もし、魂分身の術が使えたら、アナタは何をしますか!?
 作・しげお

(ビーチガール編)

 真夏の透き通った青い空!!
そして、燦々と降り注ぐ太陽!!
オレは今日も、こんなキモチの良い海岸を夕方、
仕事が終わって帰ってから散歩している。

 人気の海岸なので、若い水着美女が平日でもうようよいて、
色んな事を妄想するしながら歩くのが、オレの楽しみである。
でも、そんな妄想な毎日と今日でおさらば出来るのだ!!
オレは、とある友人から“魂分身の術”を伝授された。

 ちょっと前まで、その友人は仕事も上手くいかない、
女も抱いたこともないダメ人間だったが、ある日、雷に打たれたのが原因で、
魂分身の術が使えるようになったらしいのだ。

 女だってセールスだって顧客も取り放題の、ヤリたい放題。
そんな今では、会社の上司すらをも乗っ取り、自分のヤリたいように仕事をしているのである。
そんなヤツがオレに、この“魂分身の術”を伝授してくれた。

 伝授された瞬間、オレの今まで暗くて、ノイローゼでいつでも自殺してしまいそうな性格から、自分でも信じられないほど、明るい性格に変わり、ちょっとはカッコつけるようにもなった。

「相手にはこの“白いモヤ(自分の分身)は絶対見えないから、試してみなよ!!」

 と言うので試すべく、オレは今日も海岸を歩き、
とあるビーチガールに声をかけた。

「あの、今って時間ありますか?」
「すいません、私そろそろ帰らないと友人が待ってるので〜」
「いわ、そんな事言わずに・・・」

 その時から既に、オレの目の前には白いモヤのようなモノが見えており、
あとは、相手に憑依させるだけと言う、都合の良い状態でスタンバイさせている。

そして・・・・・・。

「あの・・・、時間が・・・、なくて・・・、あっ?・・・、あれ?・・・うっ・・・」

 オレが白いモヤをビーチガールに向かって憑依させると、
しばらく抵抗したかと思うと、気を失ったかのように、その場にキリツして、動かなくなった。

「「あれ?いったいどうなってんだ!?えっ、ちょっと、何で2人同時に!?」」

 やはり、ヤツの言っていた事は本当だったのだ!!
これで、ビーチガールの山根カスミさん(25際)はオレに乗っ取られたのである。

「友人が来るまでだいぶ時間あるので、そこのホテルでエッチしましょ?
ホテル代は全部、私が出すわ!!」
「おぉ!!マジか!!じゃあ、お言葉に甘えて、エッチな事しましょ!!」

 そして、オレ達2人は海岸のすぐ近くのホテルにやって来た。
オレの頭の中に、カスミさんの記憶がどんどんと流れ込んでくるので、
カスミさんの記憶を使って、ホテルにチェックインをして、ダブルベッドの部屋に入った。

「ヤツの言っていた事って、本当だったんだな!!相手を乗っ取れる上に、
自分自身は存在してて、ヤリたい放題だなんて、最高じゃないか!!」

 そう言ったカスミさんだが、実はこの手のセリフは全て、
オレがしゃべらせているのだ。だから、自分自身の会話と同時に、
相手にしゃべらす事も自分で考えないといけないので、少し大変だが、
すぐに慣れるだろう・・・!!

 そして、このままオレ達2人は熱い夜を過ごし、
憑依の状態から解放されたあとでも、カスミさんはオレの奴隷として、
一生生きていく事になるのである。




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