憧れのシンガーソングライター
 作:verdsmith7


「お疲れ様でした」
「咲良さん、お疲れさま」
私はプロデューサーに挨拶を済ませると帰る支度を始めた。
もうすぐ次の新曲の発表があるので、私は最近このスタジオでレコーディングを行っていた。
今日も打ち合わせをプロデューサーとして新曲に専念していた。
メジャーデビューも成功し、私は期待の女性シンガーソングライターの咲良として注目を集めていた。
私は容姿も良かったおかげでテレビにも数多く出演しファンもかなりの数になっていた。
新曲を発表したら次はライブも控えている。
私は忙しいながらも充実した毎日を送っていた。

帰る支度していると、突然ドアが開く音が聞こえた。
一瞬プロデューサーかと思ったが、入って来た人物は一人の少年だった。
少年は中学生ぐらいだろうか、あどけなさがまだ残る顔つきで背は私より低い。
どうしてこんな所に男の子が?
「あっ、さ、咲良さん」
私の疑問をよそに少年は私を見つけると緊張した様子で近づいて来た。
「君は誰? ここは入っちゃダメよ」
私は優しく少年に注意した。
いわゆる押しかけファンかもしれないと思ったが、相手が少年だと分かってあまり警戒はしていなかった。
「あ、あの咲良さん。ぼ、僕あなたのファンです。よかったら、これを受け取って下さい」
プルプルと震える手で少年は私に手紙を渡した。
手紙にはこう書かれていた。
「はじめまして、僕中学2年の翔太といいます。デビューしてから咲良さんのずっとファンでした。いつも咲良さんの曲を聞いて元気や勇気をもらっています。これからも頑張って下さい」
翔太という少年は私が手紙を読んでいる間ずっと顔を赤くしながらもじもじしていた。
恐らく私がどんな反応をするのか不安だったのだろう。
初め私はこの少年を追い返そうかと思ったが、この手紙を読んで嬉しくなってしまった。
こんな子に応援してもらっている、しかもその事を直接伝えに来てくれたのだ。
その方法はあまり褒められたものではなかったが、正直私は嬉しかった。
「応援してくれてありがとう翔太君。私とっても嬉しいわ」
私が笑顔でそう答えると翔太君も赤くなりながらニコッと明るい笑顔になった。
「あの実は僕も咲良さんみたいにシンガーソングライターになりたいんです」
翔太君はそう私に語った。
「うん、翔太君も私みたいになれるよ」
私は純粋に翔太君を応援したかった。
「でも僕、歌も下手で顔もそんなに良くないので・・・」
そう言って翔太君は顔を下に向けてしまう。
確かに翔太君の第一印象はあまり良いものではないように感じた。
見た目は地味だし、声も聞き取りやすいものではない。
だが、それは磨きさえすればきっと良くなると思った。
「大丈夫よ、絶対歌は練習すれば良くなるし。容姿だってやりようよ」
「ほ、本当ですか?ぼ、僕でもできるでしょうか」
翔太君は私の言葉に勇気を貰えたのか先ほどの笑顔に戻っていた。
だから私はこう言った。
「うん、努力して頑張れば大丈夫よ」
「・・・」
私の言葉を聞いた翔太君は再び顔を下に向けてしまう。
どうしたのだろうか。
「じゃ、じゃあ・・・」
「どうしたの?」
「咲良さんが僕になって証明して下さい!」
そう強い口調で叫んだ翔太君は私の顔を引き寄せると私の唇へキスをした。
そして唇同士が触れたと思った瞬間私の意識は途絶えてしまった。
耳元に女性の声が届いた時私は意識を取り戻した。
「ふふ、やっと咲良さんの記憶が読めるようになってきたぞ」
女性の声が続けて聞こえてくる、高く透き通るような声だ。
でもその声はいつも聞いていたような気がした。
「だ、誰なの?」
私は目を開き声の主を探そうとした。
しかし手が自由に動かない、動かそうとすると手元からガチャリという金属音が聞こえてきた。
「これって手錠?」
私の両手は身体の後ろに回されどうやら手錠を両手に掛けられているようだ。
私は何とか足だけを使って立ち上がろうとするが同じだった。
両足にも手錠が掛けられていたのだ。
「い、一体どうなってるの?」
私は自分の身に何が起こったのか理解できないでいるとまた女性の声が聞こえた。
とても楽しそうな声で近くにいるようだ。
私はその声の方向に身体をズリズリと動かしてその人物を確認しようとした。
「あー、あー。凄い綺麗な声だ。自分で聞いててうっとりしそうだよ。これが僕の今の声なんだ」
女性の声は確かに綺麗だ、まるで皆が聞き惚れるような声のように感じた。
そして楽しそうにする女性の声を聞いている内に私は気付いてしまった。その人物が誰なのか。
「ど、どうして・・・」
「へー、これが咲良さんの顔なんだ、間近で見てもやっぱり美人だな」
先程から嬉しそうにしていたその人物は私だったのだ。
「わ、私がいる・・・」
目の前で私の身体が嬉しそうに鏡を覗き込みながらペタペタと身体を触っていた。
私はここにいるのに、なぜ私の身体が勝手に動いているのか・・・
「当然ですよ、だって咲良さんは僕になったんですから」
私の身体は嬉しそうに私に語ってきた。
「ほら、どうですか咲良さん?これが今のあなたですよ」
鏡を向けられ私はそれを覗き込んだ。
そこにはさっきまで一緒に話していた筈の翔太君の身体が写っていた。
「そ、そんな、私、翔太君になってるの?」
鏡の中では驚愕の表情を浮かべた翔太君が私を見ていた。

私が顔を動かせば鏡の中の翔太君も顔を動かす、私が足を揺らせば翔太君の足も動いている。
それはまぎれもなく今の私の身体だと鏡が証明していた。
「わ、私本当に男の子になっちゃったの? そ、それにこの声・・・」
それは今までの私の声ではなかった、トレーニングを積んで磨きあげて身に付けた透き通るような声ではない明らかに男性の声の低い声だ、しかもどもったような声に聞こえる。
「本当ですよ、その証拠に」
一瞬私の下半身が涼しくなった気がした。
それもそのはずだ、私のズボンとパンツがずり降ろされてしまったのだから。
「キャッ! 何するの?」
私は無理矢理座らされると今の自分の股間を見ることになった。
そこには女性にはないはずの男性のシンボルが私の眼下に存在した。
「こ、これって・・・」
「ふふ、それは今咲良さんの物ですよ」
私の声が耳元でそう囁いた。
それを聞いた途端私はトクンと胸が鳴るのを感じた。
「きっと咲良さんもすぐこれを気に入るようになりますよ。ほら僕が手伝ってあげます」
「あん!」
それを触られた瞬間私は声をあげてしまった、それは女の股間とは違う男の衝撃的な感覚だった。
しかも触っているのは本来私の身体だ。
私の柔らかい手が私の股間に付いているアレを撫でる、その度に私は声を出してしまう。
「んんー!や、やめて。あそこが変になって」
次第に私の股間の脈が速くなっていく、そして熱を帯び大きくなっていったのを感じた。
ムクムクとそこだけ別の生物がいるかのように私の意思に反してそれはどんどん大きくなった。
すぐにそれは元の大きさの倍以上になってしまい、私の股間から堂々と上を向いていった。
翔太君はそれを見ると私の顔で嬉しそうに笑った。
「ふふ、翔太君のここもうビンビンね。私凄く嬉しいわ」
それは明らかに私の口調だった。
まるで私が普段喋っているかのように私の身体が話している。
「はあ、はあ。私は翔太君じゃない。あん! 君が翔太君でしょ」
今の私は翔太君かもしれないが、それでも心は咲良だ。
だが、今股間から沸き起こってくるこの快感が私を支配しようとしていた。
今まで味わったことのない男の快感、私は今それに飲み込まれようとしていた。
「うふふ、まだそんな口が利けるなら今度はこうしちゃおうかしら」
すると今まで私の股間を撫でていた手が急に私の股間のアレを掴んでしまった。
そして私のアレを掴んだ手がゴシゴシと前後に揺れていった。
「あうう、だ、だめ! どんどん変になって」
さっきまでの快感も相当なものだったが今度は更に刺激的なものになった。
まるで私の股間から快感を搾り取るように掴んだ手が動いていく。
「な、なにこれ、股間がまたおかしく、なって・・・あんん」
興奮した私の股間の下の方から上に沸き上がっていくのを感じた。
そして同時に私の頭の中も少しずつ変化し始めていた。
「私、僕、も、もう、だ、だめ!も、漏れちゃう」
私はその感覚を初めて味わっていたため何が漏れるかは正直知らないはずだった。
しかし、頭の中でそれがいつも自分でしていたような気がした。
そうだ、いつもあの憧れの咲良さんを思いながらオナニーをしていたんだ。
そして今本当に咲良さんが目の前であれを掴んで・・・
「ああ、私の、ぼ、僕の股間が、んんん、だめ!僕もう我慢できない!」
最後の私の抵抗を前に耳元で私の綺麗な声が囁いた。
「ほら、翔太君、我慢せずいっちゃいなさい。そして翔太君になるのよ、うふふ」
その言葉を聞いた瞬間ビクッと身体が震え全身に電気が走ったように感じた。
そして自分の股間から何かが飛び出ていったのが分かった。

「あああ!」
「はあ、はあ・・・」
イッてしまった、他人のしかも男の子の身体で・・・
私は股間と全身に残った余韻で動けないでいた。
もう何かを考える余裕もなかった。
「ごめんね、こんなことして。今動けるようにしてあげるから」
手錠を外された私は動けるようになったがもうこれ以上何かをする気分になれなかった。
私は頭がボーっとしたまま出口へと連れて行かれた。
まるで私が勝手にスタジオに入り込んだ不審者のように私は出口へと向かっていった。
「今日は楽しかったよ、またね翔太君」
出口で嬉しそうに私の身体がお別れの挨拶をしてきた。
私は急いで元の自分の身体に向き直る。
「あ、あの・・・」
どうしたのだろう、私はちょっと前までの自分の顔を見た瞬間急に言葉が出なくなってしまった。
まるで初恋の相手にドギマギするように私は自分の顔を見て心臓が高鳴るのを感じた。
「どうしたの何か忘れ物?」
咲良さんの、いや私の声が耳に響いてくる。
今言わないといけない、そう自分に言い聞かせ私は口を開いた。
「あ、あの私の身体を・・・んん!」
その時私の唇は暖かく柔らかい感触に覆われてしまった。
まるで私は時が止まったかのように動けなくなってしまう。
そして唇を離した私の身体は言った。
「これは今日私に会いに来てくれたお礼よ、うふふ」
僕は満面の笑みを浮かべた咲良さんの表情を見た瞬間自分が何者で今何かをしようとしていたことが全てどうでもよくなってしまった。
そして私は言った。
「・・・わわ! 咲良さん、あ、あの・・・ありがとう、ございます」
そして顔を真っ赤にした僕は咲良さんと別れた。

混乱しながらも僕は家へと足を進めていった。
初めて帰る自分の家だったが不思議と迷うことはなかった。
まるでいつも通っている道を帰るように僕は歩いた。
「ただいま」
僕は扉を開けると家族に帰ったことを伝えようとした。
だが、僕の両親は共働きだから帰ってくる返事はなかった。
僕は自分の部屋に入り荷物を放り投げた。
壁を見ると咲良さんのポスターが所狭しと貼られている、本棚や机にもCDや音楽雑誌が置かれていた。
そして僕は机の上に置いてあった鏡を見た。
そこには壁に貼られているような凛とした顔つきの美女ではなく冴えない男子中学生が写っているだけだった。
「僕、翔太なんだ・・・」
自分のことを「私」と呼ぶことすら今は抵抗を感じていた。
初めから自分は男の子だったかのように自分のことを「僕」と呼んでしまう。
「わ、わたし・・・」
無理矢理自分で「私」と呼ぼうしてみたが、とてつもなく恥ずかしく感じた。
僕はもう一度壁に貼られていた咲良さんのポスターを見た。
色白で目鼻口が整い可愛いというよりクールな女性シンガーソングラーの咲良さんが目に入ってくる。
そして視線をそのふっくらとしたピンク色の唇へと向けると、あの時咲良さんがしてくれたキスをを思い出していた。
あの綺麗な顔の唇でキスをされた、それを思い出すと僕の股間はまた大きくなっていった。
そして僕は手を股間の上に置くとあの時咲良さんがしてくれたように股間を掴んで動かしてしまった。
「あうう、また触ってほしい、キスしたいよ、咲良さん・・・」
僕は興奮しながらスマホで音楽を流した、もちろん咲良さんの曲だ。
耳に咲良さんの声が聞こえると更に僕は興奮できるように感じた。

翌日目覚まし時計の音で目を覚ました。
学校へ行く準備をするために布団から起き出して学生服へと着替えた。
そして洗面所で鏡を見ながら顔を洗っている時にハッとした。
自分は今翔太として何の疑いもなく動いていたのだ。
まだ自分が咲良だった記憶も自覚はある、だが先ほどまで自分が翔太だと何の疑いも感じず動いていたのだ。
「僕咲良さんだったんだよね? 夢じゃなかったんだよね?」
もしかしたらこのまま何の疑問も抱かず僕は翔太として生きていくようになるのかもしれない。
だが、例えそうだったとしてもどうすればいいか分からなかった。
僕は大きな不安を抱えたまま学校に向かった。
学校に到着すると僕は教室に入り席へと着いた。
周囲にいる他のクラスメイト達は顔すら見たことないはずなのに顔を見た瞬間名前が浮かんできた。
ようやく授業が始まる。
数学の授業だが正直中学生ぐらいの問題なら解けるつもりでいた。
何せ学生時代は成績が良かったのだ。
だから僕はその時授業をあまりまじめに聞いていなかった。
すると先生は僕が退屈そうにしているのに気付いたのか僕に問題を解くよう指名した。
しかし、僕は黒板の問題を見ると途端に固まってしまった。
簡単なはずの問題の解き方が全然分からないのだ、いくら必死で考えて解ける気がしなかった。
これぐらいの問題いつもなら解けていたはずなのに。
そして僕はこう言うしかなかなかった。
「す、すみません。分かりません」
そして次の授業は音楽の授業だった。
ここでなら得意の歌や楽器を披露できると思っていた。
しかし僕は忘れていた、この身体はシンガーソングライターの咲良でなく翔太だということを。
僕の喉からは高く透き通った声ではなくガラガラの音程が取れない低い声だけが出てきた。
リズムを合わせることですら今の僕には難しかった。
今までできたことができない・・・それは僕を傷つけるのに十分な事実だった。
学校の帰り僕は涙をこらえながらある場所に向かおうとしていた。
元の自分の家だ。
理由はもちろん自分の身体を取り返すためだった。
昨日訪れたスタジオには元の身体は既にレコーディングを終えていなかったのだ。
なら確実に会える場所に行くしかないと思った。
あの自宅なら絶対に帰ってくるはずだ。
しかし、その考えはすぐに中止せざるを得なくなった。
「お、思い出せない。どうして?」
いつも自分が帰っていた家が分からなくなっていたのだ。
思い出そうとして出てくるのは僕の翔太の家だけだ。
まるで最初からそんな記憶が存在しなかったように頭にあの家の地図が浮かんでこなかった。
そして僕はもう翔太の家に帰るしかなかった。

家に帰ると僕はテレビを見ることにした。
丁度テレビではアーティストの新曲特集を行っていた。
そしてその中には咲良さんの新曲も含まれていた。
新曲が流れてくると僕はすぐに思い出した。
「この曲はあの時作ってた・・・」
咲良さんのインタビューが始まると僕はその映像から目が離せなくなった。
自信と笑顔に満ちたその顔は今の僕とは正反対に感じた。
そして自然と僕の口から言葉が出てきた。
「いいな・・・」
テレビでは引き続き咲良さんがインタビューに答えていた。
「一生懸命に作ったので楽しんで聞いてもらえたら嬉しいです」
その直後僕の鞄からスマホが鳴っているのが聞こえてきた。
慌ててスマホを取り出すと知らない番号から通話が掛かってきていたので僕は恐る恐るその通話に出た。
「もしもし、翔太君元気?」
それは聞き覚えのある人物からだった。
そしてその声を聞いた瞬間僕の股間がピクッと反応した。
「さ、咲良さん?」
「ふふ、当たりよ。ご褒美にキスをしてあげるね」
電話越しにチュッと言う音が聞こえてきた。
それと同時に僕の股間は更に大きくなった
「ふ、ふざけないで下さい」
電話の相手は僕の身体を奪った奴だ、僕の憧れの咲良さんではないと頭で言い聞かせた。
「うふふ、どうやらちゃんと翔太をやれてるみたいね」
僕は揶揄われていた。
だが、僕にも言わないといけないことがあった。
「あの、その、身体を・・・」
すると僕が話し始めた途端電話の向こうから奇妙な音が聞こえ始めた。
それは水気を含んだような粘り気のあるもののように聞こえた。
クチュクチュとその音は少しずつ大きくなっていく。
「あ、あの咲良さん?」
僕の問いかけには何も返事はなく、奇妙な音だけが聞こえてくる。
すると別の音が混じり始めた。
「・・・はあ、はあ。あん、いいー」
僕はそれが咲良さんの喘ぎ声だと気付くのに長い時間は掛からなかった。
なぜ咲良さんが喘ぎ声をあげているのかは分からない。
だが、その声は僕をいともたやすく興奮させてしまった。
股間がムクムクと大きくなり顔が赤くなっていくのが分かった。
もっとこの声を咲良さんの喘ぎ声を聞いていたいと思った。
「はあ、はあ」
気付けば僕も自分の股間を自分で弄り始めていた。

僕が興奮し始めたのに気付いたのか咲良さんの声がまた聞こえてきた。
「ふふ、気付いた? 私、今おっぱいを触ったり股間に指を入れたりしてオナニーしてるの」
咲良さんは嬉しそうに僕にそう語った。
僕はその時咲良さんに止めるように言うか電話を切ることができたはずだ。
しかし、僕はそのどちらも選ばず咲良さんの喘ぎ声を聞き続けていた。
「あん、もっと手を激しく動かしみようかしら。はあ、はあ、ああ気持ちいいー」
咲良さんの喘ぎ声を聞きながら僕も手を更に激しく動かし股間に快感を与えていった。
「はあ、はあ。おっぱいもふわふわで柔らかい」
咲良さんの色っぽくてイヤらしい声が聞こえ続ける。
「はあ、はあ」
段々と手の動きが激しくなり股間が膨れあがるとまたあの時ように何かが溢れてきた。
一方咲良さんの声も段々と大きいものになっていた。
「だ、だめ、いっちゃう!」
僕も限界だった。
「あああーん!」
「くうう!」
そして僕と咲良さんは絶頂へ達した。

ようやく僕は落ち着きを取り戻してきた。
息を整え電話の声にまた耳を傾けるよう集中した。
「ふふ、翔太君私の喘ぎ声楽しんでくれた?」
「・・・」
僕はその問いに何も返せなかった。
恥ずかしかったのかそれとも答える必要がないと思ったのか自分でも分からなった。
「本題に入るわね。実は今度私のライブをやることになったのよ。だから翔太君も来てほしいの?」
僕すぐに返事をした。
「・・・わ、分かりました、行きます」
「よかった。じゃあ、チケットは送るわね」
咲良さんはそう言い終えるとスマホの通話は切られてしまった。
また元の自分の身体に咲良さんの身体に会える、そう思うと僕は複雑な心境になった。
僕は本当の自分の身体を取り戻したいのか、憧れの咲良さんに会えるのが楽しみなのか・・・どちらに期待しているのか分からなくなっていた。
ただその時の僕の股間はずっと大きく膨らんだままだった。

ライブ当日僕は前の方の席にいた。
会場は満員で今の咲良さんの人気の高さがよく分かる。
だが、その人気は僕が少し前に築きあげたものだった。
いよいよライブが始まると咲良さんが笑顔でステージに現れた。
「みんな来てくれてありがとう」
観客に向けて咲良さんが挨拶をする。
そして咲良さんの歌が披露されていった・・・
ライブが終わると僕は咲良さんに呼ばれて彼女がいる部屋へと入った。
僕が入るとライブを終えた咲良さんが意気揚々と僕に質問をしてきた。
「翔太君どうだった私のライブ?」
「・・・」
僕は俯いて何も答えなかった。
すると咲良さんが再度僕に質問をした。
「あれ、どうしたの?気に入らなかった?」
「・・・て下さい。」
僕は小さな声で答えた。
とても小さな声だったので咲良さんは僕が何を言ったのか分からなかった。
「身体を返して下さい!」
今度ははっきりと大きな声で答えた。
僕は咲良さんの腕を掴み身体を返してくれるよう懇願した。
「うふふ、あはは! 返すと思う? 私がこの美貌も才能も捨ててそんな身体に戻ると思った?」
咲良さんは僕の必死の願いを聞いて笑い始めた。
だけど僕はもうこの身体が嫌だった、元に戻りたかった才能も名声もないこの身体から早くあの美貌も才能も全てを持っている身体に。
「か、勝手すぎです。無理矢理僕の身体を奪っておいて・・・僕を何もできない男子中学生の翔太にして・・・」
それはそれまでの成功を全て奪われたことを意味していた。
「だって理不尽じゃない。この身体は才能も美貌もあって誰からも好かれてる、逆に君の身体はどう?才能もなくて顔も悪いし何か秀でたものがあったかしら?」
咲良さんは本来自分の身体であるはずのこの身体を卑下した、それは容姿も才能もないこの身体に何の未練もない様子だった。
僕はそのまま立ち退くわけにはいかなかった、このままでは本当に僕の本来の身体を奪わてしまう。
だが僕は咲良さんの言葉にどれも上手く反論できなかった。
「そ、それはもっと努力すれば・・・」
「じゃあ、君はその身体になって前の私より上手く生活できた? できなかったでしょ、例え君がその身体に入ったとしても」
咲良さんはそう言うと僕の側へと近寄ってきた。
まだライブからそれほど時間が経っていないせいか咲良さんの身体の汗や体臭が僕の鼻に入ってきた。
「今日翔太君にライブに来てもらったのはお別れのためよ」
「お別れ?」
「そう、シンガーソングライターの咲良と完全にお別れして、翔太君として生きてもらうためよ」
「い、嫌です。僕元にもど・・・」
僕が言葉を言う間もなく咲良さんは僕の股間を握ってしまたため僕は何も喋れずただ喘ぎ声だけをあげた。
「あうう、んんー!」
一瞬の事だったため僕はほとんど抵抗できず喘ぐことしかできない。
その際にも咲良さんは僕の股間を握って動かし続けた。
「どう、翔太君、憧れの咲良さんにこうやってもらえて嬉しいでしょ?」
耳元で咲良さんが綺麗な声でまた囁いてきた。
僕は咲良さんを離そうとするが咲良さんは腕を僕の背中に回して力づくでそれを止めた。
「はあ、はあ。さ、咲良さん僕・・・」
「ん、どうしたの?」
咲良さんが優しく僕に問いかけてきた。
僕は股間を咲良さんに気持ちよく動かしてもらいながらこう答えた。
「あうう、ぼ、僕咲良さんにずっとこうやってしてもらいたかったんです。はあはあずっとこうやって僕のチン〇を・・・」
「うふふ、やっぱり翔太君は正直な子ね」
すると咲良さんは急に手を止めると服を脱ぎ始めた、すぐにその身体は下着姿になりあっという間に裸になってしまった。
「さ、咲良さん?」
僕の目の前には大きな胸、綺麗な股間を露わにした咲良さんが立っている。
「どう、翔太君、私の裸は?」
僕はその美貌に圧倒されながら答えた。
「す、凄く綺麗です」
そして僕の前に立つとこう言った。
「翔太君、私とやりたい?」
僕はその問いに何の迷いもなく答えた。
「さ、咲良さんとエッチしたいです!お願いします!」

僕はチン〇を咲良さんの股間へとそっと入れて腰を振った。
すると咲良さんが綺麗な声で喘ぎ声を上げ始めた。
「はあ、はあ。いいわよ、翔太君上手よ。あん、もっと、もっと突いて!」
僕は咲良さんに言われた通り腰を更に大きく動かし咲良さんの中でチ〇ポ激しく動かした。
「はあ、はあ。咲良さん僕凄く嬉しいです。こうやって咲良さんと一つになれて・・・」
「うふふ、私も嬉しいよ翔太君。さあ、私ともっと気持ちよくなろう。ほら私の胸も触って」
咲良さんの胸はとても大きくて柔らかかった。
僕は腰を動かし咲良さんの胸を揉みながらキスをした。
咲良さんの暖かくて柔らかい唇に触れ僕は舌を入れる、すると咲良さんも僕の口に舌を入れてきた。
あまりの気持ちよさに僕はずっとそうしていたいとさえ思えた。
だが、終わりは近づいていた。
「ぷはっ!はあ、はあ。咲良さん僕もう限界みたい」
「はあ、はあ。翔太君いいよ、私の中に出して」
僕は最後の力を振り絞って腰を動かした。
咲良さんも身体を大きく動かして一緒になって動いた。
そして僕の股間から咲良さんの身体に溢れたものを流し込んだのだ。
「あーん!」
「ああ!」
息が落ち着いてくると咲良さんは僕にこう言った。
「じゃあ、これからも私のこと応援してね。翔太君、うふふ」


エピローグ
あれから咲良さんは新曲を出して大ヒットを飛ばした。
次の新曲も当然期待され連日歌番組でも取り上げられている。
僕はそれをテレビやネットで確認しては新曲に聞き入っていた。
僕は咲良さんの歌声を聞きながら股間を動かしていた。
そして破り捨てた封筒を横目で見ていた。
封筒の中にあったのはシンガーソングライターのオーディションの不合格通知だった。
「やっぱり咲良さんは凄いや・・・」

僕は意を決して咲良さんがレコーディングしているスタジオに行ってみた。
あの時のように僕はスタジオに入り咲良さんの部屋へと忍び込んだ。
すると咲良さんとプロデューサーが話をしながら部屋へと戻って来た。
「新曲の評判も中々良いみたいだよ咲良さん」
「これもプロデューサーさんのおかげですよ」
どうやら少し前に出した新曲のことを話しているようだった。
「それにしてもだいぶその身体にも馴染んだみたいだね、前の咲良さんより全然練習もするしやる気もあってそれに素直で僕は凄く嬉しいよ翔太君」
「もう私は咲良ですよ、それは昔の名前です。私にこんな素敵な身体をくれてプロデューサーさんには本当感謝してるんですよ」
僕はそれを聞いてあまりのショックで近くに置いてあった本を落としてしまった。
そして二人は僕の存在に気付いてしまった。
驚いている僕に咲良さんは不気味な笑みを向けるとこう言った。
「あら、ここには入ってきたらダメって前に言ったわよね。うふふ、翔太君・・・」



















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