私の全てを奪ったストーカー 作:verdsmith7 「うーん」 私は目を覚ました。 ここはどこなのだろう。 家でも学校でもないようだ。 確か柏木ちゃんと一緒に高校から帰っていたはずなのに。 周囲がどうなっているのか確かめようとするが、身体が動かせない。 私は今手足を縛られているようだ。 (何なのこれ・・・) 誘拐、監禁 頭の中で不穏な考えが次々と浮かんできた。 私は少し冷静になろうとした。 もしかしたら助かる術があるかもしれない。 顔をあちこちに向けて周囲を確認する。 どこかの一室なのだろう、それ程部屋は広くない。 窓はカーテンを閉め切っているせいで、隙間からわずかに光が差し込むだけだった。 床には物が散乱している。 スーパーの袋やビール缶などゴミだらけだった。 その異様な部屋の中でも特に際立っていたのが、壁一面に張られた写真だった。 びっしりと張り付けられた写真には、すべて私が映っていた。 私の登校している姿、学校で体育の授業で体を動かしている時の姿、友達と遊びに行った時の姿など・・・ここ最近の私の写真が飾られていた。 それを見た私は身震いをした。 (これって私がストーカーにずっと見られてたってこと?) 写真には文字も書かれていた。 写真が撮られた時刻や私と一緒に映っている人が誰なのか、細かくメモが書かれていた。 (逃げないと) お金目的なのか私の身体が目的なのか分からないけど絶対に危険だ、そう思った。 でも手足をロープで縛られているせいで、這いずって動くのも難しい。 「うー、うー、タフケテ」 助けを呼ぼうと声を出したが、私の口には布が巻かれて上手く声が出せなかった。 それでも私は叫んだ。誰かが私を助けにきてくれると信じて。 「あまり無理しない方がいいよ」 突然薄暗い部屋に男の声が響いた。 私はビクッと身体を震わせると、声の主の方を見た。 ドスドスと床に足音をたてながらその男は私の方へと近づいてきた。 「やっと目覚めたようだね、美咲ちゃん」 男は私の目の前に来ると座り込んで、私の顔をニヤニヤしながら見つめた。 男は中年で40代か50代ぐらいだろうか、白髪の混じった髪だった。 体格は太っており腕や足は脂肪が覆っていて、少しでも動けば突き出たお腹の脂肪がブルンと揺れ動いた。 「僕のコレクションを見てくれたようだね」 男はそう言って私の髪を撫でた。 「ヤメテ」 それに嫌悪感を感じた私は声にならない声で訴える。 「そう怖がらないでよ。君の身体には何もしないさ」 今私を監禁して息を荒げるこの男をどう信じろというのか。 おまけに今この男は勃起しているのだ。 何もされない方が不思議だ。 男はポケットから小箱を取り出した。 中に入っていたのは2つの指輪だった。 1つは青い宝石をもう1つは赤い宝石を付けた指輪だった。 「これを君にはめてもらおうと思ってね」 そう言うと男は私の指へ青い宝石の付いた指輪をはめた。 「まるで、結婚指輪だね。でも結ばれるものはちょっと違うけど」 男も同じように赤い宝石の付いた指輪をはめた。 「美咲ちゃん、僕の言う事を聞いてくれたらすぐに開放してあげるよ。勿論君にストーカーをすることも止めるよ」 その言葉が本当だと信じたかったが、この状況を考えるととても信じられなかった。 「どうしたの、分かったら返事は?」 私は恐怖心から頷くことしかできなかった。 「よかった、じゃあ僕の言う事を素直に聞いてね」 男に運ばれ、私は無理やりイスへと座らされた。 「今から僕の目をじっと見るんだ。視線を逸らしてもすぐ分かるからね」 私はもうすぐ解放されることを願いながら男の目を見た。 男の目は細長くて汚い目だった。 できればすぐにでも視線を逸らしたかった。 それでも私は男の目を見続けた。 男もイスに座って私の目を見つめる。 私は男の瞳に映った自分の姿を見た、まるで瞳に映った自分の姿を確認しているかのようだ。 すると私がはめている指輪が急に温かくなっていることに気がついた。 そして次の瞬間私の視界がぐらつき始めた。 私は座ってジッと男の目を見つめているはずなのに、視界はどんどん男に近づいているのだ。 まるで男の目に吸い込まれるかのような感覚だった。 (な、何が起こっているの?) 私は目を逸らそうとしたが、まるで視界が固定されているかのように自分で動かせない。 そうしているうちに私の視界には男の目が近づいていた。 ぶつかる! そう思ったが、不思議な事に私は男の目をすり抜けてしまった。 (え?) そう思った時には私の視界は男の目の中へと入っていった。 私はまだ相手の目を見ていた。 その目は大きくて透き通るような瞳だった。 そう、その瞳に映った男の姿とは比べ物にならないぐらいに・・・ 「うん?」 おかしい、なんで今私が見ている瞳に映っているのは男なのか。 じゃあ、私は誰の目を見ているのか。 私は視界をゆっくり相手の目からその周囲へと移した。 徐々に私の視界に相手の輪郭や顔のパーツが入ってくる。 白くて若々しい肌、少し高く整った鼻、瑞々しいプルっとした唇、サラリとした軽やかな髪・・・ そうそれは私がいつも鏡で見ている・・・自分の姿・・・私だった。 私は自分の姿をそのまま呆然と見ることしかできなかった。 「な、何で私が・・・そこに?」 その言葉を聞いた私の身体はニヤっと笑うと、いつの間にか持っていたナイフでロープを切って、口の布を外した。 「ふふ、上手く入れ替われたようだね」 私の身体は立ち上がると自分の身体を確認した。 私の身体が勝手に動いている、そして私の胸や手足を触って喜んでいる。 その姿は異様だった。 「も、もしかしてさっきのストーカーなの?」 楽しそうに自分の身体を確認するかつての自分に、私はそう質問した。 すると観察を急に止めた私の身体は私の方を見てニヤっと嫌らしい笑みを浮かべた。 「そうだね、さっきまではストーカーだったかな。でも今から僕が美咲ちゃんさ。そして君がそのストーカーになるんだ」 「え?」 その言葉を聞いて私は自分の身体を確認した。 するとイスから立ち上がるだけなのに凄く身体が重く感じた。 まるで全身に重りを付けているみたいだ。 「なにこれ?」 私は身体を調べた。 太った手足が私の身体に繋がっている。 声も低い。 顔を触ると濃い髭が生えて、表面もベトベトした。 それに何だか自分の身体が汗臭く感じる。 「うそ?」 私がそう言って今の自分の身体に驚いていると男は私の身体でまた楽しみ始めた。 「これが念願の美咲ちゃんの身体か。やっぱり写真で見るのとは大違いだ」 うっとりとした目で男は私のかつての身体を触り始めた。 スリスリと私の肌と手がこすれる音が聞こえてくる。 私はなぜかその音を聞いた途端に心臓がトクンと鳴り響くのを感じた。 「1度美咲ちゃんにこうしてもらいたかったんだ。チュッ!」 男は私の身体で投げキッスをしてウインクをしてみせた。 「うふーん、こんな美咲ちゃんも見たかったんだ」 今度は両手で胸を持って谷間を作って私に見せてくる。 そして私に嫌らしい表情を向けてきた。 それを見ていた私は呼吸が早くなっていき、股間がうずうずするのを感じた。 「ん? どうやら元美咲ちゃんも僕の身体を気に入ってくれたようだね」 「そ、そんなこと・・・」 私はそれを否定しようとするが、自分でこの興奮を抑えることができない。 「興奮したんでしょ? 自分の身体を見て、ほらこんなにチン〇を立てて」 その言葉を聞いて私は初めて自分が勃起している事に気づいた。 「キャア! こ、これって?!」 私の股間はズボンに大きなテント張り今にも突き破ろうとしてた。 「い、いや、こんなの!」 私は自分の股間に立っているそれを否定しようとする。 でも股間から湧き上がってくる興奮や躍動感がそれを全部打ち消してしまった。 「仕方ないよ。僕はその身体でずっと君の写真や動画を見ながら毎日オナニーしていたんだ。それが今日は実物が目の前にいるんだから無理もないよ」 そう言って男は私に何枚か写真を見せた。 それは私の水着写真や温泉に入っている写真だった。 その写真を見ていると私は更に興奮してしまった。 「それはもう君にあげるよ。もう僕には必要ないからね」 「はあ、はあ、こんなの嫌! 元に戻してよ!」 私は息が荒くなりつつ自分の身体を取り返そうとする。 さっきまで15年近く自分のものだったのが、今ではこのストーカーに全部奪われてしまった。 身体だけではない、このままだと私はこのストーカーとして・・・ 「ふふ、本当に嫌なのかな? これでも?」 男はそう言うと突然私の方へと迫って来た。 「え?」 そしてグイっと私の顔に男が顔を近づける。 少し前まで自分の顔だったものが、今目の前に他人の顔として存在する。 それはとても可愛らしく愛おしく感じた。 すると男は私の顔でニコッと笑うと唇を突き出してきた。 まるで「早くキスして」と訴えるように見える。 私はそれを払いのけないといけないと思う心と、自分もキスをしたいと思う感情が入り混じった。 駄目! これは私の身体なの! そんなことしちゃダメ! 私は必死で理性で自分をコントロールしようとする。 私が中々動かないことに気づいた男は次の行動にでた。 「はあ、はあ、ねえ早くして」 私の身体から出てくる吐息が私の鼻へと入ってくる。 「ずっとこうしたかったんでしょ」 そう言って男は私の手を掴んで胸を無理やり触らせてきた。 いつも自分についていた胸を今は他人として触っている。 しかも異性になった自分にとってその衝撃は大きすぎるものだった。 「ねえ、目をぶつってるからあなたの好きにして・・・」 そう言って男は目を閉じて唇を差し出してくる。 「うぷ」 私はついにキスをした。 柔らかく瑞々しい唇と口の中の暖かさが舌を通じて伝わってきた。 (ずっとこうしたかったんだ) いつかこの唇を奪いたいと写真を見ながら思っていた。 すると男も舌を伸ばして私の舌に絡みつかせてきた。 ブチュブチュと舌の絡みあう嫌らしい男が部屋中に響いた。 その時私がはめていた指輪がまた温かくなっていた事に私は気が付かなかった。 「はあ、はあ、ねえこれでもう終わり?」 男は息を荒げながら私を挑発してくる、胸を両手で掴み今度はこれを自分で触ってと要求してきた。 私は服の上から胸を触った。 「あん」 男は声を出したが、とても嬉しそうだ。 そして私はボタンを外していく。少しずつ身体が露になっていくように。乱暴にはしなかった。 だからとても興奮した。 ブラからポロリと大きな胸が出てきた。 「美咲ちゃんのおっぱい大きくてとても綺麗だよ」 いつも見ていた胸、皆より大きくて、形の良かった私の胸を今は他人の身体でその感触味わった。 「あん、美咲ちゃん激しくしすぎだよ」 今はとにかく自分の胸を揉みたかった。 私は胸から手を離すと胸と胸の間に顔を突っ込んだ。 「くんくん」 そして私はその胸に顔をうずめてかつての自分の胸の感触と体臭を嗅いだのだ。 柔らかい胸の感触と甘いかつての自分の体臭が漂ってくる。 「ふふ、くすぐったいよ」 私は胸から顔を離すともう1度キスをした。 そして空いている手で胸を揉みクリトリスへ手を突っ込んだ。 「う、うー。うん」 キスをしながら喘ぎ声を出しているせいで、私の身体の男は声にならない声で喘いだ。 その声が私を更に興奮させた。 すると私の股間に何かが当たる感触があった。 男がどうやら私の股間を触っているようだ。 かつての私の柔らかい手が、汚いストーカーのチン〇を触っている。 私はキスをしながらズボンを脱いだ。 ズボン越しに触られるのとは違い、手の温もりも感じられた。 やがてその手は私のチ〇ポを掴んで上下に揺すり始めた。 「う、うー」 キスをしながら私も声を出した。 口からも股間からも快感が襲ってくる。 男も私の身体で感じているのだろう「んーんー」とキスをしながら喘いでいる。 「んー!」 「んふー!」 股間はギチギチに大きくなり、かつての俺の胸もピンと乳首が上を向いているのが分かる。 「はあ、はあ」 キスを止めて男を床に寝かして私はチン〇をあそこへ入れる準備をした。 そこには愛しい美咲ちゃんの身体が横たわって、俺のチ〇ポを入れられるのを待っている。 夢にまで見たことがやっとできる。 俺はチン〇をグイっと美咲ちゃんのアソコへ挿入した。 「うぐ」 「ああー」 俺のチ〇ポが入っていく、憧れのあの子の中に。 俺はかつての自分を男としてストーカーとして自分自身を犯した。 身体を前後に揺らし美咲の奥へ奥へとチン〇を突いた。 「はあ、はあ、これがストーカーさんの願いだったんでしょ、私とエッチをすることが。ならちゃんと堪能しなさい」 俺は腰を動かし続けた。 気持ちいい、念願のあの子とこれで一つになれるんだ。 そして次の瞬間2人の身体は激しく動き絶頂を迎えた 「ああーん!」 「うおー!」 息を整えた私はゆっくりと起き上がると服を着始めた。 置いてあった鏡を見る、そこには誰が見ても可愛い美咲の姿しかなかった。 髪の乱れを手でささっと整えて笑顔を作る。 いつもの私がそこには映っていた。 「んふっ。約束通り解放してもらうわね、勿論警察には言わないであげるわ」 ストーカーの男は私の声に反応せずただ泣いていた。 「言っておくけど1度入れ替わった相手とはもう2度入れ替わりできないからね。でも念のため指輪は持っていくわ。じゃあね、ストーカーさん」 私はそう言って部屋を出ていった。 そして部屋の中から男の泣き声が響きわたった。 私は自分の家へと帰るために歩いていた。 すると後ろから誰かの足音が聞こえるのが分かった。 私はその足音の主が誰か確信していた。 「どうだった?」 綺麗な声が辺りに響いた。 声の主は一緒に下校していた柚木ちゃんだった。 「あんたには関係ないでしょ」 私は冷たく返事をした。 「親友に向かってつれないなあ」 こいつは親友でも何でもない。正真正銘、あのストーカーの正体だ。 少し前に柚木だった私も、あのストーカーと入れ替えられていたのだ。 「ふふ、あなたも友達を平気で裏切るなんて大したものね。元柚木ちゃん」 私はその声に何も言い返さなかった。 ストーカーにされた後も女子高生の身体に戻りたいこの生活から抜け出したいとずっと思っていた。 ストーカーの精神におかされ、社会に見捨てられたあわれな中年男性として毎日通りがかる女の子を見てはオナニーをしていた。 そしてある日私の身体を得たストーカーが姿を現したのだ。 「また女子高生になりたくない?」 私は悪魔の囁きに乗ってしまった。 私は入れ替わった後美咲として過ごすために、美咲の生活や行動はすべてチェックした。 男の精神の影響だろう、美咲ちゃんの事が分かる度に興奮してオナニーをした。 もうすぐあの身体も人生も私のものになると思うとゾクゾクしたのだ。 「で? ストーカーになった昔の親友はどうするのかな?」 その問いかけの答えは出ていた。 入れ替わった後、私のことに気づいてくれなかったかつての親友をどうするか、答えは決まっていた。 あの後何度か美咲ちゃんに会ったが、全く気付いてくれなかった。 それどころか変人として警察を呼ばれそうになったこともあった。 この姿なら無理はないが、あの時の私にはそれが耐えられなかったのだ。 「知らない。ストーカーとしての人生がお似合いじゃない」 私はそう言って家へと向かった。 それを聞いていた本物のストーカーだった柚木は不気味な笑みを浮かべた。 その笑みは可愛い顔には不釣り合いなぐらい邪悪だった。 エピローグ ここはどこ? 私は意識を失っていた。 いつものように登校していたはずなのに・・・ 「あ、こいつ目を覚ましたよ! 早くしないと!」 周囲が騒がしいどうしたのだろうか。 私が身体を動かそうとするが動けない、どうやら手足を縛られているようだ。 「うー、うー!」 口にも布が巻かれて上手く声が出せない。 ようやく視界がはっきりしてきた。 私の周囲にいるのはかつての私、柚木とあのストーカーになった美咲だった。 (こ、これって・・・) 「柚木ちゃん、本当にありがとう。柚木ちゃんが気づいてくれなかったらと思うと私・・・うう」 ストーカーになった美咲は涙を流しながらあいつに感謝していた。 「良いのよ、さあ警察も呼んだし早く身体を取り返して。また2人で楽しく過ごそう。もうずっと離れないわ」 そう言って2人は抱き合った。 (何、何なのこれ? 私一体どうなるの?) 声を出そうにも声を上手くだせない。それに本当の事を言っても・・・ (ストーカーとしての人生がお似合いじゃいない) 頭の中で自分の言った言葉が何度も繰り返される。 私は唸り声をあげてその時がくるまで待つしかなかった。 「これで本当に戻れるんだよね?」 「そうよ、これで全部元通りよ」 そう言ってあいつは笑いながら私の方を見た。 ストーカーになった美咲は嬉しそうに自分の手に指輪をはめた、その顔はもうすぐ全部元に戻ると安心しきっている顔だった。 「うー! うー!」 私は声にならない声をあげて最後の抵抗をした。 (待って! こんなの嘘よ! だって1度入れ替わった相手とはもう戻れないはずよ!) そして遂にあいつは私の指に指輪をはめてしまった。 その時あいつはそっと私の耳に囁いたのだ。 「同じ入れ替わった相手だと、もう2度と入れ替われないないって言ったの嘘よ」 その言葉を聞いて私は泣き叫んだ。 (そんな!こんなのって・・・) 「んー! んー!」 パトカーのサイレンの音が近づいてくる。 私は涙を流しながら全てを奪ったストーカーを見た。 あいつは私の顔を見ると笑っていた、その笑みはかつての私からは想像できないほど邪悪で不気味な笑みだった。 そして私にこう言ったのだ。 「じゃあね、ストーカーさん。全部戻してもらうね」 |