かわいい男の娘は好きですか?(終章)
作:嵐山GO



あれからというもの、ボクらは何度となく女の子の姿で
身体を重ねた。
知佳はあの日以来、もう公園でエッチ相手を探す事を止め、
ボクとだけ交際してくれている。

二人でいる事はエッチ以外にも有意義な事が山ほどあった。
お互いに化粧し合って写真を撮ったり、服装のチェックや
買い物でさえ、一人では見落としがちな事もカバー出来た。

「ねぇ、お姉ちゃんも、知佳みたくシリコン製のオッパイにする?
これから夏はストッキングだと蒸れるんじゃない?」
「うん、実は私もそう思ってたとこ。でも高くないの?」
「私のは両方ペアで6000円くらい。小っちゃめだしね。
でも乳首もちゃんと付いてるし、吸盤みたいな構造だから
ノーブラでも落ちたりしないんだ。お姉ちゃんも同じのを買ったら、
一緒にノーブラでお出かけしようよ」
「やだっ、恥ずかしいもん」
(でもTシャツ姿で乳首勃てて、外出したら興奮しそう・・・)


「お姉ちゃん。今度さぁ、二人でガーターベルト着けてしない?」
「えー、私たちにセクシー系ランジェリーは似合わないと思う」
「でもさ、少女にガーターベルトっていうギャップが良くない?」
「そうかなー・・・考えとくわ」
「ガーターベルトってパンツ穿く前に着けるんだよ。知ってた?」
「そうなの?先なの?」
「後でもいいんだけど、ベルトをパンツに通す手間が面倒でしょ?」
「どういう意味?」
「パンツを先に穿いちゃうと、ストッキングが引っかかって
オシッコ出来ないの」
「あ、そっか。パンツ下ろせないんだ・・・」
「うん」

知佳はボクより早く女装に目覚めただけあって、ボクの
知らない事を沢山知っている。
おまけにチャレンジ精神が旺盛で何でも試したがる。

こんな事もあった。
「ねぇ、バイブなんか買ってどうするのよ?」
「お尻に入れるんだよ」
「お尻に?」
「うん。気持ちイイんだって。書いてあったの。すんなり
入るようになったらお姉ちゃんのペニクリ入れさせてあげるね」
「んー・・・待って」

ボクは知佳のスカートを捲り上げ、自分もスカートを穿いたまま
知佳の細い腰を掴んでアナルに挿入する姿を想像した。
「わぁ、いいかも・・・」
「でしょ、でしょ。でも今は無理だから、慣れたらね」
こんな感じでボクは知佳の始める事を、いつも感心して見ていた。



焼けるような灼熱の夏が訪れ、ボクらは水着を用意し海へ行った。
あまり人気の多くない場所。派手に泳ぐ事は出来ないけれど、
水遊びや砂浜で遊ぶだけでも十分に楽しかった。
二人とも姉妹のようなお揃いのビキニを着て、時間を忘れる程に
はしゃぎ回った。

「楽しかったー」
「うん。また来ようね」
何もかもが新鮮で衝撃的だ。
真夏のミニスカートはもちろん、可愛い下着のゴムの感触、太股に
纏わりつくスカートの裾、ブラの締め付け、それらはボクにとって
もう切り離す事の出来ない存在になりつつあった。
でも永遠の夏が無いように、ボクの女装生活もいつかは終わる時が
来るのだろう・・・。

それでもボクは今の、この一瞬一瞬がとても大切に思えた。
(いつかは止めなければならない時が来るかもしれない。
でも、その時までは一日でも長く女の子でいたい)
沈み行く夕日を背中に浴びて、ボクは知佳を抱き寄せキスした。

「お姉ちゃん、女の子同士でキスしてるから、みんな立ち止まって
見てるよ」
「いいじゃない。見せてあげましょ」
キスを止めると、今度は目頭が熱くなり涙が込み上げてきた。
「お姉ちゃん・・・どうしたの?泣いてるの?」
「ううん、何でもない。さ、帰りましょ」
ボクは知佳の手をぎゅっと握り、また歩き始めた。
いつまで、こうやって一緒に歩けるだろう・・・そんな事を
考えながら。


(終わり)


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