いています。 「こっちを向いてみて♪」 振り向いた先の壁には姿見がはめ込まれてます。でもそこに映っているのは僕ではなく、僕のパンツを穿いた女の子でした……それも見たことのある。 そう、そこに映っていたのは中田恵利華でした。 「これって、これって僕じゃない」 一瞬ポスターが映っているのかと思いましたが、僕が左手で鏡を指差すと鏡の彼女は右手でこちらを指差します。ほほに手をやると同じようにほほに手をやります。 髪に手をやると……あれ? そう言えばポスターの髪は長かったはずなのに鏡に写っている中田恵利華はショートカット、僕の元の髪型そっくりです。 「見えないところと髪の毛の長さはコピーできないのよね〜」 そう言いながら、鏡の横で由紀さんはニコニコと笑っています。 「いったいどういうことですか!?」 (あれ、そういえば声も僕の声とは違う。妙に甲高いような) 「鏡を見ればわかるでしょう、それが今のあなたよ。あなたは中田恵利華の姿になったの」 「そんな馬鹿なことが……」 「馬鹿なことかどうかあなた自身が一番よくわかるでしょう。現実を直視したらどう?」 ビシッと指を差されて彼女に言われてみると、確かに目の前の鏡に写っているのは僕の姿に間違いないようです。しかし、これが現実なんて信じられません。 「ふふっ、じゃあこれに着替えて頂戴。それで準備は終わりよ」 まだパニック状態の僕を無視するように、彼女が部屋の隅にあるロッカーから取り出したのは、黄色いビキニの水着とガウンでした。 「これにですか? こんなの着られるわけないじゃないですか」 「今のあなたは女の子の姿なんだからぴったりよ。髪は……まあ大丈夫でしょう。早くして頂戴」 「どういうことか説明してください」 「さっきのゼリージュースは、飲むと体をゼリー状になるの。そしてその間に見つめている人の姿を写し取ることができるのよ。ただし、外見だけね」 「外見だけ?」 「パンツ脱いでみなさい」 後ろを向いてパンツを脱いでみますと、平べったいそこには何もありませんでした。 全く何も……? いや豆粒程に小さくなった僕のムスコがあるのがかろうじてわかります。 「こんなのいやですよ」 「あら、ということは中身も女性になってみたいのかしら?」 「い、いや、そうじゃなくって……」 「未完成なのよ。私たちの技術ではそこまでなの。体験版だから今日はそれで充分でしょう。遅くなるから早く着替えて行きましょう。女性の姿なら女性と一緒にエステのコースを受けても恥ずかしくないでしょう?」 「それはそうですけど……」 「それに一般コースの女性も男性が混じっているなんて気付かないし♪」 (そうかなあ?……でもまあいいか。それにしてもこの効果って改良すればいろいろ応用できるんじゃないかな) 好奇心とアイデアがいろいろ頭の中に浮かんできますが、とにかく受け取った伸縮性の高い黄色のパンツとブラジャーを身につけてみることにしました。 股間はのっぺりとしているので、パンツは隙間なくピチッと股に張り付き、その感触はツーンと心地よく体を通り抜けていきます。 思わず手でソコをさすってしまうと、ピタピタと何もない感触が直接手のひらから伝わり不思議な感じです。 「なにやってるの。さあ、手を出して」 ブラジャーは由紀さんに付けてもらいました。彼女は背中のホックを止めるとカップの中に手を差し込んで僕のバストをぐりぐりと内側に寄せていきます。まるで後ろから揉まれているようで、ゾクゾクした快感が湧き上がってきます。 「あ、あん〜」 思わず変な声を上げてしまいました。 「あら、感じちゃった?でもあまり興奮しないでね、アソコが戻っちゃうから」 「……どうしてこの子なんですか?」 「あら、あなたが恵利華ちゃんのポスターに見とれてたって社長から聞いたわよ」 「う!やっぱり見られてた」 (は、恥ずかしいけど、でもなんかうれしいな) 自分の長くなった足とプリっとしたお尻をなでてため息をつきながらちょっと顔を赤らめてしまいました。 ガウンを上から羽織ると、由紀さんがぽんぽんと僕の肩を叩きました。 「準備OKね。さあ、行きましょう。それから、この部屋を出たらあなたは中田恵利華よ。いいかな?」 「……わかった…わ」 「あら、もう馴染んじゃった? その調子よ」 最初は違和感を感じていた女性の声も、慣れてくると女言葉をしゃべることに全く抵抗がありません。すんなりとしゃべれてしまいます。 「じゃあ恵利華ちゃん、行きましょうか」 「……由紀さん、ひとつ聞いても良いですか?」 「何かしら」 「もしかして最初からこうするつもりだったんですか? どうも仕組まれていたような気がするんですが」 「あなたにはウチに来て欲しいのよ。正式に出向してもらって一緒にこのゼリージュースを完成させて欲しいの。勿論普通のものではないわ。あなたが今体験している以上のものをね」 「なぜそんなにこだわるんですか。ここは女性客がほとんどでしょう」 「だからこそよ。わからない?男性の会員を掘り起こせば、ウチの会員は2倍に膨らむでしょう」 (……なる程) 僕は扉を開けた。 この時「ゼリージュース」開発の日々がスタートしたのです。 ……今日のお話はここまでといたします。 さて、今回登場した巨峰味のゼリージュースは、まだTSゼリージュースではありません。虹男さんのハーブオイルとの合わせ技で初めて効果を発揮するものです。 次回はプロトタイプのTSゼリージュースについてお話をしたいと思います。 ゼリージュース!外伝(1) ……終わり 2002年7月12日脱稿 2008年7月27日改訂 2020年5月24日微修正 感謝の言葉(後書きに代えて) まず、拙い小説を最後まで読んでいただいた方、どうもありがとうございました。突然自分で2次小説を書いてみたい、ホームページで掲載していただけないかという私の申し出を快く受けていただいたtiraさん、どうもありがとうございました。自分でも小説を書いてみたらと勧めてもらい、書くきっかけを作っていただいたsatoさん、どうもありがとうございました。そして、これまで小説を読ませていただきましたたくさんのTS小説作家の皆様方、どうもありがとうございました。 この小説はtiraさんの「ゼリージュース(赤色)」に出てくるTSゼリージュースが開発されていく過程を描いてみたいと書き始めてみたものですが、「ゼリージュース(赤色)」に繋がるまであと2〜3話かかると思います。ただ、物語を書くというのは初めての経験です。書き始めたものの「早い」「うまい」「(萌え)やすい」と3拍子揃ったtiraさんのところに載せていただいているのに、次回まで時間もかかると思いますし、頭の中で描いているものをうまく表現できるか、そして読んでいただいた方に何らかの満足を得てもらえるか不安は尽きません。でも、少なくとも書いていて(自己中心ではない範囲で)自分も楽しめる、そんなものを目指してみたいと思います。 ということで少し先になると思いますが次回もよろしくお願いいたします。 それでは、皆様どうもありがとうございました。 toshi9より 感謝の気持ちを込めて |