高原クリニックの柳沢由紀さんと共同開発したゼリージュース。
俺もそうだったよな…
女性の快感を味わってみたい。その気持ちはよく分かる。
そう、由紀さんと共に研究していた頃の胸の高鳴り。
あれに似た感覚を広幸も持っているんだろうな。
それが分かっているだけ余計に辛いんだ…
俺には大きな目的があったから自分を見失わなかったけれど、
あいつはどうだろう?
俺の言った事、ちゃんと受け止めてくれたように思うけど…
…あいつが本当に分かっているのなら、俺は……
 
 
 
 
 
 

ゼリージュース!(青色)後編1
 
 
 
 
 
 

ゼリージュースについて話し合った俊行兄さんと広幸だが、
また次の日からしばらく、俊行兄さんは帰ってこなかった。
俊行兄さんがいなくなり、なんだかここ数日の事が夢のように思えてくる。
でも、学校に行くとそれが現実だった事を思い知らされた。

学校では省吾が雪菜とデートしたことについて熱く語っている。
雪菜に変身してデートしていた広幸にとっては退屈な話だったが
ちゃんと最後まで付き合ってやる。付き合ってやるというか、何となくそうしなければ
ダメだと感じたから。
このデートの事は、雪菜本人に知られてはいけないのだ。
上手くごまかせると思っているが、この先どんな事で雪菜に知れるか分からない。
俊行兄さんに諭(さと)された事を思い出していた広幸だが、数日後
雪菜に彼氏が出来たとウソを付く。
こうやって雪菜と省吾を接触させないようにごまかすのは心が痛い…
 

そんな事を色々考えているうちに月日は経ち、また日曜日がやってきた。
あれからもう1週間経ってしまったのだ。
俊行兄さんから聞き、あのゼリージュースが如何に危険なものかは
理解できた。他人の人生を生きる事になりかねない。
そして、その人に迷惑がかかるかもしれない…
俊行兄さんの言っていることはどれ一つ、間違っているとは思えなかった。
それは、あの時も今も変わらない。
広幸自身も、性の快楽に陥る可能性だって大いにあるのだから。
 
 
 

日曜日だと言うのに、何故か早く目が覚めた朝の8時半。
いつもなら10時過ぎまで寝ている広幸だったが、妙な胸騒ぎがしてこれ以上眠れなかったのだ。
天井を見つめながら小さく呟く。
 

広幸:「ああ…何かこれ以上眠れないな…」
 

ベッドの上で寝転がったままの広幸。
カーテンの隙間から太陽の光が部屋に射し込み、少し眩しい。
気になった広幸がベッドから起き上がり、カーテンを閉めようとしたとき、
静かな部屋に、いきなり携帯電話の着信音が鳴り出した。
 

広幸:「わっ!」
 

ビックリして肩をすくめる。
勉強机の上で充電している携帯電話を手にとり、液晶画面を見てみる。
 

広幸:「…兄さんだ」
 

カラーの液晶画面には俊行兄さんの名前が表示されていた。
広幸はカーテンを閉めるのも忘れ、緊張した趣(おもむき)で通話ボタンを押した。
 

広幸:「も、もしもし…俊行兄さん?」

俊行:「あ、広幸か?眠たそうな声じゃないな。もう起きていたのか」

広幸:「え…」
 

広幸は携帯から聞こえてくる俊行兄さんの声に戸惑った。
それはどう考えても女性の声だったからだ。
女性の声で、俊行兄さんのしゃべり方をしている。
 

俊行:「お前、今日暇か?」

広幸:「あ…はい…」

俊行:「何だよその返事は。あ、お前、もしかしてこの声に驚いているのか?」

広幸:「え…あ、うん…」

俊行:「あとで説明してやるよ。それよりもう着替えているのか?」

広幸:「ま、まだだけど」

俊行:「それなら早く着替えろ。そして今から言う住所のアパートへ来るんだ。いいな」

広幸:「え、今から?」

俊行:「ああ。大丈夫だろ?」

広幸:「え、う…うん。わ、分かったけけど…ほ、本当に俊行兄さんなの?」

俊行:「俺の携帯からかけてるだろ。声は俺のものじゃないけどな。まあこっちに来れば分かるからさ」

広幸:「う…うん…」

俊行:「じゃあ住所を言うぞ。ちゃんとメモしろよ、そんなに遠くないから」

広幸:「うん…」
 

俊行兄さんは女性の声のまま、ある住所を広幸に伝えた。
とても不思議な感じ。でもこのしゃべり方、絶対に俊行兄さんだ。
聞こえてくるのは、普段広幸が聞いている女子高生よりは大人の雰囲気を漂わせる女性の声。

広幸はその住所をメモして電話を切ると、急いでタンスの中から服を出して着替え始めた。
 

広幸:「俊行兄さん…あの声…初めて聞く女性の声だった。もしかしてゼリージュースを使って…」
 

広幸の鼓動が激しく高鳴る。
歯を磨き、顔を洗った広幸は、携帯と財布、住所が書かれたメモ用紙をジーパンのポケットに押し込むと、
朝飯も食べずに家から出て行った…
 
 
 
 

広幸:「はぁ、はぁ…えっと…確かこのあたりだと思うけど…」
 

電車を乗り継ぎ、最寄の駅から走って来た広幸。
程よい風が吹いていたが、晴れているので太陽の光が熱く感じる。
額に汗を掻き、はぁはぁと息を切らせながらも急いで目的のアパートを探す。
 

広幸:「どこなんだよ。全然分からない」
 

広幸がポケットから携帯を取り出し、俊行兄さんに電話をかける。
 

広幸:「もしもし、俊行兄さん?」

俊行:「ああ、広幸か。今どこだ?」
 

今度は聞きなれた俊行兄さんの声に戻っている。
 

広幸:「今、駅に降りてから大分近くに来てる…多分だけど、よく分からないんだ」

俊行:「周りに何か見えるか?」
 

携帯電話を耳に当てたまま辺りを見渡し、目的となる建物を探す広幸。
 

広幸:「えっと、ガソリンスタンドがあって、その横の角にコンビニがあるけど」

俊行:「ああ、分かった。もうそこだよ。その角にあるコンビニを右に曲がると大きな月極駐車場があるんだ」

広幸:「ちょっと待って」
 

広幸は走ってコンビニの角を曲がった。すると確かに駐車場がある。
 

広幸:「あったあった。それから?」

俊行:「その駐車場の向こうは三叉路になっているから、そこを左に曲がるんだ。
          すると白い2階建てのアパートが見えるから、その205号室だよ」

広幸:「そっか、分かった。すぐに行くよ」

俊行:「そんなに慌てなくてもいいぜ。別に逃げたりしないからさ」

広幸:「うんっ!」
 

広幸は電話を切ると、はぁはぁと息を切らせながら三叉路へと走った。
そして左に曲がると、目の前に白い2階建てのアパートが現れた。
それはごく普通のアパートだった。
 

広幸:「ここだっ!」
 

走ってドキドキしているというよりは、緊張してドキドキしていると言った方がいいかもしれない。
広幸は乱れた息を整えながら、鉄製の階段をゆっくりと上がり始めた。
手すりを持ちながらトントンと階段を鳴らし、1段ずつ上がってゆく。
 

広幸:「205号室……あった。ここか」
 

階段を上り終えた広幸が、少し奥にあった205号室を見つける。
ドアには表札がついていなかったが、その横にある少し大きな音を立てている換気扇からは
味噌汁の臭いだろうか?なんだかいい香りが漏れていた。
 

広幸:「……」
 

大きく深呼吸をした広幸が、ドアを3回ほどノックする。
 

女性:「はい」
 

ドアの向こうから女性の声がした。
確かこの声、さっき電話で聞いた声と同じだ。
ゴクンとツバを飲み込んだ広幸。
床を歩いている音が近づいてくると、ドアの鍵を開ける音がした。
そしてゆっくりとドアが開くと…
 

女性:「…広幸君?」

広幸:「…は、はい…」

女性:「うふっ、似てるわね。中に入って。あなたのお兄さんもいるから」

広幸:「……」
 

目の前に現れた髪の長いお姉さんに、ドキッとした広幸。
大学生かOLか。
広幸から見れば、そんな雰囲気を漂わせている女性。
そして、その女性を見た瞬間「綺麗な女性だ」と感じたのだった。
青いパジャマ姿の彼女。寝起きと言うわけではないが、これまでパジャマ姿の
お姉さんを自分の目で直接見る機会がなかった広幸にとってはとても刺激的だった。
ちょっと目のやり場に困ってしまった広幸。奥から俊行兄さんの声が聞こえる。
 

俊行:「おお、来たか。早く入れよ」

女性:「もう、まるで自分の家みたいね」

俊行:「はは、悪かったな」

女性:「いいけど、別に」
 

お姉さんは素敵な笑みをこぼしながら、奥にいる俊行兄さんと会話している。
軽く話したお姉さんがまた広幸に視線を合わせると、
 

女性:「さあ、入って」
 

と言った。広幸が素直に答える。
 

広幸:「はい。お邪魔します…」

女性:「ええ、どうぞ」
 

靴を脱いでお姉さんの後ろをついて歩く。
アパートなので全然広くないのだが、綺麗に整理されていて何となく落ち着いた感じ。
2つの部屋とキッチンがあるようで、俊行兄さんは奥の部屋にある低くて長いソファーに
座っていた。
 

俊行:「よお来たか広幸。まあ座れよ」

広幸:「あ……」

女性:「どうぞ」

広幸:「は、はい…」
 

低いガラステーブルを挟んで、俊行兄さんと反対側のソファーに座った広幸。
何だかそわそわして落ち着かない。
キョロキョロと部屋の中を見ていた広幸に、俊行兄さんが声をかける。
 

俊行:「お前の事だから、朝飯も食って来てないんだろ」

広幸:「え…う、うん」

女性:「じゃあ一緒に食べましょ。私たちも今からなの」

広幸:「あ、でも…」

俊行:「遠慮するなよ。結構美味いんだぜ、紗結香の料理は」

紗結香:「褒めたって何もでないわよ」

俊行:「別にそう言う意味で言ったんじゃないさ。本当の事を言ったまでの事さ」

紗結香:「ふふ。ありがとね」
 

紗結香がキッチンへ向かう。
俊行兄さんはその後姿を見たあと、広幸に話を始めた。
 

俊行:「紗結香の事、何も話してないな。彼女の名前は中島 紗結香(なかじま さゆか)。
          俺と同じ会社に勤めているんだ」

広幸:「へぇ…そうなの」

俊行:「後輩なんだ、5歳下の」

広幸:「もしかして兄さんの彼女?」

俊行:「彼女…ではないかな。まあそれに近い付き合いはしてるけどさ。実は紗結香はゼリージュースの
          モニターの1人なんだ」

広幸:「ゼリージュース…の」
 

ゼリージュースと聞いた瞬間、広幸の鼓動は早くなった。
そしてキッチンに立つ紗結香の後姿を見る。
 

俊行:「そうさ。彼女にはゼリージュースを使って色々と調査してもらったんだ。もちろんちゃんとした調査を
          してもらったんだけど」

広幸:「ちゃんとした調査って…」

俊行:「味覚の調査だよ。例えば俺が女子高生の身体を借りるより、彼女が借りると言った方が
          女子高生としては安心だろ。そこで紗結香にゼリージュースを使わせて、色々な女性に
          なって味覚を調査してもらったんだ。で、彼女なりにデータをまとめて作った新製品は、
          女子高生には大人気だったんだ」

広幸:「へぇ〜。そうなんだ。中島さんは…男性にはならなかったの?」

俊行:「そうだな。もっぱら同姓になって調査していたからな」

紗結香:「でも1度だけ男性になった事があるわよ」
 

お盆に味噌汁の入ったお椀(わん)を乗せて部屋に来た紗結香が話に割り込んできた。
 

俊行:「そうか?男になった事があったっけ」

紗結香:「ふふ。覚えているくせに忘れた振りして…」
 

紗結香がまたキッチンに戻り、今度はご飯と納豆とお茶、そして焼いた魚を持ってきた。
 

紗結香:「冷めないうちに食べてね」
 

低いガラステーブルの上に綺麗に並べた紗結香が、俊行の隣に座って広幸に箸を手渡す。
 

広幸:「あ、ありがとうございます。いただきます…」
 

広幸は箸を受け取ると、そのまま味噌汁を一口飲んだ。
 

紗結香:「どう?お味噌汁の味は」

広幸:「すごく美味しいです」

紗結香:「よかった。まだあるからたくさん食べてね」

広幸:「はい」
 

広幸はもう一口お味噌汁を飲んだあと、納豆をかき混ぜて醤油を垂らし、ご飯の上に乗せた。
俊行兄さんと紗結香も、同じように食べ始める。
 

俊行:「異性になるのは性を意識するから、本来の目的を見失ってしまう可能性が大きいな」

紗結香:「そうね。自分を見失わないようにしっかりした気持ちが無ければ」

広幸:「そう言えば中島さん、1度だけ男性になったって言ってましたけど…」

紗結香:「中島さんは堅苦しいから、下の名前でいいわよ」

広幸:「あ…そ、それじゃあ…さ、紗結香さん…」

紗結香:「うふ。年下の男の子に名前で呼ばれると、なんだかこそばゆいわね」

俊行:「それだけ歳を取ったと言う事じゃないのか?」

紗結香:「ひっど〜い!これでもまだ21なのに〜」

俊行:「広幸は18歳だから3つも上じゃないか」

紗結香:「俊行だって私より5つも年上だから『おじさん』でしょ」

俊行:「26歳でおじさん呼ばわりされたくないなぁ」

広幸:「……」
 

お互いの名前を呼び捨てにしている。
きっと二人はいい関係なんだと思った広幸。
すっかり話がズレてしまっているのを修正する。
 

広幸:「あの…紗結香さんの話は…」

紗結香:「あ、ごめんね。俊行が変な事言うから話がズレちゃったわ」

俊行:「俺のせいか?」

紗結香:「そうよ。俊行のせい」

俊行:「そうか。まあ…この味噌汁は美味いよ」

紗結香:「いつもそうやって話をごまかして…」

広幸:「あの…」

紗結香:「あ、まただわ。ごめんね。私の話ね」

広幸:「お、男になった時は…どんな感じだったんですか?」

紗結香:「その前にね、どのゼリージュースを使って、どんな男性になったと思う?」

広幸:「え…どのゼリージュースって…」

紗結香:「俊行から聞いてるでしょ。3つのゼリージュースについて」

俊行:「俺は殆ど話してないよ。こいつはサイトを見て知ってたんだ」

広幸:「知っていると言うか…まあ…大体の事は…」

紗結香:「平たく言うと、赤いいちご味は他人の身体をコピー出来て、青いブルーハワイ味は他人の身体に
             入りこめる…つまり憑依みたいなものね。そして黄色いパイン味は、飲んだ二人の身体を入れ替える事が出来るの」

広幸:「サイトの説明に書いてあった内容どおりです」

紗結香:「で、私はどのゼリージュースを使ったと思う?」

広幸:「う〜ん…それは…分からないです。でも黄色は二人が飲まないとダメだから使いにくい様な気がしますけど…」

紗結香:「そうね。黄色は使ってないわ」

広幸:「それじゃあ2つのうちのどっちかですか」

紗結香:「さて、どっちでしょう?」
 

箸を止め、う〜んと俯いて考える広幸。
 

俊行:「そんなの2分の1の確率じゃないか。俺なら赤色って答えるけどな」

広幸:「それじゃあ青色で」

俊行:「……」

紗結香:「正解!青いゼリージュースを使ったの」

広幸:「と言う事は憑依…ですか」

紗結香:「ええ。男性の身体に憑依したのよ」

広幸:「ど、どんな男性に…」

紗結香:「ふふ。さて、どんな男性でしょうか?」
 

紗結香は、俊行の顔をチラッと見た。
その視線を感じた俊行は、知らぬ振りをして納豆が絡んだご飯を食べる。
紗結香が送った視線の先。それを見ていた広幸が、まさか…と言う表情で紗結香を見る。
 

広幸:「……そ、それってもしかして…」

紗結香:「もしかして?」

広幸:「に、兄さん?」

紗結香:「さあ、どうかなぁ?ねえ、俊行」

俊行:「…まあ、そんなとこかな」

広幸:「兄さんに…憑依したんですか」

紗結香:「ええ。1度だけね」

広幸:「ど、どうして兄さんに…」

紗結香:「それは色々あってね。とにかく、広幸君のお兄さんになったのよ」

広幸:「……」
 

俊行兄さんに、目の前にいる紗結香さんが憑依した…
想像すると…なんとも奇妙な感じだが、とてもドキドキする。
 

俊行:「俺が紗結香に身体を使ってもいいって言ったんだよ」

広幸:「兄さんが?」

俊行:「ああ。あの時は新製品の開発に追われていて、紗結香も体力的にも精神的にも
          疲れていたんだ。まあ…気晴らし程度だけどな」

紗結香:「ふふ。そうやって初めて男性になったんだけどね、俊行の身体になってまず何したと思う?」

広幸:「…さ、さあ…」
 

もう広幸は心臓が飛び出るほどドキドキしていた。
紗結香さんが俊行兄さんの身体に憑依して…何をしたかって?

俺が逆の立場なら…思わずそう考えてしまう広幸。
 

紗結香:「始めにね…ひたすら寝たの」

広幸:「は、はぁ?」

紗結香:「だって俊行の身体、すごく疲れてたんだもの。こんなの眠らないと何も出来ないと
             思ったわ。だからとりあえず寝たのよ」

広幸:「…そ、そうなんですか…」

俊行:「俺は別に疲れてたなんて思ってなかったけどな」

紗結香:「よくあの状況で起きていられたわね。私は絶対ダメだったわ」

俊行:「それは俺の精神力が強かったからだろ」

紗結香:「そうね、そう考えるとちょっと悔しかったわ。私より大変な思いをしているのに
             俊行は何も言わずに頑張ってたんだから」

俊行:「いや、紗結香も頑張っていたよ。俺は俺なりにやらなければならない事がたくさん
          あったからな。それなりに仕事しないと飯が食えない。ははは」
 

俊行兄さんは笑いながら話していた。
その笑顔を見つめる紗結香の瞳は、少し潤んでいるような感じがする。
それは、愛しい人を見つめるときに見せる瞳だと、高校生ながらに感じた広幸。
 

紗結香:「半日くらい寝てたかな?でも起きたら頭の中がすごくすっきりしたわ」

俊行:「あの時は3日くらい徹夜したときだったからな。でもわざわざそんな身体の時に
          憑依すること無かったのにな。赤色を使えばよかった」

紗結香:「ううん。私は青色を使いたかったの。本当の俊行に…あっ…わ、私ったら何言ってるんだろ」
 

紗結香の顔が赤くなる。
 

俊行:「でさ、そのあと俺の身体で色々なことしたんだっけ」

紗結香:「あ、そうそう。面白かったわよ。男の人の身体って」

広幸:「ど、どんな事したんですか!」
 

思わず声が大きくなる広幸。箸を握る指に力が入る。
 

紗結香:「広幸君は、もし女性の身体になったらどんなことしたい?」

広幸:「えっ…俺…ですか?」

紗結香:「そうよ。例えば…そうね、私の身体になったとしたら?」

広幸:「さ、紗結香さん…か、身体に…」
 

息遣いが荒くなる広幸は、それを悟られまいと必死に息を殺した。
目の前にいる紗結香さんになったら…
こんな綺麗なお姉さんになることが出来るのなら…俺は…
 

俊行:「そんなこと決まってるじゃないか。いやらしい事するんだろ」

広幸:「そ、そんなこと無いさっ!」
 

まるで心を読まれているようで、思い切り否定してしまった広幸。
その対応が答えを言っているようなものだ。
 

紗結香:「そうよね。きっとそうしたいと思うわ。実は私もそうだったから」

広幸:「えっ…」
 

長い黒髪を右手で掻き上げながら話す紗結香。
まさか紗結香さんの口からそんな言葉が出てくるなんて思っても見ない広幸は、
驚きで言葉を失ってしまった。
 

紗結香:「本人がいる前だから言うのは恥ずかしいんだけど…もう知っている事だから」
 

ちょっと照れくさそうにしながら紗結香が俊行兄さんを見た。
俊行兄さんは紗結香と少し目線を合わせたあと、今度は広幸に視線を移す。
 

広幸:「……」

俊行:「俺の身体で何をしたか…あとでちゃんと伝える事が約束だったんだ。
          俺はそれを約束してくれるなら何をしてもいいからって紗結香に言った」

広幸:「な、何をしてもいいって…」

俊行:「それが俺と紗結香の信頼関係さ。俺は紗結香なら大丈夫だと思っていた。
          だからそう言ったんだよ」

紗結香:「そう。だから私は俊行の身体になってしたことを全て話したわ。
             初めて感じた男性としての性欲。そして普段の私では体験できない事…」

俊行:「紗結香はな、一度でいいから競馬をしたかったんだってさ」

紗結香:「だって女性だと競馬場に入りにくいでしょ…」

俊行:「今は女性だって当たり前のようにやってるって。それでさ、競馬したあと今度はパチンコを
          したらしい」

紗結香:「そこも女性としては入りにくいし…」

俊行:「女性の方が待遇がいいんだぞ。わざわざ男になって入ること無いのにさ」

紗結香:「でもよかったでしょ。財布の中身は増えてたんだから」

俊行:「それはまあ…助かったよ」

紗結香:「楽しかったわよ、俊行の身体…というか、異性の身体になるのって。でも私、これが
             癖になったら今の自分でいられなくなると思ったの。それに…」

俊行:「女性の身体の方が気持ちいいんだもんな!」

紗結香:「もう、俊行ったら!そうじゃないのにっ」
 

紗結香が顔を赤らめながら俊行兄さんの言葉を否定する。でも、否定している割には
それほど怒っている様子でもない。本当に女性の身体の方が気持ちいいのか…
女性の全てを体験したことの無い広幸にはよく分からなかった。
 

俊行:「なあ広幸。前にゼリージュースのモニターを募ったって言っただろ。男女10人に試したって。
          男女とも異性の魅力にとり憑かれちゃって大変だったって言ったよな。
          やっぱり異性になったら、経験したことの無い色々な事をしたいと思うんだ。
          まあ、性欲に関しては元男性の方がかなり強かったな。
          やっぱり女性身体が発する快感は、男性の比じゃないんだ」

紗結香:「性欲だけが魅力じゃないけどね」

俊行:「そうだよな。今まで身につけたことの無い服を着てみたり、化粧をしてお洒落したり…
          異性ではいけなかった場所にだって堂々と行ける様になる。それはとても魅力的なことだよ」

紗結香:「でも私は俊行の身体でやりたい事が出来たからもう男になりたいとは思わないわ」

広幸:「ほ、ほんとに?」

紗結香:「ええ」

俊行:「そうだな。紗結香は元々男になりたいなんて思ってなかったんだから」

紗結香:「それはそうよ。男性として生きるより、女性として生きたいわ。男性よりお洒落できるし、
             コンパに行くとおごってもらえるし!」

俊行:「コ、コンパ?俺がいるのに?」

紗結香:「えっ!あ、ううん。何でもないわよ。気にしないで、俊行」

俊行:「う〜む…」
 

二人の話を聞いていた広幸は、異性になる魅力を十分に感じとっていた。それは広幸がずっと
考えていた性欲以外の面を含めて…
 

広幸:「ご馳走様でした」

紗結香:「ええ」

俊行:「食ったなぁ…腹一杯だ」

紗結香:「お味噌汁飲みすぎなのよ」

俊行:「仕方ないだろ。美味いんだから」

紗結香:「それはどういたしましてっ」
 

紗結香が食べ終わった食器を片付け始める。
俊行兄さんがリモコンでつけたテレビ。その画面に映るニュースを見ながら
広幸は俊行兄さんに話し掛けた。
 

広幸:「兄さん、あのさ…」

俊行:「ん〜?」

広幸:「朝電話をかけてきたとき、あの声は紗結香さんの声だっただろ」

俊行:「ん〜、ああ。そうだ」

広幸:「あれって…もしかして紗結香さんの身体に…」

俊行:「ああ。青いゼリージュースを使ってたんだ」

広幸:「じ、じゃあ…あの時兄さんは紗結香さんになってたの?」

俊行:「そうさ。俺が紗結香の身体を使ってお前に電話したんだ」

広幸:「そ、そうなんだ…」
 

広幸は頭の中で紗結香に乗り移った俊行が電話をしているところを想像した。
あの青いパジャマを着て、長い髪を揺らしながら電話を掛けていたのだ。
紗結香の柔らかそうな唇から漏れる声。
その声は俊行兄さんが出していた…
そう考えると、広幸の下半身は暴走しそうだった。
 

俊行:「昨日の夜からずっと紗結香の身体を借りていたんだ」

広幸:「き、昨日から…」

俊行:「ああ」

広幸:「昨日の夜からって…な、何してたのさ。紗結香さんの身体で」

紗結香:「そんなこと決まってるでしょ。いやらしい事よっ」
 

紗結香がキッチンで食器を洗いながら、また話しに割り込んできた。
 

俊行:「おいおい、そんなこと言ったら広幸が本気にするだろ」

紗結香:「だって本当の事よ。意識が戻った時、身体がすごく疼いてたんだから」

俊行:「バカッ。何言ってるんだよっ」

紗結香:「気持ちよかったでしょ。私のか・ら・だっ!」
 

紗結香が食器を手にしながら軽くウィンクする。
 

俊行:「ち、違うぞ。俺はそんな事していないからなっ」

紗結香:「そうやって慌てるところが怪しいなぁ」

俊行:「さ…紗結香がくだらない事言うからだろっ」

紗結香:「うふふ。俊行ったら面白〜い。顔が真っ赤になってる!」

俊行:「う…く、くそ〜っ」

紗結香:「冗談よ、冗談。広幸君、今のは冗談だからね」

広幸:「は、はぁ…」
 

そう言われても、既にその光景を想像してしまっている。
紗結香に乗り移った俊行兄さんが、その青いパジャマ姿の身体を使って…

んっ…んんっ…あ…あんっ……紗結香の身体…た、たまらん…

紗結香の切ない声が、頭の中でグルグルと駆け回る。
 

ああ…ダ、ダメだ…俺の前でそんな魅力的なこと言わないでくれ〜っ!
 

広幸は、もうパニックに陥りそうだった。
1週間前、あれだけゼリージュースの事は忘れようと思っていたのに、二人にこんな事を
話されては忘れろと言う方が無理だ。
 

俊行:「お前さ、この前俺がゼリージュースについて話した事、ちゃんと覚えているよな」

広幸:「も、もちろんさ。だからゼリージュースの事は忘れようとしてたんだ」

俊行:「そうか。お前もちゃんと分かってくれてよかったよ」

広幸:「う、うん…」

俊行:「でも忘れられないだろ」

広幸:「え…」

俊行:「今の話を聞いたら、また女性になりたいって思っただろ」

広幸:「……」

俊行:「すまなかったな。別にお前に意地悪するつもりで話しているんじゃないんだ。今日お前に
          来てもらったのは、これを飲んでもらうためなんだ」
 

俊行兄さんはソファーから立ち上がるとキッチンまで歩いてゆき、2段になっている冷蔵庫のドアを開けた。
そして右手でビンを取ると、冷蔵庫のドアを閉めてまた同じソファーに座る。
広幸は、俊行兄さんが手に持っているビン…いや、小さなペットボトルを見て心臓が止まる思いをした。
 

俊行:「これが何だか分かるな」

広幸:「…うん…ゼ、ゼリージュースの……青色…」

俊行:「そうだ」

広幸:「……」

俊行:「どうした?」

広幸:「……お、俺が…飲むの?」

俊行:「今言っただろ。お前が飲むんだよ」

広幸:「俺が…それを」

俊行:「ああ」

広幸:「の、飲んでもいいの?」

俊行:「そのためにお前をここに呼んだんだ」

広幸:「……」
 

広幸の目の前、テーブルの上には冷たくひえたゼリージュースがある。
あの時、TSFショップで買えなかったゼリージュース。
それが、飲むなと言っていた俊行兄さんの手によって広幸に渡される。
 

広幸:「で、でもどうして?あれだけ俺に飲んじゃダメだって言ってたのに」

俊行:「まあ俺の話を聞けよ」
 

そう言った時、紗結香が洗い物を終えて俊行兄さんの横に座った。
 

紗結香:「実はね、私のせいなのよ」

広幸:「えっ…」

紗結香:「ねえ俊行、私から広幸君に話してもいい?」

俊行:「もちろん構わないよ」
 

俊行は紗結香の顔を見て答えると、ソファーの背もたれに身体をうずめるようにして天井を見上げた。
ソファーの上、両腕で両足を抱えるようにし、体操座りのような体勢を取った紗結香が、広幸を見ながら話を始める。
 

紗結香:「あのね、私、今日歯医者に行く事になってるの」

広幸:「はぁ。歯医者ですか」

紗結香:「そうなの。まだ21なのにね、親知らずが生えてきちゃって」
 

紗結香は右の頬を擦りながら話している。
 

広幸:「親知らず?早いですね。でも今日は日曜日ですよ。歯医者なんて開いてないんじゃ…」

紗結香:「ええ。でも私の知り合いがしている歯医者だから特別に診てくれるのよ。昨日頼んでおいたの」

広幸:「へぇ〜。そういう人が知り合いがいるっていいですね」

紗結香:「そうね。今は痛み止めを飲んでるから痛くないんだけど、効き目が切れたら
             すごく痛くて」

広幸:「大変ですね。俺も虫歯になって痛い思いを何度もしましたから」

紗結香:「でしょ。歯が痛いのって辛いよね」

広幸:「そうそう。特に歯医者に行ってあのキーンっていう音を聞きながら歯を削られるのって嫌ですよ。
          麻酔したって痛いときは痛いですから」

紗結香:「そうなのよ。痛いときは痛いの。でね、私、今日歯医者に行くのよ」

広幸:「はい」

紗結香:「歯医者だけは苦手なのよ。ほんとに」

広幸:「俺も苦手です」

紗結香:「俊行も苦手なんだって」

広幸:「歯医者が好きな人っているんですかね?」

紗結香:「私の周りでは聞いた事が無いわね。広幸君の友達は?」

広幸:「そんな話自体、あまりした事ないですから。でもきっと嫌だと思いますよ」

紗結香:「そうでしょ。でも私は行かなければならないのよ」

広幸:「はい。痛いでしょうけど頑張ってくださいね」

紗結香:「でも行きたいくないの」

広幸:「行かなきゃ治らないですよ。親知らずはずっと生えたままだし」

紗結香:「そうなの。だから行きたくないけど行かなくちゃいけないのよ」

広幸:「はい…俺も応援します」

紗結香:「応援だけじゃ困るのよ」
 

二人の漫才にも似た話を聞いていた俊行兄さんが「はぁ〜」とため息をつく。
 

俊行:「お前、ほんとに鈍い奴だな」

広幸:「な、何が?」

俊行:「ちゃんと話の流れを掴んでいるか?」

広幸:「話の流れって…歯医者の事だろ」

俊行:「もういいよ。紗結香、ちゃんとこいつに言ってやれよ」

紗結香:「あ、うん…あのね、広幸君。ほんとに悪いんだけど、私の代わりに
             歯医者に行って親知らず、抜いてもらってくれない?」

広幸:「は?」

紗結香:「そのゼリージュースを使って」
 

紗結香は広幸の目の前に置いてあるゼリージュースを指差した。
 

俊行:「お前が紗結香に乗り移って歯医者で親知らずを抜いてきてくれって
          行ってるんだよ」

広幸:「お、俺がっ!!」

紗結香:「だって俊行も行ってくれないんだもん」

俊行:「俺は痛いのは嫌だからな。あ、行こうという気持ちはあったんだぜ。だから昨日の夜、遊びに来た時から
          紗結香に乗り移ってたんだよ。でも朝になってトイレに行きたくなっちゃってさ。ゼリージュースが
          紗結香の身体から出たら元の身体に戻るだろ。で、元に戻ると行く気がしなくなると思ってな。
          それで先にお前に電話をかけたんだよ。紗結香の声を使って。お前、すごく驚いてただろ。そしてドキドキしたはずさ。
          一度ゼリージュースを試しているんだから、これがどういう事だか分かったはずだからな」

紗結香:「俊行ったら、私の声で話したら絶対に来るっていうのよ。私は歯医者に行くの嫌だから、広幸君にお願いできれば
              いいなぁって思ってたけど」

広幸:「……」

紗結香:「だめ?」

広幸:「あ…で、でも…俺…」

紗結香:「もちろんタダでお願いしようとは思っていないわよ。ちょっと待ってて」
 

紗結香がソファーから立ち上がり、隣の部屋に歩いていく。
その後姿を見送った広幸は、俊行兄さんの顔を見た。
 

広幸:「に、兄さん…」

俊行:「悪い話じゃないだろ。ギブ アンド テイク…分かるだろ。お前が紗結香になって親知らずを抜いてもらう。
          きっと痛いんだろうな。俺はまだ生えていないから知らないけどさ」

広幸:「……」

俊行:「お前、紗結香の事どう思う?」

広幸:「え…」

俊行:「綺麗だろ」

広幸:「う、うん…」

俊行:「お前、その紗結香になっていいんだぜ。あの紗結香の身体に乗り移っても」

広幸:「……」
 

広幸は座っている太ももの上で、両手をギュッと握り締めた。
このゼリージュースを使って、目の前にいた紗結香さんに乗り移る。
俊行兄さんのように、あの紗結香さんの声で話す事が出来る。
あの身体が自分の意思で動かせるようになるのだ。
 

俊行:「悪い話じゃないだろ」

広幸:「でも…兄さんの大事な人なんだろ。それに俺、紗結香さんの身体になったら…」

俊行:「心配するな。お前が紗結香に乗り移っている間は、俺が一緒についていてやるから」

広幸:「…」

俊行:「お前が変な行動を取ろうとしたら止めてやるよ。無理矢理下剤を飲ませてやるっ」

紗結香:「それだけは止めてよ。恥ずかしいわ」
 

紗結香が隣の部屋から戻って来た。
青いパジャマ姿から、薄手の黒いセーターにグレーのジャケット。そして同じくグレーのストレートパンツを穿いている。
スラッとした身体に似合いすぎている服装を見ると、広幸は紗結香から目が離せなくなってしまった。
 

俊行:「着替えるの、相変わらず早いな」

紗結香:「どう?この前バーゲンで買った服なの。似合ってるでしょ、広幸君」

広幸:「は…はい…」
 

モデルと言うには大袈裟(おおげさ)かもしれない。
でも、そう思ってしまうほど紗結香は「綺麗なお姉さん」だった。
薄く化粧をしている顔は、先ほど見ていた紗結香よりも大人っぽく見える。
 

俊行:「よかったなぁ。紗結香になれるんだぞ」

広幸:「は…はは…」

紗結香:「広幸君。もし私の代わりに歯医者で親知らずを抜いてきてくれるなら、今日1日、私の
             身体を貸してあげるわ」

広幸:「え…」

俊行:「おいおい。そんなこと言って知らないぞ。広幸はお前の身体で何するか分からないんだからさ」

紗結香:「でも広幸君にはちゃんとゼリージュースの事、話したんでしょ」

俊行:「そりゃ…そうだけどさ」

紗結香:「それなら大丈夫よ。ね、広幸君っ」

広幸:「あ、は…はい」

紗結香:「でもそんなに気にしなくてもいいわ。うふっ、自分で楽しむだけなら私の身体、少しくらい冒険してもいいよ」
 

紗結香が悪戯っぽい視線を広幸に投げかける。
 

俊行:「こらっ」

紗結香:「だってせっかく異性の身体になるんだもの。何もしないなんて蛇の生殺しよ。だから私の身体なら
             触ってもいいわ。でも、私になって他人に迷惑をかけちゃだめよ」

俊行:「そんなこと言ったらこいつ、調子に乗って…」

紗結香:「広幸君。大丈夫よね」

広幸:「…き、きっと大丈夫です」

紗結香:「よかった。それじゃあゼリージュースを飲んで。その間に保険証とか用意しておくから」

広幸:「はいっ」
 

嬉しそうに返事をする広幸。
紗結香はニコッと微笑みながら、部屋の隅にあるタンスに向かうとごそごそと引出しの中から
保険証やハンカチなどを取り出し、セカンドバックに詰め始めた。
 

俊行:「まったく…広幸、お前なぁ。紗結香があんな事言ったからって鵜呑みにするんじゃないぞ。
          ちゃんと説明したこと、覚えてるだろ」

広幸:「分かってるよ兄さん。俺、ちゃんと紗結香さんの親知らずを抜いてもらってみせるよ」

俊行:「……そうじゃなくて…」

広幸:「紗結香さんに迷惑かけたりしないよ。ギブ アンド テイクっていい言葉だね」
 

そう言うと、広幸はキャップを開けてゼリージュースを飲み始めた。
 

俊行:「…ちょっと心配だな…」
 

俊行兄さんは美味しそうにゼリージュースを飲んでいる広幸を見てそう思った…

まあ…今回だけはいいか…
 
 
 
 

ゼリージュース!(青色)後編1…おわり
 
 
 
 
 

あとがき
長くなってしまいました。
そして終わる事が出来ませんでした。
で、まだゼリージュースが使えていません(^^
でも、紗結香がゼリージュースを使った話が出てきたのでこれでちゃんとTSしてますね(苦笑
俊行兄さんも紗結香も、ちゃんと自分の理性が制御できた上でゼリージュースを使っています(多分)。
昨日の夜から紗結香さんの身体に乗り移って、俊行兄さんは一体何をしていたのでしょう(笑

俊行兄さん、複雑な気分のようです。
広幸の事がとても心配なようですが、自分も異性の魅力を知っていて広幸の気持ちも十分に
分かっているようですから。ダメだといいながらも…広幸がちゃんと分かっているのなら…
自分の弟だからきっと…

さて、広幸はどうなるのでしょう。
紗結香の身体になって、おかしなことにならなければいいのですが…

そうそう、このゼリージュースの青色。
乗り移られた女性にとっては恥ずかしいです。
だって、気がついたらトイレに座っているわけですから(^^;

それではちょっと長くなりましたが、最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございました。
Tiraでした。 inserted by FC2 system