「わたしのわんこ(後編)」
(ファシット・ファクトリー・シリーズ)
作:JuJu
あたしは桜乃の後ろにまわった。ノースリーブのワンピースの、背中のボタンをはずす。
桜乃の前にまわってワンピースを引っぱる。桜乃はおすわりのかっこうをしたままだ。あたしに体を任せている。
ワンピースはあっけないほど簡単に脱げた。
ブラウスも脱がす。スリップも脱がす。
下着姿にされても、甘えた笑顔の桜乃。
ショーツとおそろいの、ブラジャーが可愛い。
いいなぁ、桜乃はこういう可愛いブラがつけられて。
あたしの胸のサイズだと、こんな可愛いタイプはない。
あたしもこういう可愛いブラをつけて見たい。
だけど、もういいんだ。桜乃の体はあたしの物だもの。
抱きしめる様に桜乃の背中に手を伸ばし、ブラのホックを外した。
小ぶりな胸があらわになる。
ショーツが脱がせられないので、桜乃をあお向けに寝かせた。
ショーツに手を掛ける。ゆっくりと脱がした。
「桜乃の裸。きれい……」
桜乃の小柄な体は、長身で悩んでいる私にとっては憧れだった。
小さな背。胸もお尻も、小さくて可愛い。
白い仔犬を思わせる体。
この体を、あたしの思いのままにしていいんだ。
あたしは、買って来た首輪の事を思い出した。
桜乃があたしの物だと言う証拠。首輪。
「犬ならば、ちゃんと首輪をつけないとね」
あたしは机の上にあった首輪を取ると、桜乃に首輪をはめた。
これで桜乃はあたしの物になった。
あたしは服を脱ぎ始めた。
* * *
私の目の前で、愛華が服を脱ぎ始めた。
彼女の裸を見るたびに、私は自分の体が情けなくなる。体が動くのならば目をそらしたかった。
愛華は背も高く、胸やお尻は大きくて形も良い。ウェストは絞まっている。大人っぽい服が似合う、モデルの様な体格だ。
特に、脚線美が美しい。
学園でも愛華の美しさにあこがれている女の子も多い。
「愛華様の美しさを見習いたいですわ」と言う声を、私も何度も聞いた。
私は心でため息をついた。
(やっぱり愛華って素敵)
同性でさえあこがれる愛華が目の前で裸になっているのだ。
それに比べて私は背も低く、胸もお尻も小さい。
愛華にだけは、そんな貧相な自分の体を見られたくなかった。
だから体育とかの着替えの時も、出きるだけ愛華の視線を避けてきた。
犬の様なポーズも恥ずかしい。でもそれ以上に、愛華に自分の裸を見られるのは、もっと恥ずかしかった。
だけど、どんなにいやがっても、体は勝手に愛華の方にむいてしまう。
愛華はベッドであお向けに寝そべった。
「来て」
突然、私の体が勝手に動き出した。
私の体は四つんばいのままベッドに飛び乗ると、愛華に近づいた。
(え? 何をする気?)
私の顔は、愛華の大切な部分を目指して近づいた。
(やめて!
そんな事をしたら、愛華に嫌われちゃう!!)
いくら心で叫んでも、顔は勝手に愛華のアソコに近づいていく。
(だめ! 誰か、助けて!!)
私の口は開き、愛華のアソコを舐め始めた。
舌が上下に動き、アソコを舐める。
何度も何度も。
(とまって! お願い)
願っても止まるどころか、ますます舌の動きは激しくなって行く。
「ハアハア……桜乃……桜乃……」
愛華はかすれた、上ずった声で私の名前を呼んでいた。
愛華、感じてるの?
(だめ! そんなの、だめ! 愛華に嫌われる!!)
私の両手は愛華のふとももをつかみ、愛華のふとももを大きく広げさせた。
舌はますます、愛華の奥へと目指す。
私の舌が舐めるたびに、愛華の体が震えた。
愛華の呼吸に合わせる様に、私の舌も動く。
(もう……、もうやめて)
「あ……あああ……。桜乃!!」
愛華は体を弓なりにしたかと思うと、また私の名前を呼んだ。
「桜乃〜!!」
(ごめんなさい、愛華。
からだが勝手に動くの)
私の視界に、愛華の顔が映った。
え? どうしてそんなに嬉しそうな顔をしているの?
私にアソコを舐められているのに。恥ずかしくないの?
愛華は桜乃の心を読み取ったみたいに言った。
「桜乃に、してもらいたかった。
他の人だったらこんな事、絶対いやだけど。
桜乃にはしてほしかった」
私……だから?
こんな私を許してくれるの?
私だから、こんな事をされても平気だっていうの?
また、愛華の顔が視界に入った。
(愛華ったら、あんなに幸せそうな顔をして。
わかった。
愛華の為ならば、私は犬にだってなれる)
私は心を体の動きに合わせた。
勝手に体が動いているのではなく、私が愛華のアソコを舐めている気分になってくる。
「桜乃!」
(愛華!)
愛華の声に、私は心の中で答える。
「桜乃!」
(愛華!)
私は一心不乱に舐めた。
体が勝手に舐めているのか、私の意思で舐めているのかわからなくなっていた。
わかるのは、私は今大好きな愛華のアソコ舐めているって事だ。
* * *
桜乃。あたしのアソコを舐めながら、なんて嬉しそうな顔をするの?
可愛い。必死にあたしのアソコを舐める桜乃。嬉しそうに。
そんな幸せそうな顔で、舐められたら、あたし……いっちゃう……。
桜乃を好きにしていいんだ。
支配欲が満たされたせいか、今度は別な感情がわいてきた。
このまま桜乃を壊してしまいたい。
小さな桜乃。その桜乃を思いっきり抱きしめて、壊してしまいたい。なぜか、心の奥底から、そんな気持ちがわいてきた。
* * *
愛華は弓なりに体を反らした後、ヨロヨロと上半身を起こした。
私を抱いた。
顔を上気させている。
目の焦点をむりやり私に合わせる。
「桜乃、大好き!!」
愛華は私を抱きしめた。
(大好きっていったのね?)
愛華の大きな胸が私の胸にあたった。
憧れの体が、私を抱いていた。
愛華のぬくもりが、私の体にそのまま伝わってくる。
私は自分でも何も考えられなくなっていた。
愛華が怒っていない。愛華に抱きしめられている。
その二つの出来事が嬉しかった。それだけでよかった。
ゆっくりと、思考が戻ってくる。
私は愛華をいかせてしまったんだ。
あこがれた愛華を、いかせてしまった。
幸福感が私を襲った。
あこがれの体を、私のものにした気がした。
やっとわかった気がする。
私は愛華が好きだと言う事を。
しばらくして、愛華はベッドから立ちあがった。
「桜乃、ちょっとまっていてね」
そう言うと部屋を出ていった。
愛華がいなくなると、私の体は部屋を出ていった。
四つんばいのまま、廊下を歩く。
(どこに行くの?)
私の体は廊下の一番奥に向かった。そこにはバスルームがある。
バスルームには犬用のトイレが置いてあった。
(まさか!)
私の体は、犬用のトイレの上で立ち止まると、片足を上げた。
(やめて、こんな所でおしっこなんて!!)
体は勝手に放尿をした。
おしっこはふとももに滴り、床に伝わる。
惨めな気分だった。
(足についたおしっこを拭かなくちゃ)
そう思うと、あたしは立ち上がった。
「え? 動いた」
理由はわからないが、急に体が動ようになった。
あたしはタオルを見つけて、足を拭いた。
いつからここにいたのか、足元にはタローがいた。寝息をかいている。
体は自由になったけど、これからどうしよう?
できればここから逃げ出したかった。愛華の前で、犬の振りをしてエッチな事をしてしまったなんて、恥ずかしくて仕方がない。
でも、突然逃げ出すのもどうだろう? 学校で顔を合わせた時にどんな顔をしたら良いのだろう。
「桜乃〜? どこにいったんだろう?」
私をさがしているのだろう。
愛華の呼ぶ声が聞こえた。
愛華が廊下に来た。私の目に愛華が映る。
しかたない、今は犬のふりをつづけよう。
犬のふりをつづけながら続けながら考えよう。
今は犬になりきろう。
そうだ、私は犬だ。
犬なんだ。
* * *
エッチしてもらいながら思った事がある。
それは小さな桜乃を思いっきり抱きしめて、壊してしまいたいたかった。それほど可愛かった。
それは出来なかった。
でも、壊してしまいたいと言う思いは止まらなかった。
そのかわり、桜乃を散歩につれていく事を決めて我慢した。
この時間帯になれば、住宅街であるこの周辺は人通りがなくなる。
もちろん、人が歩いている可能性もあるが、そのスリルが堪らない。
あの喫茶店のウェイトレスの女の子によれば、桜乃の心は桜乃のままだと言う。
体を傷つける事が出来ないのなら、心を壊してしまいたい。
あたしに下着姿を見られただけで恥ずかしがる桜乃。
そんな桜乃なら、裸で犬のかっこうをして、外を散歩するなんて、心が壊れてしまうほど恥ずかしいだろう。
どうせゼリー・ジュースの効果が切れれば、辛い事や嫌な事は忘れてしまう。なにをしたって平気だ。
桜乃に対する罪悪感があたしの心を刺激した。
だけど、桜乃を自由に出来るのは今夜だけなのだ。
悩んでいる余裕はない。
もうすぐゼリー・ジュースの効果が切れる。
今を逃したら、二度機会などない。
絶対に後悔する。
やるしかない。
やらなければ、あたしの心が収まらない。
その代わり、この散歩が終わったら、ただの友達に戻ろう。
だから桜乃、今夜だけ、許して欲しい。
* * *
「ワン」
私は犬の振りをして愛華を呼んだ。
愛華が近づいて来る。
「こんな所にいたのね?」
愛華は私の首輪にリードをつけた。
「それじゃ、お散歩しましょう」
「ワンワン!」
私は嬉しい振りをした。
体全体をクネクネとよじらせて、幸せを表現した。
「よしよし。じゃあ、行こうか」
私は愛華と並ぶように歩いた。
愛華は玄関に向かって歩いた。
靴をはき始めた。
(え? 散歩って、部屋の中を歩くんじゃないの?
まさか、このかっこうで外に行くの?)
どんなに犬の振りをしても、裸だったとしても、エッチな事をしたとしても、知っているのは愛華と私だけだった。
愛華と自分だけの秘密といえた。
だけど、外に出るとなれば、どこで誰が見ているかわからない。
でもいまさら「実は人間にもどってました」とも言えなかった。
放心状態だった私を、首輪の感触が戻させた。
首輪で引っ張られる感触。
愛華が私を引っ張っていた。
やっぱりやめよう、裸で外出なんて出来ない。
そう言おうとした時、愛華の顔が目に入った。
幸せそうな顔だった。
どうしよう。
今、人間にもどったら、愛華のアソコをなめてしまった事をどう説明すればいいんだろう?
「体が勝手に動いて、愛華のアソコをなめてしまいました。私の意思じゃありません。
でも、裸で外に出る事になったら、急に体が自由に動くようになりました」
そんなわざとらしい理由があるだろうか?
私は愛華を失いたくない。
第一、体が自由に動くようになってからも犬の振りをして愛華をだましているのは事実だ。
それに、私が犬になってアソコを舐めた時、愛華は恥ずかしさに耐えてくれた。私だって、絶えなくては。
人間にもどっている事を悟られない様に、思いっきり笑顔をつくって、愛華を見上げた。
「ワン!」
私は自分の意思で、前に進んだ。
* * *
首輪をしたまま四つんばいでお散歩。
あたし達はマンションを後にした。
桜乃はどう思っているんだろう?
見た限りでは、うれしそうだけど。
桜乃の心は恥ずかしくてしかたないと思っている。だけど、タローに支配された体は勝手に動いてしまう。そんな所だろう。
もちろんあたしだって気を使っている。
人気の少ない道を選んで散歩しているし、人の気配には十分気をつけている。
この住宅街は入り組んでおり、大きな並木や塀など隠れる場所はいっぱいある。
タローの散歩の時を思い出しながら、いざと言う時に隠れられる場所を捜しながら進んでいる。
だが、桜乃はそんな事はわからないだろう。
恥ずかしくて、もうなにも考えられないかもしれない。
* * *
私は裸で外を歩いている。
四つんばいで、犬の様に首輪までつけて。首輪からはリードが伸びている。
恥ずかしかった。
アスファルトの道には、時々小石が落ちていたりして、手や足がいたかった。
でも、その苦しみもすべて愛華の為だと思うと、不思議に収まった。
愛華の為ならば、私はこんな事をしたって平気だ。
愛華が喜んでくれるのなら、犬にだってなれる。
それが、誇らしく思えた。
歩いていると、電柱が見えた。
犬だったら、電柱でおしっこをしないと。
私は室内トイレでおしっこをした時の体の動きを思い出しながら、おしっこをした。
電信柱に近づき、片足を上げた。
電信柱に向かって、おしっこをする。
「これで終わりね。何もかも。本当に楽しかった」
愛華が言った。
(終わり? 帰るの?)
桜乃は思った。
「言い訳はどうしよう?
桜乃の記憶はのこっていないんだから、なんとかなると思うけど」
おしっこが終わると、愛華は私の目の前でしゃがんだ。
首輪を外す。
愛華はしばらく、私の目の前で座っていた。
「とりあえず、あたしん家に行こうか?」
私達は歩き出した。
しばらくして、愛華が立ち止まる。
「桜乃? まだ元にもどらないの?」
「ワン?」
(元にもどる?)
その時、人の声が聞こえた。
酔っ払いらしい。夜桜見物の帰りだろうか?
「桜乃、こっち!」
私は愛華を追って走った。
私達は、聖心女学園に入った。
「ここなら、人はこないから」
教会に続く並木通りの桜は、ほとんど散っていた。
わずかに残った桜の花びらが舞い落ちている。
(そういえば、ここで愛華と出会ったんだっけ)
「ねぇ? まだ戻らないの?」
私の前に来てしゃがんだかと思うと、突然抱きしめた。
「タローも出てこないし。
こんな事は考えたくないけど……。
ウェイトレスの女の子、ゼリー・ジュースは失敗作だっていっていた。
失敗作だって!!
桜乃がずっとこのまま、なんてないよね?」
さっきから愛華の様子が変だ。
(元に戻るとか、ゼリー・ジュース? 一体、なんのこと?)
「心は桜乃のままなんでしょ?
だったら、聞いて……」
愛華はゼリージュースのことを、ポツリポツリと話し始めた。
私の体が勝手に動いたのは全部、愛華が仕組んだ事だったらしい。
(じゃあ犬になって、愛華のアソコを舐めた事も、裸で散歩させられた事も、
みんな、愛華が仕組んでいた事だったの?
酷い!!)
私は思わず、愛華を責めようとした。
だけど、できなかった。
目の前で愛華が泣いていたから。
綺麗な顔をぐしゃぐしゃにして。
「こんなつもりじゃなかったのに。
このままずっと犬として生きるなんて。あんまりよ。
お願い! 元に戻って!
好きだった。
心から本気で好きだったの。
ただ、その思いをどうして伝えればいいかわからなくて、こんなことをしてしまったの。
ごめんなさい。
これはあたしだけの遊び。遊びが終わったら桜乃には迷惑をかけないつもりだったのに」
愛華は教会を見た。
「これは罰だ。きっと桜乃をもてあそんだ罰だ。
でも罰を受けるべきなのはあたしだ。
でも、桜乃は関係ない」
愛華が言った。
その後は、ただ「ごめんね、ごめんね」繰り返すだけだった。
「そうだったの……」
私は言った。
「え? もとにもどったの?」
「実は……」
私もタローに憑依されてからの事を全部言った。
話を聞きながら、愛華は「よかった」といって、また泣いた。
愛華はあたしを本気で愛してくれたんだと、感じることが出来た。
愛華が言うには、タローに憑依されていた時の事は忘れるそうだが、私は忘れていない。
なぜなら嫌な記憶ではなかったから。
愛華と恋人になれた、大切な思い出だから。
泣きながら、愛華はいきなり上着とスカートを脱ぎ始めた。
下着姿になる愛華。
そして、私に着せた。
「桜乃、これを着て。
あたしは平気。裸の桜乃に比べれば、恥ずかしくないから」
下着姿の愛華と、ブカブカの服を着た私。
そんな女二人が、深夜の通りを泣きながら歩いていく。
もし、誰かが見ていたら、おかしな姿に見えただろう。
でも私たちを知っているのは学園の桜の木だけだった。
* * *
私たちは愛華の部屋に戻ってきた。
私は椅子に座った。愛華は向かい合う様に、ベッドに座っている。愛華の足元でタローが寝転んでいた。
「私が好きならば、どうして告白してくれなかったの?」
「だって、断られたらと思うと、怖かった……」
泣きやんでから、ずっとうつむいていた愛華は言った。
「どうして怒らないの? わたしはあんな酷い事をしたのに?」
沈黙。
先に口を開いたのは愛華だった。
「こんなアタシの事嫌いになったよね?」
私は立ちあがると、黙って愛華を抱きしめた。
「今日の事は許してあげる」
愛華は顔を上げた。
「ただし、条件があるわ。
今日の事は、絶対に二人だけの秘め事だと言う事」
愛華は頷いた。
「そして、これからもずっと、いつまでも私のご主人様でいてくれる事」
「ご主人様?」
「それが、許す条件」
不思議そうな顔をしている愛華を横目に、私は自分の首に首輪をはめた。
「ワンワン!! 私は犬です。
ご主人様! またアソコを舐めさせてください!!
タローも手伝って!!」
私は愛華をベッドに押し倒した。
「わたしのわんこ」(ファシット・ファクトリー・シリーズ)/おしまい
* * *
あとがき
みなさま今日和! JuJuで御座います。
「わたしのわんこ」はいかがだったでしょうか?
書き始めた時はもっと短くて軽い話にする予定だったのですが、書いているうちにハードで長くなってしまいました。
なんか、ダラダラとした話になってしまいました。
ごめんなさいです。
あと、全然TSしてません。まあ、「雄」犬と人間の「女の子」って事で。(滝汗
このネタは本当は、もともとわたしの作品「Life」に使おうとおもっていた物です。
結局ファシット・ファクトリー・シリーズに使うことにしました。
よしおか様。
「復讐は、葛湯(くずゆ)で・・・」で「巨乳になりたい!(前編)」をヒントにしていただきありがとう御座います!(^^)
(こんな場所でお礼を言うのもなんですが)
「葛湯」って食べ物の方だったんですね。
「湯」って書いてあったんで、葛湯と言う名前の「お風呂屋さん」のお話とか思ってしまいました。(バカ)
それでは、また次回作でお会いしましょう!!(^^)/
JuJu拝