その店は路地裏のビルの2階にあった。 そこは、ある願望や欲望を抱いた人間の集う場所。 名前は《TSショップ》 そこで売られているのは色々な種類の「ゼリージュース」 今日、一人の女が店のドアを開けようとしていた。 さて、彼女はどのゼリージュースを選ぶのか。 「いらっしゃいませ」 「すみません、ネットショップを見たんですが」 「そうですか、何をご希望で」 「実は・・・」 「・・・なるほど、そうですか。となりますと、こちらの商品などはいかがでしょうか。これは・・・」 「へぇ、面白いですね」 「まあ、面白いかどうかは実際に試されてからご判断いただければよろしいかと。けれども、くれぐれも慎重にお取り扱いください。これは正規品ではありませんので」 「わかったわ。じゃあそれを三ついただけるかしら」 「すみません、こちらは一度にお渡しできるのはお一人様一本と決まっておりますので」 「そうか、じゃあ今日は一本だけなのね。でもまた欲しくなったら来ればいいんでしょう」 「はい、よろしくお願いします。ところで、オプションは如何なさいますか」 「それもいただくわ。そうね……じゃあそれは三つ頂戴」 「はい、ありがとうございます」 「ふふっ、これを使えば……」 白い闇の中で(前編) 作:toshi9 俺の名前は広岡秀雄、ある人材派遣会社で営業主任をしている。 うちの会社は主にイベントコンパニオンの派遣をメインにした20人程の小さな会社だが、コンパニオンに登録しているモデルのような容姿の女性が多く出入りしていることもあり、一見女性主体の華やかな職場のように見られている。だが実際には、うちの社内は典型的な男社会だ。男性社員の大部分は、女子社員なんて所詮アシスタントであって、マネジメントや契約等の大事な仕事はとても任せられないと考えていた。勿論俺もその一人だ。 おかげで、どうも女子社員との関係はあまりしっくりいっていないが、そんなのは気にする程のことではない。女なんていうのは気が利いていて、こちらの指示した通りのことををてきぱきとやってくれればそれで充分なんだ。 けれどもそんな女子社員にも使い道はある。うちの女たちはコンパニオンあがりだったり、中にはコンパニオンを兼ねている子もいたりして結構美人が多い。それで時々外回りに連れて行ったり、接待に同行させているんだが、これがお得意様には結構評判が良かったりする。彼女たちを同行させることは、ある意味うちの接待の目玉になっていた。だが女子社員の間では接待への同行はかなり評判が悪いようだ。しかし、これ位は会社の為に役立ってもらわなきゃな。 そんなある日、俺はあるお得意様の接待をすることになり、同じ営業課の松岡ひとみを同行させることにした。彼女はコンパニオンを辞めた後そのまま入社した口だが、まだ20代前半でしかもスタイルが良くって美人なので、接待に連れて行くとお客さんにすこぶる評判が良い。まあ本人がどう思っているのかは知らないがな。 「ひとみくん、今夜接待があるから同行頼むよ」 俺はひとみ・・松岡ひとみの後からいつものように彼女の肩を揉みながら声をかけた。 「し、主任やめてください」 「いいじゃないか、スキンシップだよスキンシップ」 「そんな・・」 「いつもろくに役に立っていないんだから、こういう時はしっかり頼むよ」 「でも今晩はちょっと・・」 「今夜の方は大事なお得意様なんだからな」 「主任・・」 「決まりだな。じゃあ6時に待っているから」 俺は彼女が何か言いたげなのを無視した。同行するのが当たり前だからだ。しかし、その晩彼女は同行するにはしたものの、接待中はほとんど黙り込んでいて、お得意様が話しかけても上の空で生返事しかしなかった。 結局その夜の接待はかえってお得意様の機嫌を損ねることになってしまった。 「ばかやろう、こんなこともまともにできないのか。にこにこ笑って聞かれた事に答えていればいいんだよ。それをお前は、あんなぶすっとしてれば誰だって気分が悪くなるさ」 「・・・・・・」 「もういい、頼んだ俺がばかだった。この役立たずめ」 彼女は泣きそうになっていたが、俺はそんなことお構いなしに彼女に捨て台詞を吐くと、彼女を置いてそのまま一人タクシーに乗って帰った。 所詮女なんてこんなものか。簡単な接待の相手も満足にできないなんて。全く責任取れよな。 翌日、彼女は出社して来なかった。 「安田くん。松岡くん今日はどうしたんだい」 「はい、さっき本人から電話があって、体調が悪いから今日は休むって」 「けっ、これだから女って奴は。全く気楽なもんだぜ」 「主任、いくらなんでもそれはちょっと言いすぎです」 「何処が言いすぎだ。本当のことだろうが」 安田久美。彼女はうちの課の女子社員の中では古株で、リーダー的な存在だ。そして昔から俺のアシスタント的役割を務めてくれている。それ程美人ではないが、仕事もてきぱきと速くて俺にとっては貴重なパートナーでもある。 「私夕方彼女のところに行って様子を見てきますんで」 「おう、明日は必ず出てくるんだって言うんだぞ」 「……はい」 その翌日、やっぱり松岡ひとみは出社して来なかった。 「すみません、主任。彼女体調が悪いので、あと2、3日休むということで」 「お前、それをはいそうですかって聞いてきたのか。ばかやろう。必ず出てこさせるんだって言っただろう。この役立たず」 「くっ」 「何だ、何か文句あるのか」 「・・い、いえ」 「全く女ってのはどれもこれも役に立たない生き物だぜ」 「・・・・・・」 その夜、俺は立て続けに仕事が舞い込んできて、遅くまで残業する羽目になってしまった。9時を回り、結局最後まで残っているのは俺と安田久美だけになった。 ようやくもう少しで片付くかなという時、紙コップを手に持った久美が声をかけてきた。 「遅くまでご苦労様。まだ終わりませんの」 「ああもうちょっとだ」 「じゃあ私はこれで帰りますから、これでも飲んでがんばってください」 彼女は俺にカップに入った熱いコーヒーを渡すと帰り仕度を始めた。 「お、気がきくね。ありがとうよ」 もらったコーヒーをぐいっと飲むと、またパソコンのディスプレイに向かう。 そしてほぼ書類に記入し終わって最後のチェックをしている時、急に猛烈な睡魔が襲ってきた。 「くっ、何だ、急に」 そのまま俺は意識を失った。意識の無くなる間際、帰ったはずの久美が扉を空けて再び入ってきたように見えた。それも何だか俺のほうを見て笑っているようだったが・・まさか・・・ 「う、うーん」 それは夢なのだろうか現実のことなのだろうか。突然の眠りから覚めたものの、まだ意識がおぼろげな俺には何が起きているのか最初よくわからなかった。 寝ていた俺の周りを数人の人影が取り囲んでいた。 ここは何処だ。どうして俺はこんなところに寝ているんだ。 どうも大の字になって寝ているようなんだが、体をうまく動かすことが出来ない。天井の光が眩しくて、周りに立っている人影もそれが誰なのかよくわからなかった。でも、段々目が慣れてくると、どうやら皆女性だということがわかってきた。全員がうちの会社の制服を着ているみたいだ。 「き、君達は誰だ」 「・・・・・」 人影は誰も俺の問いに答えようとはしなかった。でも俺が目を覚ましたことがわかると、一人がその手に何かを持って近づいてきた。 それはペットボトル・・何かの飲み物のようだ。 寝ている俺の口にゆっくりと近づけてくる。 それを俺に飲ませようというのか。 不思議なことに、傾けているにも関わらず、その中身はこぼれてこなかった。 「さあ、これを飲むのよ。主任」 この声、聞いたことがある。誰だったかな。 俺の口にペットボトルの口が突っ込まれ、その中身が口の中に押し込まれてくる。 それはカルピスのような味のゼリーだった。 ごくっ、ごくっ 何故か喉が渇いて仕方なかった俺はその飲み物を飲み干していく。 そして、それを飲み終えた時、俺の顔に何か柔らかいものが被せられた。 「うっぷ、何だ、苦しい」 「よし、採れたよ」 俺の顔からそれが外されると共に、傍らからそんな声が聞こえた。 俺のほうは、その間に体が段々と熱くなってくると共に、今度は麻酔にでもかかったように全身の感覚が麻痺していくのを感じた。 「ふふ、もう大丈夫みたいね。じゃあ、縄を解いて」 「本当にこんなことして大丈夫なんですか」 「ひとみの復讐よ。私もずっと我慢してきたけれど、もうこいつのことを許せない。会社には報告していないけれど、こいつのせいでひとみは自殺未遂まで起こして意識不明の重体なんだから。彼女が復帰するまでその償いをさせてやるの。自分の体でね」 そうか、この声、久美、安田久美だ。 俺はそれを確かめようと体を起こそうとするが、四肢には全く力が入らなかった。 でも、どうやら自分が何も着ていないようだというのはわかった。 こいつら、何をしようと言うんだ。 「ふふ、このたくましい物ともお別れね。ちょっと勿体無いけれど」 「な、何の話をしている」 「さあてっと、始めよっか」 俺の問いを無視するように久美は俺の体を抱きかかえると、もう一人の女性が俺の体を立ち上がらせた。そう、そこに居た女性のうち、一人は確かに久美だった。 力が全く入らないのに、抱き起こされた俺の体はすっと直立に立っていた。 目の前には鏡が置かれており、そこには裸にされた俺の姿が映し出されていた。 力なく立っているその姿は何だか情けなくもあった。俺の一物もだらりと股間に垂れ下がっている。 しかし、その姿は妙に白っぽく、俺自身というよりは、まるで石膏か何かで作られた像のようだった。 「さあて、まず背丈を何とかしなくっちゃ」 二人が腕を上に伸ばし俺の肩に手を掛けると両脇からおれの両方の肩を押さえつけた。すると、俺の目線が段々下げっていくような気がした。いや彼女達がその手に力を入れるに従って本当に俺の背が少しずつ縮み始めていた。彼女達の頭の上を見ていたのに、俺の目線は彼女達の頭と同じくらいになり、やがて彼女達と同じ位になった。彼女達は尚も力を緩めず、遂には彼女達より少し低いものになってしまった。 「うん、それ位かなぁ。いいんじゃない」 「はーい」 何故だ、やはりこれは夢なのか。押さえつけられただけで背が縮むなんて、信じられない。 夢か現実かはわからないが、結局今の俺は彼女達よりすこしだけ背が低くなってしまった。一方背が低くなった分だけ体全体が横に膨らんで、何だか寸詰まりのような情けない体型になってしまった。 「お前達……俺に何をした」 「ふふっ、まだまだこれからよ。黙って目の前の鏡を見ているといいわ」 「あはは、何かおかしいね。こいつ私たちよりずっと背が高かったのにこんなになるんだ」 「いいからいいから、面白いのはこれからなんだから」 久美の手が俺の体をまさぐり始める。だが何となく触られているのはわかるものの、俺の皮膚から感じられるのはぼんやりとした感覚で、くすぐったくも何も感じなかった。 「たくましい体ね。この腕で何人の女を抱いたのかしら」 久美は俺の腕、胸をさわさわと撫でている。そして首に両手を回すと、上下にゆっくりとしごき始めた。 「うん、こんなものね。喉仏もしっかり消してっと」 「安田、お前何を・・え? 声が」 俺の声はその時すっかり変わってしまっていた。どすの効いた自慢の声が、か細い甲高い声しか出てこない。 「さあて、じゃあみんな、はじめよっか」 その声を合図にするかのように女性達が俺の周りから手を差し伸べる。 一人が撫でるような手つきで俺の腹の辺りを絞るようにしごいていった。 すると、俺の腹の周りはその手の動きに合わせてどんどんと絞れて細くなっていった。腹もその分厚い筋肉を失くして滑らかなものになっていった。 「あらぁ、本当にできるのね。おもしろーい」 一人が変なことを叫んでいる。いや、確かに変だ。俺の体に何が起こっているんだ 一人が俺の両肩に手を当てて内側に押し込むようにぐっと力を入れている。すると、俺の肩幅がずずっと詰まっていった。俺の広くてがっちりとした肩幅は、狭いなで肩になってしまった。 腕をしごかれると、筋肉質の太い腕がどんどん細くなる。俺の筋肉は何処にいったんだ・・・ 「ふふ、胸も作ろうね。ひとみってトップは88でアンダーは70だったかな。大きなおっぱいを気にしていたんだから」 一人が俺の背中から脇の下にかけてしごいていく。すると、俺の胸周りがどんどん細くなっていった。 「余った肉は、うまく胸とお尻に集めるのよ。本物よりちょっと位大きくなってもいいから。え、それでも余りそう・・うーん、じゃあちぎっちゃえ」 ぷよっとした肉が少しずつ両胸とお尻に向かって寄せられている。寄せられた両胸とお尻はどんどんと丸く盛り上がっていった。 「ねえ、ぽっちりはどうするの」 「そりゃあ、大きくしてやらなきゃ。指先で作ってみたら」 「あ、できるできる。かわいい乳首になったね」 「うーん、ちょっとそこのラインはまだ硬いわね。もう少し柔らかくね」 彼女達は俺の体をまるで粘土細工でもするようにこねくりまわしている。俺の体は彼女たちの手によってどんどん別なものにその姿を変えていった。本当に不思議なことに彼女達が俺の体をまさぐると、それに合わせて俺の体は簡単に形を変えてしまうのだった。 180cm近い長身でがっちりした俺の体が、今や160cmにも満たない小さくてか細い体になっていた。しかも肉を集められた両方の胸とお尻は大きく張り出し、逆に腰はきゅーっと細くなって、体のラインはすっかり変わってしまっていた。そう、見た目俺の首から下は股間以外まるっきり女の体、それも見事に艶かしいボディラインになっていた。俺は変り果ててしまった鏡に映る自分の姿に目眩がしそうになった。 「さあて、今度はこれね」 久美がかばんからゴム状のものを取り出し、俺の顔にそれを被せた。 「うっぷ、何だ」 しばらくすると、それが俺の顔から外された。その時には俺の目の前にあった鏡は外されていた。一体何をしたんだ。 「うん、できた」 「うん、そうだね。すごーい。顔といい、体型といいそっくりだね。きっと両親でも気が付かないわよ」 「ふふ、そうね。さあて・・もうすぐ30分か、急がなきゃね。じゃあ最後の仕上げ」 久美は俺の一物をかぷっと口に含んだ。そして唇で繰り返ししごき上げていった。自分のものが段々と膨らんでいくのがわかる。しかし不思議と快感が感じられなかった。 久美がやがて顔を俺の股間から離すと、そこはすっかり怒張しきっていた。 ふふっ 久美はぞっとするような冷たい笑いを浮かべると、俺のその一物に右手を伸ばし、ぎゅっと掴んだ。そしてもう一度にやっと笑うと、えいっとばかりに引っ張った。すると、何と俺のものはぶちっとちぎれてしまったではないか。 え! そんな さっきからの出来事に信じられない思いではあったが、自分のものが引きちぎれてしまったことに俺は言葉もなかった。痛みは無かった。でも何で・・ ふふっ 彼女は俺を椅子に座らせると、俺の両足を広げて股間にもう一度手を伸ばした。そして、親指と人差し指を使ってそこをくにゅくにゅといじっている。下のほうを見下ろすことができない俺には、久美が何をやっているのかさっぱりわからなかった。でも、股間からは、彼女の指が俺に中にめり込んで入っていくような感触を感じていた。・・・まさか。 「うーん、こんなもんかなぁ」 彼女はそう呟くと、片手に持っている俺から引きちぎった一物を口に含むとちゅぱちゅぱと舐め始めた。そしてその先端を俺の股間に向ける。 ひっ、まさか そして、彼女は手を俺の股間に伸ばし、一物の先端を俺の股間に押し当てた。 ひ、ひゃっ、何だ 俺の物だった一物の先端が俺の股間に触れた瞬間、さっきの久美の指とは全く違うその感触にびくっとしてしまった。股間のその部分はその時には何故かとても敏感になっていて、久美が何度もそこにちょんちょんとそれを触れさせる度に俺にくすぐったさ以上の感覚をもたらす。 彼女がさらに今度はそれを俺の中に押し込んでいく。俺の一物がずぶずぶと俺の中に入っていくのを感じた。痛くは無い。でも腹の中から俺自身のものだったそのものの熱さが伝わってくる。 彼女はそれを持ってゆっくり動かし始めた。するとその度に俺の中に奇妙な快感が吹き上がっていった。 な、何だ、この感じ、ひっ、ひゃっ、や、止めてくれ。 しかし、彼女は段々その動きを早めていく。快感は俺の中からどんどん吹き上がりその強烈な感覚に段々何も考えられなくなっていった。 あ、あぁ、この感じ、いい、 ずずっずずっ ひー、何だ、もうやめてくれ、い、い、いい・・いや ずっずっずっ あ……あぁ! 俺の中で何かが弾け、俺の頭の中は真っ白になると、そのまま意識を失ってしまった。 「……う、うーん」 「ふっ、目が覚めた?」 「あれ? ここは、ここは何処だ」 「あら、どうしたのひとみ、そんな男みたいな言葉使いしちゃって」 「え? ひとみ? 何言ってるんだ。俺は広岡、広岡秀雄だ」 「ふふっ。何言ってるの、ひとみ。あなたは松岡ひとみでしょう。ほら鏡」 久美が投げて寄越した手鏡の中に映っていたのは俺じゃなくて松岡ひとみだった。しかも裸だ。 「え? そんな馬鹿な。違う、俺は、俺は、違う」 「ほら、ひとみ、いつまでも裸のままじゃ寒いでしょう。早くこれ着なさい」 確かに今の俺は裸だった。しかもちょっと動く度に大きく膨らんだ胸はぷるっと揺れ、腰はきゅっと細い、股間には一物は無く、代わりに淡い翳りの中に縦の筋目が入っていた。それはまさしく女そのものの体だ。 久美が俺に渡した紙袋の中身は、真新しいショーツとブラジャー、滑らかなスリップ、白いブラウス、ピンクのベストとタイトスカート・・これってうちの女子社員の制服じゃないか。 「これを俺に着ろと」 「そうよ、ほらぐずぐずしない。こんな所で寝ちゃって、早くしないと部長って出社されるのが早いんだから。この時間だともう来ちゃうわよ」 「え? ここってまさか」 「会社よ。第三応接室」 「どういうことだ」 「どういうことも何も、ひとみ、あなた裸でこんな所にいたらおかしいでしょう」 「いや、そういうことじゃなくて」 「ふふ、じゃあ言うわ。主任、これからあなたにはひとみをやってもらうの。あなたは今日から松岡ひとみよ。女子社員みんなでそう決めたの。あたしたちが何をされてきたか、広岡主任にも体験してもらおうってね」 「安田、お前何考えているんだ」 「あなたにはちっとも自覚がないみたいだけれど、何人の女子社員があなたに泣かされたか、そして昨日ひとみが自殺未遂を起こした。どうもあの子彼氏から大事な話があるって待ち合わせしていたらしいのに、断りきれない彼女を接待に引っ張って、結局彼とはぶちこわしになったみたい。私が行ったら彼女ずっと泣いてたわ。私たちはもうあなたのやり方を許せないの。同じ目に合わせてあげる」 「そんなばかな」 「その顔、その体、もう誰もあなたを広岡秀雄だなんて思わないわ。男たちはみんなあなたのことをひとみだと思う。彼女美人で大人しげだから結構セクハラ受けてたみたいだし、あなたがどうするか楽しみだわ」 「すぐに別人だってわかるさ」 「あら、あなたには一生懸命ひとみを演じてもらうわよ。私たちもフォローしてあげるから。ふふふっ。そうしないとこれは返してあげないわよ」 「そ、それは」 彼女は俺の目の前に突き出したもの、それは・・俺の一物だった。 「何でこんなことが」 「ふふ、世の中には信じられないようなものがあるってこと。多くの人はそれに気が付いていないだけ。さあもう部長が部屋に入られている頃よ。頼んだわよ、ひとみちゃん。部長のセクハラって特にきついから気をつけるのよ。ふふふっ……あっははは」 (続く) 2003年6月3日脱稿 |