「水泳部の先輩(その3)」
(ファシット・ファクトリー・シリーズ)
作:JuJu
工藤先輩の手はブラウスのボタンに向かった。指が勝手に細かく動いて、ブラウスのボタンを外していった。
先輩を裸にするんだと思うと緊張が収まらない。
胸の前のボタンを外し始める。指に胸の感触が伝わって来た。想像以上に柔らかい感触に驚いた俺は、
わずかに体を震わせてしまった。指に胸の感覚が伝わるのと同時に、胸からも指が触れる感触がする。
この細い指も大きな胸も、今は俺の物なんだと再確認させられる感覚だった。
ボタンが外れたブラウスの隙間からは、ブラジャーが見え隠れしている。さすがに恥ずかしくなってしまい、俺は目をそらせた。
目をそらせた先には、工藤先輩がいた。
女子更衣室に入る緊張で今まで気がつかなかったのだが、更衣室の一番奥に、人の背の高さほどの鏡が置いてあったのだ。
人のいないの更衣室の中でなぜ山本がこの場所を選んだのか、その理由がわかった。
俺が鏡に驚いている間も、先輩の手は休むことなく動いていた。
先輩の手は、ブラウスのボタンをはずし終わり、胸元をつかんで一気に開いた。ブラジャーに包まれた、
先輩の大きな胸があらわになる。
ブラウスを脱ぐ鏡の中に映る先輩の姿と、ブラウスを脱ぐ体の感触がシンクロする。
(目の前の服を脱いでいく先輩は、俺そのものなんだ)
そう思うと、服を脱いでいく恥ずかしさがますます俺の羞恥心を刺激した。
工藤先輩の手は、スカートに向かって行った。腰にある留め金を外すと、ファスナーを下ろす。太ももからスカートが落ちてゆく。
足元でスカートが着地して起きた小さな風を感じた。
下着姿の先輩が鏡に映っている。先輩の体は背中に手を伸ばすと、ブラジャーのホックをはずした。
ブラジャーに支えられていた胸が揺れる。一気に俺の体に、胸の重みが伝わって来た。
(重い……。先輩の胸って、こんなに重いんだ?)
工藤先輩の体はバッグからバスタオルを取り出すと、体に巻きつけてしまった。
もうちょっと下着姿を見たかったので手を止め様としたが、先輩の体は勝手に動いていて止められなかった。すこし残念だ。
先輩はバスタオルに手を入れると、ホックが外れたブラジャーを外してカバンの中にしまった。
次に体に巻きつけたバスタオルの裾から手を入れてパンツを脱いだ。バスタオルに阻まれて先輩の体は見えないが、
パンツを脱ぐ感触が伝わってくる。
先輩はブラジャーと同じ様にパンツもカバンに入れると、代わりに水着を取り出した。まるで俺に見せる様に、
水着をロッカーの棚に広げた。俺は競技用のワンピースだとおもっていたのに、手にしているのは黒いビキニだった。
しかもハイレグだ。
先輩がこんなに過激なのを着ているなんて想像していなかった。確かに先輩は美人だしスタイルもいいから似合うと思うけど。
待て! と言う事はこんなすごいのを、俺が着るのか!?
先輩の体は驚いている俺の意思など無視をして、ハイレグビキニのパンツをつかんだ。足が上がってビキニに足を通す。
両方の足を通したと思うと、パンツを上げてはいた。ふくらはぎから太ももに向かって、パンツが上がって行くのが分かる。
お尻がパンツに納まる。男の物が無いので股間に水着がピッタリフィットして変な感触だ。
それは、肌に当たる感覚だけでも十分露出度が高いと分かるほどだった。
今度はビキニのブラジャーを手にとって、胸に当てた。バスタオルの中で器用に背中で紐を結ぶと、先輩の体はタオルを取った。
目の前には、見ている方が恥ずかしくなるようなきわどいビキニをつけた先輩がいた。
ハイレグの所を整える様に、水着から太ももに指を入れる。やっと、体が自由に動くようになった。
思わず恥ずかしくなって、タオルで体を隠そうとしてしまった時、山本の声がした。
「やっぱり夏美先輩って、素敵な体してます!」
確かにこのスタイルなら、多くの高校生の女子があこがれるだろう。
それに比べて山本は、高校生というのが恥ずかしいくらい、お子供の体型だった。
このまま小学生と言っても信じる人が出てきそうだ。無論、俺はそんな体型もひっくるめて山本が好きだ。
それにしても、さっきから体が熱い。理由はわかっている。
山本の着替えや先輩の体を見た俺の心の興奮が、工藤先輩の体を興奮させてしまっているのだ。
体は先輩だが心は俺の物なのだ。俺が興奮すれば当然先輩の体も興奮してくる。
もし山本にこの体が興奮している事がばれれば、工藤先輩が山本の下着姿を見て興奮してしまったと思われるだろう。
なんとかしなければ。それに股間のあたりが濡れてきて、ビキニパンツをぬらしていて気持ちが悪い。
(とにかくこの興奮を収めなきゃ……)
そう思った時、また体が歩き出した。
「?
先輩どこに行くんですか?」
俺の方が聞きたかったが、工藤先輩の口調を真似てごまかす事にした。
「ちょ、ちょっとね。すぐに戻るから、山本は先にプールに入っていて」
「え? 山本……?
あっ、はーい。じゃ、先にプールで泳いでますねー」
先輩の体が向かったのはトイレだった。
(トイレ? 小便でもしたいのかな? って、やっぱり、女子トイレ!)
先輩の体は、女子トイレに入って行く。
(まっ、まずいよ。俺が女子トイレに入るなんて、俺が変態みたいじゃないか。
いや、先輩の体で男子トイレにはいったら、それはそれで先輩が変態になってしまうけど……)
先輩は一番奥の個室に入ると、ビキニを脱ぎ始めた。両手は乳首に触れた。
な? そんな事!!
両手が先輩の胸を揉み始めた。
指は先輩の乳首を挟んで刺激する。
(これは? 先輩の体はオナニーを始めたのか?)
確かに、興奮を収めるのにはこれしか無いけど。
ハアハア。
ダメだ。止めようと思っても、先輩の体は勝手に動く。
それに頭の中が白くなって、思考を奪って行く。
俺はいつの間にか、快感に酔っていた。
先輩はいつもしているのだろうか。
先輩の指先は、手馴れた様子で体の中で一番感じる所を的確に攻めてくる。
先輩の体もそれに合わせて、まるで快感を楽しむ様に指に合わせて動く。
やがて先輩の指は、股間を目指して進み始めた。
だめだ、そこは……。
だが指は止まらない。
勝手に動く指のせいで、まるで先輩に犯されている幻想までしてくる。先輩の指に犯されて、先輩の体で快感をむさぼる。
自分が吉田信利なのか工藤先輩なのか、区別がつかなくなってきた。いや、もうそんな事はどうでもよかった。
この快感の世界では、幻想さえ現実に思えた。頭の中が白くなってなにも考えられない。
そして、今までに感じた事が無い程の大きな快感が体中を駆けめぐり、気がおかしくなりそうな時、体の中心で何かがはじけた。
「ハァッハァッ……!!」
トイレのタイルに反響した先輩の声が、耳に入ってきた。
俺は慌てて口を閉じた。
まだ息が収まらない。
頭がぼんやりするが、とにかく声をひそめないければならない事だけは理解できた。
指には粘膜質の液体が付いていた。
「アレが、女のイクって感覚か……」
俺はトイレット・ペーパーで指を拭いた。
水着を着ながら、深呼吸をして息を整えた。
山本が待っている。早く行かないとあやしまれる。
(つづく)
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《水泳部の先輩(その3)》[清書1]
(ファシット・ファクトリー・シリーズ)
2004/07/18-21 制作
2004/07/21 Ts・TSに投稿