クリニックYUKI 作:toshi9 俺の名前は水田繁、30歳になったばかりのサラリーマンだ。ガールフレンドを作って遊ぶことにそれ程興味の無い俺は、仕事が終わった後自宅で同好の士とチャットに興じるといった毎日を過ごしていた。そんな俺が「クリニック・YUKI」の存在を知ったのはある夜のチャットでのことだった。 「・・・というわけさ。すっげえよかったぜ」 「でもそれはネット小説の中でのお話ですよね」 「いや、違うよ。現実に俺がこの間体験したことさ」 「それが本当なら、私もそこに行ってみたいですよ。是非アドレスを教えてください」 「ああ、アドレスはhttp//www.XXXXX.XX.XX。HPの名前は『クリニック・YUKI』だ。興味があるなら覗いてみるといいさ」 「ありがとうございます」 チャットから出ると、俺は早速そのアドレスを打ち込んでみた。 すると、画面に本当に『クリニック・YUKIへようこそ』と書かれたかわいらしいデザインのトップページが出てきた。 早速入口をクリックして中に入ってみた。それは一見女性向けエステサロンのHPだったが、よく見るとどこか違う。そう、女性用のいくつかのコースの他に男性用というコース名があったのだ。さらにその中に入ってみると、そこには確かにチャットで聞いた通りのことが書かれていた。……しかしこれは本当なのか。 そのHPの予約フォーマットで予約を入れた俺は、予約の当日どきどきと期待に胸を高まらせながらHPに載っていた地図を頼りにその場所を探した。 『クリニック・YUKI』 渋谷の公園通りから裏通りに入った雑居ビルにその看板は掲げられていた。 恐る恐るドアを開けると 「いらっしゃいませぇ」 受付に座っていたピンクのナース服の女の子に声をかけられた。 「こちらは初めてですかぁ」 「はい」 「予約は」 「ネットで」 「ええっとぉ、ちょっと待ってくださいねぇ。今日の予約は……水田繁さん……ですねぇ」 「そうです」 「摩耶、お客さん?」 「はい、先輩、予約の方ですよぉ」 「そう、じゃあ中に通して」 奥のドアの内側から女性の声がする。クリニックの先生だろうか。 「じゃあ奥にどうぞぉ」 診察室?の中に入ると、髪を金髪に染めた白衣姿の女医さんらしき人が脚を組んで座っていた。 「水田繁さんね」 「はい」 「どこでうちのことを知ったの」 「チャットしている時に、ここの体験をしたという方からアドレスを聞きました」 「そう、じゃあ率直に聞くわ。あなたはどんなことが体験したいの」 「そ、それは」 「ここはカウンセリングも兼ねているから、はっきり言いなさい」 「実は、女の子になって女性のセックスを体験してみたいんです」 その瞬間彼女の目がきらりと光ったような気がした。 「そう、セックスを体験してそれからどうしたいの。女の子のもっといろんなことを体験してみたいの」 「そ、それは……ただ女性のセックスに興味があって、その・・・男では得られない快感というのを一度体験できたらなぁって昔からずっと思っていたんです」 「・・・わかったわ。で、うちのシステムはHPで見たんでしょう」 「はい」 恐らくこの女性が院長先生なのだろう。彼女は俺に質問しながら、ノートパソコンに何やらデーターを打ち込んでいる。 「あなたの希望はわかったわ。そうね、じゃあ〈R−02コース〉にしましょうか」 「は?」 「今晩8時にもう一度ここにいらっしゃい。診察料とそれに今晩の体験料は今頂くことになるけれど、それでいい?」 「はい、大丈夫です」 「じゃあ、今晩を楽しみにね」 「あ、あの〈R−02〉コースって」 「あら、心配なの」 「い、いえ」 「大丈夫、あなたの望みは叶えてあげるから」 それから数時間、俺はわくわくしながら渋谷の街中で時間を潰した。街を歩くといろんな女の子がすれ違っていく。俺はどんな女の子になってセックスを体験するんだろうか。制服姿のOL、ぴちっとしたジーンズとTシャツを着て友達同士で歩いている女の子、大人しそうなセーラー服の女子高生・・・歩く女の子たちの姿を見ながら俺はにやついていた。そんな俺を女の子達は気味悪そうに避けていく。 そして8時、俺は再びクリニックのドアを開けた。 「じゃあこれを飲んで」 先生から渡されたのは、1本の赤い飲み物と2錠のカプセルだった。 「効果は3時間に調節してあるから」 「はあ」 「隣の部屋に入ったら、まず服を全部脱いで裸になるのよ。それからこれを全部飲みなさい。そして中のベッドでしばらく仰向けになってじっとしているのよ。服は全てロッカーの中に入れてね」 「はあ、わかりました」 俺は渡されたペットボトルとカプセルを持って隣の部屋に入ると服を脱いだ。そしてボトルのキャップを開けてまず赤い飲み物を飲んだ。赤い飲み物は、飲み物というよりもぷるっとしたゼリーだった。いちご味のそれは少し甘いけれどまずまずおいしいものだった。飲み終えると続けてカプセルをごくっと飲み込む。 部屋に置かれていたベッドはとっても柔らかいウォーターベッドのようなものだった。俺が其処に仰向けになると、ぐぐっと体が沈み込む。 それからベッドに寝たまましばらくじっとしていると、部屋の温度が適度に調節されているせいか段々眠気が襲ってきた。 俺がそのままうとうととしていると、しばらくして女子高生が入ってきた。白いセーラー服に思いっきり短い紺のスカートを穿いた結構かわいい子だ。 彼女は部屋に入るときょろきょろしていたが、俺に気づく様子でもなく俺の寝ているベッドに近づいてきた。 「えっと、このベッドに寝ればいいのね」 と、彼女はセーラー服を脱いでショーツとブラジャーだけの格好になると、いきなり寝ている俺の腹の上にお尻を乗せてきた。 「え?」 びっくりした俺は反射的に退こうとしたが、何故か体が痺れたように動かなかった。そして俺の腹に乗ったかと思った途端彼女のお尻はそのまま俺の中にずぶずぶと入っていった。 「???」 彼女もちょっと怪訝な感じでそれからちょっとの間躊躇していたが、そのまま俺の上に自分の体全部を乗せてきた。 この体勢だと寝ている俺の上に彼女の体が乗っかるはずなんだが、何かおかしかった。それはまるで俺の体が乗っかってきた彼女の体を包み込んで、そのままじわじわと彼女の体の中に入っていくような変な感覚だった。 「ん〜何か変な感じ。先生ったらベッドにある人型の窪みに体を合わせて横になって10数えなさいって言ってたけれど、この人型の中ってダイエット用の薬か何かが入っているのかな。何かが体に染み込んでいく感じ」 そして10数えた女子高生は再び起き上がってセーラー服を着込むと、部屋を出て行った。 「さあ、水田さん、起きて」 その後受付の子が入ってきて俺に声をかけてきた。その時にはもう俺の体も動くようになって、そのまま一人で起き上がれた。しかし、立ち上がった途端に何か変な違和感を感じる。何だこの違和感は。 「じゃあこれを着てくださいねぇ」 彼女が俺に差し出したもの、それはさっきの女子高生が着ていた制服と同じ白いセーラー服だった。それに白いショーツとブラジャーも一緒に渡された。 「ええ?そんなもの俺の体に合うわけないじゃないですか」 「あら、大丈夫。ちゃんと合いますよぉ」 「???」 「ほら、鏡をよく見てくださいねぇ」 「鏡? え!」 そこにはさっきの女子高生が映っていた。しかも裸だ。 「こ、これって」 「さあさあ、あと二時間半しか効かないんだから、早くしないといけませんよぉ」 「え?何時の間に、俺があの子? そんな……そう言えば、声がおかしい」 「ふふっ、さあさああたしが手伝ってあげる」 半信半疑の俺に女の子がショーツを渡す。渡されたショーツに足を通して穿くと何も無い股間にピチっとフィットした。ショーツの上から手で触ってみると、そこは平べったくそこには本当に何も無かった。全く何だかおかしな感じだ。 ブラジャーを着けてもらうとちょっと息苦しかった。 「あれぇ、千夏ちゃんブラのサイズって合ってないのかな。駄目だなぁちゃんと合うもの付けなきゃ」 ミニのプリーツスカートを穿かされ、セーラー服の上着も着せられる。全く彼女にお任せだ。 そしてさっきの女子高生の制服をすっかり着終えた俺は、全くさっきの女子高生そのまんまの姿になっていた。 こ、これ、本当に俺なのか。この女子高生が……俺 鏡に映った女子高生はちょっと恥ずかしそうにこっちを見ていた。 そしてその時院長先生が入ってきた。 「さあて水田さん、じゃあこれからすぐにこのマンションに行って、そしてこの人に会って頂戴。あ、それから今のあなたの名前は岡田千夏だから」 渡されたのは地図と名前の書いてある20位の男の写真だった。 「え? どうするんですか」 「そこに行けばあなたの望みが叶えられるわ」 「そ、それってもしかして、この男と……あ、あの」 「ええ、女の快感を堪能することね」 「は、はあ」 時間が無いからと、俺は急かされるように女子高生の姿のまま外に出された。 そうだ、俺の今の名前は岡田千夏。俺は女子高生になったんだ。歩くとスカートの裾が脚に触れ、その下をすーっと風が通り抜けていく。これがスカートを穿いて歩く感覚・・・ズボンとは全く違うその感覚は俺を少し心細くさせたが、とっても新鮮な感覚だ。 それにしても勢いでこんなことになったけれど、俺に本当にできるんだろうか……男とえっちなんて。 マンションに上がりインターホンのボタンを押す。 「どなたですか」 「あ、あの、岡田千夏です」 「ああ、千夏ちゃんか、待ってたよ」 マンションのドアが開く。そこには俺より年下の男が立っていた。 「本当に来てくれたんだね。うれしいよ」 男は俺の体を嘗め回すように見ていた。うう、何か気持ち悪い。 「さあさあ上がって」 「は、はい」 「それにしてもうれしいなぁ。千夏ちゃんからえっちしたいって連絡してくれるなんて。じゃあ今日は僕がとっても気持ち良くしてあげるからね。もう君が僕から離れられなくなる位にね」 ううっ、何か変なしゃべりかたをする奴。 男は俺の肩に手を回すと、そのまま俺をベッドに誘った。 「さあさあ、早く脱いで、いや、僕が脱がしてあげようか」 そう言うと、男は俺の胸のリボンを解いて上着を脱がせ始めた。す、素早い! 「ちょ、ちょっと」 「うわぁ、きれいだよ。千夏ちゃんの胸。ほらスカートも脱いで脱いで」 スカートのホックが外されファスナーをさっと下ろされる。プリーツスカートがふぁさっと床に落ちた。 「千夏ちゃん着やせするタイプなんだね。胸もお尻もほんときれいだ。思っていた通りだよ」 男が俺の胸をまさぐり始めた。最初は優しく、段々激しく。そして俺の中から少しずつに何かが込み上げてくる。それは切ないような変な感覚だった。 「あ、ちょっと、そんな、あ、あん」 男の手がショーツの上から俺の股間を弄り始めた。体の奥から何かがじわっとそこに出てき始めたのを感じた。 「ふふふ、気持ち良くなってきたようだね」 男が手をショーツの中に入れ、中指を俺の股間の奥に入れていく。そして少しずつ動かし始めた。 「ひゃっ、な、なにこの感じ。う、う、くぅ、くあっ」 指が動かされる度にそこから何かがじわじわと高まっていくのを感じる。そして俺のそこは段々ジュッジュッといやらしい音を立て始めていた。 「あ、ああん、き、気持ちいい。これが女の子の感じ」 「千夏ちゃん変なこと言うんだね。そうさ、気持ちいいだろう。でももっと気持ち良くしてあげるよ」 男は自分も服を脱ぎ始めた。男の一物が俺の目の前に晒される。・・・俺のより大きい。 そしてそれはすでに固く直立していた。 これが、お、俺の中に入るのか! 俺は期待を不安の両方を感じながら男のそれを見詰めていた。 「さあいくよ」 男は俺の両足を両腕で押し広げた。体の中を駆け巡る快感で力の入らない俺はもう男のされるがままだ。最初はいざ男とセックスするとなると気持ち悪いという気持ちもあったんだが、この頃になると、もう男に弄られて湧き上がる快感に次はどんなことをされるのかわくわくした気持ちになっていた。 男の一物が徐々に俺の股間のソコに近づいてくる。 ああ、もうすぐ、もうすぐ先っぽが触れる。 あ、触った。ひ、ひゃぁ。 その感触は指とは全く違う刺激を俺のソコにもたらした。 「ほら、入れるよ、力を抜いて」 「う、うん」 俺が言われたようにふっと股間の力を抜きながら股間を見ると、目の前でぐーっと男のものが俺の中に入り込んでいった。 は、入った。 「さあ、動かすよ」 男が少しずつ腰を動かす。その度に俺の中に男のものが突き入れられていく。そして俺の頭の中はその快感に段々真っ白になっていく。 男が俺の体をくるりと回し鏡に向かって結合した股間を晒した。 「ほら、千夏ちゃん、君は今僕のものをすっかり咥え込んでいるんだよ。よーく見てみなよ」 鏡には裸の千夏ちゃんが……千夏ちゃんになっている俺の姿が……男に両脚を広げられその一物を股間の中にすっかり入り込ませた俺の姿が映っていた。 「これが、俺、こんな格好なんて、や、やめ、く、くふぅ」 「ほら、ここもどうだい」 男がすっかり固くなった乳首をこねくり回す。そこからも心地よさが湧き上がっていく。 「い、いや」 さらに男が腰を突き動かす。もう何も考えられない。そして何時の間にか俺も両脚を男の腰に絡めて自分で腰を動かし始めていた。 き、気持ちいい。 「ほら、じゃあ僕もそろそろいくよ」 男の動きが段々激しくなっていく。 駄目だ……もう何も…… 「あ、あん、あん、だ、だめ、だめ、い、いく、いくぅ」 そして俺は股間の中の男のものから熱いものが勢いよく注ぎ込まれるのを腹の中に感じながら果てた。 こ、これが女の快感・・・・ 「先輩、あのマンションって」 「ああ、千夏ちゃんってストーカーされて困っていたみたいなの。それで彼に身代わりになってもらったのよ。エステには心のケアも大事だからね。さて、そろそろ3時間経つ頃ね。下剤が効いてくる頃よ」 「千夏ちゃん、とっても良かったよ。これから毎日二人で楽しもうね」 「う、うん」 ベッドの中で俺は今のえっちの快感を反芻していた。 俺は女子高生岡田千夏としてこいつとえっちしたことになるのか。しかしこんなに気持ちいいもんだとは。話に聞いていた以上だぜ。 ん?でも待てよ、あの院長確か3時間って……何なんだ。 ぐ、ぎゅぐ〜 お、お腹が。 何なんだ、お腹が……突然もよおしてきた。 「ねえ、ごめんトイレ貸して」 「そこだよ。でもそのまま行くんだな。裸のままでね」 「ええ? そんな恥ずかしい」 「じゃあ我慢するんだな」 「わ、わかったよ」 男に言われるままっていうのも癪だったが、もう我慢できない。俺は裸のままベッドを飛び出すと、トイレに駆け込んだ。そんな俺を男はにやにやとうれしそうに見ていた。 ジャー 出すものを出してほっとしてトイレから出ると、男は相変わらず俺のほうをにやにやと見ている。 「裸のままトイレから出てくるか、何かそそられるな。もう一回いくか」 「え? う、うん」 「ん? 千夏ちゃん、何だか背が伸びていないか」 「そう?」 いや確かにおかしい。自分の体を見ると、まるでモーフィングのように体型が変わっていくのがわかった。そう、元の俺の体に。 気が付くと、俺はフリチン状態で男の目の前に立っていた。 「え! お、お前男だったのか、俺は男と、う、うわぁ〜。で、出て行け、二度と俺の前に現れるな」 「い、いや違うんだ、これは……」 「出てけ〜」 俺は着てきたセーラー服を引っ掴むと慌ててマンションを飛び出した。 えっちは気持ち良かったけど、何でこんなことに、ひぇ〜 「私の計算通りなら、これであの男は多分二度と千夏ちゃんに近づかないわ。それに今日のお客さん・・・水田さんも望み通り女の快感を得られたんじゃないのかな」 「へぇ〜、一石二鳥ってやつですね。さすが先輩」 「いいえ、一石三鳥よ。水田さんからは代金を頂いているから、しっかりうちの売り上げになっているしね」 「さ、さすがですぅ」 「じゃあ摩耶、今夜はうちでどう?」 「はい先輩♪」 「さあて、明日はどんなお客様がくるかな。楽しみ、うふふふ……」 (了) 2003年9月24日脱稿 後書き 外伝の続きも裏も書かないでこんなもん書くなって怒られそうですが、ちょっと「ゼリージュース!(本編)」が進行している時点で由紀さんがどうしているのか書いてみたくなったので、海外出張中に飛行機の中で書いたものを帰ってきた後で仕上げました。 まあ結局彼女は摩耶ちゃんと一緒に高原ビューティクリニックを退社して、個人クリニックを開業しているということですね。勿論メインは女性用のエステですが、その裏でゼリージュースを使って男性用のクリニックも営業しているというわけです。つまり予約した男性の要望に応じてゼリージュースの種類と使い方、その持続時間を使い分け、応えていくということですね。カプセルは痺れ薬と下剤です(笑) まあシリーズ化するかどうかわかりませんが、取り敢えず由紀さんも彼女らしく元気でやっているということで。 それではお読み頂きました皆様、どうもありがとうございました。 |