目的の駅に着いた二人。
改札口を出て、目の前にある交差点を渡る。
俊行:「そのビルの2階だ」
紗結香(広幸):「ふ〜ん、ほんとに駅前なのね」
俊行:「丁度いい時間だな。そこの階段から上がろう」
紗結香(広幸):「うん」
7階建てのビル。
正面にある入口は閉まっているので、横にあった薄暗くて幅の細い階段を上がる。
そして2階に着くと、シャッターが降りている店が並んでいる廊下を歩いた。
コツコツとローヒールの足音が響いている。
普段はスニーカーばかりの広幸。こうやって女性だと言う事を認識出来る足音を聞くと、
なんだか嬉しくなってくる。
俊行:「ほら、ここだよ」
紗結香(広幸):「電気がついてる」
俊行:「入るぞ。ちゃんと紗結香らしくしろよ」
紗結香(広幸):「うん」
廊下が十字路になっていて、その角にある店だけ明かりが灯っている。
二人はそのシャッターが開いている歯科のガラス戸を開けて中に入った。
俊行:「すいません」
俊行兄さんが少し大きな声で挨拶すると、奥から「はいはい」という女性の返事が聞こえた。
スリッパのパタパタという音が近づいてくると、黒い髪を後ろに束ねて大きなマスクをした
女性が現れた。
白衣のような服を着て、いかにも「歯医者さん」と言った感じだ。
「久しぶりね、紗結香。元気だった?」
その女性はマスクをしたまま紗結香(広幸)に問い掛けた。
マスクをしていても、目を見れば微笑んで話し掛けたことが分かる。
雰囲気からして若そうな感じ。
紗結香(広幸):「ひ、久しぶり……ね」
急に友達のように話し掛けられた紗結香(広幸)は、緊張しながら何とか返事を返した。
「すぐに準備するからそこに座って待っててね」
紗結香(広幸):「う、うん……」
「あ、もしかして彼氏?」
女性が俊行兄さんを見ながら話す。
俊行兄さんは、ポリポリと頬を掻きながら、
俊行:「ま、まあ……そんなところでしょうか」
と答えた。
「良かったね。カッコイイ彼氏が出来て」
そう言って紗結香(広幸)から診察券と保険証を受け取った女性が、奥の診療室に戻ってゆく。
紗結香(広幸):「はぁ……」
ほんの二言ほど会話しただけなのに、ドッと疲れが出たと言う感じ。
紗結香(広幸)は長椅子に腰掛けると、深くため息をついた。
紗結香(広幸):「知り合いって言ってたけど、一体誰なんだろう?」
俊行:「俺も知らないな。知り合いの歯医者としか聞いてなかったから」
紗結香(広幸):「名前もどんな付き合いしてるのかも分からないなぁ。どうやって会話したら
いいんだろ」
俊行:「適当にしてればいいさ。お前から話を振ればいいんだよ、それで間が持つだろ。
抜歯なんて5分もすれば出来るんだからさ」
紗結香(広幸):「そんな事言ったって……それにまたお前って。紗結香って呼んでよ」
俊行:「くだらない突っ込みはいいから。すぐに戻らなきゃいけないんだって先に言っとけよ。
女同士で会話を始めると、大概長くなるんだよな」
紗結香(広幸):「…………」
俊行:「まあ、麻酔で思うように口も動かなくなるだろうから会話なんて出来ないさ」
紗結香(広幸):「……うん……」
俊行:「お前、それよりさっきから元のしゃべり方に戻ってるぞ。ちゃんと紗結香らしくしゃべれよ」
紗結香(広幸):「わ、分かってるよ、そんな事……」
「用意できたわよ。紗結香、奥の診察室に行くからこっちに来て。彼氏はそこで待っててね」
二人の前に戻って来た女性が声をかける。
紗結香(広幸):「じゃ、じゃあ俊行、行ってくるわ……」
俊行:「がんばれよ」
紗結香(広幸):「うん……」
紗結香(広幸)が女性の後についてゆく。
俊行はその後姿をじっと見つめていた――
診察室に移動した二人。
白衣を着た女性が紗結香(広幸)に話かける。
「紗結香、ジャケットを脱いでその籠に入れて。脱ぎ終わったらその椅子に座ってて」
紗結香(広幸):「え、ええ。分かりました」
「ふふ。緊張してるの?」
紗結香(広幸):「あ……そ、そうじゃない……けど……」
「まあいいわ。ちょっと待ってて」
紗結香(広幸):「…………」
女性は少し奥にある部屋に入って行った。
紗結香(広幸)はジャケットを脱ぐとプラスチックの籠に入れ、診察用の椅子に座った。
椅子と言っても、理髪店にあるような背もたれが自動的に倒れる少し大きめの白い椅子だ。
紗結香(広幸):「誰なんだろ……あの女性。紗結香さんの事をすごくよく知っているみたいだな……」
少し頭を上に向け、天井についているライトを見ながら考えていた紗結香(広幸)。
視線を落とすと、ふと胸元が気になった。
柔らかい曲線を描いている紗結香さんの胸。
ブラジャーでしっかりと形作られた胸を薄手のセーターが強調している。
そんな男心をくすぐる魅力的な二つの胸に、ゆっくりと手を近づけてゆく紗結香(広幸)。
「ねえ紗結香。今日は時間あるの?」
紗結香(広幸):「わっ!」
急に現れた女性にびっくりした紗結香(広幸)は、胸に近づけていた手をさっと遠ざけた。
「何驚いてるの?」
紗結香(広幸):「な、何でもない……です」
「……変な紗結香。ねえ、今日この後、時間ある?久しぶりにゆっくりと話さない?」
紗結香(広幸):「きょ、今日はちょっと……」
「彼氏とどこかに遊びに行くの?」
紗結香(広幸):「ま……まあ……」
女性は足元にあるペダルを踏んで椅子を倒しながらビニールの手袋をはめた。
そして明るいライトをつけると、オドオドしている紗結香(広幸)の口を開き、親知らずの場所を確かめた。
「結構大きいね。ちょっと痛いかも」
紗結香(広幸):「え……そ、そうなの……」
「うふっ……うそよ。麻酔するからぜんぜん痛く無いわよ」
紗結香(広幸)「…………」
「どうしたの?なんだかいつもの紗結香らしくないよ」
紗結香(広幸):「えっ……そ、そんな事ない……わよ」
「全然冗談も言わないしすごくビクビクしてる。それに変に改まって……他人行儀だし」
紗結香(広幸):「え……」
「もしかして私に何か隠してるの?」
紗結香(広幸):「な……何かって……な、何も隠して無いわよ」
バレそうになり、あわてて否定する紗結香(広幸)。
そこがまた怪しいと感じさせる。
「してるでしょ、隠し事。私にバレちゃ悪い事なの?」
紗結香(広幸):「だ、だから何も隠してないわ」
「してるわ!絶対におかしいもの。どうしたの紗結香。私にも言えない事なの?」
紗結香(広幸):「だ、だから何も隠して無いって言ってるのに」
「紗結香……そっか……隠し事するんだ……初めてね、そうやって私に隠し事するの」
紗結香(広幸):「いっ……」
「いいよ、別に……そうよね、紗結香だってもう大人なんだから知られたくない事だってあるよね……」
紗結香(広幸):「……い……いや……そ、その」
紗結香(広幸)はどうして言いのか分からなかった。
目の前にいる女性は、よほどショックだったのか、目に涙をためながら話している。
一体どういう関係なんだ??
紗結香(広幸)は頭の中がごちゃごちゃになってしまった。
そんなに深い関係なのだろうか。
まさかこの二人は……危ない関係!?
紗結香(広幸):「あ、あの……隠し事なんてしてないわ」
「もういいわ。早く治療しましょう。紗結香さん」
紗結香(広幸):「…………」
女性は紗結香(広幸)の事をわざと「さん」付けで呼び始めた。
や、やばい……これはやばい……
なんでこんな事くらいでやばい展開になるんだよ……
紗結香(広幸)はそう思いながら口を開いた。
麻酔が歯茎に打たれる。
紗結香(広幸):「うっ……」
「痛くないですか?紗結香さん」
紗結香(広幸):「は、はあ……」
「麻酔が歯茎全体に利くようになるまで少しお待ちください」
紗結香(広幸):「…………」
他人行儀な話し方。
先ほどまでの親しさが無くなり、事務的な話し方になっている。
怒っちゃったのかな……
でも……そんな事されたって……俺、分からないんだから……
少しして女性が歯茎をツンツンと突く。
でも、その刺激は全く感じられない。
「それじゃあ抜きますよ」
紗結香(広幸):「はい……」
女性は専用の器具を紗結香(広幸)の口に入れると、少し力を入れながらグリグリと動かした。
するとまったくと言って良いほど痛みを感じる事無く、親知らずが抜けてしまったのだ。
「抜けましたよ紗結香さん。そこの紙コップの水で嗽(うがい)してください」
紗結香(広幸):「はい……」
椅子が起こされると、紙コップを手に取って軽く嗽をした。
口をうまく閉める事が出来ないので少し服にこぼれてしまったようだ。
もう一度ベッドに寝かされた紗結香(広幸)は、薬を塗った綿を噛まされる。
「しばらく麻酔が利いているからしゃべりにくいけど、20分もすれば元に戻るから。
あとで痛み止めの薬を渡すから彼氏のいるところで待ってて」
紗結香(広幸):「……あ、あいがほ〜……」
ありがとうと言いたかったが麻酔と綿を噛んでいるのでうまくしゃべれない。
紗結香(広幸)は軽く会釈したあと、そのままジャケットを腕にかけて俊行兄さんのいるところに歩いていった――
俊行:「どうだった?ちゃんと抜いてもらったか?」
紗結香(広幸):「抜けたのは抜けたけど」
俊行:「抜けたけど?」
紗結香(広幸):「あのさ……」
紗結香(広幸)は麻酔と綿を噛んでいるせいでしゃべりにくい状態のまま、女性とのやりとりを
俊行兄さんに話した。
その話を聞いた俊行兄さんはしばらく考えた後、
俊行:「そっか……それなら本当の事を話そう」
と言った。
紗結香(広幸):「いいの?あの人に話しても」
俊行:「仕方ないさ。あまり色々な人に知られたくは無いんだが、これがきっかけで紗結香とあの女性の仲を
悪くするわけにはいかないからな。俺が話すよ」
紗結香(広幸):「……うん……」
そう話しているうちに、女性が渡しておいた保険証と診察券、そして小さな紙袋を手に持ってやってきた。
「はい。5日分の痛み止めを入れておいたから。それからもう綿を噛まなくてもいいわよ」
紗結香(広幸):「う、うん……」
「じゃあ彼氏とデート楽しんでね。それじゃ……」
俊行:「あの、ちょっと待ってください」
俊行兄さんが、紗結香(広幸)から診察料を受け取って奥に戻ろうとした女性を引き止めた。
「何?」
俊行:「実は…」
俊行兄さんは一呼吸した後、女性に本当の事を話した――
「う、うそ……紗結香が……あなたの弟さん?」
俊行:「ええ。身体は紗結香……えっと……紗結香さんですけど、彼女の身体を動かしているのは
弟の広幸であって……」
「あなたが開発した……そのゼリージュースっていう飲み物で……紗結香の身体に?」
俊行:「はい」
「そんな事……信じられない」
紗結香(広幸):「でも、本当に俺は広幸なんです。さっきも俊行兄さんが言った様に、紗結香さんに頼まれて
代わりに親知らずを抜きにきたんです」
「…………」
女性は紗結香(広幸)が話している顔をじっと見ていた。
どこから見ても紗結香にしか見えない。というか、紗結香なのだがその身体を動かしているのは別の人間だと言う事が
どうしても信じられないのだ。
俊行:「普段の紗結香さんとは全然違うでしょ。違うって言うのは性格が……と言う意味ですけど」
「そ、それは……そうだけど……でも……」
俊行:「……とにかく、今回の事で紗結香さんとあなたの仲が悪くなってしまうのは申し訳ないと思って本当の事を言ったんですよ。
信じてもらえないのなら仕方ないですけどね」
「ねえ紗結香。本当に紗結香じゃないの?」
紗結香(広幸):「ほ、本当です。どうすれば信じてもらえるのかなぁ……」
俊行:「やはり本人に出てきてもらうのが一番だろ」
紗結香(広幸):「そ、それはそうだけど……」
俊行:「うん……そうしよう。親知らずも抜いた事だし、今、紗結香に……えっと……紗結香さんに出てきてもらっても問題ないだろう」
紗結香(広幸):「ちょっと待ってよ。今戻ったら、俺は何の楽しみも無いじゃないか」
俊行:「ああ?何か企んでたのか?」
紗結香(広幸):「あ……い、いや……そういうわけじゃないけど。も、もうちょっと紗結香さんの身体でいたいなぁと思っただけで……
そ、それに戻ったら俺、裸だし……」
俊行:「そのくらい何とでもなるだろ……また今度別の機会にゼリージュースを飲ませてやるよ。だからとりあえずこれを飲め」
紗結香(広幸):「はぁ……こういうオチだったのか……」
紗結香(広幸)は俊行兄さんから下剤を受け取ると、渋々、廊下の向こうにあるトイレに向かって歩いていった。
肩を落とした紗結香(広幸)の歩き方は何とも情けない。
「ね、ねえ……まだ信じられないんだけど……本当に冗談じゃないの?」
俊行:「今度紗結香さんが戻って来たときに分かりますよ」
「あなた、私と紗結香がどういう関係だか知ってるの?」
俊行:「いや……紗結香さんからは知り合いだとしか……」
「……姉妹なのよ。私達」
俊行:「そうなんですか。へぇ〜……って姉妹っ!……ええっ!?」
女性が白くて大きなマスクを口元から外す。
そこに出てきた顔は……確かに紗結香に似ていたのだ。
「妹なのよ。紗結香は」
俊行:「そ、そうだったんですか。マスクのせいで全然気づきませんでしたよ」
「紗結香が紛らわしい事いうから。私は亜彩美(あさみ)っていうの」
俊行:「あ、亜彩美さん……ど、どうも。初めまして」
亜彩美はマスクを白衣のポケットにしまうと、俊行兄さんの横に座った。
亜彩美:「ねえ。詳しく聞かせてくれない?そのゼリージュースって飲み物の事」
俊行:「…………」
亜彩美:「いいでしょ。もしそれが本当なら……」
そう言いかけたとき、紗結香がトイレから戻って来た。
紗結香:「あ、お姉ちゃん」
亜彩美:「紗結香?」
紗結香:「ええ。親知らず、抜いてくれたんだね。ありがと!」
亜彩美:「……本当に紗結香なの?」
紗結香:「え?何言ってるの?あ、そっか。今まで広幸君が私の身体にいたからか」
亜彩美:「……」
俊行:「これで分かったでしょ。さっきまで広幸が……乗り移っていたって」
紗結香:「ええ?お姉ちゃん信じてなかったの?」
亜彩美:「だ、だって……そんな非常識な事……」
紗結香:「私、前に言わなかった?面白い飲み物を研究してるんだって」
亜彩美:「……そう言えば……そんなこと言ってたわね。でもまさか……」
紗結香:「ビックリしたでしょ。でも本当の事なんだよ。今までの私は俊行の弟さんの広幸君だったんだから」
亜彩美:「……ゼリージュースのせいで……」
俊行:「そういう事です。紗結香もどうしてお姉さんだって教えてくれなかったんだよ。それなら最初から話していたのにさ」
紗結香:「え〜。だってそのほうが面白いじゃない」
俊行:「こっちは全然面白くないぞ。広幸だって……って、あれ?広幸は?」
広幸:「ここだよここ。服を貸してくれないとそっちに行けないじゃないか」
広幸は歯科の外、ガラス戸の向こうにしゃがみ込みながら話していた。
裸になって身体を丸めている広幸。女性の前ではあまりにも恥ずかしい。
俊行:「服と言ってもなぁ……俺の服を貸してやるわけにもいかないしな」
紗結香:「ねえお姉ちゃん。彼氏の服とか無いの?」
亜彩美:「あるわけ無いじゃないの、ここは仕事場なのよ」
紗結香:「じゃあ白衣を貸してあげたら?」
亜彩美:「それならあるけど……」
亜彩美は部屋の奥に戻ると、白衣を一枚持ってきた。
俊行:「すいません」
俊行が外にいる広幸のところまで歩いてゆき、白衣を貸してやる。
広幸は恥ずかしそうに白衣を着ると、それでも前を隠しながら俊行と共に中に入って来た。
亜彩美が歯科のシャッターを閉めて、外から見えないようにする。
広幸:「あ、あの。初めまして……広幸です」
亜彩美:「こんにちは。紗結香の姉の亜彩美です」
広幸:「姉?お、お姉さん!?それじゃあ姉妹なんですか」
亜彩美:「そうよ」
広幸:「そっか……だから親しげなしゃべり方だったんですね。顔が見えていれば何となく分かったのに……」
亜彩美:「ごめんなさいね。紗結香がちゃんと話してなかったから」
広幸:「い、いえ……」
亜彩美:「紗結香は私に隠し事なんてしたこと無かったのよ。お互いに何だって話せると思ってた。
でも今日は何か私に隠し事しているような雰囲気だったから。クスッ、思わず感情的になっちゃった」
広幸:「そうだったんですか。俺、思わず二人の関係が……」
と言いかけた時にハッとして口を閉ざした。
変な事を言うとまた俊行兄さんに怒られるし……
紗結香:「ね、お姉ちゃん。これで信じてくれた?」
亜彩美:「え、ええ。信じることは信じるけど」
俊行:「そう言えばさっきの話、途中でしたね。『もしそれが本当なら…』って言ってましたけど」
亜彩美:「あ、ああ。そうね。もしそのゼリージュースが本当なら……私も飲んでみたいなって」
俊行:「あ、亜彩美さんが?」
亜彩美:「ええ……」
紗結香:「お姉ちゃんが飲んで何するの?」
亜彩美:「そ、それは……」
亜彩美はちょっと顔を赤らめながら俯いた。
紗結香:「ああ〜。さては男になってみたいんだ。そうでしょ」
亜彩美:「…………」
亜彩美は何も言わずに、ただ一回だけ肯いた。
紗結香:「だよねぇ。だってお姉ちゃん、小さい時は男の子に憧れてたんだもんね」
俊行:「男に憧れてたんですか?」
亜彩美:「お、男にっていうか……その……女の子だから女の子らしくしなさいって親に言われてたのが嫌で……
私、小さい頃は性格が雑だったから特にね。男の子達とサッカーや野球をするのが好きだったんだけど
親に『女の子がそんな遊びをしちゃいけませんっ!』って言われてたから全然出来なかったのよ」
恥ずかしそうに話している亜彩美。
俊行:「なるほど……でも今は親がどうこういう歳じゃないでしょ」
亜彩美:「そう。親がどうこういう歳じゃなくなっちゃったのよ。だからやりたくても出来ない……」
紗結香:「ふ〜ん。お姉ちゃんも、もう歳だもんね」
亜彩美:「もうっ。紗結香はいちいちそんな事言わないでいいの」
俊行:「それじゃあ若い男の子になって思い切り遊びたいと言う事……ですか?」
亜彩美:「あ……ま、まあ……そういう事です……」
俊行:「それなら……」
俊行と紗結香は、白衣を着て座っている広幸をじっと見つめた。
俊行:「……いますよ、ここに。高校生の男の子が……」
ゼリージュース!(青色)後編3…おわり
あとがき
紗結香のお姉さんである亜彩美が登場しました。
彼女、小さい時は活発な女の子だったようですが親に言われて
大人しくしていたそうです。
で、もっと男の子達と激しく(?)遊びたかったのに遊べなかった事、
悔やんでいるのです。
で、若い男の子になってみたいと。
まるでドラ○もんのノリです(笑
憑依としてはイマイチスケベェさにかけてしまいましたが、
次回の黄色で挽回したいと思います。
あ、いや、多分ストーリー的に無理でしょう(苦笑
それでは最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございました。
Tiraでした。