SKIN TRADE
 第1章・前編 The Girl is Mine(その1)
作:嵐山GO



 季節は春から夏へと移ろうとしている。
 心地よい風が頬を撫でるが、少しでも身体を動かそうものなら額を汗がにじむ頃だ。
「ふぅー、そろそろのはずだが・・・」
 一画に潜むように男が立っていた。足元には重そうな鞄が置いてある。
 たった今まで持ち歩いていたのだろう、汗が噴き出しシャツを濡らしていた。
 男の年齢は30台後半・・・背は高い方ではない、むしろ低い方だろう。
 が、他にこれといった特徴があるわけではない。2度3度、目を合わせても
忘れられてしまう、それ程までに普通という言葉の似合う中年。
 眼鏡も掛けていない、髪型に特徴があるという訳でもない、言葉遣いにも特徴や
訛りもない。 
 どこにでもいそうで案外、どこにもいない男。
 だがこの男こそが、この話の主人公、そして誰にもない特技を持ち備えていた・・・。

 男は腕時計を見ては正面の目的の家、さらには学生達が通学に使う歩道へと
何度も視線を変える。
「おおっ、来たぞ。あれだ・・・間違いない。あの子だ」
 目当ての女の子を確認すると、男は即座に身を隠した。

 女の子は真新しいセーラー服を着ている。まだ中学生になったばかりなのだろう。
 13歳か14歳か、身長は150センチ程、すらりとした外見だが決して痩せては
いない。むしろ若さと健康がはち切れんばかりに伝わってくる。
 子供から少女へと一段、階段を上った、そんな感じだろうか。
 彼女は女友達と手を振って別れると、すぐさま自宅へと入っていった。
「よし、帰ったな・・・では行くとするか」
 鞄を持ち上げ、男はゆっくりと歩みだした。

 ピンポーン・・・ピンポーン
 インタホンの呼び鈴を二度押すと、先程の少女から返事があった。
「はい・・・?」
「あのー、こちらにお届け物です。お家の方はおられますか?」
「いま、居ないんですけど・・・」
「ではあなたのサインで結構ですので、荷物を受け取って貰えますか?」
「はーい、ちょっと待ってください」
 インタホンは切れた。少女が玄関を開けてくれるようだ。
(ふふふ・・・やはり調べた通り両親は二人とも仕事でいない・・上手くいきそうだぞ)

「はい、すみません」
 ガチャリと音がして玄関は開錠され、まだ制服のままの少女が現われた。
「ご両親はお仕事ですね?」
「はい、今日は夜まで帰りません」
「そうですか、それは良かった。では、これを吸って下さい」
 プシューッ!
 男は後ろに隠しておいたスプレーのようなものを取り出し、少女の顔に向けて
吹き付けた。
「あ・・・な、なに?・・・んん」
 短く言葉を発しながら、少女は男の胸に倒れ掛かった。
「よし、よし、いい子だ。では中に入らせて貰うよ」
 少女を抱きかかかえながら、後ろ手で玄関を閉め鍵を掛けた。
「おー、いい匂いがする。可愛いな。もうすぐ、この顔も身体も全部俺のものに
なるなんて・・・待ちきれないな。さ、早く君の部屋に行こうね」

 ベッドに少女を寝かせ、玄関に鞄を取りに戻った。
(これがなければ何も始まらない)
 男は厭らしい笑みを浮かべながら、少女の部屋で鞄を開いた。
 中から出てきたのは、人間の形をした等身大の皮だった。
「さっそく着けてみるか。いつもの事ながらドキドキするぞ」
 自分の着ているものを全て脱ぎ、皮の入っていた鞄にしまい込む。
 次に男はよく伸びる薄いゴムのような皮の、背中に当たる部分を左右に開いた。
 そこへ足先から臀部へ、指先から胸部へと順に入れ、最後はうな垂れるように
ぶら下がった頭部の入り口を大きく広げ、それを被る。
「これからが、いつも窮屈なんだよな」
 数分後、開いていた隙間はぴったりと閉じ、さらに数分後、男の身体に変化が現われた。

 股間にあった膨らみは押さえられ、代わりに両胸が膨らむ。スキンヘッドだった頭部にも
見事な黒髪が現われた。
「ああー、何とか変身が終わったようだな。身長もうんと縮んだし手足も細くなった。
胸は・・・まぁ、こんなもんだろうな」
(今までにも何度か女に化けてきたけれど、今回は以前から狙っていた少女だけに興奮も
ひとしおだぞ)
 なんと鏡に映った男の姿は今、ベッドで倒れている少女の姿と同一のものではないか。
「さてと、ここまできたら失敗は許されない。この皮は一度着たら数時間後には
外皮が緩みはじめる。そうなったら美少女から一転して皺だらけの婆さんだ」
(なんとか近いうちに改良出来ればいいのだが・・・)
 どうやら、この特殊な皮を作り出す技術は男が開発したようだ。それについては又、
機会がある時に、この男の口から語って貰うとしよう。
「さて、せめて下着くらいは着けるかな。この子が着ているセーラー服を脱がして
着てみたい気もするが・・・ま、いいだろう。楽しみは他にもある」

「ん・・んー・・・んん・・・はっ!」
「やあ、目が覚めたかい」
「あっ!・・・あ・・あなた・・・は・・だれ・・ですか・・・?」
 男は少女の、か細い声を聞くために中腰の姿勢で耳を傾けた。
「驚いてるようだね。無理もないか、この顔も身体も君とまったく同じなんだからな。
これはね、特殊な素材で作った皮膚なんだよ。この皮膚を着て君に化けてみたのさ。
サイズとか調べるのにちょっと時間がかかったけど、でもほぼ完璧さ。どうだい、
誰が見たって君だと思うだろ?」
 男は外見は少女と瓜二つだが、声だけは男のままで言った。

「誰・・なん・・ですか?どう・・して・・こんな・・こと・・」
「無理して喋ろうとしない方がいいよ。薬が効いているんだ。暫らくは身体も動かせないし
言葉も上手く話せないはずだ」
 少女の「誰なのか」という質問には答える気はないようだ。
「あ・・うう・・ひど・・い・・なぜ・・こんな・・」
「あまり口を開かない方がいい。ますます痺れて、その内に声も出なくなってしまうからね。
大人しくしていれば、すぐに元に戻れる」
「・・・・・」
 少女はうっすらと目に涙を溜め、訴えるように男を睨み続けた。


「今日、デートなんだろう?知ってるよ。同じクラスで幼なじみの葛城健一君。
調べたんだ。彼の事も君の事も全部ね。そこで俺・・いや私が君になり代わって
デートに行ってきてあげようという訳さ。なーに、心配しなくても大丈夫。君たち
二人の仲を裂こうってわけじゃない。むしろその逆だ。二人の仲を一気に縮めてあげるよ」
 そう言うと男は立ち上がって、おもむろに下着姿を見せつけた。
「どうだい?この下着。セクシーだろ?この幼児体型にはまだちょっと不似合いかも
しれないけれど、年頃の男の子を誘惑するにはバッチりさ」

 上下揃いのその下着は、思春期の女の子が大人の女性に憧れてちょっとだけ背伸びを
して買うようなデザインだった。
 フリルやレース可愛くあしらっていても、ショーツのサイド部分はかなり細い。
 陰毛も無いに等しいので男なら興奮の度合いは、いやがうえにも増すことだろう。
 ブラにもレースがふんだんに使われているが、すぐにでも乳首が見えそうな大胆な
カットが施してある。
「んんん・・・!」
「ふふ、何となく察してきたのかな?そう、今日この身体で健一君を誘惑してホテルに連れ込みセックスするんだ。避妊なんかせずに、たっぷりと中に出して貰うよ。いいだろう?
でも、きっと明日からは彼は君にぞっこんだぜ」

「む・・り、絶対・・に・・すぐ・・ばれ」
「大丈夫、ばれないよ。そこに掛けてある君の可愛いワンピースを着ていくし・・あっ、そうか!
この声か。そうだね、こんな男声じゃ確かにすぐにばれるね。じゃあ、そろそろ君の声を
貰おうかな」
 男は少女に近づいて、人差し指で顎を持ち上げるとキスをした。少女は懸命に抵抗を
試みるが全く無駄な努力だった。
「ふふ、どうかな?君と同じ声になっただろう?喉の部分に特殊な装置が入っていてね、
相手と唇を重ねることによって、同じ声帯を作り出すことが出来るんだよ」
「っ!」
「さ、今度こそ完璧よ。誰が見ても私と貴方は同一人物にしか見えないわ」
 男は声に合わせて、喋り方も女性らしいものに変えた。

「どう?私は水城結菜(みずきゆうな)。皆からはユナって呼ばれてる。もちろん健一君
からも。でしょ?うふふ」
 自分の長い髪を手に取り匂いを嗅ぐと、今度はもう一方の手でブラの上部から
手を差し入れ胸を揉んだ。
「あふっ・・・」
 その姿はあどけなさに、妖艶さという全く相反したものが重なる。

「私ね、若くて可愛い子が大好きなの。だから、あなたみたいな可愛い子になりたいなって
ずっと狙ってた。分かる?分からないわよね。でもいいの。こうやって私は水城結菜に
なれたんだもん。ねぇ・・エッチしよ」
 結菜に化けた男は、そのしなやかな指先で制服のプリーツを捲り、ショーツの上から
一番敏感な部分に触れた。
「気持ちよかったら小さく喘いでもいいのよ。大丈夫、女の子同士だもの。感じるところ
くらい知ってるわ。じゃあ、もう一度キスからね」
 
 傍から見ればそれは女の子同士の絡みにしか見えない。そう結菜に化けた男のことさえ
知らなければ・・・。
「可愛いおっぱいね。うわー、乳首も綺麗なピンク色。ふふ、私もあなたと同じものを
持っているのに、こんなこと言うなんて変よね」
 セーラー服の脇のファスナーを上げ、ブラを外すと大切そうに乳房を包み込みながら、
乳首を吸った。
「あ・・う・・んんん・・ひど・・い」
「私を見て。ほら、私はあなたなのよ。あなたの抑えている欲望を吐き出させてあげる。
恐くなんてないわ。だってあなたの事が大好きだもの。お願い、今だけ私のものになって」

 指はすんなりとショーツのゴムを潜り、熱を持った秘裂にぴったりと押し当てられた。
 クチュ・・・
「い・・いや・・やめ・・て・・」
「うそっ、もう濡れてるじゃない。いやらしい子・・・いいわ。私が舐めてあげる」
 スカートをさらに捲って、ショーツを脱がし秘部に唇を当てて蜜の味を確かめる。
「あ・・駄目・・・やめ・・て・・」
「ああん、とってもいい味。私ね、あなたの事ずっと見てたの。ホントよ。だから
今日はこんな事してて、すっごく興奮してるの」

 小さな肉芽を吸われ、膨らみかけの両乳房も揉まれている。いまだオナニーさえ
未経験の少女だったが、ここにきてうっすらと顔が上気してきた。
「ふあ・・ああ・・いやぁ・・あん」
「ほんと、思ってたよりうんと可愛い。もう我慢できない・・・食べたくなって
きちゃった。いいでしょ?ほら、こんなに濡れてるんだもん」

 結菜に化けた男は、いったん離れ立ち上がると自分の穿いているショーツの太股の
部分のゴムを片方に寄せながら、股間を弄るようにしてゆっくりとペニスを取り出した。
「ほら、すごいでしょ。私ね、格好は女の子だけどオチンチンも出せるの。えへ、
ちょっと恥ずかしいけど見て。ねぇ、見て」
 少女の身体にまったく不釣合いなソレは、すでに先端が濡れ見事に勃起していた。 
「ううっ!・・いや!・・やだ!・・おね・・がい・・だか・・ら・・」
「嫌よっ。やめないわ。だってコレ、あなたのその小っちゃなおま○こに入りたくて
仕方ないんだもん。いいでしょ、お願ーい。いっぱい締め付けてね」

 男は少女の着ているセーラー服を脱がさないまま、ゆっくりと挿入を始めた。
「あ・・痛・・っ!・・いや・・いやっ・・やー!」
「ああー、すごい、いいわ。やっぱりキツイのね。オチンチン千切れちゃいそう。
いい?じゃ奥まで入れてあげる・・あなたの処女を私に頂戴。あふっ、んんっ!」
 抵抗出来ない少女はただ全てを受け入れるしか術が無く、それは小さな出血と
共に始まった。
 こうなったら、さっさと終わらせて目の前から、自分と同じ顔を持つこの人物が
消えて欲しいと願うばかりだった。

「あー、なんて気持ちがいいの。こんなの初めて。こんなにオチンチンを締め付けて
くるなんて。それに襞(ひだ)のざらざらも使われてないから硬さが調度いい・・・。
んんっ、あーん・・凄いーっ、どうしよう。狂っちゃいそう!」
 股間がペニスで繋がっているが、それは傍からは見えない。ただ二人の、そう双子の
姉妹が愛し合っているようにしか見えないのだ。
「・・うっ・・あん・・ああ・・」
「ごめんね、結菜・・私、もう我慢出来ないから腰、動かしちゃう。だってホントに凄い
んだもん」

 男は抽送を始めた。最初は気を使うようにゆっくりと動かしていたが、すぐに
耐え切れなくなったのだろう、両手で少女の腰を掴むと激しく突きたてた。
「あっ・・あうっ、・・ああ・・いや・・もう・・」
「いやん、最高っ!凄すぎーっ。もう、やーーん。まだイキたくないけど・・ね、いい?
もう駄目。我慢出来ないの。イッてもいい?いいでしょ?イクね」
 男は体位を変える事もなく、さらに激しく腰を打ちつけた。
 フリフリの可愛いショーツを穿いたままの、小さなヒップが激しく上下しピストンを手伝う。
「あーーん、駄目ーーーっ!もうイクーーーっ。イッちゃうーーん。いっぱい出すから
全部受け取ってね」
 最初、少女は男が発した言葉の意味を理解出来なかった。だがそれが「出す」という
言葉から「妊娠」という単語に繋がった時、再び拒絶を露わにした。

「あっ・・駄目・・・やめ・・て。。中で・・出し・・ちゃ・・嫌・・・いやあ・・」
 精一杯の声を出した筈だったが、結局は囁くような声が途切れ途切れに漏れただけだった。

「その顔・・すごくいいの・・可愛い。その小っちゃなお口と顔に私のミルク、たっぷりと
かけてあげたいけど、やめとくね。だってこの後、私の中にあなたのボーイフレンドの
ミルクをいっぱい貰うんだもん。だからやっぱりあなたの中に出してあげる。
ね、受け取ってね。ユナの精一杯のプレゼント」

 少女の中でペニスの雁が張り出し、小刻みに痙攣を始めた。もう射精が近い!
「あー、だめー、いやーーーん!イク!もう駄目!ユナの身体でイッちゃうーーーっ!」
 乳首や首筋、唇にキスの雨を降らせながら叫んだ。
「あっ、あん、あん!出る、ユナのオチンチンからミルクいっぱい出そう。だって
今日の為にオナニーずっと我慢してたんだもん。あー」
 言葉を発することによって少しでも射精を遅らせようとしたが、いよいよ限界だった。
 以前から、この少女になりたいという願いが叶った今、終始結菜になりきってセックスを
楽しんだ。そして今、ついに長い髪を振り乱して射精の瞬間を迎えた。
 身体中がブルッと震え、ペニスがこれ以上はないというほどに膨らんだ。
「あーーーーん、いやーーー、イクーーー、出ちゃう、出ちゃう、イッちゃうーーん。イク、
イク、イクーーっ、んっ!あんんっ!あー、いやー、まだ出る・・う、うんんっ!」
 男は最後の最後まで少女のように可愛い声で悶え、ついに念願の絶頂を果たした。

「あんっ、イッちゃったー。すっごいよかったよ。さすがに中学生ね。キツくって、あっと
いう間にイカされちゃったもん」
 男は自分の尿道に一滴も精液を残すまいと、ペニスを絞り込むようにして握りゆっくりと
幼膣から引き抜いた。
「うん。全部残さずに入ったみたいね。オッケー。じゃ、このままショーツを穿いて。
零(こぼ)さないように気をつけてね」
 そう言いながら傍らにあった元の純白のショーツを手に取り、少女に穿かせた。

「さて、じゃそろそろ私も準備しないとデートに遅れちゃう。ワンピース借りるね。
あ、その前にコレはもう、しまわないとね」
 男はペニスを股間に隠すと、ブラとショーツを直し、掛けてあったワンピースを着た。
「どう?似合う?可愛いよね、これ。私にぴったり。うふっ」
 洋服を着て髪をとかし、少女に見えるようにくるりと回って見せた。
「ん・・・うー・・・っ!・・」
「大丈夫、心配しないで。上手くやるから。私が帰るまで、この鞄預かっといてね、
お願い。その中にはあなたの身体のデータが入ってるの。もっとも、もう必要なくなるけど」

 鞄に掛けた鍵を確認した後、少女に向けて小さくウィンクした。
「じゃ、帰ったら報告するわね」
 レースの折り返しの付いた真っ白なソックスを履いて、家の鍵の入ったポーチを手に
男は部屋を出た。
 少女はその後も、懸命に自由を取り戻そうと躍起になったが、男の言ったように
もがけばまがくほど痺れが増していき、ついには力尽きた。

                                               (続く)


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