『他人の妹を頂く方法』
 作:嵐山GO


第7章 果てぬ想い(その4)

「お、お兄…ちゃん…はぁ、はぁ…息が…出来…ないよう。
重いよう…はぁ、はぁ」
「お、悪い」
 一哉が妹の身体から離れ、隣に身体を横たえた。
「はぁ、はぁ…時間はどう?」
「あ? …ああ…あと5、6分てとこ…かな」
「私…動けない…はぁ、はぁ」
「オレも」
 二人は精も根も使い果たし、短い会話を交わすのが
やっとという状態だった。


「でも、そろそろ出なきゃ」
 最初に上体を起こしたのは一哉の方だった。
「そ…そうだね…」
 兄がパンツを穿き、Tシャツを着るのを妹はベッドの縁に
座ってただ見ていた。
「おい、お前もそろそろ服、着ろよ」
「お兄ちゃん、着せて」
 妹が傍らに置いてあったショーツとブラを手に取ると、
兄に差し出した。

「甘えん坊だなー」
 服を着終えた兄が、妹を立たせてショーツに足を通させる。
 続いてブラを胸にあて、ホックを留める。
「スカートもお願いね」
「もう、まるで着せ替え人形だな」
 タグを確認しながら前後を間違えないようにスカートを
穿かせ、続いてタンクトップも着せた。


「行こうぜ」
「ゴミ箱いっぱいのティッシュはどうしようか?」
「構うもんか。どうせこの後、身体を戻したらセックス
するんじゃないか?」
「そう…だな。いっか?…」
ベッドのシーツを整えると二人は何食わぬ顔をして部屋を出た。
「じゃ、そっちに座って。俺はこっち」
「ああ」
 とり憑く前の状況を思い出しながら、二人は玄関に腰を下ろし
靴を履いた。
「靴紐を持った?じゃ、抜けるぞ。出方は説明したよね?
大きく息を吸って吐き出しながら、今入ってる身体を前に
押し出すようにするんだ。時間が差し迫ってるから、すんなり
出れるはずだよ」
「うん、お兄ちゃん。分かったよ」
「それはもう、いいって」

「うっ…!」
「あんっ! …」
 二人が抜け出ると兄妹が小さな声を漏らす。
「あ? あれ? 梨奈…」
「お兄ちゃん…もしかして私、眠ってた?」
「い、いや、そんな事ないと思うけど…僕も何だか変だ」
 二人は顔を見合わせて、きょとんとしている。
(上手くいったな)
(うん。気持ちよかったよね…あ、ヤバ! 口癖が残ってる)
 一哉と圭介は、玄関のドアの前に立って兄妹を見下ろしていた。

(一哉、帰るか?)
(もうちょっと待って。少しの間、二人を見ていたいんだ)
(別にいいけどな…もう抜け出したんだし)
 兄妹は戸惑った様子で、靴を脱ぐと言った。
「ねえ、お兄ちゃん、一緒にシャワー浴びるでしょ?」
「うん、そうだね」
「その後でエッチ…する? ママたちが帰ってくる前に」
「いいけど…」
「どうしたの?」
「何でだろう? すごく疲れてるんだよね…?」
 兄の方が腰をさすりながら言った。

「バトミントンしたからじゃないの?」
「でも、そんなに長い時間でもないし…おかしいな」
「じゃ、今日はやめる? せっかく梨奈、ちょっと感じてくるように
なったんだけどな」
 人差し指を咥えて、もの欲しそうに兄をねだる。
「大丈夫だよ。しようよ! シャワー浴びたら疲れも取れて
元気になるよ」
「うん!」
 二人は着替えを取りに各自の部屋へと消えた。

(やっぱりセックスしてたか。でも今日はちょっとどころか、
たっぷりと開発しておいたからなー。きっと梨奈ちゃん、
イキまくれるぜ。なあ、一哉)
(あはは、そうだね。でもさ、あの子はともかく兄はもう一滴も
出ないんじゃないか? オレが出しまくっておいたから)

(確かにね。それにしても女は強いよなー。あんなに、
やりまくったのに、まだやり足りないんだ)
(中身はお前だったけどな)
(やだー、お兄ちゃんたらー)
(その声で言うな! 気色悪い。鳥肌が立つ)
(じゃ、行こうぜ)
(ちぇ、いいなー。これからも毎日、あの二人はするのかなー?)
(なーんだ、やっぱり嫉妬してんじゃんか)

 こうして一哉と圭介の初めての実験は無事に終了し、帰宅に
着いた。

 あの兄妹がシャワーのあと、どうなったのかは誰にも
分からない。


(終わり)


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