新人メイドの身体で
 作:verdsmith7


夕方になり一仕事終えた私はホッと一息つきました。
私はこの地域で一際大きな屋敷で働いているメイドの美羽です。
まだ新人で他の先輩達に色々教えてもらいながら頑張っています。
最近はやっとこの仕事とこのメイド服にも慣れてきました。
先輩達にはまだまだだと言われていますが自分なりに努力していこうと思ってます。

辺りはすっかり暗くなり先輩が仕事を終えて帰っている中私は残ってトイレで鏡を見ていました。
仕事で乱れた髪を整え化粧も直しました。
鏡にはメイド服姿の私がニコッと笑っていました。
これから遊びにでも出掛けるとお思いかもしれませんが実は私の奉仕がまだ残っているのです。

目的の部屋のドアをノックし部屋に入りました。
中では男性が椅子に腰かけて書類を片手にコーヒーを飲んでいました。
私に気付くと「もう少しで終わるから少し待っててくれ」とそれらを読みながら言ってきます。
早く終わらないかそわそわしながらソファーに待っていました。
髪の先端を指でくるくると巻いたりして暇をつぶしますがそれでも中々終わりそうな気配はありません。


しばらくして書類の束を机に置くと男性はニコッと笑いながら私に近づいてきました。
「待たせて申し訳ない。」そう言って私にお詫びのキスをしてれました。
軽いキスを終えると私もすっかり待たされた事を許していました。
でも私は許していないフリをしてもっとキスをねだりました。
「しょうがないな」と彼も私のわがままに付き合ってくれます。
待たせられた時間よりも長い間私達は唇を重ね続けました。
もうすっかり待たせられた事などどうでもよくなっていました。
唇を離し私が笑みを浮かべると彼も優しい笑みを浮かべます。

彼は部屋に鍵を掛けカーテンも閉めて部屋を暗くしていきます。
これで誰にも邪魔はされません。
その間に私は着ていたメイド服を脱ぎ捨てていきます。
彼も私のブラジャーのホックを外してくれました。
最後にショーツとガーターベルトを脱ぐと全身を冷たい空気が流れていきます。
ひんやりとした部屋でしたが私にはむしろ熱いぐらいでした。

なぜなら彼が私の裸をあまりにも見つめてくるので居ても立っても居られず私は恥ずかしくて体温が上がってしまったのです。
彼とは何度もしているはずなのに未だにあの視線には慣れませんでした。
でも彼はそんな私を見て嬉しそうに興奮しているようで見るとズボンの下から何かが押し上げています。
それを知って私は少し嬉しくなりました。

彼も早くやりたくて我慢ができなくなったのか着ている服をさっさと脱いでいき私と同じく裸になりました。
ジムで鍛えているだけあってかなり同年代の男性と比べても細身でありながら筋肉が発達しています。
私も彼の裸が好きなのです。
私達の準備が整うとお互いに背中に手を回して抱き合い身体を密着させていきます。
私は彼に大きな胸をぎゅっと押し付けてあげました。
すると彼の下半身が元気になって私に当たっているのが分かりました。
お互いの身体の温もりと吐息が伝わってきます。
今度は私の方から彼の口に舌を入れ絡みつかせました。
こうしている内にも私の体温は更に上がっていきました。

突然私の胸に違和感が走り出しました。
目を開けると私のキスをされながら彼に胸の膨らみを触られていました。
私の大きな胸が彼の手によって握られ、揉まれ、引っ張られていきます。
「んんー!」たまらず唇を塞がれながらエッチな声が漏れていきます。
でも私はキスをやめませんでした。
「はあ、はあ、んんっ!」その後も私の口から次々とイヤらしい声が溢れ続けていきました。
私の身体はもうすっかり興奮しきって早く彼とやりたくて仕方がありません。
それは彼も同じようでした。

ソファに横になり私は恥ずかしがりながらも大きく脚を開きました。
大好きな彼の為にこれも何度もしていますがやっぱり慣れません。
彼が私の上に覆いかぶさりながらアレを入れる準備を始めました。
既に大きくなりきった彼のそれを私は待ちました。
そして彼の大きな棒が私の大切な穴へとゆっくりと入れられていきました。
奥に入るにつれて私の身体がまた反応していきます。
ぐっと彼がそれを押し込んでいき私はそれを受け入れました。
大好きな彼と一緒になれて嬉しい気持ちでいっぱいでした。
やがて私の奥まで完全に入りきると私は全身でそれを感じました。
私の中にある熱くて大きなモノが私の中で脈打っているのが分かります。
すると彼は私と繋げている腰を前後に動かし始めました。
たまらず私は「んんっ、ああー!」と突かれる度に私はエッチな声を出してしまいます。

突かれる度に全身に広がっていく快感が私を支配していきます。
今の私は彼とどうやったらもっと気持ち良くなれるしか考えられません。
もう我慢できなくなった私は自分でも繋がっている腰を動かしていました。
私と彼が激しくお互いに腰を振り合い愛し合いました。

「ああん!」一際大きな声が私の口から出た瞬間自分がいった事を理解しました。
続けて暖かいモノが私の中に流れ込んできました。
どくどくと私に彼の液が入り私は一気に満たされていきました。
彼は嬉しそうに私にありったけのキスをしてきます。
唇を離し息を整えていると彼は私に最近仕事はどうかと聞いてきました。
私も彼に奥さんと上手くやっているのか尋ねます。
お互いに大丈夫と言い合いましたが、本当はどちらもトラブルを抱えていました。
でもそれ以上に深くは追及しませんでした。

でも私はまだ満足していません。
それに夜はまだ始まったばかりでした。
今度は私が彼の上にまたがります。
そして腰を振り彼に私の胸を揉ませました。
さっきよりも更に激しく動き私は大汗をかきながら腰を振りました。
細身で体力のない私には激しすぎる動きでしたが、彼ともっと気持ち良くなる為に私は最後の力を振り絞って揺すり続けました。
彼もそんな私を下から嬉しそうに見ながら私の弾む胸を揉み続けていました。
「ん、あんん!」私が一際大きな声を響かせた時再びあの甘美な感覚が襲ってきました。
繋がっている股間から広がるその感覚を海老反りになりながら私は味わいました。

ベッドに横になりながら隣に置いてある鏡を見ました。
そこにはいったばかりの私の姿が写っていました。
ここまできて私はメイドの美羽ではないと言ったらどう思うでしょうか。
恐らく誰が見ても私をエッチなメイドの美羽だと断言するはずです。
しかし、本当は違います。
正しくは違いました。
私はメイドの美羽ではなく、更には女性ですらありませんでした。
実際には男性だったと言う方が正しいです。
それがある日を境に女性として過ごす事になり今に至ります。
そして私の横で気持ち良さそうにセックスの余韻に浸っている男性が本当の私でした。
あの日の出来事から私は新人メイドの美羽に、新人のメイドの美羽は主人の私になってしまったのです。




その日私は住んでいる屋敷の仕事部屋で集められた多くの書類に目を通していました。
重要な書類から些細な報告書まで様々です。
それが前の私の最後の仕事になりました。
その時ドアをノックする音が聞こえてきました。
入ってきたのは新人メイドの美羽でした。
彼女は最近屋敷で雇って働いてもらっていましたが他のメイドからは散々な評価でした。
仕事はできない上にさぼり気味で綺麗な容姿以外に良い点がほとんどなかったからです。
そんな新人メイドが自分の部屋に何の用かと思いましたが彼女の手にあるコーヒーを見て理解できました。
頼んでおいたコーヒーを持ってきてくれたのです。
「いつもとは違うコーヒーをお楽しみください」薄っすらと笑みを浮かべながら私にそう言って差し出してきます。
私はお礼を言ってコーヒーを受け取ると試しに飲んでみることにしました。

確かにいつもと違って味が変でしたが仕事に夢中だった私は気にせず全て飲んでしまいました。
美羽はなぜか部屋から出ず私の側で嬉しそうに笑っていました。
こうやって見るとやはり容姿は美人です。
そんな事を考えていると私の視界が急にぼやけ始めました。
昨日は夜中まで仕事をしていたせいか私は突然強烈な睡魔に襲われてしまいました。
目を開けているのが辛く読んでいる文字が霞んで見えます。
立つことはおろか座っているだけでも辛く寝室に行く事もできないまま机の上で目を閉じてしまいました。
「おやすみなさい、ご主人様♪」
耳元で優しくメイドの美羽にそう囁かれたのを最後に私は深い眠りへと落ちていきました。



どれくらい眠っていたのかは分かりません。
私は目を覚ますと周囲を見回しました。
そこは自分の部屋ではありません。
どうやら小さな掃除用具入れのようです。
さっきまで側にいたメイドの美羽の姿もありませんでした。
なぜ自分がここにいるのか分かりませんでした。
美羽が私をここまで連れて来たのかと思いましたが、それをする理由が分かりません。

もう一つ気になる事がありました。
気が付くと私はさっきまで着ていなかったはずのメイド服を着ていました。
靴も革靴ではなくハイヒールを履いています。
最初は何かのイタズラかと思いました。
私がこんなメイドの格好をするはずがありません。
私が着ていたのはスーツだったからです。
でも異変はそれだけではありませんでした。
メイド服のスカートを捲ると私の下着までも変わっていたのです。
それも女性が着ているようなショーツとガーターベルトを身に着けています。
わざわざ下着まで替えたのかと呆れていましたが何かおかしいのです。
着ている物だけではなく身体自体が変でした。
手足はさっきよりも明らかに細くなり肌の色も白くなっていました。
それにムダ毛が一切なく綺麗な手足になっています。
それとは逆に髪は腰に掛かる程長くなっていました。
試しに引っ張ってみると痛みが走り出しました。
これがカツラではない事と夢でない事がすぐに分かりました。

一体自分はどうしてしまったのか全く理解できませんでした。
手も長く綺麗な指と爪になっています。
私はスカートの中にその綺麗な手をゆっくりと入れていきました。
男性なら誰もがそうするはずです。
ごそごそと本来男の股間にあるはずのモノを探ったのです。
しかし、そこには何もありませんでした。
男性の身体にくっついているはずのモノがどこにもなかったのです。

いつも股間にある男の膨らみは消え代わりに胸が大きく膨れていました。
服の下にある丸いモノは私の脚元を視界から隠す程の大きさです。
私はそれを確認するためゆっくりとメイド服のボタンを外してみました。
よくこんなモノが服の中に収まっていたと思います。
あまりにも大きすぎて上から見ると胸の谷間を形成していました。
試しに下から持ちあげてみるとそれは見た目以上に重く感じました。
次に引っ張ってみるとそれが自分の身体にくっついているのだと分かりました。
実際に触ってみるとプニプニとした感触と共に温もりを感じました。
更に強く握ると「んん!?」と今まで感じたことのない感覚につい声を出してしまいました。
しばらく触り続けましたがこれは作り物ではなく本物の胸だと結論を出しました。
私は自分の身体が明らかにおかしいと感じました。


その時とあるメイドが偶然部屋に入ってきました。
私を見るなりさぼってないで早く仕事をするように言ってきます。
その表情は明らからに怒っていました。
いつも私を敬う優しいメイドの顔ではありませんでした。
そして私に怒りながら部屋を出ていきました。
一方的に怒りをぶつけられた私は何も考えることができないまま取り残されてしまいました。
でも一つ気付いた事があります。
先程あのメイドは私の事を明らかに「美羽」と呼んでいたのです。

私は急いで鏡を探しました。
さっきまで気になっている事を確かめる為です
偶然用具入れには鏡がありました。
私はそれを覗き込みました。
そこにいたのはあのコーヒーを持って来た新人メイドの美羽でした。

横を向いても後ろを振り返っても私の他に誰もその部屋にはいません。
ただ私がいるだけです。
それなのに鏡はメイドの美羽だけを写していました。
鏡を見ながら頬を叩くと鏡に写っている彼女も同じことをしその後一緒に痛そうな表情になりました。
「え!?え!?」喉から出る声も明らかに男性の低い声ではなく女性の高い声になっていました。
身体中を触りながら確認してみましたがやはり私は主人でも男性でもないメイドの美羽という女性になっていたのです。



小走りで動くと服の中にある大きな胸が上下に揺れました。
メイド服の中で揺れ動いています。
「はあ、はあ・・・」それに体力があまりないのかすぐに息が切れてしまいました。
更にこのハイヒールが動き辛く結局フラフラと歩いて動かなくてなりませんでした。
すれ違っていく他のメイド皆が私の事を「美羽さん」と呼んで挨拶をしていきます。
しかし、私を「ご主人様」と呼ぶ人は一人もいませんでした。
こんな事信じたくありません。
私はメイドの美羽では絶対ありません。
でも全ての状況は私を新人メイドの美羽だと示していました。


私は一目散にさっきまでいた部屋に向かいました。
少なくともあの部屋に自分の身体がいるはずでした。
ところがそこで私はさっきまでの自分の身体に会う事はできませんでした。
なぜなら元の自分は既にいなかったからです。
近くのメイドに聞くとなんと出張で海外に行っているというではないですか。
勿論私はそんな予定はしていなかったはずです。
聞いた所によると突然何かを思い立ったかのように出張をする事になったらしいです。
周囲も全然そんな話は聞いておらず大慌てで準備を進め先程出発したとの事でした。

一応私も見送る為に皆が探していたらしいのですが結局見つからなかったようです。
恐らく私がさっきまで気絶している間に起きた事でしょう。
しかも皆は私がまたさぼっていると思っていたようです。
それを聞いて私はメイドの美羽の身体で呆然とする事しかできませんでした。
周囲の人に自分は美羽ではないと説明しようとしましたが誰も信じてくれませんでした。
それどころか仕事をさぼって見苦しい言い訳をしていると思われていました。
冗談ではありません!私は確かに届いた書類に目を通しながら仕事をしていました。
していないとすればこのメイドの美羽のせいです。
でも周囲は私をそのメイドの美羽としてしか見てくれませんでした。
このまま説得するのは無理だと思い仕方なく私は本来の自分がやる事はないメイドの仕事をすることになりました。


メイド服に付けられた名札に書かれている「美羽」という名前がこれほど憎らしい事はありませんでした。
私は本当は「美羽」ではないのです。
しかし、周囲は私の事を仕事のできない「美羽」として見て呼んできます。
しかもそれに返事をしなくてはならないので我慢なりませんでした。
仕方なく私は「美羽」として渋々掃除をすることにしました。
大きな屋敷で絨毯に掃除機をかけていきますが、これが凄く大変でした。
長い髪が鬱陶しく屈んだりすると何度も目に入りそうになり手で髪を払い除けました。
こんなに不便なのにどうして女性はこんなに髪を長くしているのか理解できません。
でもシャンプーの髪がほのかに漂ってきた時はこっそり匂いを嗅いでしまいました。
「珍しい、今日は真面目に仕事をしているのね」
しばらく私が掃除をしていると普段と違い真面目に掃除をしていると他の先輩のメイドが褒めてくれました。
不思議な事に私はそう言われて嬉しく感じてしまい余計に頑張って掃除をしてしまいました。


やっと仕事がひと段落し安心した時です。
突然身体がぶるっと震え何かが下から沸き起こってきました。
それが尿意だと私はすぐに気付きました。
最初はもう少し我慢しようと思いました。
でも我慢の仕方が全然分からない上に身体は限界に来ていました。
どんどん下半身が身体の中にためているモノを早く出すよう訴えてきます。
このままでは大惨事になる事は明白でした。


トイレ自体には当然今まで何度も使ったことはありますが、女性の身体でトイレをするのは生まれて初めてでした。
他のメイドと同じように女子トイレに入るのは抵抗がありました。
でもこの身体で男子トイレに入るのは絶対に変に思われるでしょう。
だから入る時も見つからないようにコソコソと入っていこうとしました。
でもヒールの踵が床を鳴らしたせいで逆に目立ってしまいました。


そして個室に入りごそごそといつものように下半身から出そうとした時ハッと気づきながら慌てて便座に腰を掛けました。
色々な思いがこみ上げきます。
下着を下ろそうとしましたが手を止めました。
このままだと見てはいけないものを見てしまいます。
でも本当にもう限界でした。
私は「ごめん」と自分自身に謝りながら脱いでいきました。
メイド服のスカートをたくし上げるとショーツとガーターベルトに付けられたストッキングが見えます。
それはランジェリーショップのポスターで見るような光景でした。
私はスカートを捲ったままこの身体の美しい下半身に見惚れてしまいます。
でもそれも一瞬で早く脱ぐよう自分に言い聞かせました。
とにかく脱がなくてはいけませんが、ガーターベルトなど着けた事はもちろん外した事もありません。
それにゆっくり丁寧にしている暇もありませんでした。
私は慌てながらも外せるモノは外し脱げるものは全部脱いでいきました。
そしてやっと下半身から全部を脱いだ時にやっと解放されました。
その直後自分の何もない女性の股間から液体が流れ落ちてきました。
私は目を綺麗な手で覆いながら全て終わるまで待ち続けました。
いつもとは違う身体だと思うと変な気分になってきます。
チョロチョロと出ていく液体の音が響いていきますが、この音すら聞いてはいけないように思え呼吸もわざと深くしました。
やっと尿意から完全に解放されていき声が漏れそうになりました。


我慢していたせいか凄く気が楽になりました。
そして身体が凄く軽く感じます。
下ろしたショーツを見ると自分はさっきまでこんなエッチな女性の下着を履いていたのかと目を疑いました。
それらを履き直すのも変な感じでした。
本当はガーターベルトは外す必要はなかったようなのですがその時の私はそんな事知る由もありませんでした。
個室を出てトイレにある鏡を眺めるとやはり自分はメイドの美羽の姿になっています。
若く美人だとは以前から思っていました。
こうやって自分が美羽の身体になって見てもやっぱり綺麗だと思います。
白い肌に二重の大きな瞳だけでも可愛いく、更には高めの鼻と、ピンクの瑞々しい唇が美しい顔を形成していました。
あまりにも綺麗でメイドのコスプレをしているみたいでした。
私は何を思ったのか服の上から大きな胸を触ってしまいました。
男性として自分がどれぐらいの胸の大きさなのか気になってしまったのです。
服から飛び出しそうな程大きな胸でフワフワした触り心地に私はこのまま服を脱いでしまいそうになります。
その時他のメイドが入ってきたので何とか理性を保てる事ができました。
そして入って来たメイドに悪いと思い急いでトイレから出て行きました。

空が赤くなった頃にようやく仕事が終わりを迎えました。
凄く長かった気がします。
もうへとへとでした。
何せ初めてのメイドの仕事をしたので本当に大変だったのです。
私は疲労でふらふらになりながらいつも通り自分の部屋に戻ろうとしました。
扉を開けると中で掃除をしていたベテランメイドと目が合います。
部屋を掃除してもらい感謝しながら入ろうとしました。
「何をしているの!?」突然ベテランメイドは入ってきた私を叱ってきます。
最初なんで怒られているのか理解できませんでした。
でもすぐに気付きました。
私は主人ではなくメイドの美羽になっていたからです。
理由は分かりましたが納得できたわけではありません。
ここが正真正銘自分の家です。
だからその時の私は一生懸命に説明しました。
しかし、結果はさっきと同じでした。
でも新人メイドの悪ふざけだと思われて追い払われてしまうだけでした。
それどころかハイヒールを履いてることや明日遅刻しないよう注意までされてしまいました。
本当は納得してもらえるまで説明を続けたかったのですが、ベテランメイドの怖い顔を見ている内に恐怖を感じ引き下がるをえませんでした。
前の私の時はあんな恐ろしい顔を絶対見ることはありませんでした。

仕方なく私は更衣室でメイド服を脱ぎロッカーに入っていたスーツに着替えました。
恐らくメイドの美羽が着ていたものでしょう。
周囲のメイドの無防備な着替えをなるべく見ないようにしながら私も着ている物を脱いでいきます。
流石にこのメイド服の格好のまま外に帰るのは無理でした。
一通り上着やスカートを着たのですがこれがまた大変でした。
胸が大きすぎて前のボタンは留められなかったせいで胸の谷間が顔を覗かせてしまったのです。
なんとか服の中に納まるように手で押し込もうとしますが息が苦しくなるだけで結局隠す事はできませんでした。
自分の胸がこんな風になっている状態で歩くのは複雑な気分でした。
男性として眺めるだけなら楽しめたでしょうが・・・
半分裸で歩いている気分でした。

着替えを済ませとうとう私はメイドの美羽の身体のまま屋敷を出ることになってしまいました。
当然誰も私を引き留める人もいません。
「美羽さん、お疲れ様」と見送られるだけでした。
心の中で違うと言いましたが伝わることはありませんでした。
屋敷の門を出て自分の本来の家がどんどん遠ざかっていきます。
追い出されてしまったように感じてしまいました。
少なくとも今朝までここが自分の家でした。
それなのに今はメイドの美羽として自分の家でもない場所へと向かわねばなりません。
向かう先については持ち物からどこに住んでいるのか分かりました。
今はここに行くしかありません。

普段ならお抱え運転手が車を出して自由にどこへでも行けますが今日は久しぶりに電車に乗りました。
席に座りしばらく揺られていると周囲からの視線に気づきました。
乗客、特に男性客が私の方を見ていました。
その視線の先はこの大きな胸の谷間です。
電車の振動で私の胸は大きく揺れ動いていました。
電車が揺れると胸を大きく波打っていたのです。
気のせいか隣の男性も私に身体をわざとくっつけている気がしました。
私は乗客のほとんどいない席に移動し持っていた鞄で胸を隠すしかありませんでした。



やっと住んでいるマンションに到着できました。
マンションといっても見るからに古く壁はあちこちが痛んでいます。
自分が住んでいた豪華絢爛な屋敷とは全く違うとすぐに理解できました。
入ってみると想像以上にそこは狭い部屋でした。
自分が住んでいた屋敷とは比較にもなりません。
せいぜい小さな掃除用具入れといい勝負でしょうか。
それでも女性の部屋なのでちょっと罪悪感を抱きながら入りました。
でも今は私がその女性なので遠慮する必要はないのですが・・・

散々私の足を痛めつけたハイヒールを脱ぎ重い鞄を床におろしました。
すると疲れが一気に噴き出してきます。
大きなため息をつきながらしばらくボーっとしていました。

しばらくして机の上に置かれた鏡を見ると若いそこには女性がいました。
スーツ姿の私はこうやって見ると美人OLのように見えます。
いつも見慣れたメイド服ではなくスーツなのでその格好はなんだか新鮮な感じでした。
そもそもこの身体でメイド服以外を着ている所を見た事がありません。
元の身体とは違う女性のスーツ姿をしばらく眺め続けていました。
その時お腹の音が部屋に鳴り響きました。
もう外はすっかり暗くなり時計の針もいつもならディナーをする時間をとっくに過ぎていました。
何かないのかと冷蔵庫の中を探してみましたがお酒やつまみ以外には食べ物はほとんどありませんでした。

いつもなら専属のシェフに作ってもらいメイドに用意させますが、当然ここにはそんな人はいません。
結局私は戸棚に置かれてあったカップ麺を食べる事にしました。
食べようと顔を近づけるとまた髪が顔に掛かってしまい何度も手で髪を後ろに払いました。
今日だけで何度この長い髪に邪魔されてしまったでしょうか。
でも意外と味は美味しく感じました。
この身体は少食なのか一つ食べただけで満足できました。


その後しばらくはテレビを見ていました。
色々考えないといけない事はありますが元の身体自体が遠くに行ってしまっているせいでどうする事もできないのです。
今は現実逃避としてテレビを眺めていました。
自分はあまりテレビは見ないのですが久しぶりに見ると楽しめました。
疲れているせいか普段は絶対見ないバラエティー番組で笑いました。
大声で笑ったのも本当に久しぶりでした。
笑い声がこの美羽のモノだと思うと複雑でしたが私は高く綺麗なこの声で笑い続けました。

やっと落ち着いた頃次の問題を考えました。
お風呂をどうするかです・・・
本当にお風呂に入るかは凄く悩みました。
でも他人の身体とはいえ一応綺麗にしておこうと考えました。
もしかしたら大変な一日だったのでせめてお風呂に入ってリラックスしたかったのかもしれません。
しかし、実際には落ち着きとは正反対の入浴になってしまいました。
服を脱いでいる時に私は気付いてしまったのです。
今の自分が若い女性の身体であることを・・・

スーツを脱ぎながら一瞬やめようかと思いました。
でも浴室の前で鏡の中の女性はどんどん裸になっていってしまいました。
私も一応男性だったのでしょう。
意識しないように努力はしたつもりなのでした。
でも好奇心には敵いませんでした。
視界にちらつくエッチな姿に胸の高鳴りが次第に大きくなっていくのが自分でも分かります。
裸が近くなるにつれて私の中で色々な気持ちが沸き起こり始めました。

このまま見たいという気持ち

他人の身体だから見てはいけないという気持ち

早く脱いで入らなくてはと焦る気持ち

もう今日は入らなくても良いのではという気持ち

それらが私の中で複雑に絡み合いながらどうすべきか悩ませてきます。
本心でいえば少しぐらい見てもいいのではないかと思いました。
それに明日も屋敷でメイドの仕事があるので入って綺麗にした方が良いに決まっています。
最後はなるべく見ないようにお風呂に入ると決めましましたが、その結論は簡単に壊れました。
既に私の格好はブラジャー、ショーツ、ガーターベルトを残すのみとなっていました。
こんな格好が似合ってしまう自分に情けないと思いつつも正直興奮を隠しきれませんでした。
エッチな下着に負けないぐらいに女性の身体が綺麗なせいだからです。
モデルのように長い手足にほっそりとした身体そして出る所は出ていると、いうように完璧なスタイルに思えました。
下着姿から先には中々手が伸びませんでした。
他人の、それも異性の裸を見るのに罪悪感が拭えずしばらくこの姿のまま鏡を見ていました。


季節は春といえどまだ寒さが残っていました。
興奮していたとはいえそれでも段々と身体が冷えていきます。
それにこの身体が冷え性のせいか寒さが以前よりこたえていました。
風邪を引いたら元も子もないと思い意を決して下着を外していきました。
一応異性の身体という事で私なりに気を遣ったつもりでした。
ですがいつまでもこのまま薄着で立っているわけにもいかないので仕方なかったのです。
ブラジャーを外し中身がこぼれ落ちると途端に身体に胸の重みが掛かってきました。
中からはピンクの可愛い乳房が出てきます。
上を向き服の上から見るよりも更に大きく見えました。
次にガーターベルトとショーツを脱ぐと下からは女性の大事な部分が姿を現しました。
私はなるべく見ないように両手でそれらを隠しました。
今の私にできる精一杯の事でした。
でも恥ずかしがりながら大事な部分を隠すその姿は似合っているし綺麗だと思いました。
鏡に写った私は本当に美人でまるでモデルのような美しい身体でした。
顔を赤くして恥ずかしがって見ていましたががそれさえ可愛いと思えるほどです。

すべすべの白い肌

大きな胸

細長い手足

さらさらの長い黒髪

胸と股間を隠しながら鏡を見て自分が改めて異性の身体になっているのだと実感させられました。


「クシュン」と可愛らしいクシャミをすると今度こそ寒さに負けて早く湯ぶねに浸からねばと考え直しました。
狭い浴室でしたがお湯に浸かると疲れが一気に消えていきました。
屋敷にある大きなお風呂と違って狭く身動きがほとんどできませんが今の私にとっては極楽と言える環境です。
足を思いきり伸ばせないので仕方なく曲げて入りました。

それでも温かいお湯が疲れた身体を癒していきます。
家事など普段なら絶対にしない事だったので心身共に疲れきっていました。
明日もあんな事を一日中しないといけないと思うとまた精神的に疲れがぶり返そうでした。
元の自分の仕事も大変ではありましたがメイドの仕事とは全くの別物です。


まず長い髪を洗うことにしました。
元の髪の何倍も長いその髪を洗うのは一苦労です。
いつもの倍以上はシャンプーを使ったことでしょう。
そしてそれを洗い落とすのも大変でした。
女性の入浴が時間が掛かるのがこれだけでも分かります。
やっと洗髪が終わりちゃんと洗い流せたか鏡を見てみました。
髪と一緒に全身を濡らした自分の姿が写っています。
ただ髪が濡れているだけなのにさっきまでとは雰囲気が違う気がしました。
同じ女性の身体なのにこうも見方が変わるのかと思いました。
トロンとした表情も合わさりさっきよりも色っぽい気がします。


ぼんやりと自分の腕を眺めました。
凄く綺麗だと素直に思いました。
自分の元の身体よりもはるかに細く白い女性の腕でした。
よくこんな華奢な身体でメイドの仕事をしていると思いました。
今日の仕事だけでもかなりの重労働でした。
まだ疲れと共に痛みもあります。
ただ可愛いだけでは駄目なのだと改めて感じました。


次に私は身体を洗い始めました。
ボディーソープを手に取り辺りを見回しました。
しばらくして私は気付きました。
身体を拭く物が何もないのです。
見つからないのか本当にないのか分かりません。
もうお風呂から出ても良かったかもしれませんが私はそのまま続けてしまいました。
仕方なく私は手にボディーソープを泡立たせて手で身体を拭いていく事にしました。
何度も頭の中で仕方ないと自分に言い聞かせながら全身を手で洗っていきます。

すべすべの肌がボディーソープを塗った事で余計に気持ちよく感じました。
自分では綺麗に洗う為だと言い訳していましたが既に必要以上に身体を洗い続けています。
触るだけでとても気持ち良く無意識の内にもっと触りたいと思うようになっていました。
そして私は胸の丸い所を肌に沿って拭いていきました。
一応目をつぶりましたがそれがかえって余計に胸の触感を手に伝えてきました。
柔らかくも弾力のあるそれをごしごしと触ります。
すぐに胸全体がヌルヌルになっていきました。
でも私はそれに構わず胸を触れ続けました。
綺麗にするという目的は段々薄れ今はもうただ触りたいという思いだけで何度も擦っています。
「はあ、はあ・・・」既に息を荒げながら洗っていました。
目をつぶってこすっていきますが大事な部分に触れると途端に変な刺激が身体中を駆け巡っていきました。
初めはそれが何か分かりませんでしたが、少しずつそれが気持ちの良い快感だと分かりました。
なるべく触れたくないと思いながらも手は次々とこの身体を拭いていきます。

一度目を開けて鏡を見ると私の顔は真っ赤になっていました。
そして息を荒げながら恥ずかしそうに手で股間を擦っていたのです。
「はあ、はあ、あ、んんっ!」
こんな事をしている自分の恥ずかしさとエッチな事をしているという興奮だけが私の中にありました。
分かっています、これは本当の自分の身体ではありません。
私はなりたくてこの身体になったわけでもありません。
気が付いたらメイドの美羽になっていたのです。
それなのに私はこの身体の事がもっと知りたくなってしまいました。

鏡で今の全身を見ると髪、顔、喉、胸、お腹、股間、太もも、全て前の自分とは違いました。

それらを上から順番に撫でおろしながら触れていきました。
もう手にボディーソープは残っていません。
ただ触りたかっただけです。
これが女性の身体なんだと触って感じていきたかったのです。
柔らかくてすべすべでした。
私が微笑むと鏡に写った私が笑みを浮かべます。

胸に手をおくとその柔らかさ暖かさが手に伝わってきます。
細い身体とは対照的に大きな私の胸・・・自然とそれを握っていました。
最初は遠慮がちに触れているだけでした。
でも触る時間が長くなるにつれて私は夢中で揉むようになっていました。
その証拠に胸はさっきよりも大きくそして硬くなっていました。
たまらず口から声が漏れてしまいます。
大きくて張りが合って気持ちが良く何度も何度も触り続けました。
胸で感じきるのにそれ程時間は掛かりませんでした。
「んん!」ビクッと身体が反応します。
鏡に写った自分の唇にキスをしていました。
そしてぎゅっと自分を抱きしめ何度も鏡にふっくらした唇を押し付け私はまるで恋人を見るように鏡に写った自分を見つめました。
その時の私は男に飢えたエッチな女性のような顔になっていました。
物欲しそうな顔でこちらを見てくる気がします。
このエッチな女性が自分だと思うと余計に身体が疼いていきました。



遂に私はなるくべく視界に入れないようにしていた股間を見てしまいました。
若くきちんと整えられた綺麗な女性の大事な所です。
そこはまるで私に「早く入れてよ♪」と言われている気がしました。
そしてその通りに指を入れてしまったのです。
奥へ指が入ると早速身体がびりびりとした刺激を感じていきました。
男性の身体で味わった事のない感覚です。
そこは温かく湿っていました。
私の口からは更に声が漏れてしまいました。
「んん、んんー!」浴室に私のエッチな声が反響しまた耳に入ってきます。
自分で聞いても恥ずかしい声でしたが、同時にそのエッチな声が私を更に興奮させてました。

口の端から涎をこぼしながら指を動かし続けました。
声も止める事ができずひたすら気持ち良くなり続けました。
もっと感じたいと思い今度はもう片方の手で胸を揉みました。

もう私はオナニーをするエッチな女性そのものでした。
そして私自身もうその時には男としてではなく女性として快感に身を委ねていました。
しかも私は鏡に写るその姿で更に興奮してしまったのです。
もっと気持ち良くなりたい、もっとエッチな姿を写し出したい、もっと色っぽい声を聞きたい。
「も、もっと、もっと・・・」とその思いが股間に入れて動かす指に注がれていきます

私の欲望は絶頂という形で実を結びました。
何かが弾けたと思った瞬間目の前が真っ白になりました。
全てが噴出してしまったかのように股間から液体が溢れ出ていきました。
壁に手をつき倒れないようにするので精一杯でした。
止める方法があるのかどうかさえ分からず私は全部出し切るまで耐えました。

私はその時初めて女性として感じてしまったのです。
その時の気持ちは言葉では言い表せられないものでした。
鏡に写った自分はトロンとした表情でこちらを見つめています。
最後にもう一度だけキスをするとお湯をかけて部屋に戻りました。


何とかタオルで身体を拭くとすぐに床に敷かれた布団に倒れ込んでしまいました。
さっきまで興奮していた頃の活力は既になくなっていました。
まだ息が荒いままでしたが身体にあの快感はまだ残っていました。
裸のまま私は自分の綺麗な腕にキスをしていました。
そして、この女性の身体になり気持ち良くなれた事に喜びを覚えながら眠ってしまいました。
こうして私の新しい一日が終わりを迎えました。
それは始まりにすぎませんでした。




いつものふかふかのベッドや布団ではなかったので寝心地が悪いかと思っていましが意外にもぐっすり眠れました。
昨日は色々あったので疲れていたからかもしれません。
翌朝目が覚めた時もしかしたら元の身体に戻っているのではないかと思っていました。
ゆっくりと身体を起こしますが、男性の身体にはない胸の重みを感じた瞬間その期待は崩れました。
この長い髪や細い腕も昨日のままでした。


私は半ば諦めながらトイレに入りました。
もちろんその股間には何もありません。
残念なようはホッとしたような気分になります。


仕方なく今日も私は屋敷へ向かう準備をする事にしました。
流石に昨日着た下着をそのまま履くわけにはいきませんので服を探すことにしました。
色々な服があちこちから出てきますが下着は中々見つかりません。
引き出しから他人の女性の下着や服を漁っているとまるで変態になった気分でした。
これから更にそれらを身に着けるのですから元の身体な本当に変質者でしょう。

やっと目的のモノを見つけ白い足に白のショーツを通していきます。
ブラジャーは胸が大きすぎて中々ホックを留められませんでした。
外すのも苦労しましたが付けるのも大変です。
ぎゅっと胸をブラジャーの中に押し込め悪戦苦闘しながら身に着けて鏡を見ますが上手くできているのか自分ではよく分かりません。
せめて動いている時に外れない事を願いました。

ガーターベルトとストッキングも身に着けました。
別に理由はありません。
なぜか引き出しから多く出てきたのと昨日の姿が似合っていたからでした。
私は足早に屋敷へ向かおうとしました。
もしかしたら出張から帰っているかもしれないと思ったのです。
でも、靴を履こうと屈んだ瞬間ブラのホックが外れてしまいまい結局時間を無駄に過ごしてしまいました。
道中でも相変わらず私は周囲に見られてしまいました。
この胸がほぼ見えるきついスーツのせいです。
正直昨日と同じスーツを着たのは失敗だったとこの時初めて気づきました。


屋敷に到着するなり私はご主人様はいつ戻ってくるのか確認してみました。
他のメイドが連絡を取った所なんと一週間程度戻ってこないというのです。
それを聞いて私はしばらく何もできませんでした。
少なくとも私はその間ずっとこのメイドの美羽として過ごさなくてはなりません。




更衣室で着替え昨日と同じメイド服姿になりました。
顔が整いすぎているせいでコスプレをしているようです。
私は力なくメイドの仕事を始めました。
真面目に仕事をするよう何度も先輩たちに叱られました。
本当に美羽になってしまった気分です。


休憩の時間私はゆっくりと休んでいました。
メイドの仕事は昨日が初めてだったので心身共にくたくたでした。
それに元の自分と当分会えない事が相当にショックでした。

しばらく新人メイドの美羽として振る舞わなければなりません。
いつもなら私が主人としてメイドや執事に指示を出します。
でも今は私が彼らから指示を出される立場になっていました。
生まれてこの方人に命令される事はほぼありませんでした。
だから精神的にかなり疲れていました。
でももっと大きく精神を疲弊させることがありました。
それは言葉遣いです。
敬語自体は普段から使っているので問題はないのですが、そうではなくこの身体に合わせて女性の口調で喋らなくてはならない事です。

この2日間で散々注意を受けました。
自分では意識していても無意識の内に男性のように喋ってしまいます。
2日前まで男性だったのにいきなり女性のように振る舞えという方が無茶でした。
でも先輩達にそんな事が知るはずもありません。
以前は信頼していたメイド達に冷たくされるのは本当にきつかったです・・・

休憩の終わりが迫ってきました。
まだ少し時間はありますが休憩が終わったら仕事の続きをしないといけません。
そう思うと心が休まることはありません。
私は深いため息をつきながらボーっとしていました。


ふと年配の執事が目に入りました。
どうやら喫煙場所に向かうようです。
私は元々タバコなんて吸いません。
むしろ煙草の煙の臭いですらダメな程でした。
それがどうしてしまったのかあの執事が持っている煙草を見た瞬間今では吸いたくてたまらないのです。
すれ違いざまにかすかに残った煙草の臭いを嗅ぐと無性にもっと吸いたくなりました。

私は急いでロッカーに向かい鞄の中を探しました。
そして前の私が持っていた煙草の箱とライターを持つと喫煙場所に急ぎました。

ここは元々煙草好きの先代が作った場所です。
本当は私が撤去する予定でした。
まさか自分がここに来るなんて夢にも思っていませんでした。
年々ここを利用する人も減っています。

あれ程嫌っていた煙草にライターで火を点けてしまいました。
心の中では嫌がっていたはずです。
早く火を消して捨てるよう自分に言い聞かせました。
でも私の手は・・・

煙草に火が付くと煙が上がり始めました。

煙が喉の奥へ吸い込まれていくと途端に私は手に持っていた煙草を口に近づけていきました。
そして深く吸い込んだのです。
煙は口の中に広がりやがて喉の奥へと吸われていきました。
「こほっ、こほっ・・・」なにぶん初めての喫煙なので咳き込んでしまいましたが、身体は慣れ切っているのかそんなに負担とは感じませんでした。

今度は落ち着いてゆっくりと吸っていきます。
なぜか無性に落ち着いていきました。
仕事の事を少し忘れられる気がしました。


自販機で買った缶コーヒーを片手にしばらく私の喫煙は続きました。
安いコーヒーでしたが煙草の煙と合わさって凄く美味しく感じられました。
こんなに美味しいコーヒーは初めてでした。
それにこの煙草の美味しさも・・・
吸っていた煙草がもうだいぶ短くなっていました。
でも、まだ休憩時間は残っています。
私はもう一本煙草を抜き取るとまたそれを口に咥えていました。



短い休憩時間でしたがゆっくり休めた気がしました。
その後も掃除や洗濯等をこなしていきました。
不思議な事に初めてやる事でも身体が覚えているかのようにスムーズに動きました。
屋敷が少しずつ綺麗になっていくのは楽しかったです。

また仕事が終わりを迎えると他のメイドに挨拶をしながら屋敷を出ていきます。
相変わらず胸を見られますが昨日程視線は気になりませんでした。
でも、またあのマンションに戻るのかと思うと少し残念な気分になります。
でも部屋に入ると妙に落ち着きました。
仕事から解放されたせいでしょうか。

コンビニで買った弁当を食べ終わると私は今日の仕事のストレスを忘れる為にオナニーを始めました。
気持ち良くなれば嫌な事を忘れられる気がしたのです。
それにこの身体でいる事の不安もなくなっていきます。
最初は力も地位もない不便なだけの身体だと思っていました。
でも今はこの身体に愛着が湧いていました。

股間に指を入れ「クチュクチュ」と音がなるまで気持ち良くなっていました。
本当に気持ちが良くて嫌な事が全部なくなっていくようでした。
鏡を見ると私が薄っすらと笑っていました。
鏡の中の私は「大丈夫貴方ならきっとできるよ。貴方は美羽なんだから♪」
そう応援されている気がしました。

「私は、私は美羽、メイドの美羽、あ、あっ、わ、私は新人メイドの美羽、う、んんっ、あんん!」何度も自分にそう呼びかけながら私は更に気持ち良くなっていきます。
激しくすればするほど鏡の中の私の言葉も強い応援の言葉になっていきました。
「そうよ、貴方は美羽なのよ。さあ、美羽に身も心もなりなさい」
私は一生懸命に美羽になる為に指を動かしました。
そうする事で鏡に写る自信たっぷりの美羽に近づいていくような感じがしました。
まるで歪な状態だった私の意識と身体が綺麗にまとまっていくようでした。
やがて私ががくがくと身体を震わせながら最後を迎えました。
「ううっ、ああ、んんん!」

この姿になってから私は確実に変わってしまいました。
身体だけでなく中身まで美羽という新人の若いメイドそのものになっていきました。
男だった時の記憶は勿論あります。
でも私はなぜか元から美羽だったように思えてきました。
最初は周囲の目を気にして女性らしい振る舞いや言葉遣いを嫌々していました。
でも今は自然に女性として、メイドの美羽として振舞えてしまいます。
自分でいうのもなんですが私の今の身体は凄く美人だと思っています。
恐らく元の美羽もそう思ったでしょう。
明日はもしかするとこの身体でいられる最後の時間になるかもしれません。
そう思うと私は凄く寂しい気分になりました。



休日、私はやっとメイドの仕事からやっと解放されました。
その代わりにこの狭い部屋で一日中過ごさなくてはなりません。
テレビは退屈で置いてある雑誌もほとんど読んでしまいました。
ふと雑誌のモデルに目が留まります。
そして良い事を思いつきました。
雑誌に写ったモデルよりもこの身体は綺麗なのだから色々な可愛い服を着たら似合うのではないかと思ったのです。
試しに引き出しに入っていたワンピースを着てみました。
メイド服やスーツ以外の女性の服を着るのは新鮮な気分でした。
雑誌やテレビのモデルよりも綺麗なのは間違いありません。

以前はファッションなどほとんど気にしていませんでした。
高価なブランドのスーツを基本的に着ていましたがあくまで仕事の為です。

だからこうやって色々な格好ができるのが楽しく思えました。
シンプルなワンピースでさえ凄く似合っていました。
それにファッションセンスのない自分がどんな服を着てもこの身体はそれを着こなす事ができたので余計に色々な衣服を身に着けたくなりました。

もっと色々な服を着てみたい、そう思った私は外出する事にしました。
女性になって初めての外出です。
化粧をし可愛い洋服を身に着けて外に出ました。
同じ地域なのにまるで別世界を歩いている気分です。


若い女性に人気のお店で可愛い洋服を探し疲れた時には喫茶店に入りました。
人気の甘いスイーツは普段の貧しい食事の反動のせいでしょうか凄く美味しく次々に口に入っていきました。
化粧店では店員さんにオススメされたコスメを試しランジェリーショップにも初めて入りました。
これらは自分には一生縁がないと思っていました。
気が付いたら両手にいっぱいの紙袋を持っていました。
気が付けば今日は一日中思う存分堪能していました。
金持ちの主人としではなく普通の女性として・・・

それは私にとってあまりにも楽しい一日となりました。
私はこの身体で鏡に写った自分を見ながらオナニーを始めました。
まるで遠くに離れる恋人との最後のセックスを楽しむように・・・
私はその夜この身体を自分で抱きながら何度も何度もいきました。




朝になり目を覚ますと私はいつもより身なりを頑張って整えました。
お気に入りの下着を身に着け入念に化粧をしました。
遂に私達は一週間振りの再会を果たしました。
しかも意外な事に向こうから私を部屋に招いたのです。




ドアをノックし頭を下げながら部屋に入りました。
中にはスーツ姿の前の私が椅子に座って待っていました。
以前の私と同じようにコーヒーを飲みながら書類に目を通しています。
まるで本物のようでした。
「これだけ目を通したいから少し待っててくれ」と部屋を訪れた私を待たせます。
言いたい事はたくさんありました。
でも私は言われた通り彼の邪魔をしないように待ち続けました。
そうしないといけないと思ったからです。
仕草や表情はもちろん仕事をする姿は以前の私そのものです。


やっと私の方に振り向くと嬉しそうに私の方へと近づいてきました。
そしてうっすらと笑みを浮かべながら私の周りを回ってきたのです。


突然背中から私は抱きつかれてしまいました。
振りほどこうにもこの細腕ではジムで鍛えた前の私の身体には敵いません。
すると彼は私の耳元で囁いてきました。
「すっかり可愛くなったよ」
そう言われて私は凄く恥ずかしくなってしまいました。
自分でも顔が真っ赤になっているのが分かるぐらいです。

ソファーに押し倒された私はキスをされていました。
何をされているのか理解できませんでした。
いきなり元の自分に襲われたのです。
「んん!?」
舌を絡められ吸われていきます。
首に手を回されているので離れることもできません。

すると嫌々されているはずなのに身体が熱くなっていきました。
いつの間にか自分も彼の舌を吸っていました。


そして私の上に跨るとメイド服の上から胸を揉んできました。
私は何とか抵抗しようとします。
まだ受け入れる事はできませんでした。
すると彼はこのまま誰か来たら困るのはどちらか考えるように言ってきました。
恐らく主人がメイドを襲っているように見えるでしょう。
そしてそんな事が外に知られたら・・・
私は彼のされるがままになるしかありませんでした。
しかもこの身体には前の身体のような筋肉も体力もありません。
抵抗する事も助けを呼ぶ事もできないのです。


彼の大きな手が私の胸を握っていきます。
更にはスカートの中に手を伸ばし股間を弄ってきました。
私は必死で声を出すのを我慢し手で口をおさえました。
こんな事をされて嫌なはずなのにエッチな声が出てしまいます。
ですが彼はそんな私の姿を見ると嬉しそうに更に激しく手を動かすのでした。
彼は的確に私の敏感な部分を刺激してきました。
胸をぐにぐにと動かされ、股間では溝に沿って指が動いていきます。
「あ、ああっ!」正直自分でした時よりも何倍も気持ちが良く感じてしまいました。


耳元で彼は私にやりたいかと尋ねてきます。
私は何も考えられない頭でただ頷いてしまいました。

メイド服も下着も慣れた手つきで脱がされていきます。
彼は懐かしそうに私の裸を見てくるようでした。
しかし、私の方はそういう感情は一切湧いてきませんでした。
久しぶりに会ったというのに何の感情もありません。
ただ私は彼を元の自分ではなく異性として見ていたのです。
むしろ私はジロジロ見られている事の方が恥ずかしぐらいでした。
押し倒されて彼が上に跨ってきますが私は抵抗しませんでした。
さっきとは違い受け入れていました
お互いの以前の身体を抱き合いました。


ズボンと下着を下ろした彼は大きなモノを私の股間に近づけます。
やがて温かい物が私の中の奥に入り込んでくるのを感じました。
それは太くて大きく熱く私の奥にぐいぐいと押し込まれていきます。

そして彼は腰を振り始めました。
ぐっぐっと突かれ私は全身で何かを感じ始めました。
突かれる度に私の頭はぐるぐる回るようでした。
口の中も、胸も、股間も、頭の中も全てがかき混ぜられていくみたいです。
オナニーをした時よりも満たされていきます。
「あ、ああん!」部屋の外に声が漏れているのかも気にする余裕さえありませんでした。
これが私の初めてのセックスでした。


終わった後は全身で息をするようでした。
まだ身体中が勝手にびくびくと勝手に動いてしまいます。
でも凄く幸せな気分になりました。
息を荒げて心配そうに顔を近づけてくる彼に今度は私の方からキスをしていました。
その日はご主人様と同じベッドで眠りました。
他のメイドには特別なご主人様の特別な仕事をしているという事になりました。
お互いに身体を抱き寄せ合いながら恋人のように一緒に横になりました。
ふかふかのベッドと柔らかい布団そして隣にいるご主人様の身体で私は暖かさに包まれながら眠りにつきました。


次の日は凄く目覚めの良い朝を迎えることができました。
いつもより気分が良く身体も軽く感じます。
隣を見ると昨夜一緒に寝た彼はいません。
すると部屋の奥から笑みを浮かべながら「おはよう」と私に挨拶をしてきました。
その手には私が大好きなコーヒーが握られており私もすぐに起き上がろうとしました。
でも、その時私は裸だった事に気付いてしまい恥ずかしく感じました。

着替え終わった頃に他のメイドが私と彼の朝食を持って来てくれました。
その時食事を持ってきたメイドが扉を開け私を見ると驚いた表情になったのに気付きました。
私は何で驚かれたのか分かりませんでしたが、よくよく考えてみると私は用心するべきでした。
なぜならここは彼の寝室だったからです。
でもその時の私は気にも留めていませんでした。

美味しい食事を口に入れながら私達はやっと本題について話し合うことができました。
どうやら私はメイドの美羽に薬によって入れ替えられたようなのです。
にわかに信じられない説明でしたが、現に私達の身体は入れ替わっていました。



その後も彼は私の長い髪をとかしながら色々な事を明かしてくれました。
前から一度豪華な暮らしをしてみたかったのだと、だからネットで買った入れ替わりの薬をコーヒーに混ぜて私に飲ませたと・・・

そしてもう少しこの身体でいたいと言ってきたのです。
本当なら一刻も早く元の身体に戻してもらうべきなのでしょう。
彼は何度も何度も少ししたら身体を返すと最後に約束してくれました。

そんな必死な姿に私もつい頷いてしまったのです。
ほんの少しなら良いかと軽く思ってしまいました。
それを聞いて彼は凄く喜んでくれました。
はしゃぎすぎて私を抱きながらキスを何度もしてきました。
もちろんお互いを演じるようにする事は約束しました。
彼も前の私らしく振舞えているようなので心配はなさそうですし、少なくとも私も最初の時のようなこの身体に対する抵抗感はありませんでした。
むしろ楽しんですらいました。
それは私が慣れてしまったからなのか、それとも・・・
結局私はしばらくそのままメイドの美羽として過ごす事にしました。


メイドの仕事をしに行く私の頬にキスをして見送ってくれました。
私は何も言えず顔を赤くしながら部屋を出ました。
そして鼻歌を歌いながら掃除を始めたのです。
私はメイドの美羽でいる事にすっかり楽しくなっていました。
でも煙草を吸う事だけは咎められてしまいました。
それでも休憩時時間にこっそり吸っていたのは秘密です。
この時間は私にとって何物にも代えられない至福の時となっていました。
煙を吸い落ち着いた頭でこの身体でいられる喜びを静かに噛み締めたのです。
でも身体や服に臭いが付くのは気を付けました。



あれから時間が多く経っていきました。
私達は相変わらず入れ替わったままの状態です。
むしろこちらの方が普通に思えるぐらいでした。
お互いに新しい身体にも仕事にも慣れ不自由な事がないのです。
しかも気に入ってしまっているので元に戻る理由がありませんでした。
たとえ元の身体の人生を失ってもこの身体の人生を歩める事の方が私には大事でした。
その為には身体も財産も失っても気になりませんでした。

それに元の身体とはいつでも会えます。
新人メイドの私にご主人様は特例としてベテランメイド以上の特権を与えてくれました。
これで周囲に邪魔されずいつでも自室にいるご主人様に会いにいけます。
そして私は彼とセックスをして奉仕をするのでした。

一つ問題があるとすれば彼がやたらと私とやりたがってくる事です。
夜だけでなく仕事中でも声を掛けて来ては部屋に誘ってきました。
私は仕事があるからと一応断りますがご主人様の言う事を結局断りきれません。
そして外が明るい内から身体を重ねるのでした。
しかもセックスをする毎に私もご主人様も仕事の評判は上がっていきました。
元の時以上に評価されています。



ご主人様の為に私は一生懸命に働きました。
時折通り掛かったご主人様に褒められると嬉しく仕方がありませんでした。
マンションに戻らず屋敷でご主人様と一緒に朝まで過ごす事の方が多くなっていきました。
それに屋敷でもご主人様と二人でいる事の方が多いです。
それは私にメイドとしての仕事をさせるだけではありませんでした。

最近は私に色々なメイド服を着せてきます。
もちろん私に断ることはできません。
それにどんな格好をさせられても似合っていたのです。
まずは私がご主人様の前でオナニーをさせられます。
彼曰く恥ずかしがりながらオナニーをする私の姿が興奮するそうなのです。
私はご主人様の為にと思い恥ずかしいながらも頑張りました。
でも私のエッチな姿を喜んでくれるご主人様が見られて嬉しくなってしまい最後は自ら進んでやっていました。
そして身体がお互いに熱くなりきった所でセックスをしました。
日に日にマンションに帰る回数は減っていきほとんど屋敷で寝泊まりするようになりました。
たまに帰ってもご主人様の事を思いながらオナニーばかりしています。


ある日夕食に呼ばれました。
その格好では相応しくないと言われ着替えをさせられました。
普段こんな服を着ません。
豪華な御馳走がテーブルの上に並べられていました。
そしてご主人様と奥様の三人で会話をしながら食事をしました。
奥様も仕事でよく屋敷を離れていて今回久々に会う事ができました。
私よりもだいぶ年上ですが優しく気品に満ちた女性です。
私が子供なら奥様は大人の女性といった感じでした。


奥様との会話は妙に楽しかったです。
なんだか話していると懐かしい気分になってきました。
それもそのはずです。
奥様は本当は私の・・・
私は真実を奥様に話そうと思いましたがやめました。
言っても信じてくれないでしょう。

それでもやはり奥様と楽しそうに話しをするご主人様が少し羨ましいと思いました。
本当はあそこで話しをするのは自分だったはずです。
今は私がメイドでご主人様に奉仕をする日々です。
勿論奥様にその事は秘密でした。
それにもう自分が元の身体に戻る事がどうでもよくなっていきました。
そしてこんな日がこれからもずっと続いていくのだと思っていました。
ご主人様と奥様のメイドとしてずっと・・・

夕食を終えて私が帰ろうとした時です。
「また一緒に食事をしましょうね」と奥様は私に言ってくれました。
私はそう言われて凄く嬉しかったです。
「ああ、またな」
私は自然にそう言っていました。
すると奥様は少し驚いた表情になりました。
短い言葉でしたが私もつい男性口調で話してしまいました。
でも奥様はさっきと同じ優しい笑顔に戻っていました。

しばらく奥様は屋敷で過ごしていました。
時折私にも話しかけてくれる本当に優しい方です。
それに会話もなぜか弾みました。
もしかしたら以前過ごした記憶が微かに残って上手く会話ができていたのかもしれません。



ある日の事です。

「貴方なんですよね?」
掃除をしていた私に突然奥様はそう言いました。
それは奥様がご主人様を呼ぶ際にする言い方でした。
そしてその言葉は私に向けられていたのです。
彼女は気付いていたのです、私達が入れ替わっていたことを。
実は奥様は以前私とご主人様の会話を聞いていたようなのです。
本当は浮気をしていると思っていたようですが以前とは違う夫に違和感を抱き調べていたら私達の会話を聞いてしまったようなのです。
そして私と会話をしていく内に本当に入れ替わっているのだと確信したそうです。
それとやはり周囲は私達が入れ替わった事に気付いてないようです。
すると奥様は自分の事を「奥様」ではなく名前で呼ぶように言ってきました。
私は申し訳ない気持ちでいっぱいになりながらも昔のように奥様を呼びました。
「やっぱり貴方だわ」
それを聞くと奥様は昔よく見た優しい笑顔になっていました。

私達は二人きりになる為に一緒に屋敷のお風呂に入りました。
ここなら誰も邪魔は来ません。
本当に貴方なのかと尋ねられますが私は何も言えませんでした。
身体は勿論言動まで変わっていました。
仕方がありません、これが今の私なのですから・・・
身体は完全に女性です、それに心も・・・
でも私は奥様の為に頑張って昔のように男性口調で話しました。
奥様は懐かしむように喜んでくれました。
やはり今のご主人様は見た目は同じだけど昔と違うようなのです。
すると私も段々と昔の事を思い出していきました。
それを聞いた奥様は涙をぽろぽろと流していきました。
「お願い早く元に戻って」と私に懇願してきます。
私はあの女に騙されているのだと言ってきます。
私は奥様にキスをされていました。

やがて奥様の部屋で二人きりになると奥様は私に何かを渡してきました。
それは私達を入れ替えた薬だと言うのです。
奥様はご主人様が不在の時を狙って盗んだと言いました。
「これを使えば元に戻れるわ」
奥様は私の手を握りしめて言いました。
そして二人で計画を練りました。
前と同じくこの薬を再びコーヒーに入れ身体を元に戻すという計画を立てました。
奥様がいなくなった後私はその薬を強く握りしめました。



計画当日私はご主人様にいつものコーヒーを持っていきました。
ご主人様はいつも通り書類を読んでいます。
あの時と同じように私は「いつもとは違うコーヒーをお楽しみください」とご主人様にそう言って差し出しました。
「ああ、ありがとう」書類を読みながらご主人様は口の中に茶色のコーヒーが入れていきます。
その時奥様が部屋に入って来ました。
全てが計画通りでした。

するとご主人様は嬉しそうに奥様の方へ近づいていきます。
何を慌てているのかと尋ねながらニコニコと笑みを浮かべていました。
奥様は勝ち誇った顔をして計画を打ち明けました。
今のコーヒーに身体を入れ替える薬が入っているのだと説明しました。

これで元に戻る。
少なくとも奥様はそう思ったことでしょう。
しかし、私達は遂に元に戻る事はありませんでした。

「な、なんでなの!?」奥様はなぜ何も起こらないのか不思議そうにしています。
一方ご主人様は笑みを浮かべながら引き出しから何かを取り出しました。
ご主人様は私に奥様へこれを渡すように言ってきました。
私はそれを見ると奥様には分からないように薄っすら笑いながら手渡しました。
奥様に手渡したのは離婚届けでした。
もちろん書かれているのはご主人様と奥様の名前です。
「え!?」
奥様は全くこの状況を理解できていなようでした。
それもそのはずです
これは私とご主人様で計画したのですから。
私は奥様が私達を元に戻そうとしている事をご主人様に喋っていたのです。
全てを知った奥様は驚愕の表情で私達を見つめるだけでした。
そしてその時私の手には豪華な指輪がはめられていました。



こうして私は身も心もメイドの美羽になりました。
今ではこのメイド服の格好が凄く落ち着くようになりました。
最初はこの身体を不便に思いましたがでも今はこの身体になれた事が嬉しくてたまりません。
ご主人様に密告した時に今度奥様と離婚して私と結婚するとまで言ってくれた事を今も鮮明に思い出します。
それを聞いた時、私はつい涙を流しながら抱きついてしまいました。

正直私は奥様の事は好きでした。
でもそれ以上にご主人様の事を愛していたのです。
この気持ちを止めることはできませんでした。
たとえこれが本当の自分の身体ではなかったとしても・・・
奥様との信頼関係は壊れてしまいましたが、代わりにご主人様との結婚をして私が新しい奥様になります。





式を挙げたのが遠い昔に思えます。
私の薬指には夫から送られた結婚指輪がはめられています。
世間は主人が浮気相手の若いメイドと結婚したと言っているようです。
屋敷で私の評判もお世辞にも良いとは言えません。
それは私が主人を前の奥様から奪ったから・・・
奥様には心の底から本当に申し訳ないと思ってます。
できれば早く私たちの事を忘れて次の幸せを見つけて欲しいと心から願っています。
だから私は前の奥様の分まで夫を愛すると誓いました。
それが私にできるせめてもの罪滅ぼしだと信じています。
今はメイドではなくなりましたが主人の為に一生懸命家事をしています。
恥ずかしいながら今もよく夫の事を「ご主人様」と言ってしまいそうになります。
でも主人は嬉しそうに許してくれました。

家事について主人は他のメイドにやらせるからと言いますが私は断っています。
そして未だにメイド服を身に着けて家事をします。

それは私が着たいからそうしているのです。
この方が私らしい感じがするから。
そして私の料理を凄く褒めてくれます。
仕事はできる方ではありませんでしたがこうやって嬉しがってもらえると本当に幸せな気持ちになります。
もちろん新婚らしく毎日夜は夫とセックスをします。
すると稀に夫の裸を見るとなぜか懐かしい気分になる事があります。
なぜかは分かりません。

そして私はよく夢を見ました。
夢の中ではなぜか私は結婚する前の主人の身体になっていました。
そして一生懸命に働き奥様と仲良く豪華な食事を食べて語り合いました。
奥様とは海外の名所に行ったりして楽しく過ごしました。
あまりにもリアルな夢です。
そしてその影響は目が覚めた後も引きずっていました。
鏡を見ると私は自分に違和感を抱きました。
そして奥様に会いに行き夢の話をするのです。

それを聞いた元奥様は凄く嬉しそうで昔を懐かしむように聞いてくれました。
そして本当は言っていいのか分かりませんがセックスの事も言いました。
それを語る私も聞いている奥様もムラムラしてやがて裸になります。
その後私は夢の中の夫と同じように元奥様とエッチをしました。
身体は女性ですが心は男性でいようと思いました。

「久しぶりに貴方に会えて嬉しいわ。はあ、この憎たらしい女の身体じゃなかったら・・・」
夢と同じ男口調で喋る私に前の奥様はそう言いながらキスをしてきます。
この光景を見たら若い女性が熟女とエッチをしているように見えるでしょう。
でもその時の私達は本当に夫婦でした。

私は夢を見た次の日だけは口調を自然に男にすることができました。
本当は同性に興味がないはずなのに元奥様だけにはそのように振る舞いました。
夢と同じように・・・

気持ち良さそうにしている奥様を見ると私も嬉しくなりました。
でもエッチをして気持ちが良くになるにつれて私はまた美羽に戻っていきました。
そして目の前の元奥様ではなく夫の事が恋しくなってしまうのでした。
その後エッチが終わるとなぜ元奥様とあんな事をしてしまったのか後悔してしまうのです。
私が普段通りになると元奥様は凄く悲しそうにしました。
屋敷へ戻る私に元奥様はまるで娘の身なりを整えてるように髪や化粧を直してくれました。
でも見送る姿はとても寂しそうでした。


でも時間が経つとその事さえも忘れていきました。
最近はなぜ奥様は私と執拗に会おうとしてくるのかさえ分からなくなってしまいました。
近頃はあの夢を見る事もありません。
結婚生活が長くなるにつれて頻度は確実に少なくなっています。
代わりに私の幼い頃の夢を見ることが多くなりました。

貧しい家でしたが可愛い容姿で周囲から愛されていたのを覚えています。
しかし、勉強は嫌いでした。
将来の夢もなく漠然と生活していました。
学生時代は男の子にチヤホヤされながらも深く付き合うことなく手玉に取るだけでした。
成人して運よく屋敷のメイドとして働くことができました。
そしてあのご主人様と出会ったのです。
優しくお金があって力も地位もある。
やがて私は『変わろう』と決意しました。


特に私が妊娠してからはこちらの夢をよく見るようになりました。
恐らく今の私が幸せだからでしょう。
憧れのご主人様と一緒になり更には子供まで授かったのですから。
そして自然と元奥様と会う機会は減っていきました。
奥様の方は私に会いたがっていたようですが、私が妊娠であまり動けないので断ったのです。
自分がママになるのはまだ実感が湧きませんがお腹は今も確実に大きくなっています。
私は嬉しくて妊娠した姿の写真を元奥様に送りましたが未だに返事はありません。
最後に会ったのは・・・もう覚えていません。


そしてあんなに大好きだった煙草もやめました。
たまに吸いたくなりますがこの大きなお腹を見ると吸う気はなくなります。
夫もお腹の子と私自身の健康の為にも禁煙して嬉しいと言ってくれました。

私は大きなお腹を抱えながらタンスを開けました。
そこには以前私がよく着ていたメイド服がありました。
またこれを着て夫と生まれてくる子供の為に奉仕できる日が来ると思うと本当に待ち遠しいです♪
















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