私の親友 作:verdsmith7 教室では皆がそわそわし始めた。 いよいよ決まる。 そして先生は発表した、それは席替えの場所だった。 「やったー」 「なんだここか・・・」 それを見た生徒達は各々喜んだりがっかりした様子で席を移っていく。 そんな中で梨々香も新しく決まった席へと移動した。 長くさらさらな髪を揺らしながら、細い腕で自分の持ち物を担ぐ。 それを見ていた男子たちは、自分が手伝った方が良いのではないかとさえ思った。 「あのー手伝おうか?」 一人の男子が勇気を出して声を掛けた。 「ううん、大丈夫よ。でもありがとう」 男子は手伝えなくて少ししょんぼりしたが、彼女の可愛い笑顔を見れて嬉しくなった、それだけでも声を掛けた価値があったと思えた。 新しい席へ移動した梨々香は隣の席へとあいさつをした。 「これからしばらく、よろしくね」 だがその挨拶に返事は返ってこなかった。 「・・・」 隣の席には男子がいた。猫背になり何か本を読んでいるようだ。 無表情のまま梨々香の声に少し目線を向けてきたが、少しするとまた本を読み始めた。 いつもこうだ。彼は誰とも話さずいつも一人の世界に入ってしまう。 クラスの皆からよく分からない男子として認識されていた。 だから、皆必要以上に接しなくなっていったのだ。 梨々香も社交辞令的な挨拶を済ませるとそれ以上は何も言わず席に着いて次の授業の準備を始めた。 するとさっきまで梨々香に興味がなさそうだった男子が急に梨々香のことをジロジロと眺めだした。 新しい席へ移ってからの授業が始まった。 いつもと変わらない授業のはずなのに席替えをして先生の話を聞く位置が変わるだけで妙に新鮮に感じた。 こういう所も席替えの良い所のように感じられる。 そんな事を考えながら梨々香は先生の授業を聞いていたが、視線の端に妙なものが入り込んでいることに気づいた。 その方向へ視線を移すと見えたのはさっき挨拶をしたのに返事をしなかった隣のあの男子だった。 さっきまでの無表情とは違って、今度はニヤニヤと薄気味悪く笑っている。 男子の顔は教科書を方を向いているが、明らかにその視線は梨々香の方へ向けられていた。 その目線は恐らく梨々香のスラッとした脚の方に向けられているだろう。 そんな彼に気づいてしまった梨々香は自然と身震いをした。 (な、何なの? 気持ち悪い) そしてよく見ると彼の股間はズボンを大きく盛り上げて膨れていたのだ。 それを見た梨々香は気持ち悪いという感情から彼への恐怖へと切り替わった。 その日の後の授業でも同じように彼のイヤらしい行動は続きやがて梨々香は我慢の限界になってしまった。 放課後、梨々香は女友達や親しい男子に彼の事を相談した。 梨々香の話を聞いた皆はすぐに怒りを露わにした。 「梨々香ちゃんかわいそう」「それは酷いな!」「気持ちの悪い奴だ!」 各々が梨々香の事を心配し、彼に対して敵意を見せた。 「梨々香ちゃん、相談してくれてありがとう。私達梨々香ちゃんのためなら何でもするね」 集団の中で梨々香に優しく声を掛ける人物がいた。 梨々香の親友の志野だ、いつも梨々香の事を気にかけてくれている。 今回も皆を集めてくれたのは志野だった。 そんな彼女の行動力に梨々香は感謝した。 「皆ありがとう・・・」 その日決まったのは腕っぷしの強い男子が彼に直接梨々香に変なことをしないよう伝えること。 女子達は彼とは距離をとって近づかないようにすることが決まった。 梨々香は自分を心配してくれる友人を持ってとても心強く思った。 しかし、そんな美しい友情を冷めた目で見る人物がいた。 梨々香の事をイヤらしい目で見ていたあの男子だ。 普通、梨々香や友達が自分の事をこれからどうするか決めている所を見れば焦ったり不安になったりするだろうが彼はいつも通り無表情だった。 だが、梨々香に目線を移すと授業の時のようなイヤらしい笑みを浮かべた。 「じゃあね志野ちゃん」 「うん梨々香ちゃん、また明日ね」 梨々香は志野といつものように家まで一緒に帰っていた。 不安な事もあったが皆のおかげで何とかなりそうだ、そう思うと梨々香は少しだけ安心することができた。 そして家の門へ入ろうとすると彼女に声を掛ける人物がいた。 「ちょっといいかな?」 それは今日ひたすら梨々香にストレスを与え続けたあの男子だった。 彼だと気づくと、途端に梨々香は怖くなった。もしかして今までつけられたのかもしれない。 「皆と僕の事を相談しているのは聞いたよ」 男子の意外な言葉に梨々香は驚いた、あれを聞かれていたという事はもしかして怒って仕返しに来たのかも・・・。 不穏な空気になり梨々香は家に駆けこんでもいいように後ずさる。 「おっと、ごめん言葉足らずだったね。別に仕返しに来たんじゃないんだ」 「じゃあ、何をしに来たのよ?」 梨々香は警戒心を見せながら彼に質問をする。 「僕の気持ちを伝えたかったんだ。僕は君がもう少し優しい女の子だと思ってたんだ。なのにあんな風に皆に僕のこと悪く言うなんて本当に傷ついたよ」 その言葉に梨々香はカチンときた。 私がこんなに苦しく思っているのに彼は反省一つせず、挙句に私が皆と相談した事を咎めてくるのだ。 そう思うと恐怖は遠のき怒りが彼女を満たしていった。 「それは貴方が悪いんでしょ! 私を授業中ずっと変な目で見て・・・。覚悟しなさい。クラスの皆が私を守ってくれるんだから。今日の事も言いつけるから!」 それを聞いた男子は少し驚いていたが、すぐにいつもの何を考えているのか分からない顔になった。 「じゃあね、二度と私に近づかないで!」 そう言って梨々香は門を開けて男子に背を向けた。 しかし、男子はその直前に彼女の鞄にそっと何かを入れた、しかし梨々香はそれには気づかず家の中へと入ってしまった。 そして男子はそれを見届けると再び薄気味の悪い笑顔を浮かべた。 その日の夜梨々香はベッドに入り眠っていた。 梨々香の部屋は豆電球を付けているだけだったが、それだけではない他の光も交じっていた。 薄気味悪く緑色に輝くそれは梨々香の鞄から出ているようだった。 それはガタガタと震え出したかと思うと鞄から飛び出してしまった。 そして梨々香の額の上で止まった。 家に帰る時男子が梨々香の鞄に入れたのは女性を象った小さな人形だった。 すると頭上で静止していた人形は突然梨々香の口に入ってしまった。 「う、こほっ、こほっ!」 梨々香は咳き込むが起きる様子はない。 しばらくすると梨々香の身体はガタガタと震え始めた。 「あ、あっ! うう・・・」 唸り声をあげ、身体には汗がにじみ始めた。 すると眠っているはずの梨々香は急に操られるかのように眠ったまま自分の片手で胸を揉み、股間へもう片方の手を這わせた。 そして自分でそこを弄り始めたのだ。 「あ、あ、あん」 ぐにゅぐにゅと胸が握られ、くちゅくちゅと股間から液体の音が聞こえ始める。 時間とともにその動きは激しさを増していった。 「あっ! あっ! ん!」 顔はいつの間にか赤くなり全身で汗をかいている。 そして…… 「あ、あ、あっ! んー!」 梨々香は眠ったままオナニーでイッてしまった。 絶頂に達すると梨々香はさっきまでの異変が嘘のように静かになって動かなくなってしまった。 それはもう眠っているというより永遠の眠りについたようにさえ見えた。 すると梨々香の口がゆっくりと開き、中からはさっきの人形が出てきた。 出てきた人形は緑色ではなく白色の光を帯びている。 そしてまるで導かれるように外へ出るとどこかに飛び去ってしまった。 しばらくすると梨々香の部屋に別の人形がやって来た。 それは先程の人形とは違い男を象っており薄気味の悪い青い光を発していた。 そしてその人形は先ほどと同じように梨々香の口へと入っていった。 すると梨々香の身体はまたガタガタと揺れ動いた。 梨々香の身体の揺れが収まると人形が口から出てベッドの側に落ちてしまった。 そして人形は役割を終えたかのようにそのまま動かなくなるとバラバラに砕け散ってしまったのだ。 梨々香は眠り始めた時と同じように静かに寝息をたてて眠り始めた、しかし、その表情は薄気味の悪い笑みを浮かべていた。 翌朝梨々香は身体の異変を感じて目を覚ました。 「う、うーん。何だろう、何か股間がジンジンするような・・・」 私の股間からはそれまで味わったことのない不思議な感じを受けていた。 まるで張り裂けそうな、でも何だか興奮するような感じだった。 目を開きその異変が何なのか確認するために起き上がった、すると私は次の異変に気付いてしまった。 「え? ここどこなの? 私の部屋じゃない・・・私何でこんな所で寝てたの?」 その部屋はいつも見慣れた私の部屋ではなかった。 まるで男性が住んでいるかのような部屋で、部屋には男性向けのエッチな雑誌や漫画が散乱していた。 壁にはアニメの女の子のキャラクターが描かれたポスターが所狭しと飾られている。 それらを見た私は最初嫌悪感を覚えたが、やがてその女の子たちの顔や大きな胸や脚を凝視しそこから目が離せなくなっていた。 そしてまたしても股間から妙な違和感を感じ始めた私はやっと自分の下半身を確認することにしたのだ。 「こ、これってもしかして・・・」 私は嫌な予感を振り払いつつズボンと下着を下ろす決意を固めた。 このズボンも当然私が持っている可愛いパジャマのズボンではなかった。 そして考えてしまう、これの下にある物のことを。 「えい!」 一気に引き下ろされたズボンと下着からポロっと長い物が飛び出る。 「う、嘘・・・、これって男の子の・・・」 私は股間を出したまま部屋へ置かれていた鏡へ向かった。 そして私は鏡を覗き込んだ可愛い女子高生の私がそこに映っているはずだった、しかしそこに映っていたのは男性のシンボルをピンと大きく立たせた男子が驚いた表情でこちらを向いているだけだった。 私はすぐに気がづいた。その顔は昨日席替えで隣の席になったあの男子のものだったと。 私は混乱した、起きたらいきなり知らない部屋で異性になっていたのだから。 それも昨日私にイヤらしい事をしてきたあの男子だったのだ。混乱するのは当然だった。 「ど、どうして私が・・・」 私は昨日まで確かに梨々香だったはずなのに、何で目が覚めたらあの男子になっているのか。 そんな疑問を抱いても答えてくれる人はいなかった。 鏡の中であの男子がオロオロしながら右往左往している。 あれから少し時間が過ぎて私はようやく落ち着きを取り戻せた。 「とにかく服を着よう」 いつまでも股間を丸出しのままでいるのはまずい。 制服は床にしわしわの状態で置かれていた。 私は嫌々それを取ると男子が着る制服を着ていった。 私が一生着るはずのなかった男子の制服を私は着ていく。 男子の制服は単純なので女子の私でもすぐに着替えることができた。 どうやら男子の家族はすでに仕事へ出てしまったようだ。 この男子の為だろう、簡単な朝食がテーブルに置かれているだけだ。 そして股間の膨らみはトイレに行くことでやっと収まってくれた。 勿論立ちションではなく私は便座に座って用をたした。 男性のシンボルから流れていく尿を見て私は今本当に男になったのだと実感してしまった。 それから私は学校へ向かうことにしたが、正直知らない家から学校へ向かうのは骨が折れた。 何せ道が全然分からないのである。 かろうじて校区はそれほど広くないので知っている道に運よく出るとようやく安心して学校へ向かうことができた。 私はやっとの思いで教室へ到着する。すると教室の皆が私のことをジロジロと見ているような気がした。 その目は何か嫌な奴を見ている時の目に感じる。 それを思うと私は背筋がゾクッ寒くなる気がした。 本心ではここから立ち去りたいと思ったが今はそういうわけにもいかない。 私の身体は学校に来ているだろうか? そして私は見つけた、私の身体だ。 私の身体は皆と集まって話をしているようだった。 「や、やっと見つけた! ちょ、ちょっと貴方・・・」 私は私の身体に詰め寄って身体を返すように言おうとしたが、それは彼らによって遮られてしまった。 「おっと、そこまでだ、この変態野郎!」 大きな声が響き渡ると昨日私の相談に乗ってくれた女子や男子が私を取り囲んでしまった。 皆が私を鋭い目つきで睨みつけてくる。 それはいつも私に向けてくれる暖かい友人の目ではなく、相手を嫌悪したり見下したりする敵意の目だった。 「話は梨々香ちゃんから聞いたぞ、お前思ってたよりも屑だったんだな」 運動部に入っているガタイの良い男子が私の目の前で私を威圧する。 「ち、違うの。私は・・・」 「違うだと! 俺たちも見たぞ、お前が梨々香ちゃんをニヤニヤしながら見て興奮してる姿をな! それにお前昨日梨々香ちゃんの家まで行ったんだってな!」 それは全て私がやったことではないと、いくら説明しようにも今の友人達は私の言葉に耳を貸そうとしなかった。 昨日私を守ると言ってくれた友人達が今では私のことを変態としか見ていない。 「いいか? 今後梨々香ちゃんにおかしな事したらただじゃすまないからな!」 私は大人しく彼らの言う通りに引き下がるしかなかった、それもあの男子として・・・ そんな皆からの仕打ちを受ける私を見て、私の身体が皆の後ろで笑っているのが見えた。 昼休みになると私は急いで給食を食べて教室を飛び出した。 あそこにいたくなかったからだ。 皆が私を「屑だ」「変態だ」「最低野郎だ」と罵ってきた。 私は何もしていないのに・・・私をあの男子として皆が見てくることに耐えられなくなった。 屋上に来て私は空を見上げる、そこにはいつもの景色が広がっている気がした。 変わったのは私の身体だけ・・・ 「ふふ、その身体で楽しめてるかな?」 聞き覚えのある声が私の後ろから聞こえてきた、私いは一瞬で分かったそれは私の身体だった。 私の身体が私に語りかけてくる、それは不思議な光景だった。 「わ、私・・・ねえ、あなた昨日の男子なんでしょ?」 もうほぼ確定しているはずだが私は一応自分の身体に質問した。 それを聞いた私の身体はキョトンとした顔で言った。 「梨々香は私よ、男子は貴方じゃない」 まるで私が普段使う口調のように私の身体は話してくる。 「違う!私が梨々香よ」 「そんな姿で誰がそう思うのかしら、今日の貴方への対応を見てたら皆貴方を変態の男子だって思っているわよ。うふふ・・・あはは!」 そして私の身体は大きく笑った、まるで全てに勝ったかのように。 「あはは、こうも上手くいくとはね。そうだよ、僕が昨日の男子さ」 「やっぱり・・・でも何で私達入れ替わったの?」 「入れ替わった? それは違うね、僕が入れ替えたのさ」 まるで自分でもするかのように彼は言った。 私の身体を奪いそれを今私に見せびらかせている。 「ど、どうしてそんなことを?」 「君は皆に愛されてる。家族にも友人にも先生にも・・・だけど僕には一切そんなものはなかった。だから・・・」 「私と入れ替えた・・・」 「そうさ、君のバラ色の人生を僕も生きてみたくなったのさ、そして君はこれから僕として正反対の人生を送るってね」 「嫌よ、そんなの! 返してよ私の身体!」 「断っても、もう決まったことさ。それにその身体も悪いことばかりじゃないよ」 そう言うと彼は私の方へと近寄ると更に語り続けた。 その表情はいつもの私の笑みを絶やさない顔ではなく彼の無表情な顔だった。 だが、その顔は梨々香の顔であることに違いはない、私はその顔を見ると自然と朝のように股間を大きくしていってしまった。 「今日は嫌なことばかりだったろその身体で、だけどそろそろ僕の身体の楽しみ方を知ってもらいたいんだ」 そして彼の顔はいつものイヤらしい顔つきになっていた。 「楽しみ方? そんな事より私のカラ・・・あうう!」 私が言い終わる前に彼は突然私の股間をぎゅっと掴んでしまったので私の口から変な言葉が出てしまった。 「ふふ、だいぶ大きくなってたみたいだね。元の自分の身体を見て興奮しちゃった?」 彼は私の股間を掴む、その掴んだ股間から私の元の身体の体温や感触がズボン越しでも伝わってきてしまう。 快感に私は身をよじらせてしまう、その間に彼は私の後ろへ回り込んでくると耳元で囁いた。 「実はねこの日のためにずーっとオナニーを我慢してたんだ。だから凄く気持ちがいいでしょ」 私はその快感に喘ぎ声を出すことしかできなかった。 「あ、あ・・・」 彼の言う事が本当かどうかは分からないが、すぐに自分が絶頂に到達することは理解できた。 もうすぐにでも自分の股間が爆発しそうだった。 ズボンの上からゴシゴシと私の股間を弄るスピードが上がる。 「あ、あ、あん、あん」 その時私は股間からの快感で頭がいっぱいになってしまった。 かつての元の身体に股間を触ってもらっているとか考えられず、ただ快楽に身を任せてしまった。 私は自然に腰を振っていた。 「もうすぐ最高になれるよ。さあ、その身体で存分に楽しんでね」 男子が私の声を使って、私の手を使って私に囁き触ってくる。 そして私はもう止められなくなってしまった。 「あ、あ、あーん!」 私の股間から何かが噴出され下着とズボンを染み込ませていくのが分かる。 だが、今はこの気持ちよさに浸っていたかった。 「ふふ、どうだった? 楽しかったでしょ、じゃあ、そろそろ授業が始まるから先に下りてるね」 「わ、私の身体返して・・・」 ふらふらになりながら私は彼に懇願した。 すると彼は私に振り返りイヤらしい笑顔でこう言った。 「ふふ、今はお互いになりきって楽しみましょう。私は貴方、貴方は私としてね」 その日の帰り道私は学校で我慢していた涙を流しながら本来の自分の家ではない、彼の家へと帰っていた。 もうどうすれば良いかさえ分からない。 このまま彼として一生を過ごさないといけないのだろうか? そんな不吉な考えが頭に浮かんでくる。 可愛い梨々香をイヤらしい目で見る変態として・・・このまま生きていかなければならないのだろうか。 「梨々香ちゃん・・・?」 私は突然後ろから聞こえる声に振り向いてしまった、もうこの身体は梨々香ではない、だがその声は自分を呼んでいることだけは分かった。 後ろを振り返るとそこには志野ちゃんがいた、私の・・・元の身体の親友だった。 「あ、あの貴方、梨々香ちゃんでしょ?」 志野ちゃんは私に恐る恐る質問してくる。 私はその声に涙を更に出して答えた。 「う、うん・・・」 私は彼と入れ替わったことや分かっていることを全部説明した。 「やっぱりね・・・。おかしいと思ったんだ。今日は梨々香ちゃんがいつもと違うって思ってたの」 志野ちゃんは今日学校に来てからの梨々香が変だと見抜いていた。 他の皆と違って志野ちゃんとの付き合いは長い、楽しいことだけでなく、嫌なことも散々一緒に経験していたのだ。 だから他の皆が気づかないことでも志野ちゃんには気づくことができた。 「一番は私を名字で呼んだことかな、いつもなら志野ちゃんって呼んでくれてるでしょ?」 「ごめんね、最初気づかなくて。でもこうやって入れ替わってることが分かったんだから、私は梨々香ちゃんの味方だよ」 そう言って、私にいつもの優しい笑顔を向けてくれた。 私はその笑顔を見ると久しぶりに暖かい気持ちになれた気がした。 そして志野ちゃんに抱き着いて思いっきり泣いたのだ。 「志野ちゃん・・・ありがとう、本当に」 私はこの身体が男子であるということを忘れて志野ちゃんに抱きついた。 そして志野ちゃんの胸で泣いて自分が梨々香であると分かってくれたことに感謝した。 そして私達は決めた。 絶対に二人で身体を取り戻すと。 心強い味方を得たがそれでも私にとってはそれからの日々は地獄だった。 私を変態扱いするクラスの皆は私を避け、私は誰とも話すことなく一日を終える日々を送り続けた。 志野ちゃんは私の味方だったが、事情を知らない皆に誤解されるかもしれないからと皆の目が届かない場所以外では極力接しなかった。 それは私が望んだことだった、これ以上志野ちゃんに迷惑をかけられないと・・・それでも時折遠くから私を見る志野ちゃんは悲しそうだった。 だから放課後学校から解放されると、志野ちゃんと話すことでだいぶ楽にはなった。 それでも相変わらず元に戻る方法は見つけられないが・・・。 その間にも私の身体を得た彼は普段の私と同じように皆と接した。 まるで最初から彼は梨々香だったかのように生活している。 多くの友人に囲まれ楽しい学生生活を送っている彼を見て、どうして彼が私と入れ替わりたかったのか少し分かった気がした。 授業中、私は先生の話を聞きながら私の身体が座っている隣の席へと視線を移した。 私の視線に気づくと彼はニヤッと笑う、そして私の身体の脚を開きそこから白い下着を見背付け始めたのだ、私に見えるように。 私は一瞬ドキッとしてしまう。 私の身体の下着が見える。止めないとと思うが、声を掛けられないし、出した所で止められるか分からない。 下手をすればまた私が変態扱いされてしまう。 だが、私はその光景から目を離せないまま視線をかつての自分の下着に固定させてしまった。 すると彼はスッと私の方を見るとウインクをしたのだ、そして服の中に手を入れる胸を揉み始めた。 みるみる彼の顔は赤くなっていく、それを私に見せつけるために行った。 そして私の股間は私の意志と関係なく大きくなっていくのだった。 私はまた股間が張り裂けそうになる。 このまま誰かにこんな姿を見られたら私はまた変態扱いをされてしまうだろう。 そこで私は授業中にトイレへ向かうことにした。 大きくなった股間は上着を着てなんとかごまかせたと思う。 私はいつものようにトイレへ入るが、そこは女子トイレだった。 また、間違えてしまった、かつての身体の癖がいまだに出てきてしまう。 私は仕方なく男子トイレへ向かおうと出口へ向かった、しかし、そこには私の身体の男子が待ち伏せていたのだ。 「ふふ、まだ女子トイレを使ってるの?」 クスクスと笑い私を見てくる。 「何でここに?」 「私もお手洗いに行こうと思って来たのよ。そしたら先客がいるから誰かと思って見てみたら変態さんだったなんてね」 恐らく私がトイレで何をするか知っているのだろう。 全部見透かされているように思えた。 「さっき授業中、私の身体を見てまた興奮してたんでしょ?」 「ち、違う。それはこの身体が勝手に・・・」 私は彼の言っている事を否定しようとするが、それとは裏腹に股間はムクムクとまた大きくなっていった。 かつての自分の身体を見る勝手に身体が興奮してしまうのだ。 「だから、ここで抜いていこうとしたわけね」 はたから見ても分かるぐらいに私の股間は大きくなっていた。 それは上着を着ていても恐らくバレバレだったろう。 「そ、それは・・・」 「いいわ、私の身体を見て興奮したなら私にも責任があるしね、なら私も手伝ってあげる」 「え?」 私は今女子トイレに男子の身体で入っている。 そしてその個室へ元の私の身体と二人で入ってしまった。 私は抵抗したが、彼が無理やり私の手を引っ張ると個室に私を連れ込んでしまったのだ。 「良いのよ。叫んでも。でも女子トイレで貴方が叫んでいるのが見つかったら困るのは誰かしらね?」 いくら授業中といえど近くの教室では先生や他の生徒達がいる大きな声を出せば途端に誰かがやって来るだろう。 目と鼻の先にはかつての自分が立って私の事をニコニコと見ていた。 狭い個室に一人だけでも窮屈なのに今は二人が入っているのだ、しかも男と女で。 私はかつての自分の顔を見ると自然と顔を赤くして股間をまた大きくさせてしまった。 この身体になってから異性への反応が極端になっていたのだ。 「うふふ、ほーらまだ大きくなってる」 彼は笑いながら、私の股間が盛り上がっていくのを楽しんでいた。 彼は慣れた手つきで私のベルトを外すとズボンとパンツを一緒に引き下ろした。 そこには大きく上を向いた男のシンボルがかつての私の方へとピンと力強く向いていた。 「はあー、何だかこれを見るのも懐かしいわね。ちょっと前まで自分に付いてたものが他人のものになってる何て不思議よね。ほーら元気だった?」 そして前のようにぎゅっと私の股間を握りしめた。 「あうう・・・」 私は情けない声を出してしまった。 前の時はズボンの上から触られていたが今回は服を脱いで直に触っている。 当然私の股間からは元の身体の柔らかさや暖かさがより鮮明に伝わってきた。 「ん、んん、んんんー」 私は声が外に漏れないように口を手で押さえた。 だが、それでも自分の口から声が出てしまう。 「ほら、我慢しないで。気持ちいいでしょ?」 私の身体の手が私の股間を優しく撫でていく。 「う、うん・・・」 手が私の股間を撫でる度に股間から身体中がゾクゾクと興奮する。 更にそれが元私の身体で、他人の身体になった私にされていると思うと余計に興奮してしまった。 「ねえ、私の顔を見て」 あいつが私に呼びかける、目と鼻の先にかつての可愛らしい私の顔があった。 「私の顔かわいい?」 「と、とってもかわいい・・・」 快感と共に出てくる素直な答えだった。 目鼻口が整った綺麗な顔だと思う、それが目の前にいるのだ。 「じゃあ、私の胸触りたい?」 「さ、触りたい・・・」 制服の上からでもふっくらとした胸の形が分かった。 触るまでもなく柔らかく、弾力のある胸だと分かる。 そして胸の谷間が私の目の前に見せびらかされている。 「じゃあ、私にキスして」 そういって手を動かし続けながらあいつは目を閉じて私に唇を向けてきた。 瑞々しくプルッとしたピンクの唇が私に早くキスしてと訴えかけてくる。 「ん」 私は顔を近づけてかつての私の口にキスをした。 プニっとした元私の唇の感触がこの身体の唇を通して感じる。 最初は唇と唇が触れているだけだったが、私はいつの間にか触れている唇を吸い始めた。 チュッチュッという音もなり始める。 「んん、んん」 私は股間からの快感と口からの快感に唸り声をあげてしまった。 「ぷはっ」 あいつはいきなり唇を離した。 「ふふ、あと2つ質問させてくれたら私の胸も触っていいわよ」 私は息を切らしながらあいつの質問を待った。 「私のこと好き?」 「あ、ああ、好き」 嫌いじゃないはずがなかった。 それは自分の身体だからなのか異性として好きなのか私にはもう分からなかった。 単に好きか嫌いで質問されたので答えは好きだったのだ。 「じゃあ、私の名前は?」 私は一瞬答えに躊躇してしまう。 その答えは私の名前だったから。 だが、その時は答えないといけないと思ってしまった。 「はあ、はあ、あ、あ・・・り、梨々香」 それを聞くとあいつは凄く嬉しそうな表情になった。 かつてのイヤらしい笑みではなく、かつての私のような笑みだった。 「うふふ、そうよ私が梨々香ね。やっと認めたわねエッチな変態さん。これはお礼よ」 「んぷ!」 私は突然彼女からキスをされると口の中に舌を入れられてしまった。 そして私の手を掴み大きな胸へと手を置かせたのだ。 私は自然と置かれた瞬間から手を動かし、かつての自分の胸をまさぐってしまう。 「んんん」 私は口も手も股間も密着しているあいつの身体から快感を得ていた。 それは今までの人生で一番気持ちの良い瞬間だったかもしれない。 そう思うと今自分が置かれている状況がどうでもよくなってしまった。 このままずっとその身体と気持ちよくなりたいと思ってしまう。 いつも見ていた、綺麗なあの子、皆から好かれて勉強もできてしっかり者の・・・そんな子と今こうしてくっついて気持ちよくなれている。 「ん、んんー」 股間の刺激はさらに上がっていく、この刺激は底なしのように感じられた。 だが、それもそろそろ終わりを迎えそうだった。 股間の感覚が変わってきたのだ、あの時と同じように。 「うふふ、もうそろそろいいのよ。その身体を受け入れちゃいなさい。そして楽になるといいわ、かつての私みたいに・・・」 キスを止めてあいつは私に語りかける、それは私にその身体のすべてを受け入れろと言われているような気がした。 そして私は大きく腰を揺らしあいつの手から送られてくる快感に全部を預ける。 あいつが言ったことの意味なんて考える暇もなく私はそれに浸った。 もう少しだ、もう少しでいける、だがまだだ・・・ 「うふふ、もう少しみたいね。ほら、私が手伝ってあげるから」 ゴシゴシと股間が前後に動かされる、そのスピードがどんどん上がっていった。 「ん、んん!」 私は胸から手を放し口に手を当てて声が漏れないようにした。 そして腰をどんどん振ったのだ。 「んー!」 「さあ、イッて。その身体を楽しみなさい」 そして私は大きく腰を突き上げた。 「んんんー!」 その声と同時に私はイッてしまった。 彼の快感を全て受け止めてしまったのだ。 白い液体が個室に飛び散ってしまった。 あいつの顔にもそれは飛び散っていたが、あいつはそれを気にせず変わり果てた私に笑みを浮かべるだけだった。 あの日から私は変わってしまった。 「梨々香ちゃん、最近変だよ。何だか口調も変わったし、それに私を見る目が怖いっていうか・・・」 私は今、志野ちゃんの部屋で話をしている。 あれから何度か志野ちゃんと話し合いをしたが解決策は見つからない。 それ処かあいつとトイレでの出来事あって以来自分の何かが変わってしまったように感じた。 まるで私は前のあいつのようにかつての自分をチラチラ見ては興奮してオナニーをしていた。 かつての自分の身体を私は性の対象にしてしまっていたのだ。 そしてそれは志野ちゃんに対する接し方にも影響を及ぼし始めていた。 私の親友・・・今でもそう思っている。 だが、私の心の中が囁いてくる。 (志野ちゃんが私をこんなに心配してくれているのは私のことが好きだから、だからそろそろ・・・) その心の声は日を追うごとに大きくなっていき、私の心を支配するようになっていった。 ほぼ毎日志野ちゃんと話している、そして私は志野ちゃんにムラムラしていた。 あの可愛い顔、胸、脚がたまらなく感じてしまう。 それは既に相手を親友としてではなく性の対象としてしまっていたのだ。 そして私はその日我慢の限界に達してしまった。 「梨々香ちゃん、どうしたの? え?」 私は心配する志野ちゃんに覆いかぶさってしまった。 「志野ちゃん、私のことが好きなんだよね。大丈夫、私も好きだから。だから、わた、僕と一緒に気持ちよくなろう」 僕は親友にキスをする。 「ま、待って梨々香ちゃん、こんなのおかしいよ! 何でこんなことを?」 「だって志野ちゃん、僕の事が好きだから僕の事を心配してくれてるんでしょ、だから僕もその思いに応えたいんだ」 僕は志野ちゃんにキスをした。 そしてキスをしながら僕は志野ちゃんの胸を揉んだ。 「だ、駄目だよ梨々香ちゃん! お願い、いつもの梨々香ちゃんに戻って! こんなの梨々香ちゃんじゃないよ」 必死で僕に正気を保つよう懇願する親友をしり目に、僕はおかまいなく彼女を襲った。 これが今の自分なのだ、好きな人に股間を大きくして興奮する、それが今の自分だった。 「り、梨々香ちゃん・・・梨々香・・・ちゃん・・・」 やがて彼女は涙を流しながら僕の昔の名前を呼び続けるだけになってしまった。 そしてそれを見た僕は言った。 「やっと素直になってくれたんだ、僕も嬉しいよ。じゃあ本番を始めようか」 志野は気づいた、その口調はかつての男子の口調そのものだったと。 僕は志野ちゃんの制服に手を掛け本番をしようとした。 「うふふ、遂に昔の親友にまで手を掛けようとするなんてね」 梨々香は後ろを振り返った、そこには前の身体がいた。 「すっかり私になったのね、いやむしろ昔より悪くなったかしら」 変わり果てた梨々香を彼はあざ笑う。 「今更何をしに来た?」 梨々香はかつての自分の身体に冷たい言葉を浴びせた。 折角志野ちゃんと楽しいことができると思っていたので梨々香は興ざめしてしまった。 「失礼な言い方ね、私の親友が心配だから様子を見に来たのよ。そしたら変態に襲われそうになってるんだもん。止めないと駄目でしょ?」 「僕をこんな風にしたのは君のせいだろ・・・だけどおかげで全部思い出した。元に戻る方法も」 精神を彼のものに侵されてから梨々香は少しずつ思い出していた。 そしてその記憶の中には、彼の入れ替わりについての記憶もあった。 「あら、もうそこまで思い出したのね」 「ああ、入れ替わって相手の全部を受け入れた後に元の身体とセックスをするんだ、そうすれば・・・」 「うふふ、そこまで思い出したのなら早速始める?」 梨々香になった男子は梨々香の返答を待たずに服を脱ぎ始めた。 もう彼はやる気のようだ。 「いいのか? その身体は散々君が望んでいた身体だろ?」 梨々香も服を脱いでいく、それは身体を取り戻すためなのか元の身体と単にエッチしたいだけなのか志野には分からなかった。 「だって私、男の快感が懐かしくなっちゃったんだもん。それにこの身体にも飽きちゃったのよね」 そして彼は梨々香の顔で薄気味の悪い笑顔を浮かべたのだ。 そんな二人を志野は虚ろな目で眺めていた。 僕はかつての自分の裸を見て興奮していた。 あの憧れの梨々香の身体が目の前にあると思うと自分の興奮を抑えることができない。例えそれが昔の自分の身体だったとしても。 今はこの身体の記憶から、その身体は自分の憧れになっていた。 息を荒げ、梨々香の身体が横たわるのを待つ。 僕はずっと見ていた。可愛い女子高生、皆の人気者、自分とは正反対の美少女、それが今から自分のものになると思うとゾクゾクした。 「お待たせ、さあ来て」 かつての自分が僕に語りかける。 甘い声で僕の身体を求めてきた。 既に僕の股間はビンビンになっている、いつでも始められる。 横たわっているあの身体に早く入れたいが、僕は我慢する。 梨々香の身体を目に焼き付ける。 白い肌、スラリとした手足、美しい顔、さらさらの髪の毛、これが今から僕のものになるのだ。 僕はその美しい唇にまずキスをした。 チュッという唇と唇が触れ合う音が聞こえる。 僕はキスを続けながら彼女の胸を触った。 裸になった胸はとても柔らかい、僕の手に収まりきらない胸の感触が気持ちよかった。 少しそれを続けるとキスは少し中断した。 「ふふ、意外と私をじらすのね」 奇麗な声が僕の耳に届く。じらしているつもりはない。ただずっとこの綺麗な身体を楽しみたいだけだったのだ。 だから僕はその言葉を聞いても焦らなかった。 キスを再度続ける。プチュプチュと口から音が漏れる。 そして綺麗な梨々香の股間に手を入れていった。 すると僕の股間にも何かが触れた。 「んん」 見ると可愛らしい梨々香の顔がニヤッと笑っている。 どうやらお互いに気持ちよくなりたいようだ。 だから僕たちは一緒に手を動かした、お互いが気持ちよくなれるように。 「んんん」 「うう」 キスをしたままお互いの股間から気持ちの良い感覚が伝わる。 この股間を憧れのあの子がやってくれていると思うと僕は幸せに感じた。 「ん、ん・・・ん」 口を離し股間の快感を喘ぎ声で示した そして僕はあの綺麗な股間に僕のアレを入れていく。 もう濡れ濡れのそこに僕のアレはすんなり入っていってしまった。 「はあ、はあ、凄い暖かい、気持ちいい。僕のおま〇こ凄い」 僕は素直に言った、暖かい膜が自分の股間を飲み込んでいった。 「私も気持ちいい、私のチン〇大きくて・・・あ、熱い」 お互いのかつての身体に快感を味わう。 僕はそして腰を振り始めた。腰を前後に振り股間の先が憧れのあの身体の奥へと当たるようにした。 「はあ、はあ」 もう少しであの身体はかつてのように僕のものになる、そう思うとこの男子の身体とお別れをすることが少し寂しく感じた。 だが、今はその身体を欲して仕方がない。だから僕は精一杯腰を振った。気持ちよくなれるように。 「はあ、はあ、もうすぐその身体に戻れる・・・」 僕は言った。 「嬉しい? でも男の身体も捨てたもんじゃないでしょ?」 一瞬考えたが、すぐに答えた。 「そうかもしれない・・・」 僕は素直に答えた。 「うふふ、じゃあ、今は感じて・・・女の心を持った男の身体の快感をその身体で、私で感じて・・・」 僕の腰に力が入っていく、そして段々と息も荒くなる。 それは梨々香の身体も同じだった、僕に彼女の吐息が掛かり彼女の体温を感じた。 「はあ、はあ、いくぞ!」 「ええ、来て!」 最後の力を振り絞り僕は腰を振った。 そして 「ああー!」 「あーん!」 二人の声が揃って響き渡った。 頭が真っ白になっていく、まるで全てが変わっていくように。 これが入れ替わることなのだろうか・・・分からないが僕はそれを受け入れた。 そして僕の意識は飛んでいった、本来の身体へと・・・ 「・・・梨々香ちゃん」 か細い声で誰かが私を呼んでいる。 私は重いまぶたを開き声の主へと顔を向けた。 「し、志野ちゃん・・・」 虚ろな目で梨々香は志野に言った。 それは男子と入れ替わった梨々香ではなく本来の梨々香の口調だと志野は直感で分かった。 志野はそれが分かると梨々香に抱き着いた。 「うわーん、よかった、よかった。梨々香ちゃんが元に戻って・・・」 涙を流し親友に抱き着いた。 梨々香もそれを受け止め一緒に泣いた。 「ごめんね、志野ちゃん。でもこれで元通りよ。前みたいに楽しく過ごそう」 梨々香は志野に微笑む、いつもの優しい笑顔がそこには広がった。 「うん」 志野もそれに頷く。 地獄の日々は終わり、楽しい学校生活が送られる。親友と一緒に。 そう思うと自然と笑みがこぼれた。 そして男子もむくりと起き上がった。 彼は自分の身体を確認すると私達の方を向く。その表情はいつもの何を考えているのか分からない彼らしいものだった。 だが、その股間は私達を見た瞬間から大きくなっていった。 彼も元に戻れたのだろう。 これで全てが元に戻ったのだ。 エピローグ あれから私と梨々香ちゃんはすっかり元の関係に戻ることができた。 梨々香ちゃんは元の身体に戻ると性格もすっかり以前の優しい性格になったので、私も以前と同じように接することができた。 あの時梨々香ちゃんが私にしようとした事はショックだったが、結果的に私達は前よりも仲良くなれた。この友情がずっと続いていけばいいなと私は本心でそう思う。 あの男子とはあれから完全に関係を断ち切った。 もう二度と関わることもないだろう。その必要もない。 学校では相変わらず何を考えているのか分からないし、たまに可愛い女子を見たりしてはニヤついているの見ることがある。 もしかしたらまた、他の女子の身体を狙っているのかもしれないが、今はこの幸せな日々に浸っていたい。 だが、もしまた私の親友にあんな事をしようものなら私は黙っている気はなかった。 全力で守る、それは前も今も変わらない。 変わったことといえば・・・ 「ふう、今日も授業大変だったね。じゃあ、また明日」 そう言って梨々香ちゃんは私にキスをしてきた。 元に戻ってからだろうか、梨々香ちゃんは私にキスをしたり身体を密着させることが多くなっていた。 私もそれにキスでお返しする。 これが今の私達だった。 こうやって楽しく学校で仲良くできて一緒に帰ることができて本当に幸せだった。 こんな日がずっと続けばいいと私は思った。 志野は梨々香と別れると家に入ろうとする。 その志野をじっと見つめる人影があった。 あの男子だ、手には人形が握られている。 志野が一人になったのを見計らうと、男子は志野の元へと向かおうとした。 だがそれは突然、ある人物によって止められてしまう。 梨々香だ。 「やっぱりね。こうなると思ってたわ」 梨々香は男子から人形を奪い取る。そしてその人形を踏みつけて粉々にしてしまった。 「これが最後の一体だったのよね。残念だったわね、梨々香ちゃん」 梨々香は笑った、かつての男子のように薄気味悪い笑顔で。 あの時セックスをすれば元に戻れるというのは全くのデタラメだった。 セックスをすれば入れ替わるのではなく相手を完全に受け入れ完全にその入れ替わった人物に精神が変わってしまうことを意味していたのだ。 男子はその偽の記憶を事前に記憶し、梨々香と入れ替わりセックスをすれば元に戻れると思いこませることに成功した。 だから梨々香になった男子は完全に梨々香へ、男子になった梨々香は完全に男子の精神になってしまった。 しかもそうなった相手とは二度と入れ替わりはできない。 そして男子になった梨々香はそれを理解すると、最後の予備の人形を使って志野と入れ替わることを思いついたのだ。 だが、それも人形を壊されたことでできなくなってしまった。 人形を壊した梨々香は男子の股間をかつてのようにぎゅっと握った。 「あうう・・・」 男子は情けない声をあげてしまう。 そして梨々香は言った。 「かつての親友が身体を奪おうとしてたなんて知ったらどう思うでしょうね。うふふ、でもそんなことはさせないわ、だって私の親友なんだから」 そう言うと梨々香は男子の股間を握った手を動かし始めた。 男子は喘ぎ声をあげみるみる股間を大きくしていく。 「ふふ、これからもその身体を楽しんでね、変態さん」 |