私はエッチな男子中学生
 作:verdsmith7


今年の春、私は大学受験に合格し念願だった1流大学に入学することができた。
最近はようやくこの大学でも新しい友人ができた。
だから毎日が凄く楽しく感じた。
今日も私は大学へ通うために駅で電車を待っている。
すると近くに男の子達がやって来た。
彼らは中学生ぐらいだろうか、地元の中学校の制服を着ている。
「おい、見てみろよ、綺麗な女の人がいるぞ!」
「本当だ。大学生かな?」
どうやら私は彼らの注意を引いてしまったようだ。
(嫌だな、静かに学校に行きたいのに・・・)
「なあ、この間の勝負の罰ゲームまだやってなかったよな?」
「おい達也、あのお姉さんに・・・」
電車が近づいて来る音でよく聞こえなかったが、私は罰ゲームのターゲットにされてしまったらしい。

(ふう、どうしよう?女性車両に行こうかな?)
そんな事を考えていると、1人の男子が私に近づいてきた。
その顔は少し赤く緊張しているようだ。
それを見ていると、少し可愛く思えてしまった。
(仕方ない。少し話しを聞いてあげて、適当にあしらっちゃおう)
「こんにちは、お姉さん」
男の子はしどろもどろになりながら私に声を掛けてきた。
私より少し身長が低く、少し私を見上げるように話している。
「うん、どうしたの? あの子達に私をナンパして来いって言われたの?」
私は優しく聞いてみた。
「!いえ!ナンパではないんです」
男の子は不意の質問に動揺しながらも答える。
「え? じゃあ何をして来いって言われたの?」
「実は・・・」
少年は何か言っているが電車の音で聞こえない、仕方なく私は男の子の話をよく聞こうと顔を近づけた。
すると、次の瞬間私の唇に何かが覆いかぶさるのを感じた。
「え・・・」
私は少年にキスをされたのだ。
私は咄嗟の事に気が動転してバランスを崩してしまった。
足が線路に吸い込まれていくと感じた時には遅かった。
線路に落ちて行く私と男の子・・・そして私達に向かって走ってくる電車が見えた。
「いやー!」
(死にたくない!)
私は必死でそう願った。
次の瞬間私の目の前は真っ暗になった。


・・・私は夢を見ていた。
空を自由に飛んで、どこまでも行ける夢だ。
でも、飛んでいる内に気づいた、地面が段々と遠ざかっていくのだ。
いけない! このままだと帰れなくなる! と感じた私は必死に地面に向かおうとした。
その願いが通じたのか、私の身体は地面に降りていった。
「良かった、これで帰れるのね」
少しずつ私の身体が地面に近づいて行く。
すると段々と白い建物が見えてきた。それは病院だ。
私は導かれるようにそのまま降りていく。
病院の天井をすり抜け、私はとある病室へと降りていく。
そこには横になっている人が2人いた。
そして私はその内の1人へと吸い込まれていった。
「ああ、これで帰ってこれたのね」
私は安心しきってその身体に入っていく。
ふと、隣で寝ている人が目に入った。
・・・それは私だった。
「え?じゃあこっちの人は・・・」
そう思った時には私は再び目の前が真っ暗になっていた。


「うーん」
目を開いた私の視界がぼやけて見える。
白い・・・天井だ。
そしてッピッピッと機械の音が聞こえてきた。
「ここは?」
私が搾り取るような声で誰にでもなく聞いた。
「そうだ! 駅で電車を待ってたら線路に落ちて、電車が・・・・!」
そう思い私はベッドから身体を上げて身体を確認した。
「手も足もある無事だったんだ!」
身体が無事だった事に喜びつつ、そこで私は妙な事に気がついた。自分の声が低くなっている気がした。
(うん? 私こんな声だっけ?)
私は喉を触ってみる。
すると喉に触った手にゴツゴツとした感触がある事に気づいた。
「これって・・・喉仏?」
(何で私にこんなのが・・・)
普段喉を自分で触ることなんかあまり無いが、これは異様だった。
「もしかして事故のせいで?」
私は喉を触っていた手を下ろすとまたもや違和感を感じた。
「胸が軽い・・・それに無い!」
自分の胸を触るも、そこには今まで付いていた大きな胸は無く、ストンとした平らな胸があるだけだった。
私は全身に冷や汗を感じた。
嫌な予感が私の脳裏をよぎる。
「さっき見た夢・・・あれはただの夢よね?」
私は自分にそう問いかけた。
そして私の手は下半身の股間へと向かった。
「有るはずないよね・・・」
自分にそう願いながら私は股間を触った。
手にプニっとした感触が伝わってきた。
「・・・有る」
「有る?! 嘘! なんで!」
私は女の子に無いはずの物が股間にある事を知り、頭がパニックになってしまった。
「そうだ!鏡は?」
私はベッドから起き上がりカーテンを開いた。
焦る気持ちを隠せないまま鏡を探す。
鏡は近くの壁に掛かっていた。
「お願い! いつもの私を映して!」
そう祈りつつ私は鏡を覗き込む・・・
スポーツ刈りの短く太い髪の毛、手入れのされていない太い眉、うっすらと見える髭、ゴツゴツした肩、平らな胸・・・
そこには駅で私にキスをした男の子だけが映っていた・・・

「これ・・・私!」
私は鏡に向かって自分を指をさした、すると鏡に映る男の子も私を指さした。
「な、何がどうなってるの?」

「あ、お姉さんも気づいたんですか?」
女性の声が聞こえてきた。
私はその声の主の方を向いた、そこにはいるはずのない私がいたのだ。

「え?何で私がそこにいるの?」
私は今ここにいる。なのに何で私の身体がそこにいるのか理解できなかった。
「どうやら俺達入れ替わったみたいなんです」
私の声で男口調の答えが返ってきた。

「い、入れ替わった? じゃあ、あなたはこの身体の・・・」
「そうです、その身体は俺のです。あ、あと俺の名前達也っていいます」
「挨拶なんかどうでもいいのよ! 返してよ私の身体!」
私は乱暴に詰め寄った。
「返せるならとっくに返してますよ。俺だってどうやって入れ替わったのか分からないんですよ」
「そ、そんな・・・」
私には絶望しかなかった。
これから大学で新しい生活が始まるというのに、中学生・・・しかも男の子の身体になってしまった。
私にはもうどうすればいいか分からなかった。

ここの病室は4つベッドが置いてあるが、今ここにいるのは私と彼だけだ。
あの時、私と達也君は辛うじて電車とホームの間の隙間に落ちた事で最悪の事態を免れることができらたらしい。
また、目立った外傷はなくすぐに退院できるだろうと医者から言われた。
不幸な事に私達の問題は内側にあるのだが、それを言っても誰も信じてくれないだろう。
だから当面の間はこの事は私と彼だけの秘密にすることになった。

やがて病院の消灯時間を迎え、私は暗い病室のベッドに横になりながら涙を流していた。
これからどうすればいいのか、元に戻れないのではないか、そう考えると不安しか浮かばなかった。
そんな事を考えていると病室から物音が聞こえるのが分かった。
隣には達也君がいるけど・・・
「・・・ん、あん」
女性の声が聞こえてくる、それは私の声だった。
(何? あの子何をしてるの?)
やがて病室にクチュクチュと粘り気のある音が聞こえ始める。
「もしかしてあの子私の身体でオナニーしてるの?」
恐る恐るカーテンの隙間から覗いてみた。
「この身体凄く気持ちいい」
目に映ったのは、ベッドの上で裸になった私が胸や股を弄っている光景だった
「あ、あなた!何してるの?」
私は彼のベッドへ駆けつける。
「ああ、お姉さんか。いや寝てたらおっぱいが邪魔だなって思って、弄ってたら気持ちよくなっちゃって、つい」
悪気なく彼はそう答えた
「もう私の身体で変な事しないでよ!」
私は身体を奪われた上、勝手に自分の身体を弄られたことに腹を立てた。
「そう言いつつお姉さんも俺の身体で勃起してるじゃないですか?」
「え?」
私はその言葉に驚き股間をみた。
そこにはパジャマのズボンを突き破る勢いで大きくなった股間が見えた。
「嫌!何これ!」
私は初めてみるその光景に身の毛がよだった。
「お姉さん、それは勃起だよ」
彼は落ち着いて説明した
「勃起!?」
保健の授業で男性が起こす生理現象だと聞いたことはあったが、まさか自分が勃起する事になるなんて・・・
「そうだよ男は興奮すると、チン〇がこんな風にでかくなるのさ」
「キャッ!!」
彼は私の手を使って、チ〇ポをガシっとつかんだ。
「ほら、こうやってチン〇を掴んで上下に揺すると気持ちいいんですよ」
「や、止めて」
ゴシゴシと私のチ〇ポが上下に揺すられていくのが分かる。
「な、何なのこれ、す、すごく気持ちいい」
上下に揺すられるチン〇に最初は戸惑っていたが、やがて力強い快感がそこから沸き起こり始めた。
「はーはー、気持ちいい・・・」
息を切らしながら私は快感に身を委ねてしまった。
「俺の身体気に入ってくれて嬉しいです。ほらもっと強くしますね」
チ〇ポを掴む手に力が入り、上下の動きも激しくなってくる。
「はーはー、凄い」
快感が更に激しく溢れてくる。これが男の快感なの?
ああ、ずっとこうしていたい・・・私はそう思ってしまった。
横を見ると壁に掛けてあった鏡が見える。
その中には女子大生の私が達也君のオナニーを手伝っているようにしか見えない異様な光景だった。

「ははすごく気持ち良さそうですね。そのまま気持ちよくなっててください。もうすでフィニッシュですから」
彼は私が気持ち良くなっている姿を見て嬉しそうに話した。
「フィ、フィニッシュって?」
「射精のことだよ。男のオナニーはこれが最高なんです」
「しゃ、射精って?!う、う、止めて、そんな事したら・・・」
私は取り返しのつかない事をしていると感じ、この時初めてオナニーを止めないといけないと思った。
「お姉さん遠慮しないで、俺の身体でいっちゃって下さい。そして俺になって下さい」
身体を離そうとする私の身体を彼は強く抑えつけた。
そしてチン〇を動かす手の動きを更に大きくしていった。
何かが股間から外に向かって出ていくのが分かる。
(はーはー、フィニッシュってこれの事なの? それに頭がどうかしちゃいそう)
「ふん! あー!」
チ〇ポから噴射された白い液体が宙まっていくのが見えた。
自分の股間が爆発したような感覚に、今自分が男子中学生の身体であるということを身に染みて感じさせるようだった。
するとそれまでオナニーを駄目だと感じていた事が嘘のように頭から消えていった。
(何で私、俺あんなに射精を嫌がったんだ?)
俺はいってしまった事によって頭を書き換えられている事に気づかぬまま、快感の余韻に浸った。
「はーはー、何だこれ! チン〇から出た快感が全身に広がる。ふう、男の身体すごすぎる・・・」


「お姉さんが俺の身体楽しんだんだから俺もこの身体楽しんでいいよね。というより正直お姉さんが寝ている間に何度かしちゃったんですけどね」
俺がいった姿を眺めていた彼は、俺が止める前の続きを始めだした。
「やっぱ、お姉さんのこのおっぱいでっかいな。女の人が胸で肩を凝るって聞いたけど、これなら納得ですね」
胸を持ち上げボインボインと揺さぶって遊んでいる。
「ああ、やっぱり気持ちいい」
俺はその光景を見ていて彼に伝えた。
「おっぱいの先っぽを掴んでみて」
俺はかつて前に自分がして得たポイントを説明した。
まさか自分の身体に入った男子中学生に教えることになるとは思ってなかったが・・・
「こうか? う! 男とは全然違うなこの快感」
先ほどまでの感覚とは違う快感に彼は悶え始めた。
「そう、クイッと捻るようにつまんでみて」
俺は更に気持ちよくなるポイントを説明した。
かつての俺は、男性では味わえない女性の快感を感じていた。
胸を揉んでさらに乳頭をつまんで悶える自分の姿は、俺を更に興奮させた。
(ああ、やりたい、したい・・・)
「うう、全身に電気が走ったみたいな感じ。女っていいわね、胸でも快感が得られるなんて」
俺が考えている事はおかまいなしに、彼は俺の身体を楽しんだ。
胸の探索を終えた彼に俺は次の指示を出した。
「次はクリトリスに手を入れてみて」
かつての俺だったら恥ずかしくて同性でも言えなかっただろう。だが今は自然に口から言葉出てきた。
「ああー! いく! いく!」
クチュクチュとした粘り気のある液体が溢れてくる。
「あん、あん、何だこれ?さっきとは比べ物にならないぐらい気持ちいい!」
喘ぐ自分の姿に、俺はまた股間を膨らましていた。
「ああー、凄く気持ち良かったわ、この身体。ふふ。気持ちが良い所を教えてくれてありがとう」
俺はその言葉に照れてしまった。
(なんだろう、お姉さんから褒められて凄く嬉しいような恥ずかしいような・・・)
「元俺の身体だからね、だから・・・」
「うふふ、私の身体でやりたいんでしょ?ほらほらそんなに顔を赤くしちゃって」
俺は返事をする代わりにコクっと頷くことしかできなかった。
(何だろう今まで普通に見てきて自分の顔を凝視できない・・・)
俺は男としての性欲と、男子中学生のうぶな感情に押しつぶされそうになった。
さっきまでの男口調な彼とは違い、女口調の今の彼女はなぜか自分にとてつもない感情を抱かせた。
さっきまで平気だったはずなのに、どうなってるんだ俺?
彼女に欲情しているし、恥ずかしいし・・・

「あらあら、私が女らしくしたら急にしおらしくなっちゃって。うふふ、可愛いわね」
その言葉に俺は更に緊張してしまった。
「俺の身体ってこんなに綺麗だったの?」
着ている服を脱いだ彼女の姿を俺は目に焼き付ける、美しい女体が今自分の目の前にある。
(ああ、あの胸もクリトリスもあの可愛い顔も俺のだったなんて、信じられない・・・)
(ほんの少し前まで自分の身体ったことが本当に信じられないぐらいだ・・・あれ、お姉さんっておれだっけ?俺は達也だろ・・・)
そんな考えを吹き飛ばすように、彼女は俺におっぱいを見せつけてくる。
「まず私のおっぱいから触ってみる?」
お姉さんは優しく俺に問いかけてきた。
「おっぱい触っていいの?」
俺は小声で聞いた。
「ふふ、元々君のでしょ、いいわよ」
彼女は優しく俺にOKを出してくれた。
俺は恐る恐るかつての自分の胸を触った。
「どう私のおっぱい気持ちいい?」
彼女の質問に、俺は「はい」とだけ答えた。
正直答える暇があったらもっと揉んでいる感触を楽しみたい。
俺は彼女の胸を揉む手に自然と力を入れていった。
「ああーそんなに乱暴に揉まないでよ」
「ごめん、なさい」
俺は申し訳なく謝る。
「女性にはもっと優しくね。乱暴な子はモテないわよ!」
彼女の優しい言葉に俺も応える。
「分かった。こう?」
俺は強く揉みすぎないよう細心の注意を払って触った。
「そうそう、いいわ、上手よ。あん!」

「上手くできた良い子にはご褒美をあげないとね」
そう言うと彼女は俺のチン〇を口に入れてしまった。
「う、俺の口で私のチ〇ポを・・・」
チュプチュプと音を立てて私のチン〇が吸われていく。
「あ、暖かくて、気持ちいい、です。お願いです。もっと!もっと!ああ・・・また出て来ちゃう!」
俺は腰を突き上げまたもや白い液体をまき散らした。
「はーはー、お姉さん凄すぎます」
俺はお姉さんのテクに完全にいかされてしまった。
「うふふ盛大に噴き出したわね」
「はーはー、ごめんなさい、また汚しちゃって」

「いいのよそんな事、それより気づいてる? 私達がさっきからエッチな事をすると、私達の精神がどんどんお互いの身体に馴染んでるの?」
「あれ? そうだっけ? 俺達って最初からこうだったんじゃ・・・?」
(俺は達也だろ? 何でお姉さんそんな事聞くんだ?)
「うふふ、そう、君はもう受け入れちゃったのね私を。なら私も受け入れないと・・・」
チュッと俺の唇に彼女の唇が重なった。
そうして思い出すのは線路に落ちた時の事だ、俺があんな事をしなければ・・・罪悪感が俺の頭を覆ってくる。
「お姉さんごめんなさい、あんな事しちゃって・・・」
俺は心の底から謝りたかった、例え彼女が許してくれなかったとしても。
「いいのよ。お互い無事だったし・・・」
俺はその言葉に人生を救われた気がした。
するとお姉さんはニコッと笑った。
「それに君は忘れちゃったかもしれないけど、とても素晴らしい物もくれたしね」
「素晴らしい物?」
「うふふ、これよ」
そしてお姉さんはまた俺の唇にキスをした。
さっきまでのソフトで軽いキスではなくディープキスだ。
自分の全てが変わってしまうような不思議なキスだった。
お姉さんが俺の口から全てを吸い尽くそうとするように、俺もお姉さんの口から全てを吸いつくそうと舌を伸ばした。
そしてそのまま俺はお姉さんのキスに全てを委ねた。
一生このままでいたい、俺はそう思った。


その後しばらくして俺達は無事退院できた。
あれからこっぴどく両親に叱られた。
でも俺達が無事だった事だけが何よりの救いだと言って最後は許してくれた。
色々あったけどこれで家に帰れる、また明日から友人たちと一緒に中学へ通えると思った俺は少しだけ気分が晴れた。

ただ一つ残念な事があるとすれば退院したことでお姉さんと別れてしまうことだった。
別れ際俺は彼女と別れの挨拶をすることになった。
「達也君、また会ったら楽しいことしようね」
お姉さんは笑顔で俺にそう言った。
俺はその言葉に顔を真っ赤しながら「はい、お願いします」と言って別れを告げた。
またお姉さんとやりたいな・・・俺は家に帰りながらそんな事を思っていた。


エピローグ

私は今日も大学へ行くための電車を待っている。
すると地元の男子中学生達がやって来た。
「達也君がいるって事はあの時のメンバーかな?」
私はニコっと彼らに笑顔を向ける。
「あ、あの時のお姉さんだ」
達也君が嬉しそうに私に気づいた。
「ちょ、ちょっと話してくる」
嬉しそうに私の方へ向かおうとするが、一人の少年がそれを止めた。
「待てよ達也、前にあんな迷惑掛けたんだから今日は俺が行ってくるぜ」
別の少年はニヤニヤとしながら達也君を制止する。
「何だよそれ?本当は自分が話したいだけだろ?」
つまらなそうな表情で達也君はしぶしぶ行くのを止めることになった。
「まあな、じゃ、ちょっと行ってくる。」
私の所へ達也君の代わりに別の少年がやって来るのが分かった。
「こ、こんにちはお姉さん」
少年は恐る恐る私に声を掛けてくる。
「あら? どうしたの? 達也君が来るんじゃないのね」
私は少し意外だった。
あの事件以降、達也君は私と会う度に嬉しそうに私に話し掛けていたのだ。

「いえ、今日は俺が話したいなと思って・・・・そのお姉さんって達也なんですよね?」
その少年は恐る恐る私に聞いてきた。

「あはは、元同級生から敬語で話しかけられるって良いな。あ、今は正真正銘俺の方が年上だから当然だけか」
俺は昔の俺の口調に戻して、かつての友人に向かって笑った。
「やっぱりそうか! じゃあ成功したんだな」
「ああ、この通りばっちりさ」
俺は自分についている大きな胸を服の上からつかんで友人に見せた。
「悪い、退院した後あの達也が帰ってきたんだけど、ほとんど前の達也と変わらなかったから本当にできたのかなと思って・・・」
どうやらあの後も、お姉さんは俺を無事にやってくれているらしい。
「うふふ、どうやらすっかり元お姉さんは馬鹿でエッチな男子中学生になっっちゃったのね」
俺は少し離れた位置にいる達也君に向かってニコッと笑いウインクをしてみせた。
すると彼は遠目からでも分かるぐらい顔を真っ赤にしていた。

「・・・なあ、もう元に戻らないのか?」
かつての俺の友人は寂しそうに俺に質問してきた。
「はあ、戻る? 馬鹿言うなよ。こんなに美人で成績も良くて1流大学に行って将来が安泰の人生捨てるわけないだろ。」
「自分達をよく見てみろ。毎日馬鹿やって成績も落ちこぼれで高校にだってまともな学校にも行けそうにない、そんな先の人生で何が待ってる?」
そんな俺の言葉に何か言いたげだったが、かつての友人はそれ以上何も言おうとはしなかった。
「そ、そうか・・・悪かった」
すまなそうに謝ってくるかつての友人に俺は少し興ざめした。
「むしろ俺はお前達に感謝してるんだぜ。あの時『あのお姉さんにこの入れ替わり薬を試してこい』という罰ゲームを受けたおかげでこんなバラ色の人生が手に入ったんだからな」

「そう暗い顔すんなよ、気が向いたらお前にも1回ぐらいやらせてやるから」
俺からのサービスの申し出に友人は何も答えなかった。

「そうだ、最後に昔の俺を呼んで来てくれるか?」
その時俺が乗る電車が到着した。
まだ出発予定時刻まで少しあるから彼と少しは話せるだろう。

「あ、お姉さんお久しぶりです。元気でした?」
達也君は嬉しそうに私の元へ駆けつけた。
「ええ。とっても元気だったわよ」
(元気どころか最高だったんだけどね)
「あの、俺に用って何ですか? また・・・」
達也君は上目遣いで俺におねだりをしくる。
「うふふ、残念。今日はお預けよ!」
私は意地悪く彼にそう伝えた
(まったく会う度にお願いしてくるんだから)
「そ、そうですか・・・」
断られた彼がかなり残念がってるのがすぐ分かった。
(本当、昔の私だったなんて思えないぐらいエッチなんだからもう・・・昔の私が見たら・・・!)
そこで私はニタッと笑い、面白いことを思いついた。
エッチな事ができなくて残念がる昔の私に、ちょっとしたサービスをしてあげたくなったのだ。
私は電車に乗り込むフリをして電車のドアに向かった。
「あの、お姉さん!もう行っちゃうんですか?」
後ろからでも彼が私の後ろ姿を目で追っているのが分かる。

そして急に方向転換をしてチュッと私は達也君の口にキスをした。
「うふふ、その身体で残りの人生を楽しんでね」
そう言うと、私は到着した電車にスッと乗り込んだ。
それと同時に電車のドアは閉まり大学へと電車が走り始めた。
後ろでは、昔の元俺が駅のホームで呆然と俺が乗った電車が遠ざかっているのを眺めている。

すると彼は突然スッと立ち上がり、私が乗っている電車を目掛けて走り出した。
その目はさっきまでのうぶな男子中学生の顔ではなく絶望と恐怖に自分が襲われている時の顔だった。
彼は走りながら何かを大声で言っているようだったが電車の音でその声はかき消されてしまった。
ただ私には彼が何を言っているのか分かっていた。
「私の身体を返して!」





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