ずっと一緒

 作:verdsmith7


「初めまして佐紀といいます。高校の実習で来ました。今日からしばらくの間お世話になります」
老人ホームの個室で元気なジャージ姿の女子高生は挨拶した。
「ほう、あんたがワシの世話をしてくれるのかい? 可愛い子でラッキーじゃわい」
女子高生が挨拶したのはその日から世話していく高齢の男性だった。
彼はこの個室で生活している。
「わしの自己紹介がまだじゃったな。わしは静雄という名前じゃ」
佐紀が通う高校の職場体験でこの老人ホームを来ることになった。
そして佐紀が世話をすることになったのが、この静雄という高齢の男性だった。
年齢は80近くで足腰が弱っており、ベッドの上にいることが多かった。
手すりなどを使えば自分でも移動はできたが、大体はスタッフが車椅子で移動させていた。
ただ佐紀にとって不幸だったのは、この静雄という老人はとてつもなくハレンチな人物だったという事だ。
高齢だったがほぼ毎日エッチな映画を見ていてた。
それに飽き足らず何かと理由を付けては女性の身体を触ろうとしたりするので、この施設では有名になっていた。
だから施設のスタッフからは「何かあればすぐに呼びなさい」と前もって注意されていたのだ。
実習が始まってすぐ静雄の部屋を整理している時のことだった。
佐紀はベッドの下を掃除しようと屈んでいると背中に妙な感覚があることに気づいた。
「キャア! 静雄さん、どこを触っているんですか!?」
顔を上げると静雄がベッドの上から佐紀の身体を触っていたのだ。
「すまん、すまん、お前さんの腰に虫が付いとったから取ってやろうと思っての」
静雄は悪びれる様子もなく平謝りをする。
そんな事が頻繁に起きたので佐紀は静雄にへきへきしていた。
「早く実習が終わらないかな」
あまり楽しいとは思わなかった学校での授業が今ではとても懐かしいように感じられた。
そして実習も半分近くが終わった日のことだった。
佐紀は脚立に上がり部屋にあった棚の整理をしていた。
テーブルには赤と青の薬瓶が置かれていた。
また飲み忘れたのだろう。
「静雄さん、私は棚の片づけをしておくので薬を飲んでいてくださいね」
ぐらぐらと揺れる脚立に何とか乗って掃除を始める。
「ん? この薬じゃな?」
薬を飲み終えた静雄は佐紀のお尻を見るとまた良からぬことをしようとしていた。
「危なそうじゃの、ワシが下から支えてやろう。ほれ!」
その言葉と共に佐紀のお尻に静雄の手触れた。
「キャア! 静雄さん、また!・・・って、ああ!」
突然だったため佐紀はぐらついた脚立からバランスを崩してしまった。
天井が段々と離れていくのが分かった、そして自分が地面に近づいているのだとすぐ理解した。
(このままだと下にいる静雄さんも!)
自分の下敷きになってしまうと一瞬頭をよぎったが、その時にはもう手遅れだった。
ドン! という衝撃と共に佐紀の意識は途切れてしまった。
そして佐紀の下にいる静雄もその下敷きになり意識を失ってしまった。


どれくらいの時間が経ったのか分からない。
部屋は明るいので、それほど時間は経っていないだろう。
「うう・・・」
痛む身体にムチを打って起き上がった。
「いかんいかん、突然のことじゃったが、まさかオナゴの尻に敷かれてしまうとはな」
身体に痛みはあるがどうやら大丈夫なようだ。
だが、自分の上に先ほど落ちてきた佐紀がいないこと気づいた。
「何じゃ、確かさっきオナゴがワシの上に落ちたと思ったが」
見ると自分の下に誰かが横たわっているのが分かった。その姿はまさしく静雄の身体だった。
自分の身体が目を閉じて床に横たわっているのだ。
「ワシが倒れとるぞ。という事はワシはあの世に行ってしもうたのか?」
咄嗟に自分の手をみる。
「うむ、力は入るし透明にもなっとらん。むしろ綺麗な手になっとる」
ふう、と安心したのも束の間だった。
「こりゃ、ワシの手か? 随分若返ったように見えるのう」
色白で肌はピチピチ、そしてシワも無い綺麗な手と腕、それが今自分に付いている気づいた。
身体を更に確認するためゆっくりと身体を起こそうとした。
いつもなら言うことを聞かない身体が素直に動いた。
「なんだか身体が軽く感じるのう。それに声もいつもと違って高いように感じるのう」
身体を起こすと今の自分の身体を確認した。
まず目に入ったのが着ている服だ。
さっきまでパジャマ姿だったはずなのに今はジャージを着ていた。
そしてそのジャージには名前が入っていた。
「佐紀。あのオナゴの名前じゃ。何でワシがオナゴの服を着ているんじゃ?」
今度は立ち上がってみる。
いつもなら手すりがないと上がらない身体が自然に立ち上がった。
そしてベッドの傍に置かれている鏡を取った。
そこに映っていたのはまぎれもなくさっきまで自分の世話をしていた佐紀の姿だった。
ジャージ姿の女子高生は鏡の中で驚いた顔を見せている。
「ワシ、オナゴになっとるぞ!」
自分の口を動かすと鏡に映った佐紀の身体も同じように口を動かした。
そして床になっている静雄の身体を改めて確認した。
それを見てようやく静雄は自分が今佐紀の身体になっていることに気づいた。
「何じゃ、ワシがオナゴに?」
静雄はさっき起こった事を思い出した。
佐紀が自分に落ちて気絶し、そして佐紀になっていた。
「とうい事はさっきの衝撃でワシはオナゴになったということかのう・・・」
静雄はウインクをしたり、ピースをしたり、鏡にお尻を向けてエッチなポーズをとった。
どうやら本当に佐紀になっているようだ。
それを確信すると、静雄は鏡の自分の顔を改めて見た。
そしてニヤッとイヤらしい表情を浮かべた。
今まで動かなかった身体が自由に動くというものはとても気持ちのいいものだった。
腹痛の痛みから解放された時の普段のお腹に戻るような感じだろうか。
ともかく静雄は今の自由な身体を満喫している。
「おお、自由に身体が動きよるわい」
屈伸をしたり身体を伸ばしてみる。
今までなら身体を少し動かすだけでも一苦労だったが、それらがすんなりとできていく。
「おお、この身体は軽いのう。ほれほれ」
次に静雄はピョンピョン飛び跳ねてみた。
身体が少しではあるが地面から離れている。それをできた喜びをかみしめた。
しかし、飛び跳ねていると胸に妙な違和感を感じた。
飛び上がる度に胸がタユン、タユンと上下に揺れている気がするのだ。
「なんじゃ? 胸が妙に重いし揺れる気がするが。ん? これはオナゴの胸か」
揺れている物の正体は男の自分にはなかったものだった。
それはエッチな静雄の好奇心を引き寄せるには十分すぎるものだった。
すぐに静雄の手は佐紀の胸を触れた。
「ん、おお、なるほどオナゴの胸を触るのも良いが、自分の胸を触るのも悪くないわい」
ジャージの上からでも手にプニュプニュとした柔らかい感触が伝わってくる。
「さてワシの身体はまだ気絶しておるようだし・・・」
かつての自分の身体が気絶していることを確認すると静雄はジャージを脱ぎ始めた。
ジャージと下着姿なのですぐに佐紀の生まれたまま姿が現れた。
「ふう、やっと下着を外せたわい。それにしてもこのオナゴ、いい乳をしとるのう」
ようやく胸を締め付けられるような感覚から解放され静雄は自分に新しく付いた胸を確認した。
白い肌で若いそれだけでも十分だったが、佐紀はとても美人でもあった。
まるでテレビドラマのヒロインのような顔だちだ。
「顔もなかなかじゃな、乳も股も綺麗なものじゃ」
そして胸を触る。
流石にスケベな静雄も女性職員の胸を鷲掴みにしたことはなかったが、今の自分にはそれがやりたい放題だった。
大きな胸は鷲掴みにされて指の隙間からはみ出しそうになる。
柔らかく弾力のある胸、その感触は最高のものだった。
そしてその行為は静雄を更に興奮させていった。
「はあ、はあ、なるほど。オナゴはこうやっても興奮するんじゃな」
そして手は佐紀の股へ伸びる。
綺麗な太ももとお腹の間には男の象徴は無く女性の秘所があるだけだ。
静雄はそこへ指を差し込んでいった。
「おお、胸もええが、ここもまた!」
指に暖かく湿った物が包まれているのが分かる。
だがそれ以上に自分の中にそれを差し込まれている感覚がたまらなかった。
奥へ奥へと入る度に電気が身体に走る。
「はあ、はあ、ええぞ。ええぞ」
そして指を抜いたり差し込んだりを繰り返した。
それはかつて男の身体でしていたオナニーとは比べ物にならなかった。
「い、いいぞ。もっとじゃ。あああ!」
そう叫ぶと佐紀の秘書からは大量の液体が噴出した。
女の絶頂を味わえたのだ。
「はあ、はあ、オナゴの身体というもの凄いものじゃな」
静雄は絶頂の余韻に浸っていると少し前の事を思い出した。
(静雄さんに何かエッチなされたらすぐに言いなさい)
それは職員が佐紀に注意していた時の記憶だった。
「ん? ワシの事か。て、何じゃこの記憶は。ワシこんな事聞いたもないのじゃが。まさかこのオナゴのか」
絶頂を味わってから、なぜか静雄の記憶ではなく佐紀の記憶がふっと出てくるようになった。
「ほほう。そうじゃったか」
目を閉じた静雄は目を閉じてその記憶を探っていった。
そして目を開きニヤッと笑ったのだ。


静雄は服を着て部屋の掃除をした。
万一誰かに見られるのはまずいと思ったのだ。
「う、うーん」
どこかで聞いた事のある声が聞こえてくる。
見ると静雄の身体がようやく目を覚ましたようだ。
「え、何で私がそこに・・・?」
どうやら佐紀は混乱しているようだ。
無理もない。10代の女高生から80の高齢者になったとは思ってもないだろう。
混乱する佐紀に静雄は今分かっていることをすべて説明した。
「ワシらは入れ替わったようなんじゃ」
「そ、そんな」
若い女子高生の身体から突然ヨボヨボの身体の、しかも男性の身体になった佐紀は頭がパニックになりそうだった。
「う、嘘! 私それじゃあ、静雄さんになってるの」
佐紀は起き上がって身体を確認しようとするが、いつものようにすぐ動かせなかった。
「あれ、何で身体上手く動かないの? え? え?」
起き上がろうとしても力がいつものように入らない。凄く身体も重い気がした。
「これこれ、あまり無理をせん方がいいぞ。なにせもうすぐ80の身体じゃからな」
無理やり身体を起こそうとする佐紀に見かねて静雄は身体を支えた。
そしてベッドまでとりあえず移動させたのだ。
当然ながら身体を密着させるので、佐紀は元の自分の身体の匂いを嗅いでしまった。
(私ってこんな匂いだったの?)
いつもは何も感じなかった自分の体臭が今ではとても気になって、知らず知らずのうちに「スーッ」と鼻から吸い込んでしまう。
佐紀はようやくベッドまで辿り着き腰を下ろせた。
「大丈夫かの?」
佐紀の目の前で自分の顔が心配そうに見つめている。
「あっ! はい!」
かつての自分の顔に心配そうに見つめられてぼーっとしていたので、佐紀は声を掛けられているのに一瞬気づけなかった。
若く、可愛く、綺麗な顔が自分を見つめている、そう思うと佐紀はとても恥ずかしい気分になってしまった。
(何で私自分の顔を見れないの? もしかして私自分の身体に恥ずかしがってるの? それに何だか股間の辺りがおかしくなってる気が・・・・)
「ん? どうしたんじゃ?」
そんな佐紀を心配したのか静雄が顔を近づけてくる。
そのせいで佐紀と静雄の顔はさっきよりも近くなってしまった。
「よ、よく分からないんですが、私の身体を見てると何か気分が変になってきて、それで・・・」
佐紀はそう言うと佐紀の身体の静雄から目を逸らしてしまった。
静雄は不思議そうにその光景を見ていたが、元自分の身体の異変にすぐ気づいた、股間が盛り上がっていたのだ。
「ほほう! お前さん自分の身体に興奮したんじゃな?」
「そ、そんな訳ないじゃないですか!」
佐紀はムキになって否定したが、股間は正直に佐紀が興奮していると証明していた。
しかし静雄はその事は指摘せず、恥ずかしがっている佐紀で遊びたくなってしまった。
「だったら、なぜワシの顔を見ないんじゃ?」
静雄はニコニコと佐紀の顔で笑顔を作り、ズイと佐紀の目の前にその顔を近づけていった。
「静雄さん、か、顔が近いです! もっと離れて! 私の顔を近づけないで!」
「この顔は元々お前さんのじゃろ? 何をそんなに嫌がっとるんじゃ?」
ニヤニヤと笑いながら元佐紀の顔が近づいていく。
我慢に耐え切れなくなった佐紀は遂に静雄に背を向けてしまった。
「はあ、はあ、もうふざけないで下さい!」
佐紀は先ほどから違和感を感じていた股間を見るとそれは服を大きく盛り上げていることにようやく気付いた。
(な、何よこれ?)
「それは勃起じゃよ」
佐紀の声が囁いたと思った瞬間、静雄は佐紀の背中から手を回して佐紀に付いた男の象徴を掴んでしまった。
「あん! な、何をするんですか!」
「短い間とは言えお前さんには世話になったからのう。お礼をしたくてな。ほれほれ、どうじゃ、ワシの息子は気持ちいいじゃろ?」
「や、止めて下さい。気持ちよくなんか、あんん!」
柔らかい皮膚が佐紀の身体に付いた男の象徴を優しくなででいく。
それはズボンや下着を挟んでいてもはっきりと分かった。
「ほれ、ズボンと下着が邪魔じゃな。ワシが脱がしてやろう」
静雄は佐紀の腰からズボンと下着を脱がしに掛かる。
本来なら佐紀は抵抗しなければと思うだろうが、この時佐紀は快感で頭がいっぱいになってしまった。
もっと続けてもらいたい、もっと触ってほしい、もっと気持ちよくなりたい、もはやそれしか考えらられなかった。
下半身が裸になると静雄は佐紀の正面に座り込んだ。
静雄は前屈みになってまじまじと自分の身体を眺めている。
「こうやって見ると、身体は衰えたがワシの息子だけはまだまだ若いの」
ジロジロと見られた佐紀は顔を赤くし更に興奮してしまった。
(うう、私自分に見られてると思うと・・・)
ビンビンになった静雄のそれは、年を考えると信じられないぐらいに大きくなっていた。
「ほれ、今度はワシからのとっておきのサービスじゃ」
「え?」
佐紀は言っている意味を理解できないでいると静雄は二っと笑って動いた。
「あん! し、静雄さん今度は何を・・・」
静雄はカプっと男の象徴を口の中に入れてしまったのだ。
服の上から触られるのとは違い今度は口に入れられてしまっている。
そして口の中でかつての自分の舌が口内が佐紀の一物を包み込んでいるのだ。
それは暖かい空間と唾液の粘々した感覚の中で縦横無尽に絡みついてくる舌で佐紀に快感を与えていった。
チュブチュブと舌と口が男の象徴を刺激する。
「はあはあ!あああ・・・」
佐紀は段々と自分の息が荒くなっているのに気付いた。
やがて男の象徴から快感以外の何かが出てきているような気がした。
「はあ、はあ、な、何なの?あそこから何かが出てくるような・・・」
それは気のせいではなかった、確かにあそこから何かが噴出してきそうなのだ。
尿意とも違う。
それを聞いた静雄は何も答えずに男の象徴をしゃぶり続けたが、その顔は笑っていた。
「だ、ダメ!もう限界。な、何かが出る、出ちゃう!」
佐紀は腰を大きく振る。
それでも静雄はしゃぶり続けた。
そして佐紀は絶頂を味わうことになった、元自分の口によって。
「あーん!」
佐紀は80代の高齢の身体でいってしまったのだ。

佐紀も服を着替えた頃には今日の実習が終わる時間になっていた。
「じゃあ、ワシはお前さんの家に帰るとするわい」
当然のように語る静雄に佐紀は一瞬固まってしまった。
「え? 私の家って・・・」
「当然じゃろ、今のお前さんが自分の家に帰るわけにもいかんじゃろ」
たとえ自由に動けたとしても、確かに佐紀が今の姿で家に帰るのは無理だろう。
「そ、そんな・・・」
しぶしぶ佐紀は静雄に家に帰ってもらうことにした。
「あの、私の家は・・・」
帰ろうとする静雄に佐紀は自分の家の住所を伝えようとした。
静雄がどこに向かえばいいか分からないはずだったのだ。
ところが静雄は佐紀にニコッと笑うとこういった。
「いや大丈夫じゃよ。いつも通り帰れるからのう」
それ以上佐紀の話は聞かず遂にドアを出てしまった。
「あの、私の身体で絶対変なことしないで下さいよ!」
静雄が帰る前に何度も念を押したが、それでも不安しかなかった。

そしてなぜ静雄が自信たっぷりに家に帰っていったのか佐紀自身がその理由を知ることになった。
「はあ、はあ。私どうしちゃったんだろう?」
静雄が帰ってからというもの佐紀は自分に起こっている変化に苦しめられた。
しかし、他人の身体になってしまった混乱や元に戻りたいという希望ではなかった。
佐紀は昼にした行為を思い出していた。
かつての自分の口で行われたフェラチオを思い出す度に興奮してしまうのだ。
あの可愛い口にもう一度チン〇を入れて吸ってもらいたい。そう思ってしまうのだ。
だが、その身体はもう帰ってしまった。
だから
「はあ、はあ。ああ気持ちいいよ」
今の自分のシワシワの手を使ってオナニーをするのだった。
静雄の身体は高齢ではあったが、性欲に関しては底なしのようだ。
気持ちよくなりたいという欲が次々を沸き起こってしまう。
「ああ、私の身体でまたしてほしい」
そして佐紀はその欲に押されかつての自分の身体を性の対象として見てしまった。
いつも鏡で見ていた自分の身体を思い出す度に興奮してしまう。
「ああ、私の身体、わたしの、ワシの、ワシの身体・・・」
口調の変化はオナニーが激しくなるほど大きくなった。
手の動きが激しくなり腰も自然に動いていく。
「はあ、はあ。ああ、ワシの身体、オナゴの身体で、気持ちようなりたい、はあ、はあ」
そして腰を大きく突き上げ射精をした。
「あああ!」
「はあ、はあ、あああ、ワシの記憶が、思い出が・・・」

一方静雄も佐紀の部屋でオナニーを楽しんでいた。
気持ちよくなればなるほど静雄は佐紀になっていく気がした。
それも老いぼれから若い女子高生になれるのだ静雄には快感とともに解放感も得ることになった。
「はあ、はあ。私がこうなったんだから静雄さんはどうなっちゃってるのかしらね?」
絶頂を味わい佐紀に染まった静雄は鏡を見ると笑った。
そして机の上に置いてあった赤い色の液体が入った小瓶を見た。
静雄はそれを手に取ると何かを一瞬考えた。
服を着てトイレに向かう、そしてそこで静雄は中身を全部流してしまった。
「ふふ、あとは佐紀ちゃんだけね・・・」

翌日
「静雄さん今日もお世話になりますね」
満面の笑みで部屋に入って来たのは佐紀の身体の静雄だった。
昨日まで実習が嫌になっていた佐紀とは比較にならないぐらいに楽しそうだ。
佐紀は静雄がやって来たのを確認すると、ベッドにゆっくりと腰を掛けて話し始めた。
「ワシは誰じゃ?」
力のない弱い言葉だった。
「ふふ、貴方は静雄さんですよ」
静雄は答える。
「ワシが静雄? いや違うんじゃ、昨日までワシが佐紀じゃった・・・」
佐紀は昨夜のオナニーで自分が誰か分からい状態にまで至ってしまった。
「あら、また自分が佐紀だったかもという自覚はあるんですね」
静雄は笑いながら混乱する佐紀に言った。
まるで敗者を見下ろす勝者のようだった。
「私も昨日あなたの記憶を得たんですよ。でも佐紀の人生なんてせいぜい15年ぐらいでしょ。それに比べたら静雄さんの記憶は5倍以上あるわけだから。とっくにあなたが静雄さんの記憶に押しつぶされてると思ってましたよ」
そう言って静雄も椅子に座った。
「だから、こうやってのう。静雄として振る舞うこともできるんじゃよ。すごいでしょ」
静雄は佐紀の口調と静雄の口調を織り交ぜて話した。
もうどちらの人格も静雄にとっては自分のものだった。

「お、お願いじゃ!ワシの身体を返しとくれ」
「そんなこと無理ですよ。それに私が身体を返せた所で何でそんなヨボヨボの老い先短い身体に戻らないといけないんですか?」
「それはワシの身体じゃ!」
声を張り上げ静雄に向かって叫んだ。
「元々はそうかもしれませんね。でも今は私の身体なんです、とても大事なね」
「それに忘れてしまいましたか? 今日が何の日か・・・」
「今日? 今日といえば、まさか!?」
「そうです、私の実習が終わるんですよ」
佐紀はそう言って立ち上がった。
「明日からいつも通り高校に行くことになるんですよ私」
「嫌じゃ、ワシこんな所で死にとうないんじゃ!」

泣きじゃくる佐紀だったが突然その声は止まった。
「ごめんなさい静雄さん、私にできるのは今これぐらいしかないから」
それは静雄の優しいキスだった。
一瞬何が起こったか分からなかった佐紀は、先ほどまで泣き叫んでいたことも忘れてボーっとしてしまった。
「最後のお礼に私とやりませんか?」
可愛いらし声で甘く囁いてくる、佐紀にとってその答えは簡単だった。
ジャージや下着が床に落ち、佐紀の身体に身に着けているものは何もなくなった。
静雄の身体も服を脱がせてもらい全裸になった。
佐紀は元自分の身体をまじまじと見た。
大きな胸、細いウエスト、綺麗な顔立ち、かつて自分の身体だった。
その身体が「ねっ!早くやりましょう」と上目遣いで佐紀に語り掛けた。
その言葉に導かれる佐紀はベッドで横になり、かつての自分が重なるのを待った。
そして若い女性と高齢の男性の身体がベッドで重なりあった。
チュッチュッと口と口が吸いあう音が部屋に響く。
お互いに全裸になった2人はベッドで身体を重ねた。
佐紀は下で横になり静雄は上でキスをした。
静雄は積極的に佐紀にキスをする。
その度に佐紀の身体の甘い香りが鼻に伝わった。
「じゃあ、入れますね」
その言葉とともに静雄のチン〇を佐紀の秘所へと入れていった。
「あうう」
静雄は佐紀の声で喘いだ。
「はあ、はあ、入った。うふふ、私にとっての初体験ですね」
その声は佐紀を興奮させ、自然と大きな胸に手を置いていた。
「はあ、はあ、ワシの胸大きいのう」
腰を動かしながら佐紀は胸を揉んでいる。
「いっぱい牛乳飲んでましたからね。ほらもっと摘まんで下さい」
その言葉を聞いた佐紀は乳首を摘まんだ。
「あんん、いい、凄い」
乳首を摘まれた静雄は一層大きな喘ぎ声をだして佐紀を興奮させた。
「ふふ、静雄さんにいっぱい気持ちよくしてもらったから、今度は私が身体を動かして気持ちよくしてあげますね」
静雄はどんどん佐紀の上で動いた、するとその身体に付いている胸も一緒にブルンと大きく揺れた。
佐紀はあまり身体を動かせないが段々と自然に腰の動きを強めていった。
「はあ、はあ、どうですか私の中は?」
エッチが進み静雄は佐紀に聞いてみた。
だが答えは聞かなくても分かっていた。
「はあ、はあ、ああ、とても暖かくて気持ちいいのう」
予想通りの答えだった。
「ふふ、喜んでもらって良かったです」

「はあ、はあ。ワシはこのまま静雄として死ぬのかのう?」
突然の言葉に静雄は一瞬身体を止めてしまった。
「ワシ、友達ともっと遊びたかったんじゃ。それに大学も行くことになっとった。それが全部・・・」
静雄は再び身体を動かし膣の中でチン〇を揺すった。
「一つだけ方法があるわ」
静雄は静かに説明した。
「私とあなたが入れ替わったでしょ。あの時私は知り合いにもらったこの薬を使ったの」
静雄は鞄から青い小瓶を取り出した。
中の液体は青い色をしていた。
「効果は全然信じてなかったわ。だけど静雄の人生を変えられるかもと思って半信半疑で使ったの。そして・・・」
「それじゃあ、これを使えばワシらは元に戻れるんじゃな?」
佐紀に希望が見えてきた。
もしかしたら元に戻れるかもしれないのだ。
「半分正解で半分間違いね。本当なら赤い薬を飲んで相手に触れて衝撃を与えないと入れ替われないの。もしこの青い薬だけ飲んで衝撃を与えたら魂が強制的に相手の身体に入るんだけど元の魂はその身体から出ていかれずに結果として2つの魂が同じ身体に入ることになるの」
静雄は淡々と説明した。
「そして、赤い薬はもう無いの。あの後手に入れようとしたんだけど・・・」
「本当はお前さん元に戻るつもりじゃったのか?」
佐紀は静雄に質問した。
静雄はコクリと頷いた。
「ごめんなさい。私のせいで。本当は少しだけ貴方の身体を楽しむつもりだったの。でも置いてあった筈の薬がなくなってて・・・」
「最初はもう佐紀の人生を奪おうとも思ったんだけど、佐紀の記憶を見て私の身体で悲しんでる貴方を見てたらそんな事できなくなって・・・」
遂に静雄は泣いてしまった。
自分がやってしまったことの大きさについに罪悪感が芽生えたのだ。
それを見ていた佐紀は静雄の頭を優しく撫でた。
怒りの言葉を向けらると思っていた静雄は驚いたが、佐紀は優しく話した。
「ワシもこの身体になって静雄の事がよう分かったんじゃ。お前さん奥さんには逃げられたんじゃろ、子供とも疎遠でそれで寂しかったんじゃろ」
そう言って佐紀は微笑んだ。
「そうよね。貴方は私だもの全部お見通しよね。うふふ・・・」
「そういう事じゃ。ははは」
2人は笑い合った、それはお互いが理解し合えた者だけができる笑い声だった。
「ワシが飲めば良いんじゃな」
佐紀は青い薬を全部飲んだ。
「後は衝撃を与えるのよ」
「それなら簡単じゃ。セックスの続きをすればいいんじゃからな」
佐紀は笑いながらそう言った。
「そう言うと思ったわ。じゃあ私はこのまま貴方の上で動くわね」
静雄は身体を再び上下に揺すり始めた。
すぐに2人の息が荒くなっていく。
「はあ、はあ。なあ一つ聞きたいんじゃが、ワシがお前さんに入ったらこの身体は・・・」
佐紀は心配そうに質問した。
「はあ、はあ、良いのよ。もうその身体のことは、それより貴方は良いの、これからずっと私と一緒なのよ?」
「はあ、はあ、心配せんでもええ。お前さんの事は全部分かっとるんじゃから」
佐紀はそう言うと腰に力を入れて大きく降り始めた。
「はあ、はあ、・・・そうだったわね。じゃあ、やりましょうか」
2人の身体が大きく揺れていく。
佐紀は最後の力を振り絞り腰を動かした。
静雄も激しく上下に動いた。
そしてその時が来た。
「あーん!」
「おおお!」
2人は激しく身体を揺らし最後の絶頂を迎えたのだ。
「あ、あ、ワシの意識が・・・」
佐紀は意識が身体から離れていくのを感じた。
視界がぼやけいていく。そして意識を失った。
静雄は身体を横にして余韻に浸っていた。
佐紀があの身体から出たことを確認すると笑った、しかしそれは暖かい微笑みではなく邪悪な笑顔だった。
そして静雄は自分の中に別の存在が入り込んでくるのを感じ始めた。
「うふふ、これからはずっと一緒ね」

エピローグ

胸にブラを付けて、新しい下着を履いていく。
スカートに足を入れ、ブレザーに袖をスッと通して前のボタンを掛けていく。
「ふう最近ジャージばかり着てたけどやっぱり制服の方が可愛いわね」
佐紀は鏡に向かってニコッと微笑み自分の胸を揉んだ。
「あんっ。ふふ、いけない、私は品行方正な女子高生だったわね」
胸から手を離すと佐紀は母親の作った朝食を食べに行った。
ルンルンと鼻歌を歌いながら朝食を食べる佐紀に母親は気づいた。
「最近随分楽しそうね。学校に行くのがそんなに嬉しいの?」
「うん、凄く嬉しい。じゃあ、行ってきます」
娘の登校を見送り母親は安心した顔をした。
「実習中にお世話したお爺さんが亡くなったのに立ち直れて良かったわ」

佐紀は実習で訪れた老人ホームの近くを通り掛かった。
すると佐紀はコンパクトを開いて自分の顔を確認した、そこには女子高生の佐紀が笑っていた。
そして佐紀はまるで自分自身に語りかえるように言ったのだ。
「うふふ、ごめんね、佐紀ちゃん。魂の共存なんて無理だったのよ。そして私たちの魂は一つになった。そうなると私の方の精神と記憶が大きかったから必然的に魂は私が支配することになったの。ごめんね」
静雄の人生80年分は佐紀の人生の5倍近い差があった。
だから今の佐紀はほとんど静雄の物であり、佐紀の魂はもはや静雄の肥やしになったと言ってもよかった。
佐紀は鏡に映った自分に行った。
「でも大丈夫よ、あなたの魂は消えたわけじゃないから。これから私と人生を一緒に楽しみましょうね、佐紀ちゃん」
鏡に映る自分に佐紀は手を振った。
一瞬鏡に映った顔が悲しそうに見えた。
その表情に気づいた佐紀は鏡に映ったその顔に向かって言った。
「そう、あなたと私はもう離れられないのよ。ずっと一緒よ、ずっとね・・・」





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